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K SIDE:BLACK&WHITE

[著]宮沢 龍生(GoRA)  [絵]鈴木 信吾(GoHands)

“白銀の王”アドルフ・K・ヴァイスマンの乗る飛行船の爆発に巻き込まれ、九死に一生を得た、伊佐那社(シロ)、夜刀神狗朗(クロ)、ネコ。奇妙な縁で結ばれた三人は、逃亡先の一室でそれぞれの来し方に思いを馳せる―。クロがかつて仕えた先代の“無色の王”三輪一言、師弟の間に在る絆。幻惑の異能力を操るネコ、彼女はなぜ猫の姿をしているのか。そして、微睡みの中で遠い記憶の底をのぞきこむシロ。そこには、共にいれば心安らぎ、未来を語りあえる二人がいた。伊佐那社、夜刀神狗朗、ネコ―それぞれ“過去”をめぐる物語が幕を上げる。人気アニメ、オリジナル小説第3弾。 (「BOOK」データベースより)

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 夜刀神狗朗、ネコ、そしてアドルフ・K・ヴァイスマンと國常寺大覚の過去を描く、アニメ「K」の前日譚ノベライズ第三弾。

 クロと一言様の過去を描く「繋がっていく者」のほほえましさがヤバい。クロが一言と暮らすようになった経緯はものすごく重いものがあるし、小さい子供ながらつらい境遇にも耐えて遂に手に入れた幸せな生活に思わず胸が熱くなってしまうんだけど、天才肌二人の繰り広げるどこか浮世離れしたやりとりにふきだしてしまうこともしばしば。クロがどんなに一言様を慕っているか、そして一言がどれほどクロを大切にしているかが伝わってくるお話でした。

 一方、クロの話とは対象的に幸せな物語から一気に突き落としにかかってくるのがネコの過去話「ワガハイはネコである!」。幼くして膨大な力を持ったストレインであった彼女が知らないままに築いてしまった小さくて幸せな虚構の世界が、些細な出来事をきっかけに砂のように崩れていくのが悲しい。そして、絶望した彼女が現在の『ネコ』になった原因と経緯がやるせない。

 シロの見る泡沫の夢としてはじまるアドルフと國常寺の過去話「和洋を超えて」も面白かった。日本から「石盤」の研究のためにドイツにやってきた國常寺がヴァイスマン姉弟と出会い、友人として絆を結ぶまでの話なんだけど、好意的なようにみえてなかなか本心を見せないアドルフに対し、國常寺が彼らしい誠実さで信頼を勝ち取っていく様子にニヤリとする。彼らの出会いはアニメで見たときももうちょっとじっくり見たいと思っていた部分だったのできちんと読めてうれしかったです。

 しかし、ここの短編としてみるとどれもいろいろな意味で面白い物語だったんだけど、すべてつなげてみると新たななぞが浮かび上がってくる。3編すべてに登場する同じ名前の「猫」の存在もそうなのですが、ネコの過去話に出てきた老人の風貌とか、「あれ?」ってなったの私だけじゃないよね……何かこう、彼らの間には知られざる何かがあるのではないかと疑ってしまう。無色一派はなんだかんだで、まだまだ謎が多いなあ。

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