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連射王(上)

[著]川上 稔

野球部に所属する高校生・高村コウは、何に対しても本気になりきれない事に悩んでいた。野球は「楽しい」が勝つため・レギュラーになる為一生懸命なチームメイトに共感することが出来ず、距離を感じる毎日。ある日、電車待ちの時間つぶしに立ち寄ったゲームセンターでコウは一人のゲーマーがシューティングゲームに“本気”で向き合うところを目撃する…。
 

シューティングゲームに青春を賭ける、熱き漢達の物語。

主人公が野球部での事や人間関係に悩みながら『大連射』というSTGをワンコインクリアする所までを描きます。「シューティング」というジャンルからして非常に漢らしいのですが、主人公はコンティニューをしない主義だったり、自分がクリアできていないポイントから先のプレイは見ないように心がけていたりと物凄くストイック。まさに『漢』の世界です。古きよき昔のアーケードゲーマーと言う感じ。

とにかくSTGの楽しさが伝わってくるような、そんな作品でした。ゲームをプレイしているときの爽快感やボスを倒した時の喜びなど…このジャンルのゲームは殆どプレイした事無いのに読み終わるとゲーセンに行ってコッソリとシューティングやってみようかな、と思ってしまうほど。また、主人公を間接的にSTGに引き込んだゲーマー・竹さんのシューティング解説が妙に実用的で面白い。

なんか凄く本当の「ゲーマー」達の姿を見た、という感じがします。ただお金を使い込むんじゃなくて、ただストイックに自分の目的を果たす為に色々と攻略法を考え、スティックの持ち方から何から考えて(時には熟練者にアドバイスを貰って)ラスボスを倒す。知らない人から見たら“たかがゲーム”なんでしょうが、どこか爽やかなまでに健全な、男達の勝負の世界がありました。

都市シリーズや終わりのクロニクルのような面白世界設定も異能力もありませんが、十分すぎるくらいに熱くさせてくれる青春物語です。下巻も楽しみ。

→下巻の感想はこちら。

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