電脳幽戯 ゴーストタッチ | 今日もだらだら、読書日記。

電脳幽戯 ゴーストタッチ

[著]真名月 由美 [絵]宮川 由地

私立探偵・鷺浦悠人の元に死んだ息子の死因を調査してほしい、という依頼が舞い込む。依頼そのものは断ったのだが、偶然彼のお葬式に遭遇し、なんとなく事件自体を調べることに。調査の結果、「Foolish Children」というウェブサイトで行われるゲームが浮上してきて…
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リレー小説形式で行動を書き込む事で“ゴースト”と呼ばれる化け物を操ったり、ある程度現実世界に干渉することができるという謎のゲームに何も知らないまま巻き込まれて命を狙われている女子高生と、かつてそのゲームにかかわったことのある私立探偵が、迫りくる敵をかわしながら反撃していくというお話。

ホラーと知能バトルのいいとこどりをしようとしてどっちもとりそこねちゃったような、そんな印象が。いや、ホラー要素が物足りなく感じてしまったのはどう考えても「学園ホラー」の一言で「Missing」を思い出してしまったからに他ならないんだけど、少なくても私には屍鬼という化け物の恐ろしさがあまり伝わってこなかったです。ていうか“ゴースト”の存在そのものがなんか弱くて、インパクト薄い…わざわざ自分の身近で大切だった人を“ゴースト”にする意味があまり感じられなかったというか(ラストのシーンのためだけに使うには、重い設定だと思うんだけどなあ)

知能バトル要素としても、細かいルール設定や「書いたことが現実化」という要素も相俟って露骨にデスノートを髣髴させます……とかおもったら、本当にデスノオマージュでしたという罠でした(後書き参照)。ネットの書き込みから顔も見れない相手の個人情報を割り出し、いかに敵の不意をつけるかというのがキモになっていて、ゲームのルール自体はとても面白いんだけど、少ない書き込みから主人公達が“襲撃者”を割り出すあたりがあっさりと必要最低限にはしょられていて、非常に残念。事細かにやったら今度長すぎて面白くないんだろうけど、もう少し敵の正体を割り出すのに手間取ってくれた方が面白そうだった。

全体の流れとしては面白かったんだけどお上品な薄味というか…私としてはもうちょっとムラがあってもいいので濃い味が好みだったかなぁ。
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