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死図眼のイタカ

[著]杉井 光  [絵]椎野 唯

伊々田市に於いて絶大な権力を持つ朽葉嶺家の婿として養子に入り、小さな頃から朽葉嶺家で育てられてきたマヒル。兄弟のように共に育った4つ子の姉妹の中から彼の婿を選ぶという儀式「継嗣会」が間近に迫る頃、街では女子高生ばかりを狙った猟奇事件が発生していた。そんな中マヒルは、真っ黒い衣装で身を包んだ少女・イタカと出会い…

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街を実質的に支配する旧家「朽葉嶺家」の跡取りとして育てられた主人公が、閉鎖的な田舎町で巻き起こる猟奇殺人事件と、なぞめいた朽葉嶺家の秘密に迫るという伝奇サスペンスもの。作風としては「火目の巫女」に近い欝展開で、「お兄ちゃん大好き☆な4姉妹モエー」とかいってるともれなく痛い目見る事請け合い。火目の巫女的な意味で。

朽葉嶺という古くから続く家の謎と、猟奇事件の真相に迫っていくと、段々自分に身近な人間達が死にはじめて……不審な態度を取る義理の母とその家によって掌握され、逃げ場のない閉鎖的な村の雰囲気、いかにもあやしげな“儀式”などなど、おどろおどろしい雰囲気とおぞましい事件のハーモニーが素敵。短いながら、各ヒロインそれなりに印象に残るエピソードがあるが故に死んでしまうとショックが大きいんだよなあ…情け容赦なくメイン級のキャラクターがガンガン死んでいく上メインヒロインらしき人物がしっかり他にいるので、4姉妹のうち誰が犠牲になってしまうのかなかなか先が見えない展開がまた良かったです。そして何より、事件の真実を明かされたときの衝撃が!ミスリードにあっさりひっかかってしまっていたので思いもよらぬ真実に愕然としました。

ただ、主人公の性格上仕方ないのかもしれないけど、主人公がイタカ・藤咲と4姉妹のどちら護りたいと思っているのかはっきりしないのがちょっともどかしかったかも。最終的には双方が対立してしまうため、特にそのヘタレっぷりが悪目立ちしてしまったような気が。やっぱり王道モノ好きとしてはきっぱりはっきり誰か特定の一人についてほしかったかな。

しかし、こういう物語はものすごく好みだし一応続けられそうな終わり方にはなってて続きが出たらぜひ読みたいけど、続きが出たらただの伝奇系現代異能モノになっちゃいそうな予感がして、1巻完結でちょうど良いような気も。少なくてもこのおどろおどろしい雰囲気を続けていくのは難しそうだよなあ。

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