“よう太” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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幸運なバカたちが学園を回す1 〜豪運ザコとカワイイ幼馴染〜

 

矢内総流はかなり特異な運の持ち主だ。たとえば、ソシャゲでお気に入りのキャラが欲しくてガチャを回せば、まったく興味の欠片もないSSRを引いてしまうような、いわゆる“要らない幸運を引く”体質だった。そんな、人とは違う妙ちくりんな幸運を持った総流が―すべてが“運”で決まる学園に入学してしまった!時間割、食堂のメニュー、席替え、試験…学生生活に欠かせない、ありとあらゆるものが運試しによって決まるというとんでもない学園。そんな学園で総流は、小学校以来の幼馴染と再会する。…が、総流にとっては、それすらも“要らない幸運”だった!?これは、全然嬉しくない幸運を持つ少年と、愉快な仲間の物語。 (「BOOK」データベースより)

 ガチャ運が全ての学園で、「要らない幸運」ばかりを引き寄せてしまう主人公とちょっと運の偏ったクラスメイトたちが運に振り回されつつも楽しい(?)学園生活を送るお話。

 後述する時間割等の問題は置いておいて、ガチャを回すための「ポイント」がランダムで現金だけでなくいろんなもので消費されたり(カロリーガチャを死ぬほど回したい)、集団での意見統一ができればガチャの内容を変更できたり…と、割合様々な抜け穴のある学園のガチャシステムが面白い。「要らない幸運」を引き寄せる主人公を筆頭に各キャラクターたちにガチャ運の偏りがあり、それを戦略的に利用していく展開も楽しかったです。

 主人公・総流とその悪友である和光、幼馴染ヒロインであるレナとの関係性はまあ悪友萌え幼馴染ヒロイン好きとしては普通に美味しいやつなんですけど、しっかりものの義妹・みらいとの兄妹関係がなにげに好きでした。しかしガチャ産の義妹とは一体何なのか…。あと、徳光をめぐる学食ガチャのやりとりが楽しい。本人にとっちゃ笑い事じゃないだろうけど。

 ガチャをめぐるあれやこれやでバタバタしつつ、中心ではわりと真面目に「幼馴染との関係改善」を軸にラブコメしてるんだよなあ。軽口を叩き合いつつもわりと真面目に相談に乗ってくれる仲間たちが印象的でした。問題の「告白」に関しては流石にどうしてそれで「告白」だと思ってもらえると思った……なんですけど……。前後の文章の意味が理解できなくて三度見した。バカにありがちな思考の飛躍にしたって流石にもうちょっと言い様があるでしょうよ……。

 あと、これ作中でも申し訳程度に突っ込まれてるけど、時間割までガチャ運に左右させてしまう(6時間ぶっとおし腹筋とか、まだ習ってない単元の科目を受講させられるとか、毎日自習を引きまくるとか)のは流石に教育機関として破綻してない?いくら架空の学校とはいえ、これがまかり通る世界観はちょっと嫌だなあ。特に物語の序盤は割と主人公やヒロインの「引きの悪さ」を笑うような展開が連続するため、ちょっと笑いのツボが合わなくてしんどかったです。

 最後のオチが、何が何でも目当てのSSRを引かなければいけない状況で、「一番良いところで珍しく運が味方してくれる」みたいなご都合展開じゃなかったのは良かったなあと。主人公の「本人にとって要らない高レアを引いてしまう」という設定が完璧にハマっていて、挙句に「もう要らないと思った途端に来る」というガチャあるあるも踏まえていて大変趣深かった。

物欲センサーって、あるよね……。


SH@PPLE?しゃっぷる? 8

 

「むかつくわ生徒会っ!淡谷舞姫―!」おおっっと!お怒りのご様子の一駿河さん!?…それは1年前の冬のできごと。「若光の君」淡谷舞姫の生徒会と「胡蝶の宮」蝶間林典子のローズ・ロワイヤルは、青美女学院の音楽ホールで最初の大激突をやらかしたのでした―。あれから時は流れて、僕・淡谷雪国と舞ちゃんはお互いの学校チェンジをはじめたわけですが…。鳥子さんの妄想&暴走とか、芝目会長の学園異能バトルとか、放送部の「ときめき青美タイム」とか。イロイロあったなぁと、しみじみ―。そんな、ハートフルでヘンテコな入れ替わりデイズを描いた冬の巻、見参。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

良くも悪くもいつも通りな、舞姫と雪国の本編では描かれなかったちょっとした日常を描いた短編集。7巻のあのヒキで最終巻目前にしての短編集とはまたおにちくな……。

どれも面白かったですが、一番お気に入りなのは舞姫・雪国はじめての入れ替わりを描いた「日曜日のナイチンゲール」でした。風邪を引いた雪国のちょっとしたワガママから“入れ替わり”がはじまって……というお話なんだけど、自由奔放な双子の姉に振り回されながらも、普段の自分の立ち位置からでは気づけない姉の寂しさに気づいていく雪国と、そんな二人を暖かい目で見守る淡谷母の姿が印象的でした。しかし、ハローキティ紳士な一駿河父も大変気になる存在ですが、それ以上に淡谷父が一体どんなお仕事をされているのか、気になる…………

まさかのまいんちゃんネタにふきだしたり、乙女度MAXな鳥子さんの少女小説のポエム具合にニヤニヤしたり、図書委員会の大暴走に圧倒されたり、空舟五中の異能バトルに腹抱えて笑ったり、若かりし日のローズロワイヤルvs生徒会の構図にニヤニヤしたり……とかなり満足な一冊でした。

しかし最終巻直前にこれをもってくるのはやっぱり心が折れるのであります!!最後のヒキから意図的にこのタイミングで入れたのは理解したけど、それでも!!


SH@PPLE?しゃっぷる? 7

 

巡りめぐって季節は秋。読書、スポーツ、…食欲の秋!最近元気のない一駿河さんのため、僕、淡谷雪国はせっせと総菜パンをデリバリー。そんな日々の中で、青美女学院は生徒会選挙の時期に。「会長」で無くなれば、舞ちゃんは安心して青美に帰ってこられ、入れ替わり生活は…おしまい!?「しかし、雪国さまはよろしいのですか?」と、さゆねさんは僕に問う。僕は…それで―いいわけないじゃないか!この想いを伝えるラストチャンスは、選挙後のダンスパーティーだけ。舞ちゃんは何だか怪しいし、古葉さんは家に押しかけてくるし、ドタバタ続きだけど、今度こそ。…オトコ雪国、キメます―。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

「入れ替わり」終了を前に、風雲急を告げるシリーズ第7巻。

前巻くらいから少しずつ不穏な匂いを漂わせていた様々な事項が一気に表面化して、とにかく翻弄される。舞姫が、雪国が、皆が「良かれ」と思ってやったことが次々と裏目に出て、悪い方向に転がっていく様子には本当にはらはらした。双子を叱咤する胡蝶の宮のかっこよさには思わずキュンとなったけど、まさか彼女の提案があんな結果を生んでしまうなんて……。

前半の舞姫とのやりとりをみるかぎり蜜の心に映っているのは雪国ただ一人だと思うのに、入れ替わりの事を知って自らの気持ちが判らず戸惑う彼女の姿が心に痛い。実際、蜜だって「女の先輩を好きになってしまった」という事実と向き合って、漸く心を決めた所でこのどんでん返しはないよね…。一度同性の先輩を好きになったんだ、と受け入れてしまった以上、そして雪国と舞姫の入れ替わりが頻繁に行われていた以上、「本当の舞姫」に惹かれてしまったかもしれない自分を否定する要素が無いわけで……ああ、もっと早い時期にこの誤解が解けていたら、と本当にやきもきする。

双子の入れ替わりの終わり、蜜の転校。蜜の想い、雪国の想い……と様々なものが絡み合って身動きが取れなくなった所でのこの引きは強烈すぎます!早く続きを!!


ラノベ部3

[著]平坂 読 [絵]よう太

留学生のリアを加え、それでもいつもどおりまったりとした日々を過ごすラノベ部の面々。ある日、漸く自室の片付けがひと段落したリアが文香達に教えてもらった書店に向かったところ、意外な人物と出会って……
   個人的お気に入り度数
ライトノベル部こと「軽小説部」の面々が部室で他愛もないことを語り合ったりする学園小説シリーズ、完結編。今回はラノベ部内を駆け巡る恋愛戦線に大きな動きが!?

小ネタ一杯で軽いノリで楽しめる文章の数々には相変わらずニヤニヤが止まらないのですが、やはりリレー小説の破壊力の高さが異常。人が変わるごとにどんどん勝手な方向に変わってしまう物語も凄いんですが、今回は何より文香パートが酷い。漢字の少ない、子供のような文体とはうってかわったグログロな展開に噴出しました。っていうか今回の文香は隠し切れない黒オーラ出てた気がするんですがきのせいですか!リアの気持ちに気付いた途端告白したり…と、この作品で一番黒いのは実は彼女なんじゃないかという気がしてきた……

竹田を巡る恋愛戦線は駆け足で終わってしまっていてなんだか物足りない部分も多かったですが、ずっと文香に自らの正体を隠していた暦が…とか、いろいろな部分にきちんと決着がついていってスッキリした終わり方ではありました。(しかし、文香と暦の見開きカットは正直必要だったのか…?ここは普通の1P挿絵でよかったと思うんだけど)それにしても、暦は様々な意味で将来が心配です。文香の妹と共に変な方向に足を踏み外さないようにしていただきたい…

そして堂島かこいいよ堂島。彼の“日常系”作品に対する考察は自分の趣味嗜好とも繋がるものがあって面白かった。個人的には、このシリーズではやっぱり堂島が好きだったので、彼の出番が結局最後まであんまりなかったのはちょっと残念です。

元々小ネタの集合体みたいなラノベなので、マンネリと言われる前にまとめてしまう方が綺麗な終わり方なのかもしれないけど、盛り上がってきた恋愛戦線とか暦の小説家としての・少女としての成長はもうちょっと長い時間をかけて眺めていたかったかも。あと1?2冊くらい読みたかった気がするなあ。特に女性陣3人に振り回されるヘタレ竹田、という構図がもうちょっと見たかったなぁ!!あとラストで出てきた暦の母親が素敵すぎなんですが彼女の出番は!

最後までニヤニヤほわほわ、楽しく読ませていただきました。
次回作もこんなノリの日常系ラノベになるそうなので、そちらもちょっと気になる。楽しみです。

最後に、自分の見つけたもので、元ネタ作品が明記されていなかった系のネタ一覧。
今のところネタまとめやってる感想記事がなかったようなので……ほぼ自分用まとめメモ。
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SH@PPLE?しゃっぷる? 6

 

「舞姫さん。一生のお願いですわ。どうかあたくしのために、雪国さんに変装して!」―もはや自分が誰だかわからなくなってまいりました。淡谷雪国♂です。双子の姉・舞ちゃんと入れ替わって青美女学院へ通っている僕は、とある事情からソロリティのトップ・胡蝶の宮に燃えるようなお願いをされてしまって!?男の格好に戻り、胡蝶の宮とデートすることに…!?一駿河蜜さんをあきらめきれない僕だけど、この機会に何かが変わるのかな?一方、舞ちゃんが男装して通う空舟五中に、エキゾチックな超イケメンが突然現れ、校内は大騒ぎ。彼は誰かを捜していて!?シリーズ新展開。(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

シリーズ第6弾はずっと胡蝶の宮のターン!!胡蝶の宮が雪国(ニセ舞姫)と蜜を巻き込んで繰り広げる許婚騒動と舞姫と芝目達SECが請け負っていた依頼が絡み合って意外な展開を見せていくお話。

誇り高い“蝶間林家の長女”“ローズ・ロワイヤル盟主”としての胡蝶の宮と、健気で一途な普通の女の子としての蝶間林典子の間で揺れ動く彼女の姿がとても素敵だった。また、思い悩む彼女の心情がビシバシと伝わってくるだけに全てをふっきった終盤の彼女の行動には胸が熱くなるものがある。

こういう状況で出てくる許婚って悪役が多いというか自分の中ではそんなイメージがあるんだけど、ちょっと手段を選ばない部分はあるものの純粋に一途に胡蝶の宮を思っての結果ちょっと暴走しちゃってるだけの人、というキャラクター設定が個人的にはかなりニクイなぁと思った。スペックは雪国よりも数段上・性格的にも悪くなく、雪国と違って自分のことを愛してくれるという藤ノ原剣と、振り向いてくれるかもわからない雪国を天秤に掛けて、それでも雪国を取るという選択は彼女の中ではどれだけ大きい事か。大きな何かを振り切って、それでも自分の進みたい方向にまっすぐに歩いていく彼女の姿がとてもまぶしかった。

そんな彼女の活躍の裏で、蜜と鳥子が仲良くなったり…とまた新しい関係が生まれてきているのも事実。蜜も恋愛対象として“雪国”を意識し始めた描写が増えてきて、思わずにやりとしてしまいました。そして芝目あんた……そこでコクらなくてどうするんだっ!!!

ラストで不穏な伏線が貼られたことだし、次回はいよいよ雪国と蜜の関係が進展するターン?続きがとても楽しみです。

そしてシリアスムードをぶち壊す後書きのフリーダムっぷりに噴いた。
っていうかそろそろ「新異装戦士SH@PPLE」が文庫化してもいい頃のはず。
「学園キノ」的な何かっぽい感じで、外伝小説出せばいいよ!!


遊び心溢れるラノベの装丁をまとめてみた。

という訳で漫画でやっててラノベが未到達or定着してないデザイン上の遊び心を幾つか挙げてみます。


じゃあその「未到達」なラノベにはどんな遊び心あふれる装丁があるのか!ということで、カっとなってまとめてみました。
いえ、単純に、「マンガの面白い装丁」を「ラノベの面白い装丁」と比較するなら、どうせなら記事を読む側の人も両方ともの情報をもった上で比較してほしいなあ、と思っただけなんです。もちろん記事を書いた人は「ラノベの面白い装丁」についての知識はあるんだろうけど、そういうのを知らない人にラノベにも面白い装丁はあるよ!って言いたかっただけなんです…。さすがに他社を跨いで連結表紙とかないけど!(いやでもこれは単に他社を跨いで同じ作者×イラストレーターのコンビが活躍するという事例が殆ど無いからじゃね…?って思うんですけど…少なくても、私はそんな事例知らない。)

自分が読んだ範囲でのまとめなので、大量に抜けはあると思いますが、その辺はご容赦ください。
※書影をクリックするとamazonのページに、その他の画像をクリックすると拡大されます。
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まりあ・ほりっくアンソロジー

   
原作
遠藤 海成

『まりあ・ほりっく』の世界を、五人の作家が独自の切り口で描き出します!かなこがデジカメを手に入れたら、心霊写真が写っちゃった!?(『加虐的除霊のおはなし』)ある雨の日、穂佳さんは可哀想な毛ガニを拾ってしまい…(『ツンデレ少女と脱走したカニのおはなし』)くまたん先生に頼まれた桐さんは、放課後の学校でかなこを捜すが…(『かなこさんをさがせ!』)隆顕さまがほんとにジゴロになっちゃった!?(『悪魔に憑かれた女の子のおはなし』)壊れてしまったかなこを茉莉花が一刀両断!(『ISLAM DUNK』)お馴染みのキャラが繰り広げる、ひと味違ったまりほりワールド。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

百合娘で美少女に目がない主人公・宮前かなこが女装してお嬢様女子校に通う少年・鞠也の正体を偶然知ってしまって…というドタバタラブコメ「まりあ・ほりっく」を題材に、MF文庫Jの人気シリーズを手掛ける作家&絵師達のコンビで書きおろした短編をまとめたアンソロジー。

参加されてるコンビの作品で読んだことあるのは「えむえむっ!」と「ラノベ部」、作者単体だと日日日作品は既読、というくらいでしたが、「まりほり」をやりながら各作者の作風が押し出されたお話になっていて、原作をある程度知ってないと楽しめない部分はあるもののまりほりファンとしても各シリーズのファンとしても楽しめる印象でした。

個人的にはやはりえむえむっ!コンビの「加虐的除霊のおはなし」が一番好きだったかな。違和感なさすぎ…

「加虐的除霊のおはなし」 松野秋鳴&QP:Flapper(「えむえむっ!」)
幽霊に取り憑かれた(?)かなこを、鞠也と茉莉香が徐霊しようとするお話。
さすが「えむえむっ!」の松野さんと言うべきか、鞠也と茉莉香のドSっぷりに全く違和感がありません。かなこさんの一人称で進行する物語も全く違和感がなく、普通に原作の一編を読むような気持で楽しめたかも。

しかし、これの違和感のなさが半端なかったため、後に続く短編がかすんで見えてしまった気が…これは大トリにもってくるべきだったと思うんだけどなあ。

「ツンデレ少女と脱走したカニのお話」 志瑞 祐&絶叫(「やってきたよ!ドルイドさん」)
穂佳さんが何故か雨の中、カニを拾ってドタバタするお話。
普通にほのかさんって誰とかいって、人物紹介ページを確認したりなんかシテナイヨ!

なぜかカニに情が移ってしまった穂佳&かなこが寮長先生ことGODの目から蟹を隠そうとするのですが、「なんでカニ?」というツッコミを始めとして、不条理すぎる様々な展開を勢いで押し切る感じの一編。オバカで笑える。

「かなこさんをさがせ!」 平坂 読&よう太(「ラノベ部」)
行方不明になったかなこさんを探す桐さんの話。なんか綺麗に落としてたけど、なんだかんだとこの3人、かなこのことあんまり「友達」だって思ってないよね!?知り合いという部分に強調表現がされてたり、色々3人の中でのかなこの(いろいろとあんまりな)位置が伝わってくるお話でした。

平坂先生はバー●ャルボーイと触手に愛を注ぎ過ぎです。

「悪魔に憑かれた女の子のおはなし」 志茂 文彦&緋賀ゆかり(「乙女革命アヤメの!」)
お堅い先輩・石馬隆顕様が突然プレイボーイ(プレイガール?)になる話。
とりあえず最初から最後まで百合全開。オチもきちんと百合で締める徹底ぶり。女子校ならではの歪んだ恋愛関係に満ち溢れてます。そういうのが好きな人は読めばいいよ!

「ISLAM DUNK」 日日日&鈴見敦(「魔女の生徒会長」)
かなこさんが突然萌えキャラ化して、鞠也たちがなんとか戻そうとするお話。
茉莉香さんの一人称で物語が進むのですが、なんか色々とカオス。

何はともあれそのオチはないわーって思った。


SH@PPLE?しゃっぷる? 5

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

雪国の双子の姉・舞姫は妙に女の子にモテる。そんなわけで入れ替わりをはじめてから、雪国はすっかり空舟五中でモテモテに。今日も舞姫の格好で青美女学院から帰ってきた雪国を待っていたのは、雪国に扮した舞姫が同学年の女の子から告白されているシーンで!?
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ドラマガに掲載されていた、淡谷姉弟がそれぞれの学園で繰り広げるドタバタした“入れ替わり”の日々を描く「しゃっぷる」シリーズ短編集。相変わらず帯で隠したニセ粗筋と、カラーページのマンガの弾けっぷりも全開です。

ちょっとした騒動が中心になっていて、何も考えずに雪国・舞姫と周囲の人々のドタバタ騒ぎを見てニヤニヤできる軽さが素敵。特にSEC関連の短編が好きだな。自前の「美少女数値化プログラム」で女の子たちの点数付けをして盛り上がったり、部室に隠されていたお宝の地図を巡って小さな冒険を繰り広げたり…と、そんな男の子達(女性が混ざってるけど)のバカ騒ぎっぷりがたまりません。

青美女子での話は、どうしようもなく肖像画の話のオチが好き。あの「これがせいいっぱい」の文字と、そこに飾られたものから彼女たちが楽しくドタバタやってる姿があふれてくるようで。というか全体的にどのお話も、「その後の話」で綺麗にオチがつくのがたまりませんでした!SECが始めた「ホスト雪国」に興味シンシンで扉の前をうろうろしてる鳥子さんとか、測定結果を元に学園内の●●●の写真を数値化しまくる舞姫とか!

書きおろしは蜜が蝶子さんと出会い、ローズロワイヤルに入ることになったきっけかのお話。これも本編以上にその後のお話が……蝶子さんがあの話の裏で「計画通り」とほくそえむ姿が頭に浮かぶようです…。


ラノベ部2

[著]平坂 読 [絵]よう太

高校に入って1週間ほどたった頃、付き合っていた彼氏に振られたばかりの美咲が幼馴染である竹田の家に現れる。彼女は突然「ラノベ部」を作りたいと言いだし、竹田に3冊のライトノベルを渡して去って行くのだが……“軽小説部”創設秘話も収録したシリーズ第二弾。
   個人的お気に入り度数
ライトノベル部こと「軽小説部」の面々が部室で他愛もないことを語り合ったりする学園小説。今回は何故か部室でコスプレしたり新キャラが登場したり、ラノベ部の設立秘話が明かされたりします。

相変わらずラノベやマンガ・アニメ関係のパロディ台詞やラノベ好きには「あるあるwww」なネタが満載で、じわじわと笑いがこみ上げてきます。特に暦&リアの本棚とインターネットに関するやりとりには首がもげるほど同意したい。本棚に本じゃなくてぬいぐるみを飾るなんてリア充すぎる!インターネット時間泥棒すぎる!!!あと今うちの本棚3段で入れてるのでマジで板抜けが心配です!

コスプレの話とリレー小説の話、「入れ替わり」の話がお気に入りです。コスプレの話はラストの暦の行動がホントに可愛いなあ…!!というか、事あるごとに皆の知らない所で文香の挙動1つ1つにキュンキュンしてる暦の姿に、こっちまでキュンキュンしてしまいます。綾先輩がコスプレしていたキャラ(もえ●ん)は、最初普通にストパンだと思ってました。あと竹田にコスプレさせようとしてギアスのコスチュームを薦める→「女子の制服しかない!」→「違う、間違っているぞ!」の流れは秀逸すぎて噴いた。リレー小説は個性丸出しの部員達の文章のむちゃくちゃな繋がりにニヤニヤした後、ラストの文香パートで盛大に決壊。入れ替わり話も綾先輩の腐女子妄想を真似ようとして何がなんだかわからないことになってる文香の発言に笑い転げてました。

あと、「メタフィクション」に関する考察が普通に面白かったです。普段から意味をあまり理解しないでなんとなくーで使っている言葉というのもあるけど、やはり最近良く話題になるキーワードだから面白かったというのもあるかも。そしてさりげなくメタ考察の中にラノベパロが入ってるあたりが流石過ぎる。(“他の小説に実名で登場する”“かーずSPとアキバblog”=まんま「俺妹」の某有名台詞ですよね?あまりにもさらっとまざってるので最初ぜんぜん気づかなかったよ!!)

本編の合間に挿入される1年前のお話は、1巻の文香と似たような経緯でラノベに(文香よりも遥かに深く)ハマってしまう竹田の姿にニヤリとしたり、綾と美咲の腹を探り合うような会話にニヤリとしたり、ラノベをバカにする他の部の先輩をマシンガントークでやり込める堂島に萌えまくったり。いいなぁ、堂島、いいキャラだなあ…!!章タイトルの使い方も上手かったです。そしてラストの美咲と竹田の会話にはなんだかホロリときた。お互い「かけがえの無い相手」だと同じように思っているはずなのに、それでもその想いの向け方がまるで違っていて…。さばさばした二人のやりとりが印象的でした。

竹田が「ジャンルにとらわれない」と評したライトノベルそのものと同じように、部に入ろうと思った経緯も読書に対する姿勢もそれぞれ全く違う彼らが、和気藹々とそれぞれの好きなモノについて語り合う姿が1巻よりも明確になったように思えて、とても面白かったです。あと暦の可愛さは異常。竹田と文香の仲を応援したいと思いつつ、暦のひそかな恋が実ってほしいと思ってしまう複雑な乙女心!!(笑)3巻も楽しみにしてます。


SH@PPLE?しゃっぷる? 4

[著]竹岡 葉月 [絵]よう太

「人力リバーフェスタ」で演劇をすることになった雪国達空舟五中とローズロワイヤルは、青美女学院で合宿を行うことに。必死な稽古の合間で女の子たちに着せ替え人形にされたり、肝試しをしたり……と夏休みを満喫する一同だが、雪国の秘密を知る「X氏」から脅迫を受けて!?
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それで、あのハリセンはどこに行けば買えますか?
カラー挿絵のはっちゃけ具合がすばらしいですねさいんこさいんたんじぇんと!私もあんなハリセンほしいです。舞姫モードの雪国はぶっちゃけ舞姫と区別つかない状態なので正直「女装萌え」という感じではまったくなくて残念だなあと思っていたらこんなところでカラー挿絵でやってくれるなんて男らしすぎる!一生ついていきます!!

それにしても、雪国近辺の女性関係がどんどんすごいことに……鳥子じゃないけど、「こんなたらしに誰がした」ってツッコミしてあげたくなります。雪国の気持ちは明確に蜜に向いてるんだけど、気づいてない胡蝶の宮と、あきらめきれない鳥子の行動と二人の気持ちに気づけない雪国、そして雪国と舞姫の入れ替わりがひたすら事態をややこしくしちゃってる感じが……鳥子が言うとおり、蜜と雪国がくっつくのはこのわだかまりをひとつひとつ解いていかないといけない…って思うとなかなか大変そう。買い物に行った時の、鳥子の心からの言葉が胸に痛いのに、何の疑いもなく「悪戯だ」と言われた言葉を信じてしまう雪国に思わずやきもきしたり。

3巻とは打って変わって女の子らしい部分を覗かせた鳥子とは対照的に、胡蝶の宮は「ローズロワイヤル会長」としての、かっこいい部分が多かった気がします。ただのお嬢様ではなくて、ひとつの団体を統べる長としての矜持もプライドも持ち合わせている彼女がかっこいい。一方でそういった上に立つ者としての責任を背負いきれるほど大人になれているわけでもなくて…体育倉庫で弱気になる彼女の姿がとても印象的でした。

しかしなんといっても今回一番面白かったのはやはり雪国の女装シーンとラストの人力リバーフェスタでのしっちゃかめっちゃかなお芝居だったかな。必死に雪国達が戻るまで劇をつなげようとする皆の思いとは裏腹に、どんどん変なことになっていくお芝居の様子が大変そうだけどものすごく楽しそうで、笑いが止まりません。そして今回最後まで可哀想な芝目……(笑)

X氏の正体も発覚してようやく元の鞘に納まった雪国&舞姫。次はどんなお話になるのか、とても楽しみです。今回割りと鳥子&胡蝶の宮にいいところもってかれ気味に感じたので、蜜の活躍も期待したいかも。