おこぼれ姫と円卓の騎士 | 今日もだらだら、読書日記。

おこぼれ姫と円卓の騎士

 

ソルヴェール国の第一王女・レティーツィアは、将来自分が“女王になる”ことを知っていた―。結果、優秀な兄たちの“おこぼれ”で王位が転がり込んできたレティは、王の専属騎士団を作るべく、漢の中の男と評判の騎士・デュークを強引に勧誘。けれど彼は「『おこぼれ姫』の愛人と呼ばれるのは願い下げ」と一刀両断!ますます彼がほしくなったレティは…!?第13回えんため大賞優秀賞作。 (「BOOK」データベースより)

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 「オトキュン!」のパラレル番外編が面白かったので。2人の兄を差し置いて、王女であるレティーツィアに次期王位が転がり込んできた。彼女は自分が王になることは"知っていた"が、2人の兄とのパワーバランスを保とうとしていたため、即位の際に必要となる専属騎士団「円卓の騎士」を持っておらず、優秀な人材は兄2人が持っていってしまっている。手初めとしてどちらの勢力にも属していない優秀な騎士・デュークに声をかけるが…というお話。

 二人の優秀な兄達の方が王に向いているのではないかと葛藤しながらも、血を流さない、自分の出来る精一杯の国作りをしようと努力するレティがかっこいい!ある特殊な能力を持つが故に一人で抱え込んでしまうところがある彼女が、最初は「居てさえくれれば」などと思っていたデュークに心を開いていくのも良かったです。

 メインはあの手この手でデュークを自分の「騎士」にしようとするレティの猛攻としきりにそれを拒否るデュークの追いかけっこ的展開でそちらももちろん美味しいのですが、個人的にはレティと彼女の兄・フリートヘルム様との不器用な関係にとてもニヤニヤする。なんだかんだでお互い本気で嫌い合っているわけではなさそうなのに王位をめぐり三つ巴状態でバランスを取ってきた影響か顔を合わせれば軽口の応酬。なんとか仲良くしようと話題を振るもお互いの政治的立場やらこれまでの関係性やらが祟ってすれ違い……みたいな展開が美味しい。

 「オトキュン」の短編は結構普通にデュークとレティが…という感じだったので、予想以上にラブ薄味でびっくりした(むしろ今のところ殆どラブはフラグすら見当たらない)けど、大変主従関係やら兄妹関係的に美味しかったです。これから彼女たちがどういう関係になっていくのか、とてもたのしみ。