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征服娘。

[著]神楽坂 淳 [絵]鈴羅木 かりん

名門貴族の娘として生まれ、商才に恵まれた少女・マリア。彼女は才能があっても血筋や性別の所為で損をしなければならない社会に我慢することが出来ず自らがこの世界を掌握せんと、侍女にして親友のアッシャと共に動き出す。ひとまず目先に迫った結婚から逃れる為、2年間修道院に入る事にしたのだが…
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才能はあるのに“女”であるがゆえに結婚して家庭に入るという将来が確定してしまっている貴族の令嬢が、自らの手で未来を切り開く為に国家の頂点に立つという野望を抱く…という物語。

自分の弱点や欠点を正確に把握して、自分に出来るところから少しずつでも堅実に野望に向かって邁進していくマリアの姿がとにかくかっこいい。将来、父や兄と事を構えることも視野に入れながらも彼らから間違いを正されればきちんと受け止めるし、自分が弱者である事も認めたうえでそれを出し抜く計画を練る。その大それた望みとは対照的に堅実な動き方が好印象でした。「世界征服の第一歩として、まずはカーニバルの露店から!」という小ささが凄く良い。

また、そんな彼女に惹かれて集まる協力者達が非常にかっこいいのです。侍女であり親友にして訳ありっぽくてクールな元王女・アッシャ、貴族だけどアウトローでマリアと同じく野望を持ったラウラの魅力は勿論の事、彼女の「信望者」とも言うべき庶民達がまたかっこいい。特に水夫のマルコの発言には痺れたなぁ。ある意味最大のライバルともいえる父親・ジャコモとマリアの駆け引きも物凄く面白かった。

マリアが手がける「ティー」や「チョコレート」をはじめとして現在ではデザートとして広く流通している嗜好品がまだ一般化しておらず、それをマリア達が女性ならではの感性で一般に流通させていこうとするという過程も興味深かったです。今後もこういった甘味流通ネタが出てきそうな気配なので、そちらも併せて楽しみ。

…しかし、個人的にはほぼ文句なしだったんですが、唯一挿絵が……鈴羅木さんは某社のゲームアンソロ時代からのファンなのでラノベの挿絵と聞いて楽しみにしていたのですが、キャラを重点に押し出した派手な画風や、線の太いしっかりとした描き方がイマイチこの作品には合っていないように感じました。良くも悪くも「1枚のイラスト」として完成してしまっていて文章の挟まる必要すら無い空気を感じるというか…なんなんだろうなぁ、この違和感…。

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