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すべての愛がゆるされる島

[著]杉井 光  

太平洋の真ん中、赤道直下に浮かぶ、名前のない小さな島。そこには教会があり、神父とわずかな島民が暮らし、訪れるどんな二人も祝福され、結婚式を挙げることができる。同性愛、近親愛、不倫愛、そこではあらゆる愛がゆるされる―その二人が、ほんとうに愛し合っているかぎり。その島を訪れる、父親と娘。それから姉と弟。ある者は愛の存在証明のために。またある者は不在証明のために。様々なものを見失って渇いた者たちの、いのちと時間がその場所で交錯する―。 (「BOOK」データベースより)

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愛さえあればどんな「禁断の愛」でも認めてもらえるという教会で、それぞれの愛の「存在証明」と「不在証明」を目指す二組4人の男女の視点から語られるちょっと不思議な島の成り立ちのお話。これまで読んだ杉井光作品のどれとも違う、しっとりとした背徳と愛の物語でした。とりあえず、杉井光というと「高いツッコミ技能を持つ主人公の一人称」みたいなイメージがあった(「火目の巫女」などは除く)ので、まず少女の一人称で始まった事にびっくり。こんなお話も書ける人なんだなあ。守備範囲広い。

「すべての愛がゆるされる島」と教会、そしてそれを取り巻く人々の過去や謎が明らかになっていくのとともに、一見全く関係がないように思える2組のカップルに少しずつ共通点が見えてきて、最後に思いがけない真実が明かされる……という展開が非常に面白かったです。終盤のどんでん返しは特に、全然思い当たっていなかったのでゾクっとなる。

ただ、個人的にはあまり好きな作風じゃなかったというか、正直いつもの杉井さんの作風のほうが好きだなあ…。

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