ページ 18 | 今日もだらだら、読書日記。

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とりあえず伝説の勇者の伝説11 常識力のホールドアップ

 

奇想天外いぢられつづけるライナを描くローランド編!
ローランド国王シオンの誕生日パーティーを本人に内緒で計画する家臣たち。ライナも無理矢理引きずり込まれるが……。ライナとフェリスがふたりっきりで温泉に……などバラエティ豊かに収録した短編集

シオンの誕生日パーティのアイデア出しで悩んでいたフロワード。シオン本人は派手な誕生日会を望んではいなかったが一国の王としてそれなりにちゃんとした事をやってほしい。だが、自分には明るいイベントごとを考えるのにはとんと向かない。それならば適材適所……とばかりに、クラウとカルネに丸投げし、ライナも当然のごとく巻き込まれていって……。雑誌掲載作を集めた短編集の完結編。

シオン誕生日会のエピソードのエモさがすごい

その後の本編での展開を考えてしまうと、ライナとシオンの臣下達が共謀してシオンの誕生日会を催す「ばーすでい・ふぇすてぃばる」の賑やかさがはちゃめちゃにエモいな……いやもう今となっては短編で何やってもその状態なんですけど、この話は特にアニメで原作11巻のエピソードの直前に配置されていたので余計に彼らの穏やかな日常の終わりを意識してしまうし、それを意識してかしないか「こうして、シオンの誕生日は終わったのだった」で締めくくられる文章に、なんともいえない寂寥感がありました。

それにしても自分が今風に言うと陰キャなことを自覚して「誕生日パーティ」とかいう陽キャのイベントに頭を抱えるフロワードが微笑ましすぎるし、対象的なクラウ・カルネの陽キャっぷりにもニヤニヤしてしまう。主人公トリオは当然好きだけどそれはそれとして密かにクラウとフロワードの関係いいよねと思ってるので挿絵でしにました。最高かな!!

クラウといえば、財布を落としたライナがクラウの財布を拾って豪遊する「ろすと・うぉれっと」のライナとのやりとりも好き。いや色々な意味で最初から最後までそれは人間としていかがなものか!?な話ではあるのですが、本編10巻で拳で語り合ってから互いにそこまで近づかないけどなんだかんだで気のおけない付き合いが美味しいというか、知り合いだが友人でもないし憎み合うほどではないが互いに微妙なマイナス感情がある故にお互いを貶めることに容赦のない関係というか。

カルネの当てた温泉ペアチケットがたらい回しにされる「ほっと・ほっと・すぷりんぐす」とライナとフェリスがペアで温泉に行く「でんじゃー・ぞーん」もよかった。長いこと勇者の遺物探索の旅をしていたせいで若干フェリスとの距離感がバグりがちのライナが温泉旅館のこれでもかというほどカップルを意識した相部屋で今更フェリスのことを異性として意識しちゃうの微笑ましすぎるし、シオンの結婚のことになるとちょっと行動が過激な親戚のオバチャンと化すフロワードさんマジ。

最後の最後にこれでもかというほどメタだ!?

書き下ろしの「青春のホウコウ」は、クラウの過去話をやろうとしたら長くなりすぎて独立シリーズになってしまった(※のち、「堕ちた黒い勇者の伝説」として独立シリーズ化)ので惰眠を貪ろうとしていたライナとフェリスが突然場繋ぎ穴埋めで駆り出されるという、あらすじからしてメタ全開のお話。別シリーズの作品名が突然出てきたりして、これもう完全にキャラが会話して終わるタイプのいにしえのラノベのあとがきだーーー!?

番外編とはいえ、11冊続いたシリーズの終わりがこれなの!?と思う反面、短編集の終わり方としてはある意味アリなのか。第一部完みたいな話は本編11巻でやりましたもんね。あと、良くも悪くも一番最初のシオン誕生日会の話が最終回の趣きたっぷりだったな……。

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とりあえず伝説の勇者の伝説10 気力のダウンロード

 

大好評、ローランドを舞台に繰り広げられる、伝勇伝短編集第十弾!
連日ローランド王シオンに強制労働させられ、死にそうなライナ。もちろん、「たまには高級レストランでフェリスとディナーでもしてきたら」というシオンの甘い言葉も、友情のふりした危険な潜入捜査命令であった。

シオンからの命令で、高級レストランに行くことになったライナとフェリス。とある貴族の黒い噂の証拠を掴めということらしいのだが、まず貴族特有のテーブルマナーやしきたりの数々にライナは一苦労で……!?

全体的な平穏さに、フィオルの加護を感じる

ライナとフェリスが任務で貴族の高級レストランに行って食事をする「のーぶる・まなー」がメッチャ好き。フェリスの提唱する謎マナーの数々にライナが振り回される序盤からはじまり、調査対象である貴族のすぐ横の席に陣取ったまでは良かったけれど、そのうち普通に任務なんかほっぽりだして食事を堪能してしまう二人の姿ににやにやしてしまった。バトルやシリアスに邪魔されず二人のテンポ良い掛け合いが楽しめるお話で、最近は本当に本編も短編もシリアスな話ばかりだったからこういう話ほんとうに癒やされるなあ……。

今巻は突然現れたシルとエステラの恋のお悩み相談(!?)を聞くことになる「ぶらいと・ふぁみりー・ぷらん」とか幽霊が苦手なフェリスの幽霊嫌いを治そうとイリスが奮闘(?)する「ごーすと・ぱにっく」とか平和な日常ぶりがすごい。前巻の不穏さが嘘のようで、今回の書き下ろしだったフィオルの加護を思わず感じてしまった。本当に平和だ……。

フェリスが風邪を引いて大暴れ→さらにライナ・シオンにうつして大惨事……な「てりぶる・ふぃーばー」とかは色々な意味で大惨事すぎるんですけど、本編の展開を知っているともう三人が仲良くワイワイやってるだけで「平和で幸せな短編だ……」という気持ちになってしまうのでいけない。

フィオル、惜しい人を亡くした……

書き下ろしは在りし日のフィオルとシオンの出会い、そして別れを描く「ディア・マイ・シスター」と過労で倒れたシオンが夢の中で誰かの声を聞く「不眠不休の王様」。どちらも実質フィオルの話。

不眠不休〜の最初でライナが居眠りしてる時にこっそりと一人でボヤいてるシオンが印象的で、やっぱライナや他の臣下の誰にも背負えない部分をフィオルが背負っていたんだよな……という気持ちになってしまった。本当に惜しい人を亡くしたと思うし、彼が生きてさえいればシオンだって極端な行動に出るのをもう少し躊躇ってくれたかもしれないし、と思えてしまってやるせないな……。

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2021年に読んで面白かったラノベ10選

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

2020年から職場がリモートワークになり、本を読む時間が上手く作れない!!と嘆いていたのも記憶に新しいですがリモートワークも2年目に突入し、それなりに自分の時間の作り方もわかってきたかな…と思わなくもない今日このごろ。今年もリモート生活が続くようなのでもう少しペースを作って本を読んでいきたいです。これは別で書くかもしれませんが今年の後半は諸事情から旧作読むのがメインになってしまって新作が追いかけられてないのがやや悩ましい所(面白い旧作って時間持っていかれるよね!!)。今年はマジで2巻や3巻が読めてない〜という作品が多いんですが、好きラノの投票までには少し崩していきたいですね!締め切りはいつだ。

今年もこちらの記事で紹介した作品をそのまま「マニアック・ライトノベル・オブ・ザ・イヤー2021」に投稿しています。

お気に入りの新作6選

紫 大悟「魔王2099 1.電子荒廃都市・新宿」→感想
ファンタジー×サイバーパンク技術の融合が楽しい近未来SF。
2021年の新作の中で一番おもしろかったと思うのはやはりこれ!!科学世界と融合し、その恩恵を受けて一気に進化した魔導技術。その科学の恩恵に預かれない「時代遅れ」の魔王が配信者として生計を立てつつ力を取り戻していくお話。世界観に加えて魅力的なキャラクター達の行動が楽しく、何より魔王と勇者の不倶戴天の敵同士だが誰よりもお互いのことを理解している関係性がめちゃくちゃ好き。3巻待ってます!!
七斗 七「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」→感想
テンポ良い会話劇が楽しめる「企業Vtuber」モノ。
Vtuberである主人公やその同期・先輩後輩との小気味の良い掛け合いと、彼女たちの掛け合いをもり立てるコメント欄での反応を気楽に楽しめる。アンチや炎上のいない「優しい世界」なのが心地よく、そんな中で思う存分に暴走する個性派揃いのVtuber達の奇行が楽しかった。企業Vtuberモノということで、ゆるくても確かに存在するお仕事モノ感がまた(Vtuber世界に疎い者的には)新鮮。
小田 一文「貴サークルは“救世主”に配置されました」→感想
転生戦士×同人作家。リアルな弱小サークル描写が面白い!
「同人誌100冊完売しなければ魔王が復活して世界が滅ぶ」という一見荒唐無稽な設定、それを達成するまでの展開にしっかりとした肉付けが行われているのが凄く良かった。またマイナージャンルの弱小二次サークルの描写のリアルさに震えました。2巻の小説サークルの描写には個人的には違和感が強かったのだけど、凄く面白かったので3巻が出てくれるといいな。
コイル「オタク同僚と偽装結婚した結果、毎日がメッチャ楽しいんだけど!」→感想
程よい距離感の関係がたまらない、オタク男女の同居生活モノ
郊外にあるそこそこ立派な家で、自立したオタク男女同士が程よい距離感を保った共同生活を送る。キチンとした生活基盤を得た上でオタク活動をしているという上質な暮らし感が心地よく、タイトル通り「メッチャ楽しい」が伝わってきてこちらの心も健康になった。ラブコメとしてはこれからのお話だけど、無事2巻の刊行も決まったのでどうなっていくのか楽しみだなー。
栗原 ちひろ「死んでも推します!! 〜人生二度目の公爵令嬢、今度は男装騎士になって最推し婚約者をお救いします〜」→感想
「推し描写」が健康に良すぎるやりなおしモノ。
推し描写が健康に良いオブザイヤー。婚約者を「推し」すぎる余りにやり直し人生が始まった途端に彼を守るために全力で当たり前の女性としての生活を捨ててしまうヒロインと、そんな主人公にタジタジ……と思わせておいて実はメロメロなヒーローと、やはり「推し」パワーの高い周囲の人々のやりとりが最高に楽しかった。明るい話の中でひっそりと進んでいくシリアスな気配にもわくわく。
まきぶろ「悪役令嬢の中の人」→感想
異世界憑依×ヤンデレ百合×悪女な復讐劇。
自分の体に憑依してきた転生ヒロインのことが好きすぎて、彼女の代わりに完璧な復讐を果たしてしまう悪役令嬢のお話。憑依される前は未熟な人格だった主人公が転生ヒロインとの心の交流を得て心のスキマを埋められて、良い人になる……のではなくて完璧な悪女として大成してしまうのが、悪女モノとしてもヤンデレ百合としても最高に面白い。気に入ったらなろう版の未収録短編も読もう。

2021年に読みはじめて面白かったシリーズ2選

餅月 望「ティアムーン帝国物語 〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜」→感想
ポンコツだけど応援したくなる「やりなおし」劇。
一度は断頭台の露と消えた世間知らずのお姫様が幼少期から人生をやり直すことになり、断頭台を回避して気楽な生活を送るためにポンコツな頭をフル回転させて未来改変に挑むお話。一度は没落生活を送ったお陰で他人の心に寄り添えるようになった彼女が、復讐を恐れるあまり角の立たない解決を必死に模索していくうちに思った以上の評価を受けて行く展開が楽しかった。
鏡 貴也「伝説の勇者の伝説」→感想
過酷な状況下で少しずつ前を向こうとする主人公の姿が印象的
とある異能が原因で「化物」扱いされ続けてきた主人公・ライナが自分の考えに共感してくれる相棒や親友と出会い、少しずつ前向きになっていく展開がアツい。しかし、彼が望むような綺麗事だけでの解決ができるほど世界は甘くはなく……と闇の中で只一つの光を掴むような展開から再び闇に引きずり込まれていくような終盤の過酷な展開が衝撃だった。諦めることをやめたライナが前を向いて、親友のシオンに背を向ける第一部のラストがとても良かったです。続編を読むのが楽しみ。

今年「も」面白かったシリーズもの2選

羊 太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典19」→感想
クライマックス目前の展開がノンストップで面白い…!!
ロクアカはもう2桁巻くらいのところからずっと面白いんですけど、グレンの師匠・セリカの足跡を辿りながら物語の中で大きな謎とされてきた「メルガリウスの魔法使い」の真実に迫っていく最新刊が本当に本当に面白かったんですよ……戦力的にも大きなパワーアップをする巻で、いよいよ次巻からはじまる最終決戦がどうなっていくのかが楽しみ。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5」→感想
極限状況で行われるクラス内での駆け引きが最高に面白かった!!
2年生編になってから全体的に話が大きくなりすぎて、キャラクターの把握で手一杯になりがちだったよう実ですが、久しぶりに学年別の争い、しかもクラス内での駆け引きが重要になるお話でめちゃくちゃ面白かった!!仲間を犠牲にしてポイントを得るか、ポイントを捨ててクラス内の団結を促すか……という究極の質問に対して各クラスがそれぞれの結論を出していく展開が最高に熱かったです。

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とりあえず伝説の勇者の伝説9 全力のドロップアウト

 

待望のフェリスの外伝「しょっぱいだんご」をついに収録!短編集第九弾!
母国ローランドに戻ってきたライナとフェリス。シオンの罠にはまり、ライナは連日徹夜で仕事をするはめになっていた。さらに「禁呪」の処理を押しつけられたり、娼館への潜入捜査をさせられたりとライナの苦難は続く

ローランド帝国で徹夜でシオンの仕事を手伝わされたり、フェリスに脅されながらシオンの仕事を手伝わされたり……と寝る暇もなく忙しい毎日を送るライナ。そんなある日、王城からの帰り道にかつての師・ジュルメに遭遇するが、彼女はおかしなことを言い始めて……。

ふかい ふかい ローランド の やみ

本編10巻でスキップされた平和な1年を描くローランド編……とおもいきや、本編11巻で描かれたローランドの闇的な部分を補完する「えくすとら・すてーじ」を冠する3編が全体の半分以上を占めており、実質10.5巻みたいな内容。ていうかこれ普通に本編にナンバリングしたほうが良いやつでは???1がジュルメとの再会話、2は任務を外されたミルクが自分の意志でローランドの闇に踏み込むお話、3は『隠成師』時代の同僚・ゾーラと再会する話。さらに書き下ろしの「天才の証明」がえくすとら3の話をゾーラ側から補完する話。私ひそかにローランド編でゾーラとライナが悪友する短編をめちゃくちゃ心待ちにしてたんですけど!まさかのシリアス要員とか聞いてない!!殺伐とした物語の中ピアが最高に可愛かったのですがこれは大伝で登場するフラグだと思っていいんですかね……(あまりにも可愛い……)

ライナ、本編11巻でシオンが裏でやってきた事を聞かされたのは完全な不意打ち、青天の霹靂だと思ってたんですけど、その前に何度もその件について信頼できる相手からの警告を受けてて、その上であの展開なんですか……なんでそのまま読んでも普通にしんどい話にさらにしんどい話乗せてきちゃったのか……しんどい……何も知らないまま突然知らされるより、何度も警告されてて、それを否定してたのにライナの方の認識が間違ってた流れだったとかもっとしんどいじゃん……更に書き下ろしを読むと本来のシオンの意思ですらなさそうなのが逆にしんどい……。

最初の「かーす・おぶ・ふぃあ」と「ふろーらる・わんぴーす」が普通に明るい短編だったので本当にえくすとらの不意打ちがひどかったと言うかふろーらる・わんぴーすがまさかの女装ライナにメイドフェリスに執事シオンの3本立てで展開も挿絵も最高でした!!!メイドフェリスが可愛い!!女装ライナは以前に出たときもそうでしたが一貫して背中側しか描かれないのが逆に無理やり顔面を見たすぎて興奮しますね。娼館への潜入捜査ときいてもっとえっちなピンチが襲い来る感じかと内心ワクワクしていたのですがさすがにそんなものはなかったです。しかしここからえくすとらに突き落とすの完全に温度差で風邪引くやつだからやめてほしい。

しんみりと良い話だった(※当社比)フェリス過去編

書き下ろしの後ろに掲載されている幻の短編(だったらしい)「しょっぱいだんご」はフェリスの少女時代を描くお話。なぜ彼女がここまでだんごに固執するようになったのか。例によってオチがエリス家さすが闇が深いという感じの話ではあるんですが、人間性を擦り減らすような過酷な修行の日々の中でも忘れられなかったフェリスのだんごへの執着を思うと、その短い出会いによって救われた何かがあったんだよな……とおもうとしんみりと良いお話でありました。

「寂しい」がわからなかったフェリスがはじめての友達を得てそれを失うことで「寂しい」という感情を得て、ずっと先の本編でライナにその「寂しい」という言葉を使ってそれでライナが救われるというのがとても……とても良いと思います……。

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伝説の勇者の伝説11 君子豹変の王様

 

シオンは? ライナは? そして世界は──? 驚愕の第一部完結編!
「……まるでここにあるのは、絵空事だ」。活気に満ち、誰もが幸せそうなローランドの城下町を、王白から見下ろし、ライナは思う。一見平穏に見えるこの世界は、崩壊への道をたどりはじめていた。他ならぬ英雄王シオン・アスタール自身の手によって……。何がシオンを変えてしまったのか? 親友・シオンを救うため、ライナは決意を込めて新たな道へと歩み出す──。いま、序章は終わり、壮大な物語が真の姿を明らかにする!

ライナ達がローランドに戻ってきてから1年。いつものようにシオンが大量に抱え込んでいる仕事の手伝いをしていたライナは突然シオンから、全ての仕事が片付いたと報告を受ける。どう考えても違和感のある発言を訝しみながらもフェリスと共に穏やかな時間を過ごしたライナだが、その帰り道、異様な様子のシオンに遭遇して……。

そして平穏な日常が終わる

平穏な日常があっさりと幕を閉じ、その前後から舞台の外で淡々と行われてきた様々な出来事が少しずつ明かされていく…という展開に衝撃を受けました。えっ、とり伝の平穏で楽しい日常の裏で……非道な人体実験やらなにやらをやってたと……?シオンの中が一種の二重人格的な描かれ方をしているのでライナ達と一緒に日常をしていたシオンにはある意味制御出来ない部分だったかもしれないけど……そうであって欲しい……そうじゃなさそう……。イエット共和国編ではコメディ要員だったミルクがすっかりシリアス要員に……あとルシルのラスボス感がすごい……。

親友であるシオンに裏切られて一度は生きることを諦めようとしたライナが、フェリスの言葉と「約束」を思い出してシオンに立ち向かうのに胸が熱くなるし、その上でシオンのことだって諦めない、手を差し伸べるために前に進むと決意する姿がめちゃくちゃ良かったです。あの怠惰でやる気がなくて自己否定的で他人に関わることを怖れていたライナがこんなに成長して……あと、ラストの展開で取り乱すフェリスがめちゃくちゃ良い……可愛い……。

「序章の終わり、本当の物語の幕開け」

ってあらすじに書いてあって衝撃を受けたんですが短編含めて20冊以上読んでるのにまだ序章だと!?一応無印の「伝説の勇者の伝説」シリーズはこの巻で完結という形だけど全然終わってないし、あとがきでCM無しで次の番組行くバラエティ番組みたいなノリで「大伝はこのラストの5分後からスタートです」とかいわれるの全然終わってない。確かに序章が終わりましたくらいのノリだし本編は全然終わってない!!(大事なことなので3回言いました)あと、あとがきで「このペースだと46冊とかになっちゃいますね」とか書いてあって今本当に既刊40冊超えているの感慨深いですね。それだけちゃんと予定通りに巻数を重ねてくれたのは良いことだ…(私が大伝追いつく頃までに新刊の予定が立ってくれるといいなという顔で)。

最後の最後で「3人目の王」とかいう新情報もぶちこまれて本当にどうなってしまうんですか!?楽しみですね!!(も、もうコミケ終わるまで読まねーぞ…)

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伝説の勇者の伝説10 孤軍奮闘の王様

 

ライナ・リュートは死んだ――。今、ストーリーが加速する!
≪おまえの中の、真実を見ろ≫。何者かに胸を刺され、血が流れ、意識が薄れ、ライナ・リュートの生命の灯火が、消えた……その瞬間、世界が、歪んだ。何者かに襲われ、何処かへ連れ去られてしまったライナ。彼は生死の境で新たな事実を知ると同時にさらなる重荷を背負わされる。一方、ローランド帝国王シオンにおかしな言動が見え始めるのだが――。遂に衝撃的展開を迎える、アンチ・ヒロイック・サーガ、第10弾!

シオンの仕事を手伝った帰りに何者かに襲われたライナ。胸を刺され、死んだと思ったのもつかの間、一面が真っ赤な、おかしな空間に導かれていた。一方、いつものようにだんご屋巡りをしていたフェリスは、どこか雰囲気がライナに似たおかしな男と遭遇する。その男は「ライナは死んだ」と言い……。

ライナとフェリスとシオン、最後の平穏な日常

ライナが死にかけたりフェリスが謎の記憶欠損を起こしたりシオンが知らない所でナニカに蝕まれていたり……と全く不穏要素が消えないまま突然始まる、なにもない、ただ平穏な「空白の1年」。とり伝のローランド編はここに繋がるのか。本当に本編の半分以上は重たい話なんだけど、短編を読んでると本当にちょっとだけ描かれた「平穏な1年間」が絶大な重みを持ってくる。そしてその話の直後に「一番最後の平穏」とかいって短編11巻分の重みでぶん殴ってくるのズルくない!?富士見ファンタジアの短編シリーズって割とちょくちょくこういうことするよな!!(フルメタのOMOとか、東レ2部後に突然重みと尊みを持って来る日常短編とか)

本編とは全く関係ないけど、前から思ってたシオンの異常な徹夜仕事について医者が健康面からマジレスしてくれる展開めちゃくちゃスカっとした。やはり徹夜はよろしくない。あと、クラウがライナと拳で解り合いに行くエピソードが好きです。それにしてもあの二人も孤児出身→軍の異常な教育施設の出なんですね……過去のローランドにはいったいいくつ狂った教育施設があったんだ。

無印は泣いても笑っても次巻が最後。突然姿を表したライナの父親・リューラの存在や、なによりシオンの様子が不穏な件とか。どう決着がつくのか楽しみです。いやアニメで見たので概ね知ってるけど……いやでも……。

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伝説の勇者の伝説9 完全無欠の王様

 

シオンのもとに帰国したライナだったが!? 物語の核心に向け、ローランド編、突入!
ガスターク帝国の魔眼狩りによって、行き場を無くしたライナ。だがフェリスの説得により、再びローランドに帰ってきた彼を待っていたのは、相棒の執拗なイジメと、親友が用意してくれた膨大な仕事の山。悪魔王シオンによって不眠不休で働かされ死にそうになりながらも、ひとときの平和に浸るライナ。しかし、その水面下では様々な者たちの思惑が絡み合い、ライナたちを時代の渦のなかに呑み込もうとしていた……!

やりたいことを見つけて、フェリスとともに一ヶ月ぶりにローランドに帰還したライナを待っていたのは笑顔のシオンと地獄のような量の書類仕事だった!?忙しいなりに楽しい毎日を送るふたりだが、その裏では様々な思惑が動き出していた……。

久しぶりの明るい展開が楽しい……と思ったら……

戻った途端に大量の仕事を押し付けられる展開でめちゃくちゃ笑った。手紙の破壊力が高すぎるし扉越しにだんごでフェリスの買収合戦行われるの微笑ましすぎるし、ライナ失踪からの前巻のクライマックスでのライナとフェリスのやりとりであれだけ感動したのに、その数日後に本人たちが自らお互いの良い台詞をネタにしあって傷つけあってる(互いのメンタルを)ってそんなことある〜!!?

一方、フロワードの手によって昏睡させられたミルクは改めて自分が「忌破り追撃隊」の隊長として抜擢された意味を改めて考えることに。あくまでミルクの想像でしかないからシオンの真意こそわからないけど、お節介なおばちゃんみたいなノリでミルクをけしかけたのかと思ったら普通にクソデカ感情の延長線というか、いやもっと更に重たい話だった……でも確かに、そう言われるとルークにライナの監視の命令が別口で出てた話とかさもありなんだし、なによりライナの記憶が無いのって5歳よりも前って前巻で断言されちゃってるので(ミルクと出会ったのは短編の情報から推測する限り最低でも十代の頃)何らかの事情でミルクのことを知らないふりしてたのは確実なんだよなあ……。

しかし、ミルクが追いかけてきた時点でライナがシオンの意図を薄々察してたんだとしたらそれはそれで相当しんどさがあるし、シオンが自分の抹殺命令出してるのを全然気にしてないと言ってるのもなんともしんどいし、一方のシオンがライナに困ったことがあったらなんでも相談しろみたいなこといいながらなんだかんだで自分の悩みは自分で抱え込んでたりするのがまたこう……ままならないし不穏……。

国際情勢はもうギリギリのところまで来てるし、ライナに思い入れのあるジュルメを関わらせないように動こうとするミラーとか(っていうかやっぱり結婚してた!!!)、執拗にライナを始末しようとするフロワードとか、そのフロワードに別人のように冷たい態度を取るシオンとか、もう明るい話の裏で不穏な話しかない。故ステアリード公爵の後ろに居たはずの黒幕、そんなのもありましたね!!そこまだ解決してなかったんかい!!

とかいってたら最後が衝撃の展開すぎて!!!休む暇がない!!!

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伝説の勇者の伝説8 行方知れずの恩知らず

 

遂に訪れた、物語のターニング・ポイント――激動のアンチ・ヒロイック・サーガ!
「俺の手が、おまえに届かない理由はもう、知ってるんだ……」シオンたちの前から、ライナ・リュートは姿を消した。魔眼保持者とともに。国王シオンに与えられた極秘任務にもとづき、ライナ抹殺を実行するべく、ローランドを発つ『忌破り』追撃隊ルーク。――一方、フェリスも相棒を連れ戻すために旅出つ。七つのリュックにだんごを詰め込んで! ライナは何処に向かっているのか? 皆の心の内に、ついに転換点が訪れる――!

エスタブールを震撼させた魔眼の持ち主・ティーアと共にシオン達の前から姿を消したライナ。ティーアに連れて行かれた隠れ家には、自分達と同じ「魔眼」を持った子どもたちが保護されており……一方、ライナを連れ戻すためにその行方を追うフェリスとシオンの命を果たすために動き出すルーク。勇者の遺物や魔眼を収拾するガスタークの刺客も行動を開始し……。

様々な思惑が動き出す、物語の転換点

失踪したライナを巡って、様々な思惑が動き出すお話。あそこで都合よく突然出てきたシオンの命令書どこから……と思ってたらそこだったか〜〜!(いい感じにアニメの内容が頭から抜けてる顔)

前巻での活躍もどこへやら、一緒に旅しているのにライナの長考に突き合わされてけんもほろろに扱われるティーアさんは強く生きて欲しいけど、自分以外の魔眼保持者と出会い、これまで目を背けるだけだった「魔眼」について改めて向き合うことになるライナの姿が印象的でした。ガスタークからの刺客の言葉によってますます疑問点が増えた部分は多いけど、自分の持つ力に付いてある程度の理解と折り合いを付け、自分自身のやりたいことを見出していく展開がとても良かった。あれほど化物と言われることを怖れていたライナが自分のことを「化物」だと言ってしまうの、良いことなのか悪いことなのかはまだわからないけど、少なくても自分の在り方を少しだけでも受け入れられたのかなと思ってほっとした部分がある。

それにしても、6巻のルシル、7巻のリーレvsカルネ、今回のフロワード・ルークと頂上決戦みたいなバトル展開が多すぎて、たしかにティーアvsクラウみたいな番外編もあったんですけど、ローランドどんだけの魔境だよって思ってしまう。ルークを前にして「最強とは……」ってなってるライナ(ローランド最強の魔術師)にめちゃくちゃ笑ってしまった。

フェリスの感情の動きがめちゃくちゃよかった……

だんご屋の前での「一人はつまらない」から、クライマックスの「お前が死んだら寂しい」に繋がってくフェリスの心情の動きがめちゃくちゃ良かった……あれだけ本編でも短編でもだんごに執着していたフェリスが、「こんなに重い荷物を持っていたらライナを追いかけられない」とだんごの詰まったリュックを置いてライナを追いかけていくのがあまりにもエモいし、それはそれとしてだんごを完全には諦めきれずに2本だけ持っていくのが微笑ましい。あと「お前が死んだら〜」のところで、一貫して無表情で描かれてきた挿絵のフェリスがちょっとだけ微笑んでいてうあーー!!!!となる。

時間の長さで言えばライナよりもずっと長い時間、エリス家での過酷な仕打ちに耐えてきたフェリスって実際旅の開始の時点で相当感情が死滅していたんじゃないかと思うんですよね。ライナは「フェリスの感情の機微が感じ取れるようになった」と言ってて、実際そういう部分もあるとおもうんだけど、それ以上にライナとの旅が彼女に感情を取り戻させてくれてたんじゃないかな、と思うと込み上げてくるものがありました。否定されるのが怖くてずっと言えなかった言葉をはじめて吐露するライナと、そこで初めて誰の目に見える形で感情を露にするフェリスのやりとり、良すぎる。

それにしてもプロローグとエピローグのシオンがめちゃくちゃ不穏。

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伝説の勇者の伝説7 失踪の真相

 

ライナが失踪!? 激震のアンチ・ヒロイック・サーガ!
フェリスは怒っていた。なぜなら……。あいつは、約束の場所に来なかった。ふたりで逃げるはずだったのに。ライナ・リュートは、失踪した。――その報せと同時に、ローランド王シオンのもとにエスタブールから書簡が届く。それは『複写眼』保持者が出現し、暴れているというものだった。ライナの失踪と、何か関係があるのか? 早速、ライナ捜索隊が出されるが、彼の足取りは掴めない……。物語に隠された謎が、いよいよ明らかに!

数カ月ぶりに勇者の遺物探索の旅からローランドに帰還した(というか事故で戻ってきてしまった)ライナとフェリス。だが帰国した数日後、ライナが失踪してしまう。フェリスはシオンから貸し出されたローランドのメンバーと共に捜索隊を組織してその行方を追うが、意外な所からその情報がもたらされることに。

同じころ、併合したエスタブールの兵達をまとめ上げるためにエスタブールに向かったクラウは『複写眼』保持者が暴れているという話を聞き、その鎮圧に向かう。相手は、かつて自分の腕を食い千切った因縁の『複写眼』保持者で……。

一度持ち上げてから落とす展開がとてもしんどい

6巻は概ねフェリスの実家・エリス家とその当主ルシルの話。そして今回はルシルとの会話、シオンが裏で出していた命令を知り失踪したライナとそれを追うフェリスのお話。6巻のサブタイ「シオン暗殺計画」とそのあらすじ読み直してそういう話だったっけ?と思ったけどたしかに暗殺計画あったし実際襲撃もされてましたね意味に気づいて笑った。

7巻。紆余曲折あって、やっとの思いでフェリスがライナに追いついて、いつものノリになってきて色々引っかかりは残ったけど元サヤに戻れるのか……と一度持ち上げてからティーアの襲撃・シオンの到着で再び突き落とす展開がしんどい。ルシルに刺激された「自分が化物である」というトラウマを、ティーアが的確に(しかも、その言葉をシオンに言わせる形で)抉ってきて。色々と仕方ない部分があったんだけど、シオンはここに来ないほうが良かったと思うんですよね……ローランドの英雄王としての立場に邪魔されて傷ついている親友に望んだ言葉を掛けることも出来ず、フェリスとも隔たれてしまって……傷ついて消えていくライナもしんどかったけど、それ以上に取り残されたシオンの情緒が目に見えて歪んでいくのがしんどかった。「しんどい」しか言ってないなこの文章。

1巻でローランドを離れたキファの視点から敵対する国家ガスタークの情勢やライナ達の持つ「複写眼」の秘密が少しだけ明らかになったり…と、物語の中で謎とされていた部分が少しずつ見えてきて、いよいよ物語が動き出した感じ。レファルとキファの関係、というか敵国の王とそれに一人で立ち向かおうとする女、二人の駆け引きが地味にめちゃくちゃ好きでこの二人の関係もどうなっていくのか楽しみです。

それにしても短編集との温度差が……

6巻読んだ時にどう見ても間が抜けてる!と短編8冊読んで戻ってきましたが結局ミルクの葛藤とかは本編そのまま読まないと駄目だったみたいで(※この感想を書いてる時点で10巻中盤まで読んでる)でも短編普通に面白かったし、本編終盤を読むのにあたって理解を深められる話も多かったので良かった。短編の忌破り追撃隊の皆さんのおこちゃまミルクと後方保護者面の皆様の印象が強すぎて、今回のカルネvsリーレのシリアスなバトル展開で違和感しか感じないという弊害は残った。

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とりあえず伝説の勇者の伝説8 権力のワンダーランド

 

ついにライナがローランドに帰ってきた!待望のローランド編開始!
イエット崩壊の際、海に投げ出されたライナは、何処とも知れぬ無人島に流されていた。実は、そこはフェリスの私有地──つまり、ローランド国内であった。そんな彼をシオンはいぢめをもって迎える。ローランド編開始

イエット崩壊時に起きた洪水で海に投げ出されてしまったライナたち。見知らぬ無人島に漂着した……と思ったら、そこはなんとローランド帝国にあるフェリスの家の領地だった。数カ月ぶりに帰国したふたりが真っ先に思い出したのは、自分たちをこんな境遇に落としたシオンに復讐することで……!?

舞台はローランド帝国へ!#シオン寝ろ

長かったイエット共和国編が終わり、舞台はローランド帝国へ。ライナとフェリスがこれまで以上にシオンの巧みな動きで仕事を与えられて右往左往したり、逆にシオンがライナ達に振り回されたりというお話が中心。なんだかんだで内政の手伝いしてるライナは結構楽しそうにやってる気がするんですけど、なにはともあれシオンの仕事の仕方が睡眠時間度外視のブラック労働で、頭おかしいんだよなあ……ていうかこういう判断力を求められるような頭脳労働の人が睡眠時間取らないのどう考えても駄目だと思うし、これだけ徹夜が常態化してたらそりゃあ思い詰めて極端なこと考えたりするわけだよ……シオンは本当に寝ろ。

シオンの仕事を手伝わされることになったライナがシオンのベッドに居着いてしまい(シオンはそもそもベッドにほとんど戻ってこないので別に同衾はしていない)シオンの男色疑惑が発生するの味わい深さが凄いんですけど、本編であれだけ冷酷で危険な人物として描かれ続けてきたフロワードがほぼ、娘(シオン)の行き遅れを心配する面倒くさい母親みたいになってるの面白さが凄い。彼の本質自体は変わってなくてただ単純に視点を変えただけなんだけど、視点を変えただけでこれだけ変わるの面白いな……。

それにしても素朴な疑問なんですけど、二人がローランドに戻ってきてシオンに会いに行く話、今回の「きる・ざ・きんぐ」と本編6巻の両方に全く別のシチュエーションで載ってる気がするんですけど微妙にシチュエーションが違うんですよね。あと本編6巻だと戻ってきてすぐにライナが○○してる気がするんですけどこれどういう時系列……?一回戻ってきてまた出ていってたりする……?読み進めていけばわかるかな……。

ゾーラとライナの悪友っぷりが良かった…!!!

書き下ろしの過去編「天才の流儀」は前巻に引き続きライナが『隠成師』に所属していた頃。彼が『ローランド最高の魔術師』と呼ばれるようになった由縁や、前巻でメインになったゾーラとの出会いのお話。

前巻でピア達と出会って改心(?)したゾーラがなんか逆の方向に面倒くさい男になっててめちゃくちゃ笑ったし、そのノリでそのままライナにウザ絡みしていくのめちゃくちゃ楽しい。一方、暗殺者の少女・ビオとの一件やらなにやらを経て心を閉ざし気味のライナがゾーラのあまりのウザさに辟易しながらもだんだん心を許していくのがとても美味しかった。いや、なんかこの二人ものすごく「悪友」なんですよね……フェリスのような異性の相棒ともシオンのような相互クソデカ感情な親友ともピア達のような苦楽を共にした良きライバルとも微妙にちがって、いい感じにお互いに執着がないと言うか、カラっと遠慮がないのがとても良い。それにしてもゾーラは自分が懸想してる人物の名前をそっとライナに教えてあげて欲しい。ぜったいよろこぶから。いやローランド帝国側に万が一にでも伝わるの避けたくてわざと伏せてるのかもしれないけど。

ゾーラ、前巻のあとがきで「そのうちドラマガ掲載分にも出てくる」と言ってたし、ライナのようにただ上からの命令を拒絶して割を食うだけではなく、自分の譲れないポイントは死守しつつ組織の中でうまく切り抜けるような器用さも持っているようだから死んではいない気がするんですよね。ドラマガ掲載分=おそらく現在軸の短編でライナと絡むの、めちゃくちゃ楽しみになってきたなぁ。

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