アンチ・マジカル 魔法少女禁止法 | 今日もだらだら、読書日記。

アンチ・マジカル 魔法少女禁止法

 

『魔法少女禁止法』制定から10年。一切の魔法少女活動が禁止された世界で、引退を拒否して非合法のまま活動を続ける魔法少女がいた――。 気弱で女の子みたいな所のある少年・佐倉真壱は、彼女に助けられたことがきっかけで女装魔法少女となり、元魔法少女達を狙って起こる事件を追いかけることに……。

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「魔法少女」が実在し、そして不要になった世界。多くの魔法少女が自ら杖を置き、魔法少女活動が非合法となった社会で最後の魔法少女として戦い続ける少女と彼女に憧れて魔法少女になった『少年』のお話。

早い話が立ち向かうべき敵を倒してしまった魔法少女たちがその後も異能を持ち続けたらどうなってしまうのか。一握りを除いて決して幸せな未来をつかめたわけではない彼女達の「その後」の姿。(多くは異能と戦う為に与えられた)力が同じ人間に向いたらどうなるのか。まさしくこの作品で言う「第三世代」の魔法少女アニメで育った人間としては着眼点や発想が物凄く面白くて、一気に読み進めてしまいました。自らの立場を利用してのし上がった者もいれば全てを忘れて一人の少女としての幸せを掴む者もいる。その一方で「1人の少女」に戻る事が永遠できなかった少女達の姿が容赦なく痛々しい。

ただ、着眼点はや容赦のない展開は面白かったんだけど、時々擬音描写や残酷描写に独特な陵辱ゲー臭を感じてしまい、なんだかなあ……と思ってしまう事もしばしばありました。と思ったらまさしくそっち系のゲームのシナリオライターさんなのか……露骨な陵辱表現はありませんが、そっち方面の耐性が低い人にはかなり辛いかもしれません。ていうか同じ事をやるにしてももうちょっと表現をソフトにしてくれれば普通に面白いのに……

登場する「魔法少女」達も殆どが露骨に元ネタとなる作品・キャラクターを匂わせているので、素直にあの世代の作品を楽しんで読んでいた人には辛いものがあるかも。特に前述の通り、かなり悲惨な境遇になってしまうキャラクターも多いため、こういうのの元ネタが露骨に解ってしまうのはどうかなあ……と思わなくもなかったり。同世代ならば確実に通ってるだろうと思われるような有名作品からのパロディがとても多い分、ちょっと気になりました。

しかし、パロディだらけの一発ネタ作品かとおもっていたら、ひょっとしてこれ続くの?
色々気になる部分もあるので出たら買っちゃいそうだけど……。
続かないんだとしたら随分消化不良なおわりかただ。

以下、わかる限り魔法少女の元ネタメモ。
うろ覚えな上に同年代なら素でわかるだろうからいらないだろうという説もありますが……






『魔法のアイドル戦士キラキラスターズ』→美少女戦士セーラームーン
『ホーリープリンセスかぐや』→赤ずきんチャチャ(※アニメ版)
『幻想剣士スターレットガールズ』→魔法騎士レイアース
『魔法少女マジかるウサミーSOS』→ナースエンジェルりりかSOS
『魔法怪盗アルセーヌ・キャット』→怪盗セイントテール
『空飛ぶダックさん・DE・ニコルソン』→多分「とんでぶーりん」?
『おしゃれ天使スウィ?ト☆ベリー』→「愛天使伝説ウェディングピーチ」あたり…?
『花の騎士ハニーゴールド』 キューティーハニー? 
『魔法の少女スウィート・ショコラ』「魔法のプリンセス ミンキーモモ」 か「魔法のエンジェル スイートミント」あたり?

知ってるか……赤ずきんチャチャのアニメ版はなぜか(全くそんな話じゃなかったにもかかわらず)愛よ勇気よ希望よでマジカルプリンセスホーリーアップだったんだぜ……リーヤが香取信吾だったんだぜ……(リアルタイム世代)

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コメント

  1. そのま より:

    魔法少女+ウォッチメン
    パロディってのはこうやるんだ、というお手本みたいな作品ですね
    (魔法少女のパロディとしては、悲惨すぎてアレなところもありますが)

    ところで、『魔法少女マジかるウサミーSOS』は
    「二重人格のライバル魔法少女がいる」あたり
    プリティーサミーではないでしょうか?

  2. はにわ より:

    ウォッチメンに似てると聞いて検索、ここに辿り着いたけど
    粗筋読む限りまんまウォッチメンで吹いてしまった
    パクリだ何だ言い出す気も無いけど
    パロディにしたってもう少し変えたっていいのになぁ

  3. t_kurihara より:

    先代スウィートショコラの元ネタはミンキーモモですね。

    ミンキーモモの二作目(91年製作、声が林原めぐみ)は、地球での両親がエイズによって余命幾ばくもない、という裏設定があり、OVA版は両親の葬式の帰り道という衝撃的な場面で始まります。

    魔法による安易な幸福追求の否定、というテーマもモモに通じる者があります。