
[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人
あまりの目付きの悪さと対人恐怖症のせいで就職活動をすれば書類段階で34社全てに断られ、すっかり引きこもりになってしまったヒデオ。親からの仕送りも無くなっていよいよ首を釣るしかない…という時、道端で拾ったノートパソコンから自称“電子の精霊”ウィルスのウィル子が現れ、なしくずしに「聖魔杯」という人と人ならざる者が戦う大会に参加するハメに…
ぶっちゃけ本当の就職氷河期は34社全部に断られるなんて普通でしたが何か!?
えー自分はあまり真面目に就職活動しなかったので知らないけど、私達が卒業した年が一番の氷河期で、そこまでレベルの低い大学出もないのになんでも50社受けて全部断られたとかそんな話がゴロゴロ転がってました。同級生達の生み出すダースベーダーも真っ青なドス黒いオーラが忘れられません。まあそれなりの企業を50社受けて全部蹴られるのと、バイトの面接34個受けて全部断られるとかそういう比較だったら、明らかに後者の方がありえないけど。
というわけで、変なツッコミから始まりましたが(笑)以前から気になっていた「お・り・が・み」の作者さんの新作シリーズです。
体力ゼロのひきこもり君がいきなりはては暗黒武術会か、バトロワか!?と思わせるような展開に「消閑の●戦者」的頭脳バトルを想像していたら、
むしろイメージとしては「ア×トロ!乙女塾」(初期)だった罠でした。真面目なバトルどころか、バリバリのコメディ。
何でもありな1500人以上でのバトルロワイヤルながら、絶妙に上手いルール制限が敷いてあって、あまり殺伐とはしない仕組み。「消閑の~」と同じくらいこのルール設定が上手いなあと思います。下手をすればいきなり1500人で殺し合いとなってもおかしくない状況で「殺してはいけない」「拒否したかったら拒否できる」「ルールは基本的にバトル、しかしバトルじゃなくてもいい」っていう制限を加えただけでここまでまったりモードになってしまうとは。解説2人組の方が余程殺伐としてるよ、これ…(笑)
主人公がハッタリや運や
その場のノリで強敵を倒していったり、強い相手に強敵と認定されてしまう展開はまさにミモノ。しかし時々突然熱い展開に突入したりするのがたまりません。特にレッドフィールドとのバトルには激しく燃えた。
あと時々さりげなーく織り交ぜられるパロディネタに笑いをこらえるのが大変。特に酒に酔ったヒデオが「新世界の神に(略)」と言い出すシーンには大爆笑でした。ここまでコミカルな作品は久しぶりに読んだので(乙女塾も最近はシリアスになっちゃったしね…)今後に期待です!!
「お・り・が・み」の続編に当たる作品で、前作キャラや設定もそれとなく受け継いでいるようなのでこれは是非「お・り・が・み」の方も読んでみたい。積読本消化したら…(笑)

[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ~
吾川鈴蘭は自分の部屋で途方にくれていた。生みの親に捨てられ、親戚をたらい回しにされ、詐欺師にひっかかり…身に覚えのない億単位の借金を背負わされてしまう。「神なんか居ない」といっそ首でも釣ってやろうかとおもった矢先、怪しげな男が現れて助けてくれたのだが、彼はなんと悪の組織の人間で!?
大分前に書いたエントリへの言及リンクがきっかけでずっと気になってた作品に漸くこっそり手をつけてみます。実は
半年くらい前に完結セットで購入してずっと積んでいたという恐ろしい罠だったりします。
悪の組織に多額の借金を背負わされ、メイドの姿に“御主人様ぁ~”とか言わされて奴隷のようにこき使われる鈴蘭の姿はまさに
「これ、なんて“これが私の御主人様”?」状態なのですが、コメディ一辺倒とみせかけて後半は熱いバトルが展開されます。個人的には鈴蘭のクラスメイトの勇者様・長谷部翔希がツボ。あそこまで猛烈な猪突猛進っぷりは近頃の作品では中々見られなくて貴重じゃないかと(笑)しかし、やはり現代の勇者になるには多大な努力が必要なのね………
プッ
コメディばかりの前半において、神が居るかと聞かれた鈴蘭がそこだけ即答で否定の言葉を返す姿が印象的でした。本当に色々な方向で不幸を背負い込んだ主人公だけに、今まで生きてきた時の辛さがその一言に集約されているようで。正直ラストの独白シーンよりもずっとパンチが合ったんじゃないかと。
ラストの少々ご都合主義すぎる終わり方がちょっと気になったものの、ぐんぐん物語りに引き込まれる展開といい、お約束だらけのストーリー展開やバトルといい、典型的だけどあざとすぎない萌えキャラたち(お姉さん系幽霊?とか日本刀美少女メイドとか!)といい、軽い気持ちでちょっとした息抜きに読める。まさに「ライトノベル」といった感じの物語でした。重い物語ばかり読んで疲れた頭への清涼剤に、オススメです!!

[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人
闇医者に引っかかり、法外な治療費を請求されたヒデオとウィル子。借金を返す為にダンジョンに挑むがまるでお話にならず、途方に暮れる二人の前に現れたのは“悪の組織”魔殺商会だった!目つきの悪さと“優勝候補”という肩書きを生かして魔殺商会の借金取りを始めたヒデオだったが…?
ヒデオ、遂に就職(笑)
そして
いきなり「お・り・が・み」キャラ大量に出てきたーー!?
そういえば1巻読んで以来、残りを積みっぱなしです。まあ、「お・り・が・み」の事前知識が無くても読めなくは無いけど、逆に
半端にキャラを知っていると色々ともどかしい部分が多く…(なんであの人が「魔殺商会」にいるのー!とか)とりあえず3巻が出るまでにとっとと読んでおけという事でしょうか。
前回と比べて、ハッタリと口先三寸で切り抜けるコメディっぷりは割と抑え目で、ちょっと残念。むしろ前回でやらかしたハッタリがバレそうになってハラハラする回数の方がずっと多かったような…。また、“魔殺商会”に就職してしまったが故に~みたいな苦労も多く、全体的に結構シリアスなノリでした。
ただ、ヒデオにしろウィル子にしろ、今後の成長が伺えそうな終わり方だったので小細工無しに、普通に燃え小説として面白くなってきた感じです。
個人的に一番ツボだったのが、元勇者・長谷部翔希とヒデオの半端じゃなく
低レベルな会話…就職活動失敗回数で密かにバカにしたり、フリーターな元勇者と例え抜け出したいと思っているとはいえ正社員な自分を比べて密かにほくそえんだり…ああ、
そのみみっちさ、流石元NEETだと思えてなりません。というかおぬし、全国のフリーターに喧嘩を売っておるな!!!
…べ、べべべべつにうらやましくなんかないんだからねっ!正社員っていったらやっぱボーナスだよなーいいなーなんて思ってないんだからねッ!!!
ちなみに、今回は本編がシリアス気味なのに対して、番外編がはっちゃけてます。特にエルシアのマイペースっぷりには何度笑わせられた事か。
凄く良いところで終わっているので、続編が楽しみです。
とりあえず
今月中(くらい)に「お・り・が・み」読破を目指そうかな!

[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ~
魔殺協会から解放され、再会した母親の元で平和な学園生活を送り始めた鈴蘭。平和を噛みしめるのもつかの間、彼女の学校に新任の教師としてやってきたのは“ご主人様”こと魔殺協会社長・伊織貴瀬だった!!しかも理事長の孫から半ば脅迫されて伊織の過去を取り戻すのに協力する事になってしまい…
ご主人様こと伊織の知られざる過去に迫るお話。かなり口先だけで世の中渡ってきた悪役キャラ(「終わりのクロニクル」の佐山系?)だとばかり思っていたら、予想以上にエライ過去をお持ちで、びっくりしました。ドリルマニアの医者と過去を取り戻した伊織の会話が凄く良かったです。伊織もそうなんですがそれ以上にただのギャグキャラだと思っていた医者があんな二面性の持ち主だったとは…やめてください
うっかり萌えちゃうからッ!!
あと数時間でクーデターが起きるという超劣勢の中、伊織が記憶を取り戻した事を切っ掛けに始まる快進撃に一気に引き込まれます。まさに反撃の狼煙のごとく、タイミングバッチリで登場する沙織のシーンなんか最高にかっこいい。そして挿絵でも登場する、伊織の“あの台詞”には本気で悶えます。あああああこれぞまさに“悪役”!!悪役萌え!
悪役サイコー!!!
リップルラップルの過去にも何かありそうだし、ラストでのヴィゼータと伊織のやり取りなど、まだまだ波乱が起こりそうな予感で一杯で、続きを読むのが楽しみです。
そういえば、「マスラヲ」とこっちでみーこさんの口調が大分違った気がするんだけど、その辺の謎も読んで行けば明かされるのかな?

[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ~
偶然記憶をなくした“魔殺商会”の魔人・みーこを拾った翔希。同じ頃協会では、“魔王の側近”であったころの記憶を利用して魔界への道を開こうという目論みが進んでいた。協会のやり方に疑問を覚えた翔希はみーこを連れて協会の元から逃げ出し、ゼピルムに身を寄せる。一方、みーこを救いたい鈴蘭は“魔王”として覚醒しようとするが…
前の2巻と比べるとギャグ比率が低めでちょっと寂しかったけど、面白かったです。
やはり、地味に2巻で伊織が記憶を取り戻してしまったのがマイナスと言うか…以前ほどはっちゃけた行動をしてくれないので切なかったです。ちょ、お前
そんなシリアスキャラちゃうだろ…!!!みたいな。
今回は協会から逃げ回る翔希とみーこがメイン。一途でヘタレな勇者・翔希は結構好きなキャラだけど、そろそろ勇者らしい活躍をしてほしいですね。今回も魔王としての力に目覚めた鈴蘭に美味しい所を持っていかれまくりだったのがちょっと残念。ラストの口上はかっこよかったですが。というか未だにどの辺の能力を持って「勇者」なのかイマイチわからないよねw
一方、影で大活躍するのが主人公こと鈴蘭です。伊織家の地下に居る魔人達とガチンコバトルでわかりあい、もったいぶって翔希達の追跡に加わってはみるものの
魔人3人、ぜんぜん役立たず。魔人達と共に今回髄一のギャグシーンを演出したと思ったら、ゼピルムのエルシオンとのバトルでは最強に燃えさせてくれます。
過去の記憶を取り戻したみーこさん。「お・り・が・み」序盤での彼女と「マスラヲ」で口調が違うのがこういうわけだったんですね。個人的には前のおっとりお姉さんタイプも良いけど、記憶を取り戻したみーこさんの方が好きだったりします。
次の話は水着!な話ということで、おばかな展開を期待。

[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ~
名護屋河の本家に帰っていた母が巫女姿の妹を連れて帰ってきた。今まで思いもしなかった妹の存在に鈴蘭は喜ぶが、名護屋河本家で厳格に育てられた睡蓮は姉や世俗の穢れっぷりに嫌悪を示すばかり。魔殺商会はどうにもウマが合わない姉妹を連れて、真夏の海に社員旅行に出かけたが…?
予告通り、海で水着の話。本筋は何気にハードですが海効果かコメディ要素も満載で面白かったです。
妹の睡蓮がもういかにも「世俗を知らず、自分の血筋を誇りに思う巫女さん」のテンプレそのまんまで、とっても素敵です。「神殺し」分家である伊織に偉そうに当たったり、姉のミニスカを見て「はしたない!!」と叫びだしたり、世俗を知らないが故に鈴蘭に弄られたり…と、微笑ましい限り。
海に集った面子はいつものメンバーに加えて聖堂協会の一部メンツが集まり、ものすごくカオス。みーこ様とマリーチのコンビは色々な意味で頂上決戦と言う感じだし、いつもとは打って変わって振り回される役のクラリカもなんだか新鮮でした。そして睡蓮に致命的な弱点を突かれて言い負かされ、凹むイワトビーが可愛い(笑)
ウマが合わなくてついつい弄ってしまうけど、実際妹が出来て嬉しくてしょうがない鈴蘭の内心でのはしゃぎっぷりが伝わってくる前半コメディパートがあるからこそ、後半のシリアスな姉妹対決が哀しく思えます。でも、この姉妹対決、哀しいとかそういうのもあるけど熱すぎる。拳で語り合おうとする姉・鈴蘭の姿に燃えました。
やっと掴んだ幸せな家庭を護る為に自ら“魔王”になろうとする鈴蘭。…となると、やはり次は協会が敵になるのかな?何はともあれ続きが楽しみです。
[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ~
魔王としての道を選ぶ事を決めた鈴蘭。それを恐れた神殿協会は魔王として完全に覚醒する前に彼女を“聖女”として引き入れようと計画する。「人間の敵となるのか」という枢機卿・ショーペンハウアーの言葉を聞き、揺れる鈴蘭だが…!? |   |
クライマックスに向けて確実に何かが動き出した話。今まで明確ではなかった“敵”が遂に明示されて、鈴蘭がその目標に向けて動き出す巻…とでも言えばよいのでしょうか。
リップルラップルの友人の子狐・セリアと「先読みの魔女」として協会に狙われている彼女を守ろうとしているクーガーさんの逃走劇に鈴蘭が人質として巻き込まれるというお話。
正直前半はギャグも少なめで普段のハイテンポな展開も抑え気味で、今回はイマイチだなあ、なんて思っていたのですがラストに向かうにつれどんどん熱くなってきて後はラストまで一気読み。協会の上層部から翔希達に真実が知らされてるのと同じ頃、鈴蘭とクーガー達が“もしも鈴蘭が魔王になったら~”話題で盛り上がってる所なんか、まんまアレでソレなフラグ立ちまくりにしか見えないし。
何よりも
クーガーがいい漢すぎて泣けた(つдT)
自らの存在を犠牲にして“世界を少しだけ変えた”その心意気が漢らしすぎました。彼の今回の一連の行動によってこのシリーズでイマイチ不透明だった「ラスボス」が遂に浮き彫りになり、その犠牲をきっかけに今まで“魔王”としても“聖女”としても消極的だった鈴蘭が自発的に行動を始めるのだからその行動が世界に与えた影響は、確かに凄くちっぽけだけど、物語を終息に向けて動き出させるには必須の要素だったんじゃないでしょうか。
その心意気を受けて動き出した鈴蘭の、ラストの言動がかっこよすぎ。次巻が物凄く楽しみです。
[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ~
国際展示場がテロリスト達に占拠された。彼らには警察も自衛隊も歯が立たず、関東機関も魔人の襲撃に遭い、壊滅に追い込まれてしまう。翔希と共に偶然展示場にやって来ていたシスター・クラリカは必死の脱出を試みるが、協会は事件の裏側に居る黒幕を聖女である鈴蘭だと断定して!? |   |
クライマックスに向けて、元々持っていたギャグ分がすっかり鳴りを潜めてしまったのは残念なんだけど、それ以上に最初から息を付かせぬままに最後まで突っ走るこの熱さが最高でした。血と硝煙が漂う国際展示場を中心にそれぞれが自分の想いの為に孤軍奮闘していく姿が熱い。そして本来の主役である鈴蘭が黒幕容疑をかけられ、終盤まで姿を見せないというのがまた逆に緊迫感を煽ります。
それにしても今回外せないのがやっぱりシスター・クラリカの奮闘劇。神殺しの一族でもなく、魔人でもアウターでもない、ある意味最も“一般人”な彼女がボロボロになりながら奮闘する姿がひたすらかっこいいです。それにしても彼女、もっと融通が聞かずに上の与えた教義に狂信的なタイプだと思っていたので、今回の行動は予想外でした。それにしてもやはり彼女を守った自衛隊の行動がクラリカの神殿協会への不信のきっかけになったのは確かでしょうし、だからこそラストのあの発言があったのも確かでしょうから、彼らの死は無駄ではなかったんだと思いたいです。とにかくいろいろな人の“想い”が伝わってくる話でした。
そんなこんなで次で遂に最終巻になるわけですが、今回の話で○○した沙穂も復活しそうな感じですし、もう色々な意味でどういう風に決着をつけてくれるのか楽しみでなりません。あらゆる意味で楽しみだ…!
[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ~
伊織貴瀬を礎として、新たな世界の枠組み“ユグドラシル・システム”を築こうとする天の勢力に対し、魔王にして聖女となった鈴蘭は徹底抗戦を決意する。ゼピルムの魔人に加えて神殿協会の枢機卿達の殆どをも味方に付け、絶対防壁となった大神殿に乗り込むのだが、そこには澱深くに眠り絶大な力を持つ“カミ”達が立ちふさがる―!
|   |
最後までシリーズの持ち味を残したまま、綺麗に終わってくれました。前回の「光の徒」なんかはギャグ分抑え目だったのがちょっと残念だったけど、この「澱の神」はあくまでシリアスメインにしつつ、ギャグも忘れていないこの絶妙なバランスが最高でした。
とりあえず……
一生ついていきます、律子枢機卿!!
典型的な剣と魔法の世界の話で、魔王も聖女も天も魔も出てくる話でありながら、律子枢機卿の説得のシーンとかその辺の現実的な感覚がまた素敵。予想以上に現実的な聖騎士の皆様も素敵すぎ。いや、実際正義のために結束するよりもああいう理由の方が常識的な人間としては説得力があるに決まってるよね(笑)そして
ダシに使われた挙句「案外少ないな~」とか言われちゃうショーペンハウアー様に、今回一番の不幸大賞の座を謙譲したい。
作品に登場した多くのキャラクターがそれぞれの想いを貫くために戦い、様々な形でぶつかり合う最終回。意外な者が敵になったり、また味方になったり…と、目まぐるしい展開の目白押しでしたがどの戦いもとにかく熱くて凄く良かったです。個人的には翔希・睡蓮とほむら鬼の戦いが好きでした。翔希は勇者の筈なのに最後までイマイチいいところなかったですけど。
エピローグも実にこの物語のオチにふさわしい感じで、最後まで素敵でした。やっぱり、どんなに綺麗ごとを言ってもこの物語に死者は似合わないとおもう。今までのボスキャラ達がまるで某勇者アニメで浄解された元ゾンダーが如く偉くいい人になって再登場するのは微妙にご都合主義を感じてしまいましたが、この物語だからこそアリな結末だと感じてしまいました。ていうかあまりにも素晴らしく円満終了なラストに、不覚にも涙が流れそうになってしまいました。
何はともあれ、こうして物語は「
戦闘城塞マスラヲ」に続くわけですね。一応「お・り・が・み」を読まなくても楽しめるシリーズとして作られているようですが、こうして「お・り・が・み」を読み終えると、マスラヲをパーフェクトに楽しむにはこのシリーズの存在が不可欠だということを実感します。2冊だけだし、今すぐ読み返してみようかなとおもうほど、マスラヲの続きが思いも新たに楽しみになってまいりました。
「マスラヲ」が好きで「お・り・が・み」に手を出していない人は3巻が発売される前に読破しておくと「マスラヲ」が100倍楽しめますよ!!(微妙に誇張表現)
[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人
死なない程度ならどんな妨害でもあり…のカーレース「聖魔グランプリ」が始まった。様々な妨害工作により、大多数のペアが脱落していく中、徐々に戦いはヒデオ&ウィル子、リリー&伊織、翔希&エリーゼ、リョータ×エルシアの4組の戦いに絞られていくのだが、ヒデオの体調に異変が起きて…!? |   |
聖魔グランプリを描いた「奇跡の代価」でのヒデオの活躍が半端じゃなくかっこよかったです。引きこもりが故のネガティブ思考が上手いこと働いてしまって結果オーライ的な部分もあったけど、めちゃくちゃ熱いバトルを楽しめたのでこちらとしても結果オーライ。ウィル子の力を使うことに対する「代価」を、理由はどうあれあっさり軽いと言ってのける姿も無駄にかっこいい。ラストのオチが、ウィル子の事をさりげなく気遣ってるヒデオのさりげない優しさを象徴するようでとても好き。この話は、ほんとお気に入りです。
そして熱い展開が満載の聖魔グランプリ編「奇跡の代価」から、どうみても某アイド●マスターネタな「私を地中海に@連れてって」、■MRネタな「既知との遭遇」の2編のギャップが激しすぎる。しかし、久しぶりに引きこもり全開のヒデオの姿は見ていて落ち着くと言うか…思わずニヤニヤしてしまいました。あと、2巻~聖魔グランプリにかけて、前作シリーズキャラが出張りすぎな印象を持っていたので、ここで一旦魔殺商会の面々と手を切ってくれたのは嬉しかったかも。
ただ、巻を重ねるにつれて「お・り・が・み」を読んでいないとつらいネタが少しずつ増えてきてるような気がするのが、「マスラヲ」からこの人の作品に手を出した人間の立場としては凄く気になる。物語が進むに連れて、マスラヲのキャラクターはほぼ人数固定のままなのに対して、前作キャラがどんどん揃い踏みしてきてるからかなあ。引きこもりと言う設定から、なかなか自分では動き出さないヒデオに対して、リリー(鈴蘭)が今にも主人公オーラ出しはじめそうで、なんだかあぶなっかしく思えてしまうのです。
特にリュータが主役を貼る「ANOTHER ROUND」でのリリーのかっこよさは異常で、そんなかっこいい鈴蘭の姿を拝めたのが嬉しいというのもあるのですが、一方で『前作主人公』なんだからあまり出張らないで欲しいなあと思うところもあり、なんだか複雑な心境でした。確かに、彼女が出張ったのは物語で言えば中盤までで、ちゃんとラストはリュータとエルシアが締めてくれるんだけど。
というかですね、最近の彼女の立ち居地がすごく、
続編時のどっかのスーパーコーディ様に見えるのよ……ね……。
[著]林 トモアキ [絵]愛媛 みかん
落第天使のミウルスは、ある日人間界に行って人間に力を貸して魔族の地球侵攻を食い止めよという指令を受ける。失敗すれば地球滅亡…という重い任務の中、出来るだけ身長に力を貸す人間を選ぼうとしていたのに、その場の成り行きから粗雑で凶暴なヤクザの跡取り娘・緋奈に力を与えてしまって…!? |   |
「お・り・が・み」「戦闘城塞マスラヲ」の林トモアキさんのデビュー作。
ヒロインの緋奈が落第天使・ミウロスの力を借りて魔法少女に変身し、地球征服を狙う魔族達と戦いを繰り広げる、魔法少女モノ。
……と書くと普通っぽく見えるのですが、肝心の緋奈は鞄の中に
鉄板を仕込み、喧嘩となればそれを振り回すという程の超乱暴者。勿論魔族達との戦いでも魔法のステッキで敵をぶん殴る、魔族に操られた普通の人間をボコ殴りにする、挙句とある人物が操られて目の前に現れたら
日ごろの恨みとばかりに病院行きになるまでボコボコに殴る……などなど、とにかくその破天荒っぷりを遺憾なく発揮してくださいます。そんなこんなで落第天使で引きこもり(失礼)だけど割りと常識人な相棒・ミウロスは常時涙目。
そんな濃ゆいキャラが織り成す魔法少女モノですが、ハチャメチャ極まりないキャラクター達の行動に笑わせられながらも、後半は王道的な熱い展開もしっかりあって、美味しくいただかせて貰いました。特に恋する熱血不良少年・圭一の、向こう見ずな行動には胸が熱くなりました。
一方、敵側の魔族についてはちょっと強引に出たカンジの人が多いというか、人数出した分相対的に味が薄くなってしまったような印象があったのが残念です。ラスボス影薄いし、メリーサがどうしてパパロンに執着するのかもイマイチ伝わってこなかったし。特にエルシフとかは、無理にキャラ立てしなくても良かったんじゃないのかなあ……
別にエルシフに可愛がられてる清次の挿絵がなかったことが残念なわけではないですよ?
デビュー作ということで、色々ツッコミ所は感じましたがそれを補って余りあるほどのノリと勢いが非常に面白かったです。「お・り・が・み」シリーズが好きな人は読んで損はしないかと。
[著]林 トモアキ [絵]愛媛 みかん
なんとか魔族達の野望を食い止めたが、彼らが力を与えたマッドサイエンティスト・ミスターBの地球征服の野望は費えてはいなかった。彼らの野望阻止の為に毎晩“魔法少女”として駆り出され、睡眠不足と疲労の色を隠せない緋奈。そんな彼女はある日、不思議な少年と出会い、心を通わせるが… |   |
ヤクザの跡取り娘&引きこもりの落ちこぼれ天使が織り成す、ハチャメチャ魔法少女モノ第二段。今回は緋奈の淡い恋のお話です。
1巻では緋奈が周囲を振り回すというイメージが強かったのですが、2巻ではどちらかというと個性が強くなってきた周囲に緋奈が振り回される展開に…。いつのまにかすっかりゲーオタ化しているミウロスとか、か弱いヒロインを演じたいが為にわざと敵にさらわれたり、次第に黒い部分を覗かせる親友の由香利の個性が半端ない事になってきてます。しかし清次はこんなキャラでしたっけ…?1巻では文芸部メンバーに振り回される常識人で落ち着いた先輩という感じだったのが、2巻からいきなりエロキャラとして位置づけされていたのに物凄い戸惑ったのですが……。
魔族から力を得たマッドサイエンティスト・ミスターBが本格的なボスキャラとして君臨して、敵側のキャラ付けも濃ゆくなってきた様子。仮面の騎士5人組のマヌケな漫才がとてもツボ。なんというか、特にミスターBなんか典型的な悪役なんだけどそこまで悪い人じゃないよ感がたまりません。
今回のメインになる転校生・ユキと緋奈の対決自体はベタ王道で熱くてよかったのですが、1巻のラストがツボで圭一の恋路を応援したい私としては
このオチだと今後の展開どうなるの!?とツッコミざるをえません。今回特に、いい人っぷりがアピールされてしまっているのが無駄に哀れだ圭一…。シリーズは次巻完結ですが、緋奈の恋路にどのような決着がつくのかが一番気になります。
[著]林 トモアキ [絵]愛媛 みかん
ユキに騙されて誘拐され、ドクターBの本拠地に連れて来られた緋奈。例によってなぜかついてきちゃった由香利とともに見張りのロボットをだまくらかして戻ってきて、彼らの本拠地を暴こうと画策した緋奈達は足の確保の為、なぜか脱衣麻雀で車を手に入れようとするのだが…!? |   |
……えっとちょっと、
これで終わり?
なんていうか、色々と伏線張りっぱなしというかいろんなところが投げっぱなしというか……これってひょっとして
打ち切り……だったんですかねえ。なんかやってる事も1巻2巻と比べると半端な感じがぬぐえなくて、うーん。
後作「お・り・が・み」との接点を感じさせるキャラや設定が出てきたり、ドクターB配下の美女・通称ホワイトが怪しい動きを見せたり……と、全体的に次の巻への伏線を張ったまま終了してしまったカンジで、「最終巻」であるという事実を踏まえると、ちょっと酷い出来かも。エピソード自体も無理やりに最終巻らしく、無理やり大きなことをしようとして中途半端になってしまっている印象が否めませんでした。
こればっかりは作者と言うより編集者側の都合なんだろうという予感がするので、残念としか言いようが無いのですが…脱衣麻雀のエピソードとか一般人パワーでBを圧倒する原子力発電所の職員さんとか、小ネタが効いてただけにメインのストーリーが半端になってしまっているのが残念でした。うーん、ミスマルカかマスラヲがひと段落した後でも、こっちの続き出ないものですかね~…色々腑に落ちないというか、なんというか。
ところで、もろに「お・り・が・み」で起きた一連の事件のことじゃないかと匂わせる発言があったけど、緋奈達ってあっちにも出てましたっけ?マリアクレセルさんがちょろっと出てきたのはなんとなく覚えてるんですが…
[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人
聖魔グランプリを勝ち抜き、優勝候補としての座を磐石のものとしたヒデオ・ウィル子ペア。優勝を意識し始めたヒデオは魔殺商会を率いる少女・鈴蘭を最大の障害と考えていた。そんな中、魔殺商会と魔人組織<アルハザン>が主催するサバイバルバトル<クロスフラッグス>の存在を知った二人はアルハザンに味方し、大会中に彼女を倒す事を決意する。「未来視」とさえ噂される優勝候補・ヒデオの動きによって、クロスフラッグスは思わぬ展開を見せるが… |   |
うわあああ、敵も味方も熱いっ!
3巻ではちょっとテンションダウンかなと思う部分もありましたが、今回は物凄く面白かったです!
魔殺商会vsヒデオ・ウィル子達が参加するアルハザンという形で、遂に前シリーズ主人公である鈴蘭とヒデオの直接対決が実現!……というわけで、ヒデオ達の戦いも勿論熱いのですが、今回はとにかく鈴蘭達が圧倒的過ぎる!因縁の敵同士であったエリーゼ商会とアルハザンを味方につけ、大きく成長したウィル子の能力で規格外だらけの魔殺商会の面々を翻弄したところまでは良かったのですが、本気を出した鈴蘭達がここまで強いとは。
一見バラバラのように見えながら、自らに絶対的な自信を持ち、同時にそれに相応しい実力を持って立ちふさがる魔殺商会の小細工なんか必要としない圧倒的な強さ。そして自らの前に立ちふさがる圧倒的な宿命を全力でぶち壊そうとする鈴蘭の思いがかっこよすぎ。久しぶりに全開な鈴蘭節に、「お・り・が・み」ファンとしてはニヤニヤが止まらない展開でした。一方、我が強いアウター達に振り回されてワタワタする、かつての鈴蘭の燐片も覗かせて、とにかく今回は前シリーズが好きだった人にはたまらない1冊という感じでした。正直、本来の主人公であるヒデオを鈴蘭が食ってしまっている印象は3巻から引き続いて否めませんでしたが…。
そんな彼女の強さにあらゆる面で圧倒され、自らが感じていた成長は全て仮初のものであると自覚してしまったヒデオ。打ちのめされた彼に容赦なく、更に過酷な現実が襲い掛かります。今までとは段違いに絶望的な状況に陥ってしまった中でも、せめて自分が巻き込んでしまった女性だけでも死なせるわけにはいかないと絶望の淵から立ち上がる姿に胸が熱くなりました。そして
その増援は流石においしすぎますよっ!!
物語は次巻で完結。半ばフライング気味に二人のその後が軽く示唆された中、多少精神的な成長はあったとはいえどもまだまだニートで臆病な自分を脱却しきれていないヒデオがどうやってその示唆された未来にたどり着くのか。最終巻がとても楽しみです。
[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人
聖魔杯を敗退した川村ヒデオは失意のままアルハザンの罠に嵌り、かつて対戦した強敵達と共に地下空洞に監禁されてしまう。パートナーを人質に取り、強制労働を強いるアルハザンの目的は異界への穴を開き、暗黒神を召還することだった。生きる気力を見失いかけるヒデオだが、仲間からの叱咤とウィル子の声を聞いて… |   |
シリーズ完結編。…いやほんと、この前読んだ「ムシウタbug」といいこれといい、スニーカー新年からトバしすぎじゃないですかっ!?4巻感想冒頭でもおなじ事書いたけど最後まで
熱すぎるっ!
聖魔杯の準決勝・決勝戦が行われる裏で、地下に閉じ込められたヒデオ達と魔殺商会一派vsアルハザンの対決が描かれます。聖魔杯決勝戦では前巻圧倒的な力を見せ付けた前主人公・鈴蘭・みーこ組と、前シリーズから未だ直接ぶつかった事のなかった翔希・エリーゼ組のバトルが展開。圧倒的な力を持つアウター達と手を取り合うことで力をあわせて戦う鈴蘭と、すべての戦いを自分ひとりで抱え込もうとする翔希の戦いは猛烈に熱かった。どっちも間違った事いってない気がするのがまた…。特に、ただのワガママ娘かとおもっていたエリーゼの言葉には胸が熱くなりました。
しかし、そんな前シリーズ主人公達が繰り広げる頂上決戦すらこのクライマックスにおいては
「前座」でしかないというのだからもう、最終決戦の熱さは推して知るべし。口先の言葉と立ち回りのみでこれまで数々の強敵を翻弄してきたヒデオと、ヒデオの為に更なる高みへ上っていこうとするウィル子が絶望のふちから立ち直り、パートナーを信じてかつての強敵達と共に戦っていく姿がとにかく熱すぎる。その快進撃に喝采し、ひとりまたひとりと戦場に残りながら戦い続ける姿に胸を熱くし、魔殺商会の面々がすばらしいタイミングで入れる援護射撃にニヤニヤしまくり。そして最後の最後の局面でヒデオが打った、一世一代の大ハッタリに圧倒されました。かっこいい、かっこよすぎるよヒデオ…!!
「お・り・が・み」で繰り広げられたパワー全開・卑怯全開な力押しバトルの爽快さに加え、「マスラヲ」でヒデオが繰り広げてきた口先で相手を翻弄する、手に汗握る知略戦のスリルが加わってきて、本当に最高のラストバトルだったと思います。ああもう、ここまで読んできて本当に良かった!最高に楽しかった!
しかし、しっかりエピローグで出オチを用意しているのがまた、素晴らし過ぎる。やっとニート脱却して就いた職場で、上司と同僚の尻に敷かれまくるヒデオの姿が素敵すぎます。そしていい具合に気を抜いたところで、最後の一文でまたグっと胸が熱くなる。あの一行は卑怯だよ…!!!
この巻でヒデオの物語は終幕、残念ですが新シリーズを楽しみに……と言おうと思ったら、
次はヒデオと名護屋河睡蓮が繰り広げる対魔物が出る……だと!?外伝なのか、新シリーズ化なのか超気になる。超楽しみ。
ああ、しかしやっぱりこの最高のカタルシスは
「お・り・が・み」シリーズを全部読んでからじゃないと味わえないよねえ。ギリギリ「前シリーズがなくても読める」の範疇には収まってますが、やっぱり伊織魔殺商会大暴れシーンは「お・り・が・み」シリーズの補強がないとキツイ気がする。
というわけで、未読の人は今からでもいい、
読むんだっ!!
| [著]林 トモアキ [絵]上田 夢人 伝説にまで成り上がった「聖魔杯」から数ヵ月、普通の社会復帰に失敗したヒデオは宮内庁神霊班に就職する。しかしそこでの仕事は、人々の悪意から生まれた悪霊を、人間にとり憑く前に祓うというもの。精霊に知り合いはいても、お祓いのスキルはまったく無しのヒデオはいきなり大ピンチ!先輩にして巫女の睡蓮に厳しくしごかれる日々が始まる。さらに、今度は闇属性のゴスロリ精霊少女に憑かれてしまい―前途多難の第二の人生、開幕。 (「BOOK」データベースより) |   |
「マスラヲ」のラストで軽く触れられていた、鈴蘭達の勧めで宮内庁に入ったヒデオがあの睡蓮の部下になって!?というお話。別シリーズを取っていますが実質的に完全な「戦闘状態マスラヲ」の続きのお話。「お・り・が・み」とマスラヲ以上にリンク性が高いので、マスラヲの続きだと未読者にも判るような記述があってもよかったのでは…
聖魔杯→宮内庁へと舞台も変わり、様々な陰謀やら何やらは見え隠れするものの、「マスラヲ」未登場だった「お・り・が・み」キャラ達とヒデオが築いていく人間関係にワクワクする。「マスラヲ」ラストであんなことがあって、ちょっぴり不思議な能力が身に付いたりもしましたが、基本口先三寸で状況を切りぬけていく姿は基本変わらず。ウィル子やらノアレに振り回されて涙目なのも変わらず。目つきの悪さと時折繰り広げられるヒデオ時空(違)も変わらず。ていうか飲酒状態のヒデオの語りにはうっかり信じそうになったから!!!なんという説得力……
一方で、睡蓮とのなんだか初々しい関係に物凄いニヤニヤしちゃう。メインの2人に限らず、これまで殆どまともな進展を見せなかった周囲の人達にも春の訪れが感じられて、そちらの方向でも期待が高まります。
ていうかラストの鈴蘭は反則だろーーー!?
妹のほのあまいラブコメ具合を爽やかにぶっ飛ばすような破壊力の高いラブコメ具合に悶絶。さすが元・聖魔王の貫録……うわあああ鈴蘭可愛いよ鈴蘭!!!マスラヲの時はある種敵役っぽいポジションで、そちらの嫌らしさが鼻に付く部分もあったんだけど、ちょっとご無体な普通の(?)女の子に戻ったレイセンの鈴蘭、本つに可愛い。
それにしても、あとがきの暴露具合が凄かったです。マスラヲアニメ化の話とかあったのか……確かにあれは、1クールで魔殺商会抜きでやられたら涙目だよね…。
個人的に、このシリーズがアニメ化するならNHK教育にある角川長編アニメ枠ゲットして「お・り・が・み」から「マスラヲ」「レイセン」までじっくり全部やるくらいの勢いが欲しいです。もしくは分割劇場版。