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ボンクラーズ、ドントクライ

 

あの頃の僕らは、恋がどんなものかも知らなかった―。ネットもケータイもまだ馴染みがなかった1999年、とある片田舎の高校。主人公の肇とカントクは、夢だけは大きく「日本の特撮映画を変えること」だが、映画の撮影準備と称して憧れの特撮ヒーローになりきる「ごっこ遊び」に興じてばかりのボンクラ映画研究部。そんな「撮らない」映画研究部に、わけありの美少女が飛び込んできて―。男子ってやつは、バカで、むき出しで、まっすぐで、最低だけど最高だ。誰しもが通り過ぎる、恥ずかしく、苦く、痛々しい青春模様。(「BOOK」データベースより)

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 親友。
 そうだ、親友だ。そう呼ぶ事に、気恥ずかしさなど、あるものか。
 そんな彼を裏切る算段を僕は立てている。たかが、桐香なんて存在のために。
 愛しい桐香という存在が憎かった。

“恋愛”とだって天秤に掛けられる、掛け替えのない“友情”。

 前世紀末の片田舎の高校で“特撮映画を作るぜ!”と映画研究会を結成したものの自前のヒーロースーツを作ってパフォーマンスを繰り広げる『ごっこ遊び』程度しかしていなかったカントクと肇。なんだかんだでだらだら楽しくやっていた二人の所にやってきた後輩はやたらと物言いのキツい男装少女で、しかし映像編集の確かな知識と技術を持っていた。彼女を半ば無理矢理映研に引きずり込んで念願の映画制作に向けて動き出したが……というお話。

 映画の製作が進むにつれて少しずつ3人がお互いの感情を自覚してすれ違う……という青春ストライク具合だけでも充分ツボに直撃なんだけど、色々な意味で↑の引用文の部分で頭パァンした。恋愛と秤にかかってもなお掛け替えのない男の友情!!恋した少女と大切な親友との間に挟まれ、大切な二人がすれ違っていくのをなんとかできる立場にありながらも自分の私欲が邪魔して何も出来ず葛藤する主人公が素晴らしかった。

 男子高校生ならではのおバカなやりとりや、一瞬だけ時を共有した3人の掛け替えのない気持ち、デキる姉へのコンプレックスでいっぱいな妹、喧嘩ップルや甘ずっぱい恋心や確かな友情や青春の暴走まで詰め込んで青春素晴らしいな!!という気持ちになりました本当にごちそうさまでした。終り方もこれ以上にないってくらいに余韻を残す綺麗な終り方で大好きです。

 個人的には、特撮アニメが好きな人の感想を是非聞いてみたい作品。特撮方面は殆ど知識が無いのでわからないんだけど、時折作中で繰り広げられるやりとりの数々から特撮愛が伝わってきて楽しかったです。