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僕は友達が少ない 9

 

冬の日の夕暮れ。友達との本気のぶつかり合いによって前に進むことを決意した羽瀬川小鷹は、逃げ出してしまった告白の返事をする。それと時を同じくして、三日月夜空から隣人部の部員たちに一通のメールが届くのだが……。新たな局面を迎えた隣人部は、生徒会と共にスキー研修で宿泊する旅館の下見(という名目の慰安旅行)に行くことになる。小鷹の迷走によって結果的にもたらされた“外側のコミュニティ"との交流は、どんな化学反応を引き起こすのか? 大人気シリーズ第十弾、複雑な人間模様の織り成す残念な恋と笑顔の物語、開幕! ポロリもあるよ!

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 小鷹と理科が本当の意味で「友達」になり、それをみていた夜空が逃走し……からの続きです。

夜空面倒くさいよ、夜空

 バックグラウンドが重いもは解った、解ったが、誘い受け全開の構ってちゃんアピールからはじまって壮絶な自虐に見せかけた他者全否定っぷりとかマジでリアルすぎて辛い。あまりにも残念すぎる姿は面白くもあるんだけど、その一方で他者からの本気の好意を自虐のために全否定する姿に本気で苛々した。星奈にはデレの兆候あるからまだマシとはいえ、理科ちゃんの否定されかたとか、見ていて胃が痛い辛い。

 経緯はどうあれ「残念で面倒くさくて重い女」としての本性を見せる事が出来るようになったということはそれだけ彼女が隣人部に対して心を開いている証であるとは思うし、隣人部の面々がそんな夜空の一面を見た上で彼女を見捨てない程度に密接な人間関係を構築したという証でもあるとおもうんだけど。初期巻でこれやったらたぶん間違いなく無言で全員から見捨てられて終わりだろうしなあこれ……。

 8巻での星奈から小鷹の告白の流れを受けて、一応本妻確定?の流れではあるんだけど、告白ってなんだっけ?って思うくらいに星奈が空気で色々な意味で一連の流れで割食ったのは彼女ではないかとおもう(夜空はフルボッコだけど自業自得だしな)。そして完全に理科ちゃん正妻じゃないですかやだーーー!!!友達って言ってるけど完全にイチャついてるじゃないですかやだーーー!!なんでこいつらつきあってないんですか甘ぁーーーーー!!!

 優柔不断主人公を欲しいままにした伝説の名台詞「え、なんだって?」を封印した小鷹や新しい人間関係を構築して間違った方面で男らしさに磨きをかけた感のある幸村といい、全体的に隣人部の成長が見て取れる巻で、それだけに夜空の誘いうけっぷりが痛々しいわけですが。次巻で夜空回なんだろうなあというフラグは全力で立っているのでそちらに期待ではあるんだけど……

 もう夜空は、星奈と付き合えばいいと思うんだ(真顔)
 あと幸村は今の男前ぶりでメイド服着てください惚れる自信ある。


僕は友達が少ないCONNECT

 

三日月夜空は、十年前に離ればなれになった親友との物語を再び始めるために動き出そうとしていた/高山ケイトは、妹の幸せを喜びながらも寂しさを覚えていた/天才少女志熊理科は、その能力ゆえの孤独を抱えていた/孤高の男子高校生柏崎天馬は、自分に付きまとってくる同級生に戸惑っていた/柏崎家の新しい家令ステラは、お嬢様に対して複雑な想いを抱いていた/そして羽瀬川小鷹が主人公になった時、その裏では…。『はがない』待望の最新刊。小鷹以外の人物達によって綴られる、一つの奇跡へと続いていく、煌めく奇跡達の軌跡―“繋がりの物語”登場。(「BOOK」データベースより)

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 生徒会の一存とのコラボ小説及びアニメ版「僕は友達が少ないNEXT」のラストで衝撃を受けていたら、原作を読んでいる複数の人からとりあえず先にこちらを読むといいよ、と薦められました。小鷹以外の隣人部の面々や、父親世代の話が収録されている「はがない」番外編短編集。原作の3巻以降は9巻が出るまでに……というかアニメと同じところで止まってるってどういうことなんですか!?蛇の生殺しにもほどがあるよ!!

 星奈父&小鷹父の親友ぶりに萌えてしまったり、傲岸不遜のようにみえて実は物凄く乙女思考で小鷹と2人きりになるために必死に知恵を絞ったりマリアをしいたげながらも内面テンパってる夜空も、光しかもち得ない故に孤立していく星奈が隣人部に関わる事で少しずつ変わっていく姿もとてもかわいかったのですが、楠幸村の長年の“勘違い”に至る経緯を母の視点から描いた「曇りなき心の月を先だてて」が凄く良かった!愛情はあるけど忙しすぎるせいで幸村の勘違いに気づけなかった母親の葛藤と、運悪く理解のある(?)大人達に囲まれてしまったせいで勘違いを正す事も出来ず、とんとん拍子に誤解がどうしようもない違和感を与えつつも事実として一人歩きしていく姿が滑稽で、とても理想的な親子関係を築きながらもそんな当たり前の誤解すら正す事ができないことがどこか切ない。

 そして漸くそれが誤解だったと気づいた幸村がそれでも雄々しく可憐に微笑む姿がどうしようもなくかっこよかった。読む前にあらかじめバレを知ってたせいもあるとおもうけど、幸村は正直「男子」設定だったときよりも女子だと判明してからのほうが美味しいなあ。「星二つ」でみせた星奈とのやりとり含め、幸村が可愛くて生きるのが辛い。星奈に携帯ゲームのことを聞いたときの反応って、母親の事をおもって…みたいなのあるんだろうなあとおもうとほんと可愛い。

 そして理科の内面が透けて見える「クオリア/もう一つの動き出した時間」「手を取れるように」がとてもよかった!高すぎる能力が故に孤立し、見えすぎるが故に視界を曇らせることで周囲と距離を置いてきた天才少女が小鷹に興味を持ち、勇気を振り絞って自分のキャラを「作って」面白そうな人々(隣人部)に近づいていく姿が本当に可愛い。そして小鷹のために、これまで歯牙にもかけていなかった容姿に気を使い、同じ部内の面々の可愛さを羨ましがったり……と普通の少女のらしい情緒を獲得していく姿に胸が熱くなる。

 1人の少女らしい感情を育てながらも、それ以上に、小鷹と同じ位に“隣人部”という場所を愛し、その場所に固執する余りに自ら逃げ出してしまう小鷹の感情も理解し、その上で憎まれ役を買って出てでも小鷹を隣人部に引き戻そうとする理科の決意がかっこいい。なにより、もうほんと保健室での教師とのやりとりと挿絵の幸せそうな笑顔が可愛いすぎるんですよ!!理科かわいいよ理科!!

物理的にも大きくなった胸を期待に膨らませつつ。
僕はたくさんの初めてをくれた友達と、生まれて初めてのケンカをしにいく。


僕は友達が少ない 2

 

隣人部―それは残念な連中が日夜友達作りのためのギャルゲーや演劇などどこか空回りな活動をしたり、ダベったりしている残念な部。残念系美少女の三日月夜空や柏崎星奈、美少女メイド(ただし男子)の楠幸村に加え、幼女シスターで顧問のマリア先生やいろんな意味で常識を超えた天才少女の志熊理科も加わり、ますます騒がしくて取り返しのつかない状況になってしまった隣人部。その中でただ一人の常識人(ただし友達は少ないというか、いない?)羽瀬川小鷹はいったいどうなる!?大人気の残念系青春ラブコメ第二弾、友達を募集しつつスタート。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

 色んな理由から友達のできない面々が「隣人部」なる部活を結成して残念なやりとりを繰り広げるシリーズ第二巻。

 2巻でようやくメインキャラクターは大体出揃った感じ。理科が仲間になるエピソードも好きなんだけど、顧問にして幼女のマリア先生を餌付けしているあいだにいつのまにか妹・小鳩の対抗心を煽って入部フラグを成立させてしまった流れにとてもニヤニヤする。マリアと小鳩にせよ、火花を散らしたり小学生以下レベルの喧嘩をしたりするもののなんだかんだで同年代で気が合うのが伝わってくるんだよなあ。

 でも、一番ツボに入ったのは前巻に引き続きリレー小説でした!!1巻のときは演劇の脚本〜という形をとっていたけど、今回はまさかそのまんま平坂さんの前作「ラノベ部」から引っ張ってきちゃったよ!!担当パートから各キャラの個性やら思惑やらが透けまくりでまったく協調性のかけらもみあたらない、バラバラな話になってるのがとにかく面白すぎるけど、それ以上に今回は理科パートが強烈でした。正直、理科さんの繰り広げる無機物ホモ萌えは高度すぎて今の僕達には理解できないのですが……腹抱えて笑いました。

 1巻を読んだきり長らく脱落していたのですが、アニメ2期が予想していたよりも物凄く面白かったので、またちまちまと続きも手を出して行きたいです。


僕は友達が少ない

 

学校で浮いている羽瀬川小鷹は、ある時いつも不機嫌そうな美少女の三日月夜空が一人で楽しげに喋っているのを目撃する。「もしかして幽霊とか見える人?」「友達と話していただけだ。エア友達と!」「(駄目だこいつ…)」小鷹は夜空とどうすれば友達が出来るか話し合うのだが、夜空は無駄な行動力で友達作りを目指す残念な部まで作ってしまう。しかも何を間違ったか続々と残念な美少女達が入部してきて―。みんなでギャルゲーをやったりプールに行ったり演劇をやったり色々と迷走気味な彼らは本当に友達を作れるのか?アレげだけどやけに楽しい残念系青春ラブコメディ誕生。(「BOOK」データベースより)

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 ヤンキーっぽい顔と外見のせいで友達が出来ない転校生・羽瀬川小鷹はある日の放課後、『エア友達』と話しているクラスメイトの三日月夜空と出会い、友達が居ない者同士で新しい部活を立ち上げる羽目に。最初誰も集まらないだろうと思っていたが、予想外に残念な人たちが入部してきて……というお話。「ラノベ部」のジャンル不定無節操バージョンというか、基本的に残念な人たちが駄弁ったり好き勝手したりというあたりは変わらず。モンハンしたり、ギャルゲーしたり、演劇したり、プールに行ったり。

 個人的にはモンハンをする話と、演劇する話が好き。モンハンは仲悪い人たちが協力ゲーをやった時の定番展開という感じだけどガチでゲーム本編を忘れ去ってお互いの妨害に命を懸け始める夜空と星奈のドタバタが可愛い。そして演劇話の腹筋崩壊具合ときたら……「ラノベ部」のリレー小説の破壊力も大概に酷かったですが、平坂さんの描く『複数の人たちが一つの話を作ろうとする話』の面白さは本当にヤバいと思う。

 あと、小鷹の過去話がとても好きだった!!背中合わせは最高の友情エッセンスです!!うまい!!オチを見るにどう考えても男子同士の友情じゃなかったけどそれはそれとしてうまい!!

 基本は残念な人たちの日常を描く残念なお話という感じなんだけど、小鷹が星奈とプールに行く話や小鷹の過去話の展開を見るに、ちゃんとラブコメ要素も仕込まれている印象。キャラもまだ出揃ってない印象だし、機会があれば続きも読んでみたいです。