ページ 13 | 今日もだらだら、読書日記。

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VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた4

 

聖様が収益化剥奪!? 大人気VTuberコメディ第4巻!
クレイジーなVTuberしか所属していない大手運営会社ライブオン。三期生・心音淡雪は晴の初ソロライブへのコラボも成功し、喜んでいたのも束の間、なんと二期生・宇月聖の収益化が剥奪されてしまい!?

朝霧晴の初ソロライブでのコラボが成功し、憧れの晴先輩との距離も縮まって喜んでいた淡雪の元に2期生の宇月聖の収益化が剥奪されてしまったというニュースが飛び込んでくる。心配しなくて良いといわれたものの、それ以来聖は他のVtuberとの絡みを避けるようになり……。

淡雪のVtuberとしての成長を感じる

配信を切り忘れて酔いどれ姿を配信してしまったところなぜか人気Vtuberになってしまった心音淡雪と彼女が所属するライブオン社の愉快なVtuber達が繰り広げるコメディ第4巻。ストゼロで覚醒する酔いどれキャラ・シュワちゃんのテンションの高さも楽しいんだけど、今回はむしろシラフモード(あわちゃん)のVtuberとしての成長が凄く良かった。あわちゃん、お酒なくてもいつのまにやら普通にトーク盛り上げられるようになってるし先輩方の悪ノリには適度にノリツッコミいれつつ基本はツンツンなのも美味しかった。シュワちゃんはボケ、あわちゃんはツッコミ。清楚のことはそろそろ忘れたほうが良いと思う。

これまで受け身だった淡雪が自分から企画を立てて積極的に他メンバーに絡んでいく展開も良かった。それに対して前巻までで彼女の手腕によって(変態の)ポテンシャルを引き出された面々がすっかりその一面を自分のウリとして前面に押し出してくるの、強さしか無い。それはそれとして、前巻ラストで文字通り「新生」した晴先輩が普通に配信のコメント欄やコラボ動画に普通に混ざってくる様子には、胸が熱くなるものがありますねえ。

個々のエピソードだとクソゲー大好きネコマ先輩が自作したゲームを淡雪がプレイする『ネコマ先輩とクソゲー』が最高に好きなんですけど、今の若い子はデスク○ムゾンネタって通じるんですかね……!?マイ○ラ……もといワルクラでデザインセンス壊滅的で豆腐的なオブジェしか作れない淡雪が何故か建築対決で他のライバー相手に勝ち抜いてしまう(概ね決まりては自爆)『ワルクラ配信2』も良かった。ゲーム実況系のネタはハズさないなあ。

二期生3人の、意外な素顔が良かった

今回は2期生の下ネタ担当・聖様が収益化剥奪されたことに端を発する2年生掘り下げ回。これ表紙が公開されてから何度も言ってるけど、表紙の聖様のおっぱいがタイトル文字で隠されてるの、これセンシティブ対策で谷間とか隠す時にやるやつだ〜〜!!!ってメチャクチャテンション上がってしまった。センシティブ問題を扱う今回の話に完璧に合ってる。偶然にしては隠し方が完璧すぎる。

自由奔放でエロい人かとおもいきや本当はとても繊細な心を持っていて性的マイノリティな自分を気にしていて周囲に壁を作ろうとする聖様、ライブオンでは数少ない常識人…とみせかけて実はめちゃくちゃに愛情が強くて強い女のシオンママ……頼れる先輩のようで実はとっっっっても面倒くさい二人が腹を割って話していく内にすっかり愛を深めてしまう展開が大変に良かったです。いやあ百合百合してましたねえ!! 聖からの突然の告白(性的な意味で)に混乱しつつも性別の壁なんて知らんとばかりに全力でありのままの彼女を受け止めてしまうシオンが大変にカッコ良かったです。そしてそんな二人を適度な距離から楽しく見守るネコマ先輩、美味い。

それにしても全部読んだ後に表紙の配信画面のコメント欄見るともう一回笑える。キレながら祝福してるリスナーさんたち可愛いかよ。

次巻はいよいよデビュー1周年記念ということで淡雪達3期生の当番回の気配。今回の有素の家にお泊りする回でちょっと家族の事に対して思うところありそうな態度を見せた淡雪でしたが、そのへんの話もやるのかな。楽しみです。

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大伝説の勇者の伝説17 団子娘の出す答え

 

ライナ、人生を賭けた告白! そしてフェリスは――
絶望の未来を変えるため、生きる理由を強くするため、フェリスにプロポーズしたライナ。フェリスの返事は――まさかのイチャラブ生活突入!? 積み重ねて来た想いを交わしあう二人に、残酷な世界が牙を剥く!

絶望の未来を覆すため、そして自分の想いを強くするためにフェリスにプロポーズしたライナ。その告白は受け入れられ、ローランドで神に立ち向かう魔術の研究を行いながら、彼女との結婚式の準備を行うことに。そして数カ月後、フェリスとの結婚式が翌日に迫ったある日……。

すごい!!イチャイチャだ!!!?

というわけでここ8ヶ月ほど読み続けてきた「伝説の勇者の伝説」シリーズ既刊48冊目、ついに最新刊です。なお完結はしていない。いやもう大伝のレムルス帝国編終わった後くらいから割りとずっとそんな感じでしたけど、いよいよ両想いになってライナの言動にいちいち振り回されては頬を染めるフェリスさん可愛すぎやしませんか!?あと殴られても嬉しそうだし(それはどうかとおもう)避けちゃえる時でも避けないライナ、愛なんだよなあ〜〜。

これまでずっと、色々な意味で色気の無い関係性を続けてきた二人がお互いの関係性を「恋愛」に定義し直して、改めて恋人同士として照れたり恥じらったりする姿が大変に可愛いんですけど何より楽しかったのが初夜というか性行為を巡るやり取りでめちゃくちゃ笑ってしまった。私フェリスが読んでるのってエロ系の本だと思ってたんですがそうじゃなかったんですね!?いや確かに野獣くんの話はライナの半生をベースにしたシオンの創作だっていうのは「堕ち伝」のほうで言及ありましたが……「とり伝」読むと本屋で買って読んでたりしてたよな……出版されてるの?

会議に二人で参加して会議中にイチャイチャして(シオンにけしかけられた)フロワードに尻を蹴られたり、結婚式のために南下してきたピア様に品定めされたり……と、世界の危機が去ったわけではないのですがひたすら楽しいイチャイチャ空間でした。それにしてもスフェルイエット民国、ピア様とヴォイスきゅんがいるなら二人で法律を改正して重婚OKにしちゃえばいいとおもうんですが(というか現時点で既に法律変わってても)そこんとこどうなんですか。多分反対するのティーアしかいない。そういえばティーアに協力を求めるとか言ってたのはどうなったんだろ……。

「残酷な世界が牙を剥く」

いやまああらすじでも↑って言ってましたが!!既刊綺麗に終わってないのもうすうす知ってましたが!!ここから約5年(現実時間)待ってる(続巻を)の!!?????サブタイの「団子娘の出す答え」、ライナのプロポーズをフェリスが受け入れたことだと思っていたのですがプロポーズの受け入れ自体は割りとあっさりだったし、ひょっとしてこのラストの行動及び言葉のことを言ってるのではないか……そうだとしたら悲しすぎる……ていうか狙われてるの解ってたのに予備のデルニオとか持たされてなかったんですか……デルニオってどのくらいのタイミングまで有効なんだっけ…………。

最後の最後ですっかり忘れられてた伏線の「団子シール」が登場したので、あれって例によってリューラがこの事態を見越して掛けた保険なのかなあという予感もするのですが(フェリスにした説明、ルシルの果たした役割を考えると必要ない気がするので…)それであっさり事態が解決したらしたで全部リューラの手のひらの上になってしまうし、どうなのか……ライナが父を超えることって結構後半のキーポイントとして描かれてる気がするので、リューラの予想の上をいくライナを期待してしまう。

取り急ぎここが最新刊で予定的には次巻で完結とのことなのであとはそれを待つだけの状態ではあるんですが、正直今の展開から後1冊で終わるの??堕ち伝も割りとこのくらいのところから完結したからあっさり行くのかもしれないけど……(完結後に大伝13巻以降の時系列とかでもう1冊くらい短編集ほしくない?もう無理?)

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サキュバスとニート(2) 〜くえないふたり〜

 

駄サキュバスが帰ってきた! さらに新たな居候も? 本日もニート日和★
「カズてめェこのカスゥ!! 冷蔵庫にあるあたしのプリン食ったろ!?」  一度は己の世界に帰ったはずも、なんやかんやで出戻ってきたイン子。そんな騒がしくも平和な二十楽家に、新たな騒動が巻き起こる……! 「《乃艶》と申します。この度は助けて頂き、感謝の極みに――……ございます」  和友の自室(兼イン子の部屋)に放置されていた召喚陣から飛び出してきた、見た目は美少女な妖怪・飛縁魔の乃艶。  行き場のない彼女に二十楽家で居候してもらおうと提案する和友だったが、縄張り意識の強いボス犬淫魔ことイン子が素直に承服するはずもなく……?  他にもイン子の一日コンビニバイトや和友の人生初合コンなどギャグ山盛り★  狂乱ニート生活、第二弾!!

『いやらしく搾り殺されたい』という不純な願いで淫魔を召喚した引きこもりの青年二十楽和友と、和友によって召喚されたものの卑猥なものに拒否反応が出てしまう傍若無人なポンコツ淫魔・イン子。すったもんだの末に和友は引きこもりからニートに転身、イン子は一度送還されたのち再び二十楽家に舞い戻って怠惰な生活を謳歌していた。そんな彼らのもとに奈良の山奥からやってきたという飛縁魔の少女・乃艶が現れて……。

前巻以上にキレッキレなギャグが楽しかった!

ニートの青年とニートな淫魔が繰り広げる怠惰で愉快な日常を描くギャグコメディ第二巻。これまで人間の文明に触れてこなかったイン子と新キャラの乃艶が初めての電車でテンション上げた挙げ句迷子になったり、初めての自転車に翻弄されたり、何故か男ひとり女3人(うち二名人外)でラブホに入る羽目になったり(※なおエッチな展開は何もない)……と、わちゃわちゃしながら(時にはキレ散らかしながら)様々な「はじめて」を満喫する姿がとにかく楽しかった。前巻も面白かったけど、前巻以上にキレッキレだったなあ。

特にイン子が琥大朗が店長を務めるコンビニで臨時バイトをする『バイト淫魔』の傍若無人ぷりが最高に酷くて好き。イン子が飽きた結果、レジが面倒くさい注文入れた客の生贄世襲制になるところとか本当に笑うしかなかった。割りとこの手の話、共感性羞恥を感じてしまい楽しみきれない時あるんですが微妙にひどい目に遭う客の方も店側としては厄介客だったり、迷惑をかけられる琥太郎もなかなかしぶといのでいい感じに居心地の悪さを感じさせない配分で良かった。イン子がキレ散らかした結果厄介な客が暫く寄り付かなくなったの本当に笑う。

そしてイン子がバイトしてる裏で、乃艶と和友の元同級生で元退魔師の茉依がなぜかふたりで体調を崩した和友の看病をすることになる『看病縁魔』の破壊力も凄い。何が凄いってツッコミ不在にも程がある。乃艶のお目付け役として呼ばれたはずの茉依が気がつけば一緒になって和友のパンツでくんかくんかしてるの面白さしかない。

そんなハチャメチャな日常の中、和友の母・久遠那がなんだかんだいいつつも以前よりも明るくなった息子の姿を暖かく見守っている姿が印象的でした。前巻のクライマックスがなかなか重い展開だっただけに、ぎこちないながらもこれまでの空白を埋めようとする二十楽親子の姿にニコニコしてしまう。BBQの話のラストが大変よかったです!!それはそれとして息子の拗れきった人間関係(女子に囲まれているにもかかわらず現状一番好感度高いのが親友の男という謎の人物相関図)にうっかり気づいてしまった久遠那さんは強く生きて欲しい。

もうメインヒロインは琥太郎で良いのではないだろうか(混乱)

終盤でいよいよ乃艶の正体が明かされ、彼女の飢餓を利用して人間社会を崩壊させようとする乃艶の母親と対決する羽目に。前巻でのラストを経て人間と妖怪の架け橋になろうと決意した茉依、そして彼女に賛同した和友がそれぞれの異能を駆使して渡り合いつつ、正気を失いかけた乃艶を取り戻そうとするクライマックスがアツかったです。和友に召喚術師の才能があることは前巻でも語られていたけど、ああいう風に能動的に召喚術師としての能力を使って戦うの、アツいな。あと茉依さんって思った以上に強い退魔師だったんですね……。

生き方は違えど同じ妖怪だからこそ乃艶の事を一番理解していたイン子が一貫して和友・久遠那・そして茉依の意向を尊重して共に困難に立ち向かってくれるのが凄く良かった。……凄く良かったのになんでこの子最後の最後で味方の最大戦力と殴り合い始めちゃうの!?自由すぎて笑うし妖怪に対して一番の戦力になるはずのふたりが互いに殴り合ってて何の役にも立ってないの面白すぎる。

そしてイン子以上に普通の人間のはずなのに和友が好きなあまりに最後の最後でラスボスにトドメを刺しに来る琥太郎はなんなの?クライマックス以外にも要所要所で和友への親友アピールと彼への独占欲をむき出しにしつつ、彼に近づこうとする女を次々と排除していく琥太郎がだいぶ面白かったのですが、ラスボス戦に突然乱入してくる琥太郎面白すぎるでしょ。1巻のクライマックスで親友枠のお前が一番愛情重いわとか笑いながらいってましたが、2巻の琥太郎は開き直りすぎじゃない!?茉依はもうちょっと頑張らないとマジで親友に全部持っていかれちゃうよ!!

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大伝説の勇者の伝説16 昼寝男の結婚

 

つきつけられた最悪の選択肢。ライナの決断とは――!?
突如始まった“神からの干渉”。再び黒い勇者に堕とされんとするシオンを救うために、ライナに突きつけられたのは4つの選択。誰かを犠牲にしなければならない選択に、ライナはどんな答えを出すのか!?

唐突に再開された神からの干渉。このままでは7ヶ月後を待たずに今すぐにでもシオンは『堕ちた黒い勇者』となり、世界は終焉を迎えてしまう。それを止めるためにライナの中の『悪魔』から提示されたのは、その場に居るシオン以外の「誰か」を犠牲にする4つの選択肢。どれも選べず苦悩するライナに、数多の「絶望の未来」が突きつけられる……。

前巻からの温度差が酷い!!!

レムルスが結界を張ってから──大伝12巻から15巻までの展開は本当に色々と不穏なフラグに怯えつつも神からの干渉から開放された彼等を見るのがめちゃくちゃ楽しかった。それだけに神からの干渉が再開……という展開だけでめちゃくちゃしんどいし、それ以上にライナが見せられた幾多の未来という名の地獄絵図がひたすらしんどい。一見幸せそうに見えた「全てを諦めてフェリスと幸せな家庭を築く未来」の絶望が一番深かったというライナの言葉が本当にしんどかったですね……そこに逃げることすら許されないのかと。

ライナが家庭を築く未来の甘い絶望もなかなかのものでしたが、個人的には戦場で終わりのない戦いの中で生命を落とす世界の絶望もなかなか酷い。というかこの間に入るライナとシオンの挿絵、ぱっと見今巻の表紙と近い二人の顔が近いイラストで、表紙は二人が仲良く笑い合ってるのにこちらは絶望の中で死んでいくイラスト……ってなってるのがめちゃくちゃしんどいんですよ……いや意図してこうなってるのかは知らないんですけどどうしてもこのイラストを見た時表紙を連想してしまったので……。

血を吐くように絶望しながら選んだ(選ばれた)のは、犠牲をもって力を得て、シオンのなかの勇者を……神からの干渉を再び止める選択。なんかほんとう、前巻って奇跡のような一瞬だったんだなあと。いやでも本当に、人間らしい顔をしてライナ達のわちゃわちゃに加わってくるこの人の姿をもっと見ていたかったなあ……。

なにかを「選ぶ」ということは

なんとか再び7ヶ月の猶予期間を確保することはできたものの、今回の一件で改めて世界に残された時間の短さに気づいてしまったライナ達。同じ頃、エルトリアとガスタークの戦いに巻き込まれて意識不明になっていたカルネが意識を回復する。戦争だから、釣り合わないから、自分の背負った宿命……色々な理由をつけて自分の気持ちに素直に慣れなかった男子達が次々と自分の気持を伝えることを決意していくのが印象的でした。返事そのものは描かれないけど、随所でカップルが出来ていっているであろう展開は想像すると正直楽しい。(いやノアとエスリナが二人からの告白を拒むわけ無いじゃん!?という強い気持ち)(なんだかんだでこのあとクラウとカルネが言いそこねる展開はありうる)

そんな中でライナも、自分の中の気持ちに決着をつけることを決める。自分が好きなのは誰なのか……誰を失ったら耐えられないのか。前巻のハーレムラブコメ展開が本当に楽しかったので残念ではあるんだけど、ずっとずっと誰かを「選ぶ」ことから逃げ続けて両手では抱えきれないほどの仲間たちを手放せずにいたライナがフェリスとシオンのたったふたりを「選ぶ」展開、ものすごくよかった。たとえそれが、彼を想う誰かの気持ちを拒む結果になるのだとしても。

ラストの挿絵が良い仕事してる〜〜〜と言うか今回は今まで以上に挿絵が最高の高でした……絶望も希望もここにある……。

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大伝説の勇者の伝説15 悪魔の恋模様について

 

フロワード、乱心!? かくして、再び狂いだした歯車の行方は……。
妹を守るため「悪魔」となったルシルと、そんな兄を心配していたフェリス。二人を長年にわたるわだかまりから解放したライナだったが、その目の前で、フェリスがフロワードの凶行に遭い――!?

エリス兄妹の長年のわだかまりが解けてホっとしたのもつかの間、フロワードの襲撃によってフェリスが重症を負わされてしまう。パワーアップしたライナとルシルに手によって取り押さえられるが、フロワードはライナの大切にしている人間達が狙われていること、新たな神的存在の出現を伝えてきて……。

まさかのライナ中心ハーレムラブコメ展開突入!?

不穏な動きはいろいろとあったのですけど、(一瞬ではあるんですけど)キファやミルクがライナの元に戻ってきてフェリスとライナ争奪戦を繰り広げる、ハーレムラブコメみたいな展開に思わずニヤニヤしてしまった。「とり伝」イエット共和国編でミルクとフェリスが対決する展開はちょくちょくありましたが、キファを含めたヒロイン3人が一同に会したのってこの巻が初めてだし、ライナ自身も彼女達を恋愛対象として見ているのが大きい。そこに更に妹と和解してシスコン兄ちゃん状態のルシル、ミルク隊長の部下兼面倒くさい保護者であるルーク、田舎のオバチャン状態でデバガメしてくるシオンまで絡んでくるのがもう楽しくて仕方がない。

途中で過去のローランドの実験で喪われたルークの感情をライナが戻そうとする話とかありましたけどルークは今の時点でも十分感情あるよね。一方、特に感情をいじられた訳でもないフロワードが理性が強すぎて自分の感情・欲望に素直になりきれなかった……みたいなこといって複雑な顔してるのが印象的でした。いや、彼が自分の欲望に素直になられたらなられたで困るんですけど……。生真面目すぎて冗談を言ってるように見えないミラーのジョーク以上に笑って良いのか悩むなフロワードジョーク。

それにしても、これまでの物語であれだけ強キャラとして描かれてきたルシル・ルーク・フロワードの3人が戦闘力をそれなりに保持した状態で「味方」として描かれることもあって大伝になって一番賑やかで楽しい巻だった気がします。本当に敵にすると恐ろしいけど味方にしたらこんなに頼もしい3人もいないな。そして同時に、現在その3人の中で一番純粋な戦闘力を持っているフロワードをあっさりと下してしまったライナの成長ぶりが頼もしい。まあ、それはそれとして北の方では不穏なフラグがバリバリなんですが……。

確かに「次巻もすごい」とは言ってたが!!??

レイルードでライナ中心のハーレムラブコメやってる中、中央大陸の元三大国家最後の1つ・エルトリア共和国がガスタークに宣戦布告する。その戦場では異常な力が振るわれ、神的存在の干渉がなくなったことで登場した新たな神的存在と思しき不穏な影が見え隠れしていく。レイルードでもキファが生命を狙われる事件が起きて、ライナ達は警戒を高めていく。ところが、今度はレムルスの結界によって干渉を封じられたはずの《神》達も再び世界に干渉を仕掛けようとして……。

ほんと、楽しいハーレムラブコメ展開の裏でジワジワと不穏な影が見え隠れしてくるんですけど、最後の最後でそのオチはないでしょうっていうか前巻あとがきで今巻のラストがひどいことは既に予告されてたけど本当に前巻以上に切り方がエグいな!!!!!???3大ヒロインが一同に会したのマジで一瞬すぎない!?5Pくらいしか(BWのブラウザリーダー基準)ないじゃん!!??もうちょっとドタバタしてからでも良かったんじゃないですか!!?????っていうかモラトリアム1年しか無いんだからその1年のギリギリ限界までわちゃわちゃさせてくださいよぉ!!!

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大伝説の勇者の伝説14 剣の一族の告白

 

父の仇ルシルを前にライナは――!? 急転の14巻!
ガスタークの刺客に毒を流し込まれたフェリス。解毒剤が欲しければライナとシオンに手紙を届けろと脅迫され――!? その頃、ライナは父の仇ルシルを捕縛し、フェリスたちに内緒で父の研究室に連れ込んでいた……。

レイルードに帰還したライナはひとり、父・リューラの研究室へ向かう。そこにはシオン・フェリスに内緒で運び込んだルシルが捕縛されていた。一方、ガスタークからの使者と遭遇したフェリスは彼等に毒を盛られてしまい……。

今度こそ隠し事はなしの3人のやりとりにホッとした

シオンにしろライナにしろお互いの状況を言えずに抱え込んでは失敗するというのを繰り返していたので前巻のライナがひとりでリューラの研究室に向かうラストが本当に不安だったのですが、あくまでエリス家の兄妹関係を気遣っての時間差行動でホッとしました。いやでも前巻のラストはわざと不穏に描いてたよね……。でも、これまでだったらライナがひとりで抱え込んでしまいかねない展開だったからこそ、今度こそ彼等の間に遠慮はなしという事が伝わってきて改めて安心することが出来てよかった。あとライナの不在に取り乱すフェリスが大変に可愛い。最近のフェリスは本当に、ライナのことが大好きすぎて可愛いんだよなあ!!

ルシルが人間をやめて以来まともに腹を割って話すことができなかったエリス兄妹が今こそ腹を割って会話してるところを見れるのは本当に嬉しかったし、一度は敵となったライナを再び受け入れてくれるミラー一派にもホっとしてしまったし、他のメンバーと同じく《女神》の影響から脱したミルクがライナと久しぶりに会えることにはしゃいでいる姿にはにまにましてしまうし、まだ確定ではないけれど長年の敵であったガスタークとも協調路線を歩む方向性が決まって、「神」や「悪魔」の干渉があったせいで手を取り合うことができなかった人間達がすこしずつまとまっていく。明るい未来はまだまだ見えないけど、彼等が手を取り合うならばどんな窮地だって乗り越えられる気がしてくる。前巻も含めて本当に長らく見ていなかった明るい話、なのですが……。

そう簡単に平穏な展開にはならないんだよなあ……

シオンの元を離れ、中央大陸に留まっていたフロワードは明らかにニンゲンではない存在に声を掛けられる。それは神でも悪魔でもなく、10年後のリセットを受け入れて世界の停滞を望む者の声。そして愛されていることを自覚したライナの成長を危険視する者の声。その存在は自分のことを《世界》そのものだと名乗り……。

ローランドにフロワードの姿がないの、前巻のルシルもそうだったしなんか不穏な方向のフラグなんだろうなあとおもってはいたんですがやっぱりフラグだった。神の干渉が届かなくなった世界に予想以上の大物概念が登場してしまった。そして明かされるフロワードの過去、フロワードの先祖である《英雄》の正体、そして彼の持つ指輪を作ったのは「誰」だったのか……フロワードがシオンのこと大好きすぎるのは無印・とり伝の方読めば概ね知ってたからまぁアレです!!

その世界──《メノリス》から現在の世界の状況、彼の成すべきことを聞かされたフロワードは久しぶりにレイルードに帰還する。彼が真っ先に赴いたのは……というところで引き。例によって終わり方が大変エグい!!とかいってたらあとがきで「次もすごいよ!(笑)」とか書かれてしまった。不安しか無いよ!!!

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真伝勇伝・革命編 堕ちた黒い勇者の伝説8

 

伝勇伝につながる、堕ちた黒い勇者の"はじまり"の物語、クライマックス!
戦場の死神クラウが倒れ、劣勢に追いやられた革命軍。だが、クラウの叫びに呼応した敵兵の寝返りで、戦線は崩壊の手前で維持されていた。そんな状況で、奇蹟を起こしてみろと迫るルシルに、シオンは――!?

父王と対面し、王から紋章を奪ったシオン。状況を変えるために中立派の貴族の屋敷に向かうがその頃最前線ではクラウが倒れ、絶体絶命の大ピンチに。ミラーからの援軍も見込めない。そんな絶望的な状況の中、ルークは膠着し続ける戦況に違和感を覚え……果たして、シオンは奇跡を起こして革命を成すことができるのか。

そしてシオンの戦いは続く

伝勇伝第1巻でライナが収監されていた空白の期間を描く革命編、最終巻。ラスト1冊前になっても……というか最終巻になっても全く革命の終わりが見えず、どこからあの1巻ラストの状態に繋がるのかと思っていたら王が急死して終わるという酷くあっけない幕切れ。いやでも、元はと言えば勝利条件は王を殺すことではなく、シオンが現王以上の求心力を得ることだったわけなので当然といえば当然なのか。しかしこの絶妙に終わり方の後味の悪さ、実にローランドの気持ち悪い人外システムそのものだなあという感じで味わいがありました。

そして革命を成し遂げてもシオン達の戦いは終わらない。彼等に反抗する貴族達がしぶとく国の実権を握っていて邪魔を……というのは伝勇伝本編でも幾度となく描写されてきましたが、予想以上にライナが釈放された時点で国内しっちゃかめっちゃかな状態というか、ライナの前ではデキる王様を気取っていても水面下でアップアップしてたんだなあ……としみじみしてしまった。そして彼等の戦いは「伝勇伝」「大伝」へと続く。

やだー!!「とり伝」終わらないで〜〜!!!

「堕ち伝」とともに完結となる雑誌掲載短編の最終回「はっぴー・あんはっぴー・どりーまー」はライナが禁呪を受け、シオン達がそれを解くため奔走する……と見せかけておいて実は幼い頃の記憶がなく自分の誕生日もわからないライナの誕生日祝をするため、ローランドのみんながライナのサプライズパーティを企画するお話──を、例によって大伝のライナが懐かしく回想している話。もうだからそのオチになる予感はしてたけどほんと卑怯だっていってるじゃないですかもぉ〜〜!!!!!「伝勇伝」本編での実質的な平穏な日常終了イベントがシオンの誕生日だったのに、とり伝の最終回がライナの誕生日回だなんて完全に狙ってるじゃないですかやだーー!!!

ローランド編の登場人物が全員集合な挿絵があまりにも眩しくて、もうあまりにも最終回の挿絵で、こんなん笑いながら泣いてしまう。たとえフェリスがジャジャーン!!!とかいいながら自分の誕生日アピールに余念がなくてもオチが女体化シオンのバブみに包まれておっぱい貰う展開でも泣いてしま…………冷静に考えると最後の最後で与太話っぷりも凄いな!?

富士見ファンタジア文庫の雑誌掲載の番外編もの、割りと本編が取り返しの付かないほどシリアスになってしまってそれでも平和だった頃のなんでもない日常の話やってて温度差と尊さで風邪引く、というのわりといろんなとこで遭遇するやつなんですけど(東レやロクアカの短編もそう。フルメタはおそらく日常回の終了に合わせて短編も終わった)、伝勇伝の雑誌掲載短編はとにかくとり伝が本編時系列に追い抜かれてシリアス一辺倒の「大伝」に向かうにつれてその温度差を自ら強調してくる方向性で、どんなに面白い話やってても最後に大伝ライナの回想だったのさってオチが入るだけでこちらとしては泣かされてしまうのでクッソ〜〜〜〜〜!!!!!!!という感じでした。読者が時差で泣くことを熟知した上で計算でやってくるの卑怯(褒めてる)なんですよ……。

本編読むのに必要な要素があるから〜でめちゃくちゃ惰性で読んでた「とり伝」に「終わらないでーー!!!!!」って叫ぶ日が来るとは思わなかったけどマジで雑誌掲載分これで完結なの耐えられない。本編まだあと5冊あるんですが……!???

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大伝説の勇者の伝説13 昼寝と団子と王様と

 

ライナとシオンがローランドに帰還!――波乱の13巻!
ルシルによってエーネを殺され、暴走するティーア。そんな状況を制止したのは、“生きているべきでない亡霊”だった――。 そしてついに、ライナとシオンは始まりの地――ローランドの地へ足を踏み入れるが!?

ライナとの会話中に突然現れたルシルの手によって殺されたエーネ。『悪魔』の力を失っても圧倒的な力を誇るルシルを相手に絶体絶命かとおもわれたその時、事態をひっくり返してくれたのはライナの父・リューラだった。ところが、彼はライナが思いもしなかったことを提案する。一方、ローランドとガスタークはそれぞれ「神」の力に対抗するための方法を模索しはじめる。シオンはローランドの旧首都・エリス家にある『堕ちた黒い勇者』の遺体を調べることを提案し……。

やはりこれは「人間」の物語なんだなあ

神や悪魔の支配を脱した各国の状況も面白いけど、実質4人目の王が立ったスフェルイエットめちゃくちゃおもしろいことになってきましたよね。前巻の「魔眼の王」、ライナかエーネのことかと思ってたけどティーアのことだったんですね。4人の王が一箇所に集結するタイミングがあんまりなさそうなのが残念なんですが……いつか4人が会議してるだけの話とかめちゃくちゃ読みたい。絶対紛糾しそう。しかし今回の進み具合見てると結構さっくり1年の猶予期間終わっちゃいそうな気が……スフェルイエットの4人の王結局集まって会議とかする機会ある!?なさそう!!

ライナ・シオン・レファルという人外の力をその身に宿していたバケモノ達がその支配から解き放たれて、たった1年のモラトリアムではあるし人類の未来を考えると仕事をしてないわけじゃないんですが、暫しの自由を謳歌する姿が印象的でした。彼ら、らしすぎるほどに「人間」なんだよなあ。特にずっとその身を喰らう苦しみと戦い続けてきたであろうシオンの羽の伸ばしっぷり(いやそれでも徹夜してるけど…)が沁みる。異常な日数の徹夜を繰り返してたの、『勇者』の影響もあったのか……一瞬信じかけたんですがライナの2日徹夜に短すぎってダメだししてくる、徹夜は5日目からが本番とか言い出すシオンの口調が完全にヤバイ薬キメてる人だったのでやっぱり勇者関係ない気がしてきた。

レムルスが「ライナとシオンを救う」と嘯きながらあんなことしたの、読んだ直後は彼等を餌にニンゲン達に命運を託すための策略としか思えなかったのですが、こうして人間の生を謳歌しているシオンの姿を見ているとやっぱり彼等だって「人間」で、正しくライナとシオンを救うための行動だったのかもしれないと思えました。……まあ、1年後どうなってるかは誰にもわからないけどな!!

久しぶりのわちゃわちゃが楽しい…けど不穏〜!!!

ローランド帝国の新しい首都となったレムルスで書類仕事をしていたシオンの元に一通の手紙が届く。差出人はライナとフェリスからのもの。二人に誘われる形で彼等と合流したシオンは久しぶりのローランド帝国旧首都・レイルードへ向かう。

1年間猶予あるから結構巻数かかるでしょっておもってたけどもう残り7ヶ月しかないの!?えっ中央大陸からレイルードまで、遠すぎ!?移動で浪費された空白の2ヶ月の間でたっぷり1冊取って3人のワチャワチャ珍道中を描くエピソード「とり伝・帰還編」とかやってくれてもいいんですけど!!ないの!??

もうとにかく二人の手紙から始まってとり伝ローランド編ばりの久しぶりのライナ・シオン・フェリス3人のわちゃわちゃがちょっとだけでも拝めたのはもう本当に良すぎたんですが(フェリスの手紙で死ぬほど笑った。破壊力が高すぎる)、楽しい時間が流れるのあっという間ですねってその体感時間まで本編で再現しなくて良い。もっと時間を掛けてその楽しい所ねっとりとスローモーションで描写して欲しい。マジ。短い。

そしてレイルードについてからの展開、なんかこうそこはかとなく不穏なんですよねえ!!!お互いに隠し事はなしにしようとか言いながらめちゃくちゃ隠し事してるライナ、不穏しかないんですよぉ!!!あと最後の挿絵のライナが悪い顔!!!好き!!!でも不穏!!!!!

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私はご都合主義な解決担当の王女である4

 

「わたくしの騎士を返していただきます!」 転生腐女子たるもの、己の騎士は自分で取り戻します! 政略結婚回避ラブコメ第4弾★
『天空の楽園』から戻ったオクタヴィアは、自ら負った怪我が原因で護衛の騎士クリフォードが謹慎処分になったと知り大慌て! しかも兄のセリウスはなぜかクリフォードを目の敵にしているよう。 急ぎ兄との面会を取り付け、己の騎士を解放すべく動くオクタヴィアだが、クリフォードがセリウスの恋人シルを狙う犯人だというさらなる疑惑が浮上し……!?

準舞踏会から帰還したオクタヴィアだが、シル様襲撃の件でクリフォードを疑う兄セリウスの手によってクリフォードと引き離される羽目に。クリフォードの無実を晴らすため、自らを囮にする作戦を兄セリウスに打診するが……。

2年ぶりの新刊嬉しい!!

生前ハマっていたBL小説の世界の主人公カプの妹に転生したらそこは想像主の悪意によって不自然に男性同士が愛し合い、女性が理不尽な扱いを受けるように歪められていた世界だった物語、シリーズ第4巻。前巻で起きた準舞踏会での事件によって生まれた疑問や深まる謎、原作小説では語られていなかったシル様の出生の謎、シルに対して意味深な態度を取るクリフォードとの関係は。そしてシルを襲撃した犯人は一体誰なのか。オクタヴィアは従者クリフォードと引き離されたままで折り合いの悪い兄・セリウスと向き合うことに……と、盛りだくさんの展開なんだけど、なにせ前巻が2年前だったので内容うろおぼえだったりストーリーを理解するのに時間かかった部分が多々。ビーズログ文庫は最初に見開きでキャラクター紹介載せてくれてるのめちゃくちゃ良いんですけど、今回はもうちょっと細かいキャラまで載せてくれると嬉しかったな。あとこれは文字でいいんですけど前巻の内容とかできれば2Pくらいで軽くプレイバックしてほしい。めちゃくちゃ前巻の続きから始まるので……。

シル様襲撃の件を巡って否応なしに絡まざるをえなくなったセリウスとオクタヴィア、ふたりの微妙な兄妹関係が印象的でした。序盤巻のセリウス、嫌な奴って印象がかなり強かったんだけど今巻ではちょくちょく彼が記憶を失う前は持っていたであろう妹想いの兄みたいな態度が透けて見えて面白かったです。オクタヴィアの主観だけじゃなくて友人のデレクや護衛のヒューなど、第三者の視点から改めて兄妹の関係性が掘り下げられるのも良かった。それはともかく、寝起きの兄を見て原作小説の懸賞にハズレたことを思い出すオクタヴィア(麻紀)にメチャクチャ笑ってしまった。確かにこういう特典ポスカあるわ〜〜挿絵の使い方がうますぎる。

一方、シル様襲撃事件への関与を疑われたクリフォードはオクタヴィアと引き離され、牢屋に入れられてしまう。二人きりで会話することもままならないオクタヴィアだが、兄とともにクリフォードの牢を訪問した翌日、少年時代のクリフォードが初めて人を殺す「夢」を見て……オクタヴィアが前半しか覚えていなかった夢の内容が、終盤にクリフォードが同じ夢を見るという形で補完されるのがメチャクチャ良かった!!オクタヴィアの涙の理由、理解できるとこちらまで胸が熱くなってしまう。クリフォードの夢のパートはどうやら書籍版書き下ろしのようなので、Web版の読者の人がここを読んでいたらぜひ書籍版をチェックしてみてください。

時折口を付く日本語の設定といい、日本語で書かれた日記といい、クリフォードの見た「夢」といい、今巻は良くも悪くもオクタヴィアの転生前の世界への執着が滲み出る(転生した経緯が経緯だけに仕方ない)お話でしたが、それはそれとしてこの世界でもなんとか折り合いをつけて上手くやっていけるようになるといいよね……。

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大伝説の勇者の伝説12 遅れてきた魔眼の王

 

シオン、玉座を更迭!?――新章突入の第12巻!
ライナ救出の一件から、玉座を更迭されたシオンは、牢へ投獄されてしまう。王としての真価とその生死を問うべく、審問会が開かれる。一方、スフェルイエット民国に戻ったライナの元に、ピア殺害の報せが届き!?

ローランドに戻ったシオンは国王の責務を放り出してライナを救出に行ったことを咎められ、投獄されてしまう。ミラーを筆頭にかつての革命の中心となった重鎮達が集まり、シオンの処遇を巡って審問会が開かれるが。一方、スフェルイエット民国に帰還したライナの元には兄弟弟子のピアが殺害されたという知らせが届いて……。

旧革命派の面々のやりとりよかった

ローランドでの、シオンとミラー一派のやりとりがめちゃくちゃ良かった!ライナ・フェリスとシオンの間に築かれたような距離の近い関係性とは違って、ミラーとの間にあるのは基本的に打算と利用価値で。でも距離感が近すぎない彼等だからこそシオンの性格や行動をある程度割り切って、彼の甘っちょろいところも含めて許容して信頼することができるんですよね。「堕ち伝」での味方であって味方ではなかった彼等の関係性を知っているだけに、余計しんみりしてしまうものがありました。あと、前巻でのシオンの人間らしい矛盾した行動を楽しそうに語れてしまうルーク、本当に「人間」が大好きなんだな……。

もともとの性格もあるけど『堕ちた黒い勇者』の件があって何もかもをひとりで抱え込んでしまいがちだったシオン。そんな彼がライナからの叱咤を受けたことで自らの行動を見つめ直し、更に勇者と悪魔(ルシル)からの干渉から一時的に開放されたからこそミラー達に腹を割って話す今日があるのだというルークの言葉が印象的でした。それまでに積み上がった死体の数がいかに膨大だったとしても、この回り道は決して無駄ではなかったのだと。しかしルシルはともかくフロワードはどこいったんだ。特にフロワードがいたらもっと色々と拗れていた気がするのでスムーズにシオンの処遇決められたのは良かったけど、姿が見えないのは見えないので不安だ……。

また終わり方がエグい!!

一方、ピア殺害の報によって呼び出されたライナたちを待っていたのは全く元気なピアと、ティーアを中心にした魔眼保持者達の軍団と、彼等に手を貸すリューラ。すったもんだの末、ライナは魔眼保持者達のリーダー・未来眼を持つエーネのもとに向かうことに。世界が南のローランド・北のガスタークという二大国家とその間に挟まれる形で存在するスフェルイエットというおおむね3つにまとまってしまったいま、それじゃあ魔眼保持者達はどうするんだという話とエーネが語る「未来」のお話。魔眼保持者達の処遇は良くも悪くもローランド行ってもガスターク行ってもろくな目に合わないのは確定なので彼等がスフェルイエットに付くのは必然という感じではあるのですが、ティーア達と同じ出自で、かつそこから心から信頼できる仲間たちと出会うことが出来たライナだからこそできる説得に、胸が熱くなりました。

しかし神とか勇者とか悪魔とかの影響が薄まり、三国が争う大きな理由も薄くなってきて互いに牽制し合いながらも協調路線を模索し始めて、猶予期間こそ短いけれどニンゲン達にとって明るい日差しが見えてきた……と思った所から一転してエーネの語る未来の話があまりにも不穏すぎるんですが!?時間ないからって雑に不穏な情報だけ与えて去るんじゃない。また終わり方がエグいよ!???!?

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