彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる | 今日もだらだら、読書日記。

彩雲国物語 黒蝶は檻にとらわれる

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

吏部尚書・紅黎深が解任され、吏部侍郎・李絳攸の処分を決める御史大獄が開かれた。官吏潰しと異名を取る清雅と渡り合い、辛くも御史大獄を乗り切った秀麗だが、今度は黎深の解任を不服とする紅家の官吏が一斉に出仕を拒否、王都の経済にも圧力をかけられてしまう。秀麗は犬猿の仲の清雅と共に、事件の対応に追われるが…!?
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劉輝!!このヘタレがーーーっ!!
そこでその選択はないだろう!!しかも敵の手の中で思いっきり踊っちゃってるよ!!!序盤はもうちょっと、「ヘタレだけどやれば出来る男」だった筈なのに最近のヘタレっぷりはほんとどうなの!!!

というわけで、一気に物語が急展開。黎深の解任をきっかけに紅姓官吏達が出仕拒否と経済制裁を起こし、それを解決するために清雅と秀麗が奔走していたら事件の裏に思わぬ人物の存在が明らかになる、というお話。

今回は本当に御史台側の動きが面白かった。清雅と秀麗の背中合わせなライバル関係も良い感じだし、散々罵倒されながらもすっかり秀麗になつかれちゃってる葵皇毅との関係や、秀麗の破天荒ぶりに振り回されてだんだん雰囲気の変わってきてしまった御史台の様子がとても美味しい。特に清雅の鬼畜エロ台詞や燕青&清雅のやりとりにはニヤニヤしっぱなしですよ。デレ分が限りなく低いツンデレ……というかサドデレ?なセーガ最高です。ああもう、恋愛感情かどうかはとにかく明らかにそれなりに好意持ってるのに、どこまでもデレそうでデレない絶妙なデレ度の低さがたまりません。

秀麗と清雅、葵皇毅を中心とする御史台での人間関係がどんどん面白くなって、今までになかったタイプの人間達の中で少しずつ自分なりに成果を出していく秀麗や朝廷から離れて事件の為に奔走する邵可パパの活躍が目覚ましい分、劉輝・絳攸・楸瑛を中心にした王様近辺の動きがもどかしくてたまらない。(※清蘭は私の中ではもうギャグキャラ扱いなので、今後も元気にお嬢様の悪口言う奴にイガグリとか投げててください(オイコラ))実際、とりまき二人はとにかく(ひでえ)劉輝については王様として少しずつ成長している部分もそれなりに見てとれるんだけど、周囲の活躍でそれが霞まくってるのとそれ以上にダメなところが悪目立っちゃっててなんだかなあ……。まあ実際、あまりにも相手が悪いというのはあるんですけど。

追い詰められた劉輝は遂に彼の中でも「禁じ手」とされていたとある手段に出てしまうのですが……彼の中で「人間の劉輝」としての様々なモノを犠牲にしての選択も敵の手の内で動かされているというのがまた。しかも、秀麗が漸く周囲の官吏に「気に食わない女性官吏」としてでなく「手ごわい御史台の官吏」として認められ始めたところでそれをやってしまったことで、もろに敵の思うとおりの展開になってしまいそう。秀麗の身体には一種のタイムリミットが発生し、劉輝の知らないところでは内乱・クーデターフラグまで立ちつつあるわけですが本当にこの物語、どこに着地するつもりなんだろう?間違いなく「そして二人はいつまでも幸せに暮らしました」という展開にならない事だけは確かな予感。

序盤で語られた後の世の評価によれば、秀麗が後の世にまで伝わる功績を残すのはこの後になる筈なので、このまま大人しく後宮入りするような展開にはならないんだろうけど、劉輝と秀麗の二人にとって少しでも幸せな結末になるといいなあ…。次はよもやのタンタン再登場フラグっぽい気がするのでそっちの意味でも期待。