カーリー 二十一発の祝砲とプリンセスの休日 | 今日もだらだら、読書日記。

カーリー 二十一発の祝砲とプリンセスの休日

[著]高殿 円 [絵]椋本 夏夜

突然、シャーロット達の通う女学校にインドの中でも有数の力を持つ藩王国・バローダの王女パティがゾウにのって転校してきた。破天荒で我侭な彼女の行動に歯止めをかけられる人間はおらず、生徒達はただただ困惑するばかり。
カーリーをパティに取られ、更に気の合わないヴェロニカと相部屋にされてしまい面白くないシャーロットだが、偶然彼女の秘密を知る羽目になり…

苦手だった筈のヴェロニカやライバル(?)のパティをなんだかんだいってほっておけず、頭を悩ませたり、奔走したりするシャーロットが非常に可愛いです。前回以上に寄宿舎がメインになっているので、前回気に入っていた学園パートが比例して増えていて凄く嬉しかった。

破天荒で派茶目茶で恋に生きるお姫様?なパティや、新キャラで結構クーデレのベリンダさんとか実は凄まじいツンデレだったヴェロニカたんとかキャラクターも最高です。特にヴェロニカ様がサリーをご所望するあたりはもうひたすらにやけ笑いが止まりませんでした。最高!!そしてベリンダ、ラストでいいところもってきすぎ…!

パティに纏わるお話は本当に色々な意味で良かったし、切なかった。
寄宿舎での振り回しっぷりも、彼女の真意と併せて読むと壮絶な覚悟を感じて凄く切なくなります。この後時代は大きく変わっていくわけですが、その中でパティも本来の彼女らしく、自由奔放に生きてくれていたらいいな、と心から願ってしまいました。

しかし華やかで面白おかしい学園生活の裏で、インドを…ひいては世界をも大きく震撼させる出来事が進行しているというのがまたこの刹那の学園生活に輝きを与えているように思えます。次巻が出るにしろでないにしろ、寄宿舎での話は今回で終了とのことで非常に残念。個人的にはなんとしてでも続編を刊行して頂きたいので、興味のある方は是非買いましょう。是非。






しかしもうね、今回出番が少なかったんですがそれ以上にカーリーが最高なんですよ!

「…………牛乳、小魚、卵かな」とかアヒルとの低レベルな確執とかシャーロットとのウキウキ★ヒンドゥー語レッスンとか見所満載すぎ。

どんどんシャーロットの前でのみヘタレ王子(誉め言葉)になってきてしまったカーリー最高。前巻での割合パーフェクト少女なカーリー、そしてキレモノなアムリーシュ殿下も最高でしたが個人的にはこっちの方が断然好みです。いいよヘタレ王子もっとやれ!!シャーロットが判らないのを言いことに自分の都合の良い事言わせて悦に浸ったり、判らないのを良い事にヒンドゥー語で愛を囁いてしまうヘタレなカーリーを全力で応援したく思います!!

しかし次回以降はあのパーフェクト美少女にみせかけて実はヘタレッ子なカーリーたんはもう拝めないのでしょうか。非常に残念です…もう少し見たかったなあ。パティのルームメイトに選ばれたあたりの下りを読んで、もうカーリーがメイド服でお仕えするんだと信じて疑わなかった(しかもそんなカーリーの挿絵が入ると信じていた)ダメ人間で本当にごめんなさい。
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