リーガル・ファンタジー 1 勇者弾劾裁判 | 今日もだらだら、読書日記。

リーガル・ファンタジー 1 勇者弾劾裁判

 

勇者の功績により聖魔戦争が終結して三百年。正義の弁護士を目指す少女フィオナは名門法律事務所の門を叩くも、守銭奴である所長への反感から、事務所を鞍替えすることに。だが、法廷デビュー戦で対するはかつての師スミオ・マリアヘル、その人だった!彼女は敗れ、結局はスミオの元でこき使われることに。そんなある日、事務所に持ち込まれた依頼は―あの勇者の弁護!?駆け出し弁護士と最強の『法廷の魔女』が挑む裁判ファンタジー、ここに開廷!!第15回えんため大賞優秀賞受賞作品。 (「BOOK」データベースより)

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 ファンタジー世界、というより「ドラクエRPGゲームの世界」を舞台にしたファンタジー法廷劇。勇者が世界を救ってから300年後、当時勇者がやらかしたさまざまな事例を巡り弾劾裁判が起きて…!?というお話。

 「FF」世界で「逆転裁判」かなと思って読むと「ドラクエ(しかもSFC時代)」世界で「リーガル・ハイ!」やってる感じなのでタイトルから前者を想像するとちょっとイメージ違うかも。勇者は不法侵入し放題、家に入られたらタンスの中を漁られる!とか、仲間にしたキャラを身包み剥がして装備奪って本人のステは低いので放置プレイとか、僧侶は回復薬代わりとか、ゆうべはおたのしみでしたねとか、確かにRPGでお約束な行動の数々を現実世界でやっちゃったら普通に犯罪だし、それを「超法規的措置」として特別扱いしたら嫌がられるし叩かれるよなあ。しかも女好きで不老不死の勇者様には大量の子供がおり、お世辞にも人間が出来ているとはいえない勇者様はその子孫達にほぼ例外なく恨まれているもんだからさあ大変。雨後の筍のように「勇者の子供」が出てきては事態をひっくり返していくもんだから……楽勝だとおもっていた裁判が、逆転に逆転を繰り返した挙句、崖っぷちまで追い込まれてしまう破天荒な展開が楽しかった。

 主人公のフィオナと師匠となる弁護士・スミオの関係性もただ「正義感が強い駆け出し弁護士と強欲で勝利のためなら手段を選ばない敏腕弁護士」になってないところが良かった。フィオナは世界が正義だけでも正論だけでもどうにもならないことも知っていて自分のしようとすることに対して葛藤するし、スミオにはフィオナをこっそり目にかけるだけの理由がある。そんな二人が反目しあい、喧嘩しながらも勝利を掴もうとする姿が心地よかったです。まあ個人的にスミオはもうちょっとドSに徹してくれても良かったんですけどね!!

 若干1巻の中で詰め込み感あったり、露骨に拾えてない伏線があったりするのが気になったり少し読みづらい部分もあったんですが、そういう荒削りな部分を差し引いても引き込まれてしまう作品でした。2巻があるなら冒頭ででてきた女の子2人がライバルとして再登場する展開を全力でお待ちしてます(個人的にあれだけいかにもメインキャラ臭漂わせておいてあれしか登場しないのは割りと詐欺だとおもうので…おもうので!)

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