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断章のグリム10 いばら姫(上)

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

両親から死んだ姉と同じ名前をつけられた少女・莉緒。彼女は常々、両親が自分を「姉の代わり」として見ていることに悩み、葛藤していた。そんな彼女が1人目の子供を両親が池に落として殺し、2人目の子供が同じ場所で「今度は落とさないでね」と語りかけるという怪談を聞いて…。一方、夏休みを出来るだけ雪乃と共にすごそうと神狩屋を訪れた蒼衣の元に、他のロッジの泡禍解決に赴いていた雪乃と颯姫が戻ってこないという連絡が届いて…!?
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芽が、芽がぁああああ、うわあああああ!(Cv.●スカ大佐)
なんていうか、久しぶりに色々な部分でクリーンヒットした。針も黒こげゾンビも怖いけど、芽こわい怖すぎる……しばらく植物はノーサンキューだぜ……。

タイトルは「いばら姫」だけどむしろ10巻を読み終わった時点では最初に出てきた学校の怪談との符号性の方が強い感じで、ここから「いばら姫」にどうやって結びついていくのかが気になります。というか都市伝説とか民俗学とか学校の怪談とかが出てきたからか、今回は全体的に前作「Missing」の雰囲気に近いものを感じました。現時点では襲い来る「異端」に対して、蒼衣達側が何の切り札も持っていない辺りもその雰囲気を倍加させているのかも。

一方、「騎士」として悪夢を祓う事に存在意義を見出している雪乃が着実に自らへの無力感とか、悪夢への切り札として扱われている蒼衣への苛立ちを募らせているのがとても不安な感じ。この不協和音が、今後の彼らの関係に着々と影を落としてしまいそうな気がして、ハラハラする。

そういえば、最初の“怪談”で出てきた「子供を池に投げ捨てたお母さん」って、ひょっとして今回登場したロッジのリーダーの“リカ”さんじゃないのかしら。怪談と同じ状況で今回のと似たような泡禍に遭遇していて、下巻で泡禍解決のカギになる……とか。良い形か悪い形かは分からないけど、今回の物語の根幹に関わってきそう。ラストで登場したあの人も気になるし、この事件がどうやって解決するのか、下巻が楽しみです。

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