“文学少女”と恋する挿話集2 | 今日もだらだら、読書日記。

“文学少女”と恋する挿話集2

[著]野村 美月 [絵]竹岡 美穂

明るくてちょっぴりお節介で早とちりで下の名前を呼ばれるのが大苦手な女子高生・森ちゃん。彼女はいつもちょっと不機嫌そうな顔をしている図書委員の琴吹ななせとひょんなことから友人になるが…!?
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FB Onlineで連載されていた「今日のおやつ」と「秘密の本棚」の内容を中心に書下ろしを加えた短編集。第二弾は琴吹ななせと彼女の親友である森ちゃんと、森ちゃんの彼氏である反町くん3人の視点から、森ちゃんとななせが友人になるところから、本編ラストである“文学少女”の卒業式までのサイドストーリーが綴られていきます。

反町くんと森ちゃんの初々しいカップルが様々なアクシデントやらなにやらに邪魔されて次の一歩を踏み出せない様子も非常に可愛らしいのですが、森ちゃん&反町くんの視点から、そして自身の視点から語られるななせの気持ちがものすごいあまずっぱくて、同時に物語の結末を知っているから切なくなってくる。敢えて本にまとまるまで読まないでおいたけど、これはむしろ本編最終巻を読む前と読んだあとで2回読むべきだったなあ。「ななせの恋日記」だけはリアルタイムで読んでゴロゴロした記憶があるのですが……普段のツンツン発言と、メールの時のキャピキャピキャラとのギャップが激しくて可愛いよ、ななせ!!!

ななせも森ちゃんも可愛いんだけど、とにかく反町くんの行動が楽しすぎて目が離せませんでした。森ちゃんとの進展に一喜一憂する姿も微笑ましいのですが、遠子先輩に本を薦められてなんだかんだいいながら読んでその言葉が頭から離れなくなってしまう姿にニヤニヤが止まらない。特に「愛を叫ぶ詩人(ハイネ)」で最初はイヤイヤだったのに、段々面白くなってしまって最後には大騒ぎしながら本を読んでいくという描写が本当に楽しそうで、読んでるこっちまでにやにやしてた。

ななせのおせっかいばかり焼いている森ちゃんにないがしろにされまくりな反町くんですが、なんだかんだ言いながらも森ちゃんと同じくらいななせの事を心配している姿にキュンとなった。特に、心葉にフられたときの反町の言動は反則級だと思う。なんだこいつ……いい男すぎるだろう…!!正直私がななせなら、心葉なんかほっといてホレてしまいそうです。

しかし、書きおろしの「ななせの恋日記 特別編」は酷いな本当に。コノハが女泣かせすぎて酷いな!!!な、なんだこの、普段のヘタレっぷりから考えると嘘のような、キザでかっこいいコノハくん…ふざけてるの……これでななせが正ヒロインじゃないとか、ほんと酷い。ななせじゃなくてもうっかり泣く。
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コメント

  1. [感想][ライトノベル][評価A][ファミ通文庫]“文学少女”と恋する挿話集2(野村美月)読了

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  2. 「物語」を読んでもらえない彼女/野村美月『“文学少女”と恋する挿話集2(エピソード)』/感想/ファミ通文庫

     それでも私は彼にずっと恋していた。

     一気に二度読みしてしまった。前回の初戀といい、超傑作が続くなぁ。作者さんのライフワーク的作品になっているんだろうか。



     非...