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学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇

[著]柚本 悠斗  [絵]米山 舞

七千人が通い、生徒の自治によって運営される白楊中央学園には華々しい実績の裏に、ある掟が存在した。それは「校則を破らない」こと。一見当然のこのルールは学園の特殊性から、法律のような実効力を持っている。そんな学園において唯一、法条真誠という男だけが法外な報酬と引き換えに、校則すらもねじ曲げて依頼人の問題を解決していた。とある事情で法条に借金をしてしまった少女、花咲華織は彼の助手を務めるうちに、法条の真意と学園の不自然な構造に気づいていく。ひねくれ者だが有能な主人公と、猪突猛進なヒロインによる、驚愕の学園逆転劇、ここにスタート!(「BOOK」データベースより)

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 校内の揉め事を解決しているという先輩・法条に助けてもらった新入生・華織は、彼から高額な依頼料を請求され、借金を返すため法条の下僕…もとい助手をする羽目に。法条とともに様々な依頼に触れていくうち、平和だと思っていた学園の様々な暗部が見えてきて……というお話。

 タイトルからもっと俺TUEE系頭脳バトル的なものを想像していたんだけど、探偵役である法条が予想以上に人間らしいキャラクターで、傍若無人を装っているけれど、読み進めるにつれて相手への情が滲み出てるのがなんとなく察せてしまうのがズルい。学園の現体制に不満を抱きながらも最終的にその歯車のひとつとなってしまっていて、そういう自分の立ち位置を受け入れながらも、華織が自分では打ち破れない壁を破ってくれる存在となることに期待している構図が大変美味しかったです。

 そして、お人好しで他人の意見に左右されやすい助手の華織が、自らの「正義」に思い悩みながら人間的に成長していく姿も良かった。最初は嫌々だったのに、法条の不器用な本心が見えてくるうちに彼と離れがたくなっていく姿にニヤニヤしてしまう。

 そんな華織が自ら考えて周囲の力を借り、法条とは別口で事件を解決しようとする最後の事件がとても好き。どこか敷かれたレールを走って解決した部分がないわけじゃないんだけど、それまでの依頼を積み重ねて彼女なりに築き上げた繋がりを必死に活かして事件を解決に導いていく姿が印象的でした。思い切り次巻に続く形で終わったのだけど、わりとエピローグ前までで綺麗にまとまってる印象なので続きがどうなるのかちょっと気になる…。

 個人的には法条が眼鏡のオンオフで性格がよそ行きになる?みたいなのがちょっとわかりづらくて、そこだけちょっと残念。眼鏡関係なく華織への態度は一貫しているので、単に敬語使うか使わないかくらいの違いに見えるんだよな。ギャップ萌え的には華織に対してもよそよそしい態度とるようになるくらいの劇的さが欲しかった……。

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