2012年に面白かったライトノベル10選 | 今日もだらだら、読書日記。

2012年に面白かったライトノベル10選

 あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。

 新年の恒例行事ですが2012年に読んだライトノベルから面白かったものをカテゴリごとに10作品にまとめてみました。腐女子に特にオススメしたい編と2作に分けた時期もありましたが、なんか実際まとめようとしたところ普通に全作品女子にお勧めしたかったという現実が発覚してしまったのでやめました。全部女子にも読んで欲しいです読 ん で く だ さ い。

 件数を絞った関係で毎年しつこく推してる感のあるシリーズは除外しましたがそちらは年度関わらず常にお勧め&読んでくれるかたを随時募集しておりますので宜しくお願いします。バカテスとか生徒会の一存とか死神姫の求婚は流石にしつこいとおもったので!でも好きなので!!!よろしくおねがいします!!

 なお、書影は私が読んだところまでなので実際はもっと先まで巻数が出ている可能性があります。

この友情に萌えた!編


大樹 連司「ボンクラーズ、ドントクライ」(⇒感想
そんな彼を裏切る算段を僕は立てている。たかが、桐香なんて存在のために。
  
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 最初は片田舎の男子高校生2人の『ごっこ遊び』でしかなかった特撮映画制作。それは都会からやってきた少女の加入により現実味を帯びたものとなっていく。完成に近づいていく映画とともに、主人公は掛け替えのない相棒との『友情』と恋した少女への『恋慕』の間で揺れ動くことになる。
 ゆっくりとした時の流れる田舎での文化系部活動を中心に据えた主人公達3人の青春具合も大変良かったのですが、やはり友情と恋愛の間で揺れ動く主人公の葛藤が大変たまりませんでした。

野村 美月「ヒカルが地球にいたころ…」(⇒1巻感想 / 2巻感想
「もし、ぼくが殺されたって言ったら、きみはぼくを殺した犯人をつかまえてくれる?」
  
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 見た目の怖さから周囲に敬遠されている是光に声をかけてきた学園一のモテ男・ヒカル。「頼みごとがある」という彼は、肝心の頼みごとを口にする事なく事故で亡くなった。彼の葬式に出向いた是光の元にヒカルの幽霊が現れて……。
 殆ど他人といってもいいヒカルからの『たのみごと』を、取り憑かれているとはいえ親身になって解決しようとする是光の不器用な優しさと、是光をヒーローと仰ぎ、自分にはないなにかを見出して憧憬するヒカルの関係性がたまらない。ツンデレヒロインの式部さんもめちゃくちゃ可愛いのですが、生前は全く別の人生を歩みながらそれぞれの理由で友達というものがまるで出来なかった二人の友人関係にときめきがとまりません。ヒカルの死に関する謎も提示され、今後が楽しみなシリーズ。
 ……今年こそ最新刊までおいつきたいです。

裕時 悠示「踊る星降るレネシクル」(⇒感想:1巻 / 2巻 / 3巻 / 4巻
「バカ野郎。カッコつけんじゃねえよ」「いいじゃないか。これが俺の愛さ」
  
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 とある理由から戦う事を避けている主人公・レンヤが、幼馴染を追いかけてやってきたミカホシ学園。そこは個性が生み出す異能力を持って戦う“ミカホシランキング”で全てが決まる学校だった。“御三家”のみそっかす娘・すまるになつかれ、彼女の師匠となったレンヤだが……?
 個人的には「俺修羅」よりはこっちのほうが好きだ…。典型的な現代を舞台にした異能バトルモノなんだけど、ひきこもりでも極めれば強い!みたいなバラエティ豊かな異能力と、割と王道ド真ん中なアツい展開が楽しくてたまらない。レンヤを巡る三角関係+αなドタバタも楽しい。そして“愛”することで異能を発揮する(=自らの愛情が能力に起因するものか本当のものかが分からない)、すまるの幼馴染で主人公の友人の乾闇鳴の設定が美味しくてたまりませんでした。4巻は大変良い親友回でありました……裕時先生、俺修羅もいいけどこっちの5巻も早めにお願いします(切実)

この関係性に萌えた!編


夕鷺 かのう「(仮)花嫁のやんごとなき事情」(⇒1巻感想 / 2巻感想
「みなさま、ご機嫌麗しゅう。……夫を返してもらいにまいりましたわ」
  
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 顔がそっくりな自国の王女・シレイネの身代わりとして隣国の「毒龍公クロウ」に嫁いだ庶民の娘・フェル。上手い事仲をこじらせて離婚してしまえば一攫千金!と美味しいバイトだと思っていたのに事態は思わぬ方向にばかり転がっていく。フェルは無事に期間内に離婚できるのか!?
 悪い噂ばかりが先にたつ王族の元に政略結婚で嫁いで云々というある意味少女小説では王道な展開なんだけど、どう考えてもお互いに悪くは思ってないはずなのに、素直に好意を表現出来ず独占欲ばかりが先走るクロウの不器用なドSっぷりと、恋愛感情に疎くてクロウの行動に振り回されながら時折ぽろっとむきだしの好意がぽろっと顔をだすフェルの関係がおいしすぎてもうわたしは。そしてフェルがいちいち男前すぎていくら床ローリングしてもたりない。フェルの母国にも色々と裏がありそうでそちらの展開も楽しみなんだけど、とりあえず壁ドンは正義。

榎宮 祐「ノーゲーム・ノーライフ」(⇒1巻感想 / 2巻感想
「だから俺は、『人類』を信じない」「だがその『可能性』を信じる」
  
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 2人で1人の無敵の凄腕ゲーマー兄妹“空白”。天才故に人間社会に馴染めず、引きこもりになっていた2人はある日、ゲームの勝敗で全てが決まる異世界に召喚される。16種族で国取りゲームをするその世界で、ゲームから脱落寸前の“最弱”人類種の王となった2人は異種族達への侵略を開始する。
 人の機微と人心を掴む事に長けた兄の空と、幼くして過ぎるほどの豊富な知識を持ち冷静な判断力で物事を見据える妹の白。紛うことなく“天才”であるがゆえに2人揃えば最強であり、同時に2人でなくては何も出来ない(まともな生活すら送れない)という共依存具合が大変美味しい。……のですが、2人にゲームでまけて“空に恋する”という命令を強制させられてしまった不遇の元人類種王女・ステファニーの弄られっぷりが正直たまりませんもっとあの娘辱めて!!ください!!!ただし健全の範囲で!(※ただしボーダーラインはToLOVEるやチャンピオンREDいちごである)
 人間の存亡を賭けた国取りゲームですら碁盤の事のように弄ぶ2人の無茶苦茶さと、それとは対象的に報われない天才を捨て置けない真摯な想いがたまりません。

湊 ようこ「氷雪王の求婚 〜春にとけゆくものの名は〜」(⇒感想
あの時ああしていれば、なぜ自分はこの時こうしてしまったのか。彼女の後悔は尽きない。それは私も同じだ。
  
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 恋人と引き裂かれ、皇帝エドリックの元に嫁ぐ事を強いられたアイリス。『氷雪王』との異名を持つエドリックは色々と曰くつきの人だった。妻を妻とも思わない態度に憤っていたアイリスが、少しずつ2人は夫婦らしくなっていく。その先にまつ、悲しい運命も知らずに。
 仲良くなってからはただの夫婦でなく、后妃として時には夫の力となり、2人で新しい国づくりをしようと邁進する2人の姿にときめきがとまらないんだけど、並行して語られる物語のはるか先、未来からの視点が指し示す二人の悲しい結末にゾクゾクさせられる。可愛らしい表紙からは想像も出来ないようなかっちりした中世ファンタジーロマンスで、男性女性問わずにオススメしたい一冊でした。

渡島 健康 「魔王様げ〜む!」(⇒1巻感想 / 2巻感想 / 3巻感想
「さあ、いつも生意気なその口から、今日は違う声色を聞かせてもらおうかな」
  
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 魔王ディンゴを倒しに行ったら魔法で性転換させられ、魔王直属のメイドにされてしまった勇者レイモンド(メイドとしての名前はレモンちゃん)。世の全ての女性を愛し、メイド全員を平等に愛すると豪語する稀代の女好きっぷりとセクハラだらけの行動に最初は反感ばかり覚えていたが、女としての生活に慣れてくるにつれ案外仲間想いで為政者としても優秀なディンゴに悪い気はしなくなってきて……。
 レーベルごとお亡くなりになって未完のまま終わると思っていたらなんとか3巻が出ました(ただし電子書籍オンリーだ)。メインとしてはディンゴとレモンの関係性を主軸に据えたハーレム内エロコメなんだけど、主人公のレモン(レイモンド)が男としていつか越えるべき相手としてディンゴの背中を追いかけながらも、同時に1人の女としてディンゴに惹かれていくという相反する感情の間で揺れ動く姿が溜まりません。続きが書けなくも無い終わり方だったので、別レーベルに拾い上げとかでもなんでも続きが出てくれないかなあ……

このキャラクターが美味しい!編


竜ノ湖 太郎「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」(⇒1巻感想 / 2巻感想 / 3巻感想 / 4巻感想
「君は、この世界が好きなのか?」「ああ、大好きだぜ。一生涯を腐りながら過ごしてやれる程度にはな」
  
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 子供達3人は異世界からの「世界の全てを捨てて“箱庭”にこられたし」という招待状を受け、異世界へと召喚される。たどり着いたのは“ギフトゲーム”と呼ばれるゲームの勝敗が全てを決める世界。異世界にあっても特出した能力を持つ“問題児”達は様々な理由から、弱小ギルド“ノーネーム”に力を貸し、魔王を倒す事を決意する。
 チート能力を持った主人公3人が異世界の世界を舞台に所狭しと暴れまわる爽快感がたまらない!3人とも、ただ“問題児”なのではなく、様々な理由から元の世界で本気を出しきれなかったり不幸な境遇にあったり鬱屈を感じたりしており、過去の体験を引き金にした彼ら自身の信念に正直な姿が好感持てる。特に、3人の中でも更に特出した能力を持つ少年・逆廻十六夜の過去から現在に至るまでの物語が最高でした。常に「本気」を出す事を制限され、世界を愛した故に自ら腐って生きる事を決意した少年が自分の本気を存分に出せる世界にやってきて、暴れまわる姿には色々な意味でニヤニヤがとまりません。

大間 九郎「オカルトリック」(⇒1巻感想 / 2巻感想
「玉藻、私と二人で、幸福になろう」
  
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 狐憑きの少年“玉藻”は超絶美女でちょっと不思議な引きこもり探偵の“ねえさん”に愛されつつ(こきつかわれつつ?)、オカルト探偵の助手をやっている。ある事件をきっかけに、女子力高いテンション高い系メンヘラ・イソラと出会う。3人がそれぞれの愛と幸福を捜し求める物語。
 自ら消えたいと願った少年と、その少年を護ろうと必死になった“狐”の奇妙な物語。過去話から透けて見える玉藻とねえさんの共依存関係がおいしすぎる。あと玉藻の非処女主人公という設定はもうちょっと売り出してもいいとおもいます!!読み終わってみれば愛と幸福を追い求める登場人物たちの熾烈な生き方が焼きつくかのような、不思議な読み味の物語でした。しかし、色々な意味で物語内のインパクト大賞を選ぶなら最強メンヘラ・イソラたん以外になにもない感。

かじい たかし「僕の妹は漢字が読める」(⇒1巻感想 / 2巻感想 / 3巻感想 / 4巻感想 / 5巻感想
妹こそが、文学だ。
  
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 萌えで支配された23世紀。漢字は退廃し、文字はひらがなだけになり、文学界では実妹派か義妹派かがアツく議論される未来の日本に住んでいるイモセ・ギンは憧れの作家オオダイラ・ガイの家を訪問する。その先で21世紀の日本に飛ばされてしまって!?義妹に実妹、年の離れたロリ妹にロリジジイにおっぱい担当の21世紀ヒロインに囲まれて、23世紀で作家を志す少年が少しずつ成長していく物語。
 1巻の頃は主人公の空気読めない発言にイライラしたこともありましたが、そんなギンが過去の人類や未来の人類をはじめとした様々な思想を持つ人間と出会い、ゆっくりと成長していく課程が大変美味しかった。文字文化が未来に向かうにつれ少しずつ簡略・退化していくさまは微妙にないようにみえてありそうな気もして、SF小説としても大変面白かった。
 しかし、正直一番のみどころはそんなことよりクロハのフトモモだとおもうわけです。私はこれで黒ストに目覚めました!!
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