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スカーレッドライダーゼクスゼノン Scared Rider Xechs XENON

[著]永川 成基  [絵]pako[原作]レッド・エンタテインメント

紅の世界と呼ばれる異世界から現れた侵略者“ナイトフライオノート”。世界を救えるのは、若き司令官・萌黄アキラ率いる第五戦闘ユニット・SR5だけ―のはずだった。過酷な戦いの果てに、次々と命を散らしてゆくライダーたち。世界が終わろうとしたその時、アキラがとった選択とは!?人気キャラクター甘粕ソーイチロウの目線から語られる、もうひとつのスカーレッドライダーゼクス。 (「BOOK」データベースより)

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 音楽学院の受験会場で異世界生命体ナイトフライオノートの襲撃に遭い、“音楽”を奪われた甘粕ソーイチロウ。事件の際に出会った対ナイトフライオノート特務機関LAGの教官・萌黄アキラに惹かれ、琉球LAGのスカーレッドライダー候補となることに。彼女の率いる第五戦闘ユニットは様々な戦果を挙げていくが‐‐PS2/Vitaで発売されたニチアサ特撮ドラマみたいな乙女向けゲーム「スカーレッドライダーゼクス」の“一世代前”の戦いを描いた前日譚ノベライズ。

 世界観設定上のネタバレを盛大に含むものの、ゲーム本編以前の話となっているのでゲーム版をやっていない人でも楽しめると思います。本編の真エンディングに続く為のひとつの挫折の物語なので、「Fate/ZERO」とFate本編の関係性に近いかも。あと、原作ゲームからして乙女ゲームの体裁取ってるけどあんまり乙女臭くなかったのが、視点が男性のものになって大体「乙女ってなんだっけ」って感じになってます!乙女ゲー苦手な人にも安心しておすすめできる雄臭さです。

 ゲーム版の特典についてきた用語集がゲームには使われない設定てんこもりで物凄い濃厚で、その設定でもっと話読みたい!と思っていたんだけど、そのゲームで出てこない設定がガッツリ盛り込まれた物語でとてもおもしろかった。第五以前のユニットのこと、決して暖かいばかりの関係ではなかった人間とサブスタンス達の歴史、あの人やこの人の事情など、ゲームをやっていなくても楽しめるけどゲームをやっていると更に楽しめる。特にレスポールに関しては後にゲームで果たす役割を思うと……。

 第五ユニットの、第六ユニットとは似たようでどこか違う空気もとても楽しくて、彼らの戦いをもう少ししっかり見たかった気がする。ヒジリが彼らの元に保護された直後のやりとりとか凄く暖かくてきゅんとする。

 何より衝撃だったのがゲーム本編ではメインストーリーには絡んでこないけど何か事情を知っている雰囲気であったソーイチロウの第五戦闘ユニットでの立ち位置か。赤の世界と青の世界の両方から“選ばれた”が故にどちらに行くことも出来ず、大切な物を二度も奪われたソーイチロウ。そんな彼が、“彼女”を手に入れることが叶わないと知りながら、それでも第六戦闘ユニットの補佐官としてLAGに関わり続けるのが凄く好きです。

 それにしても、甘粕のヒロイン度も大概にひどいけど、エピフォンのヒロイン度が更に突き抜けててすごいな!!だいたいエピフォンのせいで赤の世界と青の世界の衝突が起きてる気がするの、多分気のせいじゃないよな!!

甘城ブリリアントパーク8

[著]賀東 招二  [絵]なかじま ゆか

甘城高校の文化祭目前! そしてEXODUSの真意とは?文化祭の出し物を仕切ることになってしまった西也は、一方で、いすずとともに甘ブリの新天地を求めて関東一円を巡っていた。ふたりは、かつてテーマパークだった廃墟に行き着くのだが、そこで衝撃の事実が判明し!?(公式サイトより)

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 学校でもパークでもどこか様子のおかしい西也を心配するいすず。そんなさなかに西也から不動産物件の下見に誘われる。そこで待っていたのは廃墟となったテーマパークで…?というお話。

 ラブコメ的にはいすず回。というか、いろいろあってラブホでどぎまぎする西也といすず可愛すぎるし、いい空気だったところを中断されて色々“我慢”してる西也がDT男子高校生すぎてクソ可愛い。っていうかこの手のイケメン系ラノベ主人公がここまで赤裸々に男子高校生らしい性欲に満ち溢れた本音をぶちまけることってあっただろうか!ご褒美ですありがとうございます!!!!!

 ストーリー本編としては、可児江西也、迷走するの回。300万人を呼びこむのが無理ならいっそ甘城企画との契約自体をなしにしてしまえ、という“逃げの一手”を打とうとするんだけど、どこまでも前向きな一手ではないのが伝わってくるというか、そもそも6巻で300万人呼びこむ事がラティファの呪いを解く鍵みたいな話出てなかったっけ?

 移転を見据えて訪れた廃墟遊園地でのひとつの出逢いと、そこで示唆されたあまりにもおぞましい『成れの果て』の姿にぞっとする。加齢による衰えの話もそうだけど、自分の体力・人材含めていつまでも同じではいられないというのは本当に年をとってみないとわからない話で、それを想定できない西也はよくも悪くもまだ“子供”なんだなあと。語られる未来予想図が実際にあまりにも「どこにでもありそうな話」でぞっとするし、もう読んでくだけでしんどい。アラサーには刺さる話だった……。

 そんな「地獄」を体験しながらも思いを同じくする仲間に出会ったこと、そして『アニムス』や『消滅(モノス)』について深く知れたことは僥倖だったのか。遺された想いを背負い再び立ち上がる西也の姿が印象的でした。

 6巻くらいから表面化していた「甘ブリに300万人呼びこむ」という不可能に近い先の見えない命題に一区切りの回答を見出した終わり方だったのと、学校でのあれこれ含め一件落着して本当によかった。7巻もドタバタやってたけど、西也だけ明らかに様子がおかしかったからなあ。明るい展望も少しだけ見えてきて、次はドタバタ話のほうも楽しみにしてます!



 ところで余談ですが甘ブリのメディアミックスがアニメ・コミカライズどちらも原作の途中でif分岐して原作とは別展開で終わりそうで凄くメディアミックス追ってない人に布教したい。

B01CZALACY アニメでは1巻終盤に西也が小火騒ぎを起こす前の所で分岐するけど、コミカライズは6巻途中の栗栖との対峙前で話が分岐したので、どういう終わり方をするか今からとても楽しみなのです。どちらも分岐条件に「事情をモッフルに話す」が入ってるのがいろいろな意味で面白いと思うんだけど、原作ではまだまだ王統の魔法の話なんかはモッフルには伏せられているのでまだまだこじれるんだろうな。モッフルがいつその辺の事情を知ることになるのか、とても楽しみです。

甘ブリのアニメDVD6巻は「甘ふも」時空からやってきた栗栖氏と西也(+いすず)の掛け合いコメンタリーも最高に良いよね(狂ってて)

ラノベのブックガイド企画本を出しました

 ブログの更新が殆ど出来なかった時期で宣伝せずじまいだったのですが、割りとツイッター等で小説ジャンル二次創作の話や作品布教の話で盛り上がっていたので便乗して2015年10月の「COMIC CITY SPARK10」内で発行したラノベのブックガイド本についての宣伝を今更します。

 同日にラノベプチオンリーを主催させていただいたのですが、実を言うと元々は「小説サークルさんやラノベ好きの二次創作者の人たちが今推してる作品を知りたい!なにか企画できないかな」というのがきっかけでした。何度か他のかたのブックガイド本を読んだり、友達のブックガイド企画に参加して、こういうのをもっと広い形でやってみたいと思ったのもあります。ペーパーラリーみたいな企画が良いのではないか、でもそれだと配置が離れたサークルは把握し辛い。それなら企画本としてまとめてしまおう。一緒にプチオンリーして企画本はイベント企画にしよう!!みたいな流れ。

 かなり突発的な企画だったし、日取りが電撃文庫秋の祭典と激突したりして万全な体制でのぞめているとはいえないのですが、おかげ様でプチオンリーは主催含め31サークル、企画本には25名(挿絵のみの参加も含めますと27名)のかたにご参加いただきました。

 そんな、問題の企画本がこちらです。
 このラノのぱkオマージュっぽい表紙ですが、ランキングはやっておりません。


企画本紹介ページはこちら

 →通販:COMIC ZIN / BOOTH

 書店委託サイトの情報等からだと伝わりづらいので補足しますと、タイトルの通り「あなたのおすすめの一冊を教えて下さい」というテーマで、好きな作品を1〜2Pの分量で自由な形で紹介してくださいという趣旨の本です。ネタバレと“ラノベ”の定義は参加者様の裁量で、未読者を想定した内容の全年齢向けで、という形でお願いしました。結果として、ブックガイド・感想・考察のようなテキスト主体の物からイラスト、マンガ、小説等バラエティに富んだ形式の作品が集まりました。


そして収録タイトルがこちら↓


(クリックで拡大)


 プチオンリーとの併催という点も踏まえて作品が偏るかな?と思ったのですがある程度の偏りはあるものの、最新の定番タイトルから往年の名作、少女小説、ノベライズ、一般文庫レーベル、Web小説までかなり幅広い感じで収録されてます。私は「甘城ブリリアントパーク」で2P書いています(大体アニメと原作1巻ラストと6巻の話です)


 作品を知ってる人にはニヤリとできる、知らない人がちょっときになる作品をみつけられる(かもしれない)楽しい1冊となりましたので、発行から半年以上が経ってしまいましたが気になる方はぜひ手にとって見ていただければ幸いです。というか友人からは割りと褒めてもらえたのに部数読めなくて刷りすぎてしまったのでもっとたくさんの人に手にとって貰えたらなあと!下記の通販サイトの他、とらのあな様でも時々取り寄せ販売という形で置かせて頂いているのと、あと夏コミに受かれば夏コミで俺と握手!!も出来ます。どうぞよろしくお願いします。

 →もう一度通販はこちらから:COMIC ZIN / BOOTH

 なんか本当に宣伝自体が凄く今更なんですけど、未読者むけプレゼン企画本凄く楽しかったのでこういう企画あってもいいとおもうのですよねというか1冊にするほどじゃないけど1〜2Pなら、マンガや小説じゃなくていいならって人は結構居ると思うので。そしてほんと色々大変なところはあったのですが楽しかった!ので!そういう作った側の楽しさとか作品紹介ページからひしひしと伝わってくる情熱とか作品愛とかそういうの感じて貰えたら幸いだな、と思います。


 ついでに分厚さと情熱だけが売りのバカテス再録本もだしましたついでにこちらもよろしくお願いします(便乗商売)A6サイズのカバーと帯つきの本だよ!!


 →通販はこちらから:とらのあな / BOOTH

(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜最終決戦はついに離婚!?〜

[著]夕鷺 かのう  [絵]山下 ナナオ

頭髪は寂しくなったけれど、無事に夫クロウと再会できたフェル。束の間の甘ーい休息に心は休まるやら乱れるやら。そんななか、ようやく妖精王とクロウの弟パールの魂を引き離す方法が見つかった!妖精王の悲願が叶う“ワルプルギスの夜”までに救い出そうとするが、それはフェルの身を危険に曝す賭けで…!?離婚の期限を前に(仮)夫婦、天下分け目の大一番!! (「BOOK」データベースより)

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 なんとか無事にクロウと再会することが出来たフェル。だが、能力を使いすぎたせいでフェルの目は妖精王と繋がってしまい、いつ連れ去られてもおかしくない状態に。でも、妖精王の中でパールの魂がまだ生きていることがわかり…!?というお話。

 一難去ってまた一難、ついに妖精王との最終決戦という展開なんだけど、久しぶりに腹を割って話しているクロウとフェルのやりとりがとても楽しかった。特に正体バレからのやりとりは久しぶりに掛け値無しにニヤニヤしてしまって表情筋がヤバイ。以前よりも甘さの加わったやりとりが可愛くて仕方なかったです。

 最終決戦は最初から最後までリグレイン妃の独壇場だったなあ。醜い執着から歪んだ愛情を向けることしかできなかったウーベル帝の行いに、気高く強かったリグレイン妃が少しずつ心折られていくのが心痛く、復讐に囚われた彼女がフェルとの出会いや強くなった息子の言葉に少しずつ気持ちを変化させていくのにはぎゅっとなる。最後の息子との対峙での言葉に、彼女の精一杯の“母親”としての情を感じて思わずほろりとしてしまった。しかし終わり方に関しては色んな意味でウーベル帝の一人勝ち感あるな……。

 しかし、ようやく全ての障害を取り払ったところで、それでもたどり着くのは「そこ」なのかー!どっちにせよシレイネとして婚約してしまっている以上どこかで関係性をリセットしないと円満解決にはならないんだけど、クロウがあの場面で「フェルディア」じゃなくて「シレイネ」っていってるのは絶対伏線なんでしょう!?後1冊使って最終的にはくっつくんでしょう!?って思いながら続きが気になって気になって仕方ない。

(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚しちゃうと絶体絶命!?〜

[著]夕鷺 かのう  [絵]山下 ナナオ

夫クロウの遺髪を見せられても、「あの人は死んでない!」と強がるフェルだが、実際の安否は不明なまま。皇宮ではいつの間にか、クロウが『いなくなった皇子』となり、弟のパールとフェルが結婚したことになっていた―なんて冗談じゃない!反撃に出るフェルだが、パールもおぞましい計画を立てていて!?離れてこそ夫婦の絆が試される!激動のニセ未亡人(?)生活第10弾! (「BOOK」データベースより)

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 王宮に連れ戻されてしまったフェルを待っていたのは、クロウが死んだという知らせと、クロウのことを忘れてしまった人々の姿。しかもフェルはパールと婚約したことになっており、「ユナイアへの人質」という立場で軟禁されてしまう。心折れそうになりながらも思わぬ人の助けを得て、クロウが護ろうとした人々を自分が護ろうとクルヴァッハに向かうが、そこではパールが更に恐ろしい計画を立てており……。

 前巻の裏切りに次ぐ裏切り、絶体絶命四面楚歌の展開から少しずつ僅かな希望を繋いでひっくり返していく展開が楽しかった!これまで登場したキャラクターたちが次々と駆け付けてくるオールキャラ勢ぞろいの展開がまさしくクライマックスという感じで楽しい。特にガウェイン先生の登場は正直とても期待していたけど、一緒についてきた人が男前すぎて腹筋がヤバイ。フェルの男前な性格は彼女だけが持つものと思っていたけど、卵が先かヒヨコが先か状態ではあるけど、思った以上に似た者同士だよなこのひとたち……。

 すっかりお互いに感化されちゃってる黒龍夫妻が離れていてもお互いの存在を感じさせる展開にいちいちにニヤニヤしっぱなしだったけど、ふたりの交わした誓いがが事実上の最終防衛線となり、ふたりの過ごした日々が偽りの記憶を与えられた人々の呪毒を打ち破る展開には震えた。伏線もキャラクターも出し惜しみなしの総力戦が楽しい。

 全体的にヘタレだったユアンが全部持って行った感じ凄いんだけど、ずっとまえからお膳立てされていたミゼとジルフォードの関係には泣かされずにはいられない。最後の最後でどうしても私情を捨てられなかったジルフォードと、そんなジルフォードの事を一途に思い続けるミゼの関係が本当に良かった……。

 一応事態をすべてひっくり返してひと段落……と思いたいけど、最終的な決着はついていないし、まだまだ波乱が起こりそうな終わり方で、続きが気になる。

(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚のはずが大波乱!?〜

[著]夕鷺 かのう  [絵]山下 ナナオ

亡くなったはずのクロウの弟・パールが生きていた。誰か的確なツッコミを!!な状況にたじろぐフェルだが、皇宮の人々は彼が当たり前に存在するかのように過ごしている。何とか正体を探ろうと試みるも、事態はエルラント帝国がフエルの故国ユナイアの侵攻にまで発展。このままではフェルが人質に…。戦争を止めるには“アレ”をやるしかって、旦那様、本気ですか―!? (「BOOK」データベースより)

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 亡くなったはずのクロウの弟・パールが生きていた!?しかも、ただ生きていただけじゃなく、クロウもお城の人たちもパールが死んだという話自体が嘘だったかのような態度を取ってくる。混乱しつつもそれがとある呪毒の影響だということを突き止めるが、事態はどんどん悪化して…!?というお話。

 エルラント王宮に来てからの展開ってたいがいホラーでしたけど今回のホラー感あらゆる意味ですごい。味方を得たと思えば返す口で裏切られ、誰が操られているかわからない、味方の誰を信用したら良いのやら分からない展開が凄かった。しかも呪毒で操られている者達は、普段はいつも通りの態度を取ってくるのでたちが悪い。

 特に終盤のあの人やらその人に関しては途中であれだけ解りやすいお膳立てがあったのに、状況があまりにもフェル達に対して不利すぎてもう裏切ってない前提で読まざるをえなかったというか(※あくまで個人の感想です)、あれだけフラグが立ってたのに終盤の展開を「衝撃の展開」として読めるのが凄いなぁと。

 これまでどんな状況でも味方だった、頼れる味方の面々までもが敵に周るという足元が揺らぐような不安感、フェルを襲う妖精王の影、心の弱いところを突かれて今までになく疲弊していくクロウと本当に気の安らぐ暇がない展開でハラハラしっぱなしでした。面白かったけどほんとうにホラーだ……。

 色んな意味で凄い所で終わってしまったので早く続きが読みたい……。

あなたの好きな人について聞かせて

[著]小林 典雅  [絵]おおや かずみ

コンビニバイトで生計を立てつつ作家を目指している路郎は、ある日ネタを考えながら歩いていて車に轢かれかける。間一髪で路郎を助けてくれたのが、コンビニの客でもある高校生の蓉平だった。自分のせいで骨折して入院する羽目になった蓉平に、何かお詫びをしたいと申し出たところ、彼は毎日SSを書いて持ってこいと言い出して!?ツンデレ毒舌高校生と天然お人好し小説家の卵の、年下攻スイート・ダイアリー。 (「BOOK」データベースより)

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 カルチャースクールの小説のお題を考えていて車に轢かれそうになった路郎をかばって怪我をしたのは、バイト先のコンビニに良く現れる常連客の高校生。お詫びのために病院を訪れると、なぜか慰謝料の代わりに毎日SSを書いてお見舞いに来るよう求められる。それ以来、彼の出す「お題」に振り回されるようになって!?というお話。

 ツンデレ高校生×作家志望のDTフリーターな年下攻BL。強引なように見えて好意駄々漏れでまったく余裕のない蓉平が、路郎を振り回しているようでその実そのマイペースな天然ぶりに振り回されてるのが微笑ましくて仕方なかった。突然お風呂での“介護”をねだってみたり、小説のお題がだんだん露骨に直球になっていったりするんだけど全く気づいてもらえてないのが大変に不憫可愛い。その裏でそれなりに路郎もほだされてたりするんだけど、お互いに気づいてないすれ違いっぷりが凄まじく可愛かった。

 そして路郎による作中作がじわじわと笑いを誘ってくる。正直いろいろな意味で作中作に期待していたのですがシャンプーとコンディショナーとトリートメントの擬人化三角関係がシリーズ化して新キャラ増えて四角関係になるのとかもう笑うしかない。擬人化三角関係シリーズと鼻パックシリーズは普通に全部読みたいレベルなんだけど、路郎自身の気持ちが作中作にも反映されていくのがどこかこそばゆく、笑いながらもキュンとなる。終盤のやつなんか完全に超長編ラブレターですよね……。

 もうなんか期待通りの微笑ま可愛いバカップルものだったんですが、個人的には終盤に路郎の親友・大川と蓉平がどんな会話をしていたのかとても気になる。出番は少ないけど、大川のあくまで良き理解者でいてくれて「路郎の親友」というラインを踏み越えてこない関係性、凄く好きだったな。割りとこの手の小説の「受の親友」ポジションは高確率で噛ませ犬になるか、他所に彼氏がいたりするパターン多い気がするので最後まで「よき理解者」枠からはみ出さず、途中でフェードアウトしないで一定の存在感を保ち続けるの凄く良かった。

ロクでなし魔術講師と追想日誌

[著]羊太郎  [絵]三嶋 くろね

アルザーノ帝国魔術学院には、生徒もあきれるほどの一人のロクでなし魔術講師がいた。男の名はグレン=レーダス。授業では、蛇で女生徒たちを怖がらせて遊ぶも、その蛇に頭を噛みつかれたり…。図書館で失踪した女生徒の救助へ向かうも、怪異に怯えて、破壊呪文で図書館を吹き飛ばそうとしたり…。授業参観で珍しく真面目に授業をしようとするも、すぐにボロが出てしまう…そんな、ロクでなしな学園の日々。グレンの師であり育ての親セリカ=アルフォネアとの衝撃の出会いが綴られる『ロクでなし』シリーズ初の短編集! (「BOOK」データベースより)

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 「ロクでなし魔術講師と禁忌経典」シリーズの日常主体、授業シーンあり、ラブコメあり、ドタバタありの短編集です。

 どこをとっても楽しかったんだけど、やっぱりこのシリーズの講義シーンが好きだなあ。学ぶことの楽しさや授業に対する情熱が伝わってくるのがたまらなく楽しい。特に「魔術講師グレン 無謀編」で魔術に対して斜め横の態度を取りつつも、自分がかつて味わった魔術の「面白さ」を懸命に伝えようとする姿は本当にニヤニヤが止まりません。

 授業参観でシスティーナの両親がやってくる「魔術講師グレン 虚栄編」も良かった。必死に模範的な教師を取り繕おうとするも、生徒たちの危機を前にしてあっさり生徒思いな“素”が出てしまうのにニヤニヤする。セリカvsシスティーナ父の親ばか対決とか微笑ましすぎてもう。

 ラストの書き下ろし「空〜孤独の魔女〜」は、グレンとセリカの出会いを描くシリアスな過去編。強い自分を演出することで自らの脆さを隠して生きてきたかつてのセリカと、そんな彼女の鉄面皮をひっぺがしてしまったとある少年の、出会いと別れにホロリとする。これはセリカさん授業参観で面倒くさい親馬鹿になってしまっても仕方ないわ……子グレン(色んな意味で)天使かな……。そんなグレンが正義の魔法使いを目指して、そしてこれまでに語られたような挫折に遭ってしまったのは不幸としか言いようが無いし、やりきれない気持ちになるけど。

 それにしても、セリカの不老不死性やグレンの記憶の件など、なにげに今後の展開への伏線がばらまかれたような印象。これからどうなっていくのか、とても楽しみです。しかし、この短編シリーズは短編シリーズで独立して続けていってほしいなあ……。

銃皇無尽のファフニール11 プリズマティック・ガーデン

[著]ツカサ  [絵]梱枝 りこ

ミッドガルへの侵攻を乗り切り、新しい生活を迎えた悠たち。そして学園に、キーリ、ヴリトラ、紫音、ジャンヌが転入してくる。新たな仲間を加えた学園生活は、ゲーム対決や浴衣でお祭りなど、とても賑やかなものになりそうだった。だが、平穏な日常は長くは続かない。様子のおかしいヴリトラ。彼女と深月の間に漂う不穏な空気。そして悠は深月からとある告白をされる。甘い余韻の中、悠が出した答えは―。「汝は既にこの“闇”と出会っているはずだ」それは終わりではなく始まり。加速していく終末への時計。もしもこの想いが偽物でも、このまま闇に呑まれたとしても、その手だけは離さない―。アンリミテッド学園バトルアクション第十一弾! (「BOOK」データベースより)

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その薄い本売ってください!!!!!
 ついでにどこからともなくロキ少佐の存在をリークしよう(提案)
 フィリルの腐女子設定、とらの特典小冊子であったなそういえば…。

 キーリ、ヴリトラ、ジャンヌ、紫音を正式な転入生と迎え、心機一転で送る学園生活メインの箸休め回というかイチャイチャハーレム回。前巻までが重かっただけにここぞとばかりに日常を謳歌する姿が微笑ましい。部屋割りの話とか、レトロゲームの話とか、年相応な彼女たちのじゃれ合いが見れるのに思わずにこにこしてしまう。

 9巻前後の展開で完全にハーレムルートに入ったと思ったんだけど、どちらかというとやはり「全員が家族になった」みたいな関係が近いのかな。要所要所で彼女たちの微妙な線の引き合いを感じて面白かった。どんな決断をしても最後まで味方で居てくれると断言するリーザは本当に良い女ですね。「全員を選んだ」けど、それとは別に「ひとりに決め」てほしい、という深月の言い分もなんかわかる。リーザとのやりとりも含め、ある意味それは彼女たちのすべてを背負うことになってしまった悠への精一杯の気遣いなのかもしれない。

 そして、ジャンヌちゃんの転入騒動に「わかるー」しか言えない女子校育ち。このタイプはほんとモテるからしかたないな……(女子校だと)。制服挿絵がおっぱい解禁後のジャンヌちゃんしかなかったのが大変に残念です。あそこの挿絵はもっとジャンヌが男子っぽい感じで、もっと悠とBLBLしててもよかったと思うんですよ……。

 そんな平穏な日常の裏で、前巻ラストから引き続き妹の深月を巡る不穏な動きが。事態を察したヴリトラが表向きの平穏を維持しつつ悠との接触を図ろうとするのですが……散々空回りしたあげく手に入れた少女漫画知識を元に謎のツンデレアピールを始めるのには噴いてしまった。頑張り所はそこじゃないwww

 それにしても、またラストがやるせないし、急展開過ぎて……メインヒロインは私もイリスだと思っているのでアレなんだけど、この流れでここからイリスエンドに持っていかれると深月が可哀想すぎるし、どうなってしまうんだ。今まで以上に最終的な着地点がわからなくなってきたなぁ。

GランDKとダーティ・フェスタ

[著]秀章  [絵]榎本 ひな

ここは大バカ高校・野猿峠男子(通称:猿男)。そんな俺らの高校に、普段なら話すこともできないような超お嬢様学校との合同文化祭の話がやって来た。と、いうわけで。漢・花島一茶、女になります!でもこの文化祭、どうにも裏がありそうだ。楽しそうな女がどこにもいないし、いきなり目つきの悪い金髪美少女に狙われたり…。だったら、俺らの悪ふざけで、そのくだらない空気を吹き飛ばしてやる!ミスコン優勝を目指して、おバカなDK(男子校生)達が大暴れ!何が起こるか分からない!?おバカな青春グラフィティ開催!! (「BOOK」データベースより)

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 学力底辺の男子校と超お嬢様女子校が合同文化祭をやることに!普段は歯牙にも掛けてもらえない男子達は大喜びだが、どこか様子がおかしい。文化祭実行委員長になった花島一茶は、不穏な風向きを感じつつも少しでも文化祭を盛り上げるため、女装してミスコンに出場しようとするが、いきなり金髪美少女に襲撃されて…!?というお話。

 とある事情から最底辺の男子校に進学する羽目になった主人公が進んだ先の学校でクラスメイトになったバカ達に救われ、彼らを少しでも楽しませることで恩返しをしたい、同時に過去の自分と同じ葛藤の中にいるヒロイン・芽衣を救いたいと思う姿が熱かったです。終わり方も凄く綺麗に終わってて、とてもさわやかな青春物語でした。

 主人公一味に皆見せ場があるのにもニヤリとする。序盤は気弱マッチョのマチョ村と芸術家肌だけど普通のセンスもすごいナルシスト・ガガ彦のキャラが色んな意味で突き抜けてる感じだったんだけど、残りの2人もしっかり美味しいところを持って行くというか終盤のフッティーが美味しいところ持ってきすぎでヤバイ。あと、エドは一茶の「一番の親友」というポジをもっとどんどん押していくべきだったと思います!いや、細かい所で美味しい見せ場はあるんですけど!!もっとこう普段から一茶と目と目で分かり合ったり距離が近かったりしても良かった……いやなんか私が奴らの細かい親友サインを見逃してただけかもしれないけど……あとから読み返して序盤の鋭い発言に萌えたりしてましたけど……。

 なんかこう、一貫して「バカに優しい世界観」というか、味方であれば大人までもが何の葛藤もなく一緒にバカに乗ってくれる世界観が心地よかった。個人的にその主人公サイドの描かれかたに若干痒い部分も感じるのだけど、こういう世界観があってもいいなあと思わせるだけの心地よさがありました。

 ただ、個人的にはここまで気持ちよい終わり方したなら、敵側にも何らかの形で救済があってよかったと思うんですよ……どうせご都合主義ならあっちまで全部救ってしまって欲しかったというか。そこだけどうしても引っかかってしまった……。