« 3月 2018 6月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

金星特急6

[著]嬉野 君  [絵]高山 しのぶ

グラナダに辿り着いた錆丸一行は、無事砂鉄たちと合流を果たす。あとは金星特急の到着を待つばかり。根城にしたアルハンブラ宮殿で、錆丸たちはイェニツェリの追撃を避けつつ列車に乗り込む作戦を練る。一方その頃、兄の砂鉄に恋する彗星含む“許されない恋をしている少女たち”が、金星の庭に集められていた。時空を超えたその場所で、錆丸の蜥蜴ウェルの目を通して旅の一部始終を見せられていたのだ―。いよいよクライマックスへカウントダウン、人気シリーズ第6弾。(「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

 クライマックス目前のシリーズ第6巻。長らく引っ張ったけど予想よりあっさり合流したなあ。錆丸と砂鉄達の合流もそうだけど、伊織達との再会もそう。

 場面描写は短かったけど、金星の元に集う恋する女の子組の動きが面白かった。どうしてもこれまでやってきたことから恐ろしい、人間外の存在としてのイメージが強い金星だけど、不思議な力を持ってる以外では案外普通の女の子で。錆丸と他の女の子の急接近にテンパって金星特急を迷走させちゃうなんて、よく考えるといかにも恋する乙女っぽくて可愛いじゃないですかー!!………まあ「可愛い」じゃすまない、えぐい被害でてるけど!!

 個人的には書き下ろしのアルベルトのちょっと切ない初恋のお話と、ユースタスが不思議な力を得ることになったきっかけのお話がとても好きでした。しかしユースタスの話のオチにはびっくり。まさかそんなところにこの人が関わっていたとは……本来、金星特急には乗り込めないはずのユースタスが特急に乗り込めたのはこの辺の事情もあるのかしら。

 次巻いよいよ完結編。物語がどんな結末を迎えるのか、本当に楽しみです。

なぜあの方に恋したのかと聞かれたら…

[著]小林 典雅  [絵]山本 小鉄子

むかしむかしあるところに…てか、ぶっちゃけ中世後期の欧州のとある王国の片田舎に、純真で敬虔な領主の末息子が住んでいました。そこへ一見黒ずくめの魔王、よく見ると大天使のようなお顔の王宮からの使者がやってきて、「ぜひ王妃様の小姓になっていただけぬか」と申されました。領主一家はすっかり使者に丸め込まれ、末息子をホイホイ差し出してしまったのです!末息子危うし、お役目と称してセクハラされ放題!?変人ばかりの宮廷とんでもラブコメディ、始まり始まり―。(「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

へ、へんたいだーーーーっ!!!

 すごく攻が変態だった。紳士だけど変態紳士だった。王女様のお話し相手としてお城に招かれたはずなのに、いざ王都へ向かってみたら道中ではセクハラうけまくり。何か様子がおかしいぞ!?と思っていたら「子種の出来ない王女様と子供を作って欲しい」といわれて……というお話。

 とにかく世間知らずでピュアな主人公が変態貴族のルドガー様にかどかわされていくのがいかんともしがたく、とりあえず逃げてというかんじ。そして何故か気がついたらルドガー様にほれる主人公。なんというか久しぶりにわかりやすいファンタジーほも(※現実には存在しえない超展開、の意)を見ました(ほめてます)色々と「これでいいのか」という終わり方ではあるんだけど、一方でこの「だまされてるーーー!!」なやりとりが個人的には楽しく、にやにやしながら読めました。

 個人的に、「い、いまおこったことを話すぜ!俺が薬を取りに行っている間に同僚がほもになってry」状態だったユリウスとクラウスのほうのスピンオフとかあったらとても読みたい。

デーゲンメイデン 1.台場、両断

[著]田口 仙年堂  [絵]柴乃 櫂人

Dアーム。それは、長い時を経て異能と人格を得た伝説の武器たちの総称。彼らは、気まぐれに人と契約し、力を発揮する。「この馬鹿者が!何故あの時に斬らないのじゃ!」柳眉を逆立てて非難する美少女Dアーム―名刀・薄緑。「だいたいテメェがフラついたから逃したんだろうが!」目つきの悪い伝承者―薄緑の相棒・若林練司。ケンカしながら二人は戦う。どうしても会いたいヤツがいるから。初任務はある少女の護衛。簡単な任務に思われたが!?『契約は果たされた―さぁ、願い事を言え』ヒトと剣がしのぎを削る古今東西名武器バトル、開幕。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

 人間の姿をとり、不思議な力を持つ『Dアーム』。両親と妹の仇を討つためかつて九郎義経が持っていたという複数の顔を持つ刀・薄緑の伝承者となった少年・若林練司はしかし任務でも人間を斬ることが出来ず、苦悩する。そんな時、偶然Dアームと契約してしまった少女・島原糸の護衛をすることになって…というお話。

 さまざまな重い過去を持つキャラクターたちが、その問題と折り合いつけながらちょっとずつ前進していく姿がアツかった。特に、最初は自らの『呪い』におびえて状況に振り回されるだけだった糸が最終的には思い悩む練司の背中を叩くポジションにまで成長するのにはニヤニヤがとまらない。あとは終盤の膝丸が無邪気かわいかった。

 ただ、世界観設定や物語やキャラクターには凄く惹かれるんだけどバトルをメインに押し出してるせいか全体的に物凄く駆け足というか、なんか物足りなさが拭えない。主人公の過去とか、重い展開も多いんだけどなにか重くなりきれてない感。個人的にはバトル展開よりもキャラクターとか掘り下げてほしかったんだけど…。

 1巻から次巻への伏線はりまくりなお話だったので2巻か3巻あたりで面白さが一気に右肩上がりしそうな気配を感じるので次巻以降を楽しみにしたいです。

銀狼王の求婚 箱庭の花嫁

[著]小野上明夜  [絵]Ciel

エレンシア姫が求婚されたのは、忌み神を宿したと恐れられている、美しく冷酷な王・フレドリクセンだった。けれど、エレンシアにとって彼は、厳しくも優しい初恋の相手。幸せな結婚を夢見るエレンシアだったが、フレドリクセンは力に翻弄され、恐ろしい銀狼王になっていた!彼の『生贄の花嫁』となったエレンシアは、元に戻って欲しいと奮闘するが…。忌み神に蝕まれた孤独で強大な王と、閉ざされた箱庭の姫の心の行方は―。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

 兄達に虐められていたエレンシアを叱咤し、励ましてくれた憧れの王子様・フレドリクセン。彼の所に嫁ぐことになり長年の想いが叶った、と喜んだのも束の間フレドリクセンはその身に降ろすフェンリルの力に振り回され、すっかり人格を変貌させていた……というお話。

 北欧神話の世界観をベースにした、コメディ要素完全排除のどシリアス「死神姫」みたいな感じ。フレドリクセンにも物凄く残念夫フラグが立っているんだけど、それが1巻では全く発揮されなかったのがちょっと残念。

 5人の兄たちから酷い苛めを受け、唯一慕っていた兄は変貌し、すっかり男性恐怖性になってしまったエレンシアが、男ばかりの中でも精一杯奮闘する姿がなかなかかっこよかったです。

 面白かったんだけど、個人的にはもうちょっとコメディっぽいノリの話の方が好みだったのでどうしてもその辺期待してしまったというか…いや、もう最初から最後までシリアスならそれはそれでいいんだけど、コメディの伏線だけは見えるだけに…奥手ぶりを中二病で押し隠すフレドリクセンの迷走っぷりが見たかった。2巻あるのかなあ……

死神姫の再婚 -ひとりぼっちの幸福な王子-

[著]小野上明夜  [絵]岸田 メル

「本当の嘘」はどれ? 怪物王子が求める「物語」とは――!? 囚われの身のアリシアは、ゼオルディスが望む「幸せな結末」の物語を考え続けていた。 創作の参考に、幽閉中のグラネウスを訪れるが、そこにはライセン家の「家族の肖像」が! 最愛の人の姿に涙を流すアリシア。しかし、突然その絵にゼオルディスがペンキをぶちまけた!! ころころと変わる彼の態度。アリシアの中に、おかしな違和感が広がっていき……? 真実の「幸福」を告げる第14弾!!

   個人的お気に入り度数

 ゼオルディスの望む「物語の続き」が書けたらグラネウスの処刑を取りやめてくれる、という言葉を受けてゼオルディスと向き合う覚悟を決めたアリシア。その一方で、王子に味方する人間はどんどん減っていき……というお話。アリシアの脳内カシュヴァーン様が光輝きすぎてやばい。

 アリシアが漸く突き止めたゼオルディスの「物語」の真実がとても切ない。ゼオルディスの態度からして薄々そういう方向だろうなというのは解っていたんだけど、ずっと張り続けてきた虚勢の裏から覗く本音が、切なかったです。

 着々と味方を失っていく王側と、離脱した軍勢も取り込んで大きくなっていく女王側の対比が凄かった。特に女王側のドンチャン騒ぎの直後、王宮側の話をもってこられるともう。個人的に今回ある意味一番の見所だったのはジスカルドと、トレイスかなと。肝心な事にまるで鈍感なジスカルドのうろたえぶりと、そんな状況でも小姑根性忘れないトレイスの肝の据わりっぷりに大変ニヤニヤした。トレイスは嫌かもしれないけど、なんだかんだいってシャンテとお似合いなんだよね……しかしなぜトレイスの服装をちゃんと挿絵にしてくれなかったんですか。

 長く続いた夫婦の離別編もそろそろクライマックス。これまでなかなか動きを見せなかったカシュヴァーンがついに動き出して、夫婦の再会に向けての期待が高まって仕方ありません。そしてカシュヴァーン様夫馬鹿一代ここにきわまる。

(仮)花嫁のやんごとなき事情 〜離婚できたら一攫千金!〜

[著]夕鷺 かのう  [絵]山下 ナナオ

ド庶民根性なめんなよ!! サディスト皇子vsド庶民娘のうっかり婚ラブコメディ!! 病弱な王女の身代わりとして、鬼畜な策略家と噂の敵国の皇子『毒龍公クロウ』に嫁ぐことになったフェルディア。 実は彼女には、下町育ちゆえのちょっとした特技がある。 そんなフェルに与えられた使命は、クロウと"円満"に離婚すること! ……のはずが、いきなり新婚初夜に襲われたあげ句、軟禁されるってどういうこと!? こんな男、絶対離婚してやる! ――フェルの偽装新婚生活、スタート!!

   個人的お気に入り度数

 巨額の報酬につられ、守銭奴の鉄腕アルバイター・フェルが請け負ったのは自分とそっくりの王女・シレイネの身代わりとして隣国の皇子に嫁ぎ、離縁して戻って来いというものだった……というお話。

ドS男子×男前女子さいこおおおおお!!!

 下女達に嫌がらせを受けても、仮とはいえ旦那に冷たい態度を取られまくっても庶民根性全開でへこたれないフェルがかっこいいそして可愛い!王女モードのシレイネがとんでもなくかっこよくて、本当にたまらない。これまでも何度も「入れ替わり」を体験してきたタマモノなのかフェルが元々併せ持つ男顔負けの行動力・潔さに王族らしい高潔さ・美しさが加わってもうどうしたら良いのか。特に201ページのアレは展開・挿絵も併せて転がらざるをえない。

 王女の『シレイネ』と下女の『フェル』のときでガラっと態度の変わるドS皇子・クロウにも散々転がされました。この基本鬼畜・ドSなところに微妙なヘタレぶりと、冷たい態度の裏に隠された優しさのバランスが絶妙でたまらない。振り回してやったとおもったらいつのまにか自分が振り回されてるこの手綱握られてる感とか、終盤はすっかりフェルにベタボレな感じがにじみ出る発言の数々とか。本当にごちそうさまでした。

 実際に離縁できずにこのままくっつくとなると、彼女が身代わりになっている本当のシレイネ姫はどうなるのかとか、彼女を送り込んだ祖国・ユナディア側にも色々思惑がありそうな感じだし、今後どうなってしまうのかとてもたのしみ。是非続刊をお願いします!凄く面白かったけど「花狩のロゼ」が事実上打ち切りになってしまったっぽいのが本当に悲しいのでこちらは是非2巻をお願いします!!

はたらく魔王さま!5

[著]和ヶ原 聡司  [絵]029

修理の終わった魔王城(築60年・六畳一間のアパート)がなんと地デジ対応に! テレビなど贅沢品と思っていた魔王だが、ついに薄型テレビ購入に踏み切る。家電に詳しくない魔王たちは、恵美の会社の同僚・梨香を誘い、大型電気店に向かうことに。なぜだか異世界の聖職者・鈴乃もそれに便乗し、魔王一行の“お買い物ツアー”がスタートする。そんな中、魔王に恋する女子高生・千穂に危機が迫っていた──!フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー、第5弾登場です。(公式サイトより)

   個人的お気に入り度数

 魔王さま、地デジテレビを買うの巻き。あらすじ読んだとき絶対この話のラスボスは1巻で出てきたNHKの集金のおじさんに違いないとおもってたら既に大家サイドで解決してた!なんてこった!テレビの話は、むしろニート堕天使こと漆原が執着しないのがちょっと予想外だったのですがそうだよね……彼はネットの申し子……アニメ見るならネットで見るよ……(魔王城にある旧型PCで動画再生可能なのかはこの際置いておいて

 とりあえず序盤の一流ニート堕天使vs三流ネカフェ難民大天使で萌え死んだわけですが、物語はフリーターネタが減ったせいか予想以上に天界・魔界入り乱れてのシリアス展開。恵美の両親や千穂まで巻き込んでの総力戦でした。天界の話が絡むと漆原が活躍するなあ……「一流のニート」語りで盛大にふきだしましたが、双方の情報を整理する探偵役を務める中盤はびっくりするほどの漆原無双。味方側でも突き抜けて年齢を重ねている事もあり、まだまだ色々魔奥や芦屋のしらないネタを握っていそうな感じ。

 人間側は千穂ちゃんがうっかり○○しちゃったり(アルティメットまどかにしかみえなかったのは私だけで良いです)、いよいよ本格的に梨香と芦屋にフラグが立ったり……でこちらも目が放せない。梨香さんは今回で履歴書が出ていよいよレギュラーメンバー昇格なのか。次巻もとてもたのしみです。

 シリアス分多めで魔奥の労働ネタは少なかったけど某うどんチェーンの話とか、新人バイトの教育の話とか、値切りの話とかなんだかんだで庶民ネタも忘れてはいないあたりがさすがすぎる。そろそろこういう小ネタで短編集とか出せるんじゃないですかね!本編シリアス気味だからそろそろ、ね!!ニート堕天使とネカフェ難民天使ズの怠惰な一日とか見たいですね!!

 ところで、大変個人的に今回の「あとがき」にぐっ……となりました。言葉にうまくできなくてもどかしいけど、あの震災ってやっぱり何かを決定的に変えてしまったんだなあというかなんというか。

魔法少女育成計画

[著]遠藤 浅蜊  [絵]マルイノ

大人気ソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』は、数万人に一人の割合で本物の魔法少女を作り出す奇跡のゲームだった。幸運にも魔法の力を得て、充実した日々を送る少女たち。しかしある日、運営から「増えすぎた魔法少女を半分に減らす」という一方的な通告が届き、十六人の魔法少女による苛烈で無慈悲なサバイバルレースが幕を開けた……。第2回「このラノ」大賞・栗山千明賞受賞作家の遠藤浅蜊が贈る、マジカルサスペンスバトル!

   個人的お気に入り度数

このマスコットキャラがゲスい。

 16人居る魔法少女の枠を半分にすることになった。週に1度、人助けをすると貰えるキャンディの数が一番少なかった魔法少女を発表し、その娘を魔法少女でなくす。魔法少女でなくなるとは、『死』を意味していた。最初は平和的な方法で魔法少女枠の争奪戦をしていた彼女達だったが、脱落=死のルールをはじめとして様々な事実が明らかになり、次第に追い詰められていく。あまりにもあっけない最初の魔法少女の『死』からはじまる物語の転落具合が凄かった。

 ちょっと希望が見出せたと思うと即それ以上の絶望によって行く手を塞がれていく絶望感がはんぱない。ちょっとギスギスし始めた時に絶妙にそれを煽るような追加ルールが出てきたり、魔法少女内も当然一枚岩ではないので騙し騙されて殺し殺されていく展開が本当に凄かった。殆どの魔法少女達の事情は深く触れられないんだけど、死んだ後に描かれる「本来の姿」だけでも彼女達の想いや無念が透けて見えてきて、辛い。

 マスコットキャラが外道な魔法少女モノというとどうしても「魔法少女まどか☆マギカ」が出てくるけど、キュウべえが根っこから別次元の生物だったのに対してこちらのマスコット役を務めるファヴはある意味魔法少女達なんかよりもずっと人間臭いのでタチが悪い。そして端々から感じる悪趣味さがどこまでも本当にゲスい。まじ、ゲスい。

 個人的には「まどか☆マギカ」よりも「扉の外」を思い出させる悪趣味さだよなあ、と思う。ゲームマスター側に感じる悪趣味なゲスさとか、プレイヤー達を意識的に追い詰めるために存在する追加ルールやアイテムなんかのあたり。

 とてもよい悪趣味さだった。そういうの好きな人なら超オススメ。
 ↓あわせて読みたい

扉の外 (電撃文庫) 扉の外 (電撃文庫)
 土橋 真二郎、白身魚
 メディアワークス (2007/02)
 2007/02

しずまれ! 俺の左腕

[著]おかもと(仮)  [絵]NOCO

善良なリア充である高校2年生の篠中紳士は、ある日謎の飛来物と衝突、異世界の魔王に憑依されてしまう! 紳士の左腕を乗っ取った魔王は、その恐るべき力を用いて……ネトゲ三昧!? 「くくく、携帯をよこせ! まとめサイトを見るのだ! 」「やめろ魔王! くっ、しずまれ僕の左腕……! 」リア充から一転、邪気眼へとクラスチェンジしてしまった紳士の運命は!? 『伝説兄妹! 』のおかもと(仮)が贈る、笑いと感動の庶民派ラブコメディ、いよいよ開幕!

   個人的お気に入り度数

 リア充高校生が爆発したら、左手に魔王が憑依していた。な、なにをいっているかわからねえとおもうがry←あらすじ

 左手に憑依した魔王は無類のゲーム好きだった。ことあるごとに左手を操ってはネトゲやソーシャルゲーをやりこもうとする魔王を抑えようとする主人公・紳士だけど、その行動が結果的にどうみても邪気眼にしかみえなくて……という周囲とのディスコミュニケーション具合が楽しい。

 そんな奇妙な一身同体生活を送るうちに魔王の可愛いところが少しずつ見えてきて、いつしか……という流れは少々強引に思えたけど、魔王への気持ちを自覚した後の紳士の恋する男子高校生具合はたいへんニヤニヤできました。彼女を護る為に強くなろうと思って空回りし、魔王と引き離されても彼女を助け出す為に頑張る男子高校生の妄想力マジ最強。

 個人的には、魔王を追う勇者や警察の特殊部隊が動き出してからが本番かなあという印象。浪人生で超豆腐メンタル系ヤンギレ勇者・赤井川兎や頭髪に不安のある大鳥局長とのやりとりが楽しかった。シリアスバトルの最中にヅラだの浪人だの入ってイチイチ脱力させられるグダグダ具合は好き嫌いわかれそうだけど、個人的には結構好きです。

 あと、幼なじみの2人が可愛すぎる。邪気眼認定されてクラスメイト達が距離を置いても、引きながらも以前と変わらぬ付き合いをしてくれる二人の友情って実は凄く貴重なものだとおもうんですが、正直恋する幼馴染暴走特急・巻名ちゃんが濃厚すぎて友情とか幼馴染とのほのLOVEとか感じてる場合じゃない感。健気可愛いんだけど、健気可愛いんだけどいろんないみで強キャラすぎる!!!

君の隣で見えるもの

[著]栗城 偲  [絵]藤川 桐子

とある事情で高校を停学になった郁斗は、一足早く迎えた夏休みをひとり母の実家へ送り込まれることになった。電車は少なくコンビニは遠く、訛りのきつい言葉が飛び交う東北の田舎町は、郁斗にとって心細くよるべなき場所。そこで郁斗をあたたかく迎えてくれたのは、一つ年下の広大だった。長身の頼れる男に成長していた従弟に、郁斗はだんだん惹かれていくが…?優しく切ない、青春エモーショナル・ロマンス。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

 東北の田舎町にとある事情で里帰りした都会っ子が、田舎の人々と交流しながら年下の従兄弟と相思相愛になるお話。

 うーん、正直、東北弁に対するフォローがあとがきまで行かないと一切無いのがちょっとキツかった。かなりガチで東北弁なのですが、音が似てるからと共通語であてはめて意味を取ってたところが最後に答え合わせしたら全然違う意味で……みたいなの多数。なんらかの形で注釈が欲しかったなあ、と。

 正直メインの二人はあんまり好みじゃなかったなあとおもうんだけど、方言の話はともかくとして田舎特有のゆったりとした雰囲気とか、そういうのが伝わってくるのが凄く良かったです。雪かきの話とか翌日筋肉痛とかニヤニヤする。

 それにしても、元彼の城田先生が清々しいまでのクズで思わず笑った。