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小説 PandoraHearts 〜Caucus race〜

[著]若宮 シノブ  [原作]望月 淳

他人のモノになるオレをお許し下さい。ご主人様
ファン待望の初ノベライズ化。ベザリウス、レインズワース、バルマ、ナイトレイ――四大公爵家でそれぞれ起こる御伽話。中・短編4本を収録。カバーイラスト、挿絵だけでなく望月淳による読み切り後日談コミックも収録!! 『PandoraHearts』の新しい1ページが綴られる!!

   個人的お気に入り度数

四大公爵家それぞれを舞台にした4つの幕間劇を収録した、「Pandra Hearts」のノベライズ。帯のせいで原作を知らないとBL小説に見えるのはツッコミ禁止ですか。原作がかなり重い所をやっている分、こういう「日常」メインな軽いお話がすごくうれしい。

風邪を引いたアリスの“力”が大量のミニアリスに分裂してしまう「GOLDEN DROPS〜輝けるもの〜」はいつになく弱弱しいアリスや強がるオズがとても可愛い。ガンガンオンライン公式で無料で読むことができるので、これを読んで本作を買うか判断してもいいとおもうんですが正直本編以上に望月さんご本人が描かれる後日談マンガの破壊力がやばい。こちらは公式立ち読みには収録されていないので気になる人は買うといいとおもいます!オズの愛されっぷりが可愛くて可愛くて仕方ない。

個人的にはギルがお見合いをする「BLACK WIDOW〜心の影〜」がとても好きでした。なんだかんだでギルが自分の傍に居てくれないとさみしいオズの微妙なヤキモチ具合や嫉妬丸出しなヴィンセントの妨害工作、そして良くも悪くも歪みないギルの「オズぼっちゃん大好き」具合にニヤニヤが止まらないのですが、それ以上に エ イ ダ ち ゃ ん 最 凶  伝 説 。 コミックス12巻を読んだ時の衝撃は未だに忘れられませんが色々な意味でベザリウス家の長女にふさわしいオトコマエっぷりを発揮してくれましたエイダ可愛いよエイダ。エイダにたじたじなヴィンスマジ可愛いよヴィンス。

レインズワース家のとある一日を描いた「WHITE KITTY〜清楚な悩み〜」は間違った方向に爆走するシャロンお嬢様と彼女に翻弄されるアリスの百合百合なやりとりが、その手のノリが好きな人にはたまらないんだけど、同時に自らの力量不足に悩むシャロンを元気付けようとする大人たちの暖かさが伝わってくるようなお話でした。

そしてレイムさんがバルマ公爵のわがまま(?)に振り回される「PINK CURSE〜騒がしい日々〜」もとても良かった!せっかくのお休みを返上してお仕事するレイムさんに涙を禁じえないのですが、そんなレイムを弄りつつもさりげない優しさを垣間見せるバルマ公爵の行動がとても美味しいかったです。なんだかんだでレイムさんは愛されキャラだよね。

四大公爵家全てに焦点を当てたせいで殆どのキャラクターに見せ場があるし、挿絵もふんだんに使われているし……で、「パンドラハーツ」が好きな人なら楽しめる一冊かと思います。個人的にはナイトレイ家の話がギル&ヴィンス兄弟にもっていかれてエリオットの出番が結局無かったのが残念でなりませんが……2巻が出るなら是非ともエリオットに焦点を当ててくださいお願いします!!エリオット可愛いよエリオット。


PandoraHearts(14) (Gファンタジーコミックス)
そして本編今ものすごいことになってるので、アニメだけ見てて原作は読んでない……
ってひとは今すぐ読むといいとおもう。

PandoraHearts(14) (Gファンタジーコミックス)

本日の騎士ミロク7

[著]田口 仙年堂  [絵]高階 聖人

「ジュジュ!しっかりしろ!」「バカ…私は、へーきだ…」「大丈夫だからな!俺が必ず助けるから!」「…」「必ず助かるから!ジルサニアに帰ろうな!」暗い森の向こうから、冷たい風が襲ってくる。吹雪の予感。熱を出したジュジュ姫を背負い、俺、ミロクは走った。どこか、暖かくて安らげるところへ、一刻も早くジュジュを…!大会議に向かう途中で陰謀に巻き込まれ、二人きりで敵国ツッキーニを彷徨うことになった俺とジュジュ。そこで出会った新たな人々、そして初めて聞くジュジュの想い―。問題は山積みだけど、ジュジュ、いつものように笑ってくれよ、俺が絶対守るから!―。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

敵の思惑により敵国・ツッキーニで孤立してしまったジュジュとミロク。運良くツッキーニのレジスタンスが隠れ住む村にたどり着いたのは良かったが、ジュジュの元気がなくて……というお話。

“ジルサニア王女”ではないただの年相応の女の子としてミロクに接するジュジュが新鮮。ミロクの腕を信じていないわけではないけど自衛手段がないに等しい状態で敵地に晒されたら、弱気にもなりますよね。王女としての重責を背負いながら、その地位こそを使って戦ってきた彼女の脆さが露呈したというか。そして年齢相応の少年少女としてお互いを意識してしまう二人が微笑ましい。

しかし、ページ数的な問題に加えて他の赤目隊メンバーがいないせいもあってか全体的に物足りない感じが。最後の「引き」の為の物語が出来てる感じがした。あとがきに書かれているとおり「ターニングポイント」になるお話なので……というのもあるかもしれないけど。

とりあえず次巻でヴィクトルとディアートの絡みに期待せざるをえません。
あと「あとがき」が……!!これなんてイナイレww

女帝・龍凰院麟音の初恋4

[著]風見 周  [絵]水月 悠

麟音と相変わらずの関係を続けながら、憧れの美麗さんともぐっと距離が近づいた悠太の前に新たな美少女が現れる。その名はサラ・アークエット。美麗さんよりも胸が大きく、麟音よりも素直にデレる。万能無敵の彼女の正体とは!?そしてこの危機に麟音と美麗はどうする??暗雲漂う悠太と麟音に起きる緊迫の事態。(「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

うわあ、「ひめぱら」と比べて刊行ペース遅めなのにこのヒキは。文化祭を前にしていつものように(?)悠太を取り合う麟音と美麗の前に、新たな美少女が……というお話。

以前からもそういう部分が多かったけど、最早完璧に「デレ」を隠しきれてない、デレデレ状態の麟音が可愛い。同時に悠太もかなり麟音に対してデレを隠しきれて居ないので「いい加減くっついちまえよ!」状態なのに色々な理由から交換留学生の巨乳美少女・サラと恋人ごっこを刷る羽目になって、というのが大変もどかしい。麟音のツンデレは既にわざとらしいをはるかに突破した何かになってるし、悠太もさりげなく麟音のすきそうな出し物を調べたり……とすっかりデレちゃってるんだよなあ。

新キャラのサラに関しては微妙に後ろ暗い所はありそうなんだけど、何かたくらんでいるとかというよりもどちらかというと麟音達のように強くはいられず、罪悪感を感じながらも「ズルい女」をやってしまっている感じな彼女の姿がいじらしかったです。しかし、悠太と麟音がデレてしまっている以上、完全にただのかませ犬なんだけどな……そして二人の関係が割合好きだとお邪魔虫にしか見えないんだけどな……!!

悠太の「巨乳好きが祟って自分の本当の気持ちが見えてこない」がある限り、こういう状況が繰り返されるのは仕方ないんだろうけど、悠太がなんだかんだで胸の大きさだけで女の子のよしあしを判断してるわけじゃないのは美麗さんとの件で確定的に明らかになってしまっているわけで、今回の件はちょっと蛇足に見えなくも無い。結局の所、二人が付き合いだすきっかけとなった「過去の1ヶ月」を掘り起こす為の新キャラなのだろうけど、そろそろ真実が見たいかなあ。出来れば今度は早めの続編を、お願いします。

SH@PPLE?しゃっぷる? 8

[著]竹岡 葉月  [絵]よう太

「むかつくわ生徒会っ!淡谷舞姫―!」おおっっと!お怒りのご様子の一駿河さん!?…それは1年前の冬のできごと。「若光の君」淡谷舞姫の生徒会と「胡蝶の宮」蝶間林典子のローズ・ロワイヤルは、青美女学院の音楽ホールで最初の大激突をやらかしたのでした―。あれから時は流れて、僕・淡谷雪国と舞ちゃんはお互いの学校チェンジをはじめたわけですが…。鳥子さんの妄想&暴走とか、芝目会長の学園異能バトルとか、放送部の「ときめき青美タイム」とか。イロイロあったなぁと、しみじみ―。そんな、ハートフルでヘンテコな入れ替わりデイズを描いた冬の巻、見参。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

良くも悪くもいつも通りな、舞姫と雪国の本編では描かれなかったちょっとした日常を描いた短編集。7巻のあのヒキで最終巻目前にしての短編集とはまたおにちくな……。

どれも面白かったですが、一番お気に入りなのは舞姫・雪国はじめての入れ替わりを描いた「日曜日のナイチンゲール」でした。風邪を引いた雪国のちょっとしたワガママから“入れ替わり”がはじまって……というお話なんだけど、自由奔放な双子の姉に振り回されながらも、普段の自分の立ち位置からでは気づけない姉の寂しさに気づいていく雪国と、そんな二人を暖かい目で見守る淡谷母の姿が印象的でした。しかし、ハローキティ紳士な一駿河父も大変気になる存在ですが、それ以上に淡谷父が一体どんなお仕事をされているのか、気になる…………

まさかのまいんちゃんネタにふきだしたり、乙女度MAXな鳥子さんの少女小説のポエム具合にニヤニヤしたり、図書委員会の大暴走に圧倒されたり、空舟五中の異能バトルに腹抱えて笑ったり、若かりし日のローズロワイヤルvs生徒会の構図にニヤニヤしたり……とかなり満足な一冊でした。

しかし最終巻直前にこれをもってくるのはやっぱり心が折れるのであります!!最後のヒキから意図的にこのタイミングで入れたのは理解したけど、それでも!!

オペラ・エテルニタ 世界は永遠を歌う

[著]栗原 ちひろ  [絵]THORES柴本

役者は揃った―病を負った、剣士にして薬師の青年。完璧な美貌を持つ謎の詩人。青年を狙う暗殺集団の少女。舞台は整った―「世界の王」と呼ばれし者と、鳥の姿をした神によって、一度滅んだ後に復活した世界。不死を、生きる意味を、愛を求めて、彼らの長い旅が始まった。永遠よ、かくして第一の幕が上がる!全審査員が絶賛、第3回角川ビーンズ小説大賞優秀賞受賞。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

『魔物』によって故郷を喪い自らも魔物の呪いを受けた青年・カナギは故郷を救う為、自らの命の為に呪いの特効薬を作る為万病に効く「命の花」を求めて旅をしていた。その途中で、うさんくさい詩人と出会って行動を共にする羽目になるのだが、暗殺者の少女・ミリアンから命を狙われて……というお話。ビーンズ文庫というよりは古きよき全盛期時代のスニーカー文庫という印象を受けました。うーん、恋愛要素が薄いからかな。あえて言うならヒロインはカナギだと思うんです。え?ミリアン?彼女はヒーローですよね?

剣の腕が立ち、頭も良く、だがしかし直情気味で……と、かなり主人公らしい主人公なのに、魔物の呪いのせいでしょっちゅう血を吐くわ「病弱」といわれると怒るわ……というカナギの設定にとてもニヤニヤした。うさんくさくて真意を見せない詩人・ソラとのコンビ具合も美味しいし、カナギを殺そうと付けねらうミリアンとのやりとりも楽しい。

魔物の脅威から世界を護る「王」と「鳥の神」、そして彼らに仕える「不死者」によって護られた世界で魔物の呪いを解く方法を求める旅。大きな物語の序章といった感じの第一巻でしたが面白かったです。メイン3人以外のキャラクター以外も今後も物語りに絡んでくるのかなあという感じがするし、ちょっとだけ明かされたソラの正体も気になる……ということで、続きがとても楽しみ。

……しかし、ビーンズ文庫の、この巻数表記を書かない姿勢は本当になんとかならないのか。シリーズがある程度揃ってから手を出すとまずどれから読めばいいのかわからなくて手に取るハードルが無駄に上がっちゃうんだよ…!

機巧少女は傷つかない3 Facing "Elf Speeder"

[著]海冬 レイジ  [絵]るろお

機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。そのトップを決める戦い“夜会”で負傷中の雷真は、飛び降りをはかった少女を偶然助ける。少女は“暴竜”シャルの妹・アンリで、学院転入後の一週間ずっと自殺未遂を繰り返しているらしい。「私を殺してください!それがダメなら、いっそめちゃくちゃにしてください!」「俺を何だと思ってんだ!」そのとき、学院のシンボル・時計塔を閃光が撃ち抜く。驚く雷真の前には、竜の背に乗るシャルの姿が。そしてシャルの目的は―学院長の暗殺!?シンフォニック学園バトルアクション第3弾。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

読んでから大分間が開いてしまったので簡略感想で。

雷真の仇であるマグナスとの邂逅、殺された妹と瓜二つの自動人形、タイトルにもなっている「マシンドール」の意味など色々物語が核心に向けて動き出してきた印象。雷真自身にも秘密が見えて来て、今後色々と楽しみな展開。シャルの妹想いなところが見えてとてもニヤニヤしましたが、なによりツンツンしながらも雷真をほっとけない&姉バカっぷりを覗かせるロキが可愛い。

しかし、2巻から引き続き「夜会」の存在が空気だなあ……一応4巻を読むと、この巻で夜会がグダグダなのは次への伏線だとわかるんだけど、それにしてもこう、もうちょっと上手いやり方はなかったのかしら。
それと、雷真はいつ全快するんだろう。

お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ

[著]鈴木 大輔  [絵]閏 月戈

この小説は『とある事情で離れ離れになっていた兄妹が、再び一つ屋根の下で平穏な日々を送るようになった様子を、ごく淡々と綴っていく物語』だ。たぶんそんなに面白くはならない。なぜなら兄妹の日常なんて所詮は平凡な――「さあお兄ちゃん、お布団の用意はとっくにできています。さっそく記念すべき初夜を過ごすとしましょう!」「秋子。お前はちょっと黙ってなさい」……失礼、もう一度紹介し直そう。これは主人公である僕が、超ブラコンの妹を初めとする色んな女性たちと――「あ。ひょっとしてお布団じゃなくて、お外でする方が良かったですか?」「いーから黙ってなさい」……えーとすいません、要するにラブコメです! 詳しくはページをめくってみて!

   個人的お気に入り度数

両親の死をきっかけに別々の家に引き取られていた姫小路兄妹は6年の時を経てなんとか2人で暮せるようになった。再会した妹・秋子はその間にとびっきりの美人に、しかし超絶なブラコンに成長を果たしていて、ことあるごとに兄の秋人にラブアタックを繰り返してきて……というお話。

妹をはじめとしたヒロイン達とのテンションが高く軽妙な会話がテンポよくて、思わずニヤニヤしてしまう。直情暴走型の妹・秋子、ちょっとテンポがずれててするっとお下品な言葉を連発する那須原、典型的な百合園の女王様・嵐、そしてちょっとクールな親友・春臣。それぞれの4人のキャラクターがはっきりしていて、そこにツッコミ役な主人公が入ることで掛け合いが楽しい。軽い気持ちで楽しめました。

そして姫小路兄妹の、一見兄が妹を嫌がっているように見えるけど実はいっちゃいちゃなやりとりがとても可愛い。個人的に、転校初日の日の眼鏡に関するやり取りが大変ツボでした。「兄には常に一番可愛い自分でありたい」と言う秋子と、さりげなく妹へのデレを発揮する秋人のイチャイチャっぷりが超可愛い。……しかし、そんな二人の関係にキュンとなったからこそ個人的には最後の爆弾は無いほうがよかったなあと思うんだけど……。

個人的には色々な伏線を張っている気配だけして導入で終ってしまった印象を受けてちょっと残念。「一芸入試」の話とか兄妹が二人で暮せるだけの資金調達の話とか、主人公は凡人を装ってるけど裏がありますよ!といわんばかりなのに結局なにも明かされないまま終ってしまった…秋人がただのヘタレなハーレム主人公じゃなく、イケメン補正をちゃんと兼ねそろえているので、余計明かされなかった部分が気になってしまった。

ていうか個人的に秋人と彼の親友・春臣との電話のやりとりがめちゃくちゃツボだったので最後の展開には実にがっかりしました……本当にがっかりだよ……なんでそこでそんなどんでん返しするんだよバカヤロー!!!(男泣き)
(お察しください)

それにしても物凄く久しぶりに、表紙に惹かれて表紙買いしてしまった。イラストも可愛いんだけど、とにかく装丁が可愛くてときめく。カラーページのレイアウトも可愛くて、本当にやばかった。

名門桜樹学園 男クラ!

[著]小城 昇  [絵]コロボッツ

名門中の名門、桜樹学園に間違って合格した浩太ら20名の男子。彼らは“男クラ”と呼ばれバカにされていた。バカにされても気にはしないが(事実なので)共学なのに女子がいないことに耐えられなかった!男クラが暴動を起こす寸前、球技大会で優勝すれば、その希望が叶うことになり!?マジで、やるしかねぇじゃん!!全力バカ青春物語!(第8回トクマ・ノベルズEdge新人賞受賞作)。 (「BOOK」データベースより)

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Soundseaさんにピンポイント狙い撃ちされたので手に取りました。学校側のミスで名門高校に合格してしまった男子生徒ばかり20人が通称「男クラ」と呼ばれるクラスに隔離され、環境改善(主に女子生徒の獲得)を目指して球技大会での優勝を目指す……というお話。

生徒や教師達が影に日向に繰り広げる「差別」にもめげず、わが道を奔走する「男クラ」のバカどもがとても微笑ましく可愛い。中性的な顔立ちの男の子を無理やり女装させて俺の嫁!!とほざいたり、女の子を盗撮したり、ナンパに繰り出して撃沈したり……特に期末試験でのやりとりは「あるある」ネタを含みつつバカ全開な言い訳の数々に噴出してしまった。

ちょっととぼけたお姫様、理事長の孫・清御門姫子の一言をきっかけにして何故か「体育祭で優勝したクラスの要望をなんでもかなえる」という話になり、念願の女子生徒獲得に向けて盛り上がる「男クラ」の一同。中盤以降は普通に青春熱血スポーツものとして熱かったなあ。好きな女の子の為に懸命に頑張るクラスメイトの姿を見て覚醒する眠れる獅子・戸張の活躍にニヤニヤ。そして徐々に、女子生徒の獲得よりも友達を傷つけられたことへの怒りで一致団結していく彼等の姿に胸が熱くなりました。ところで姫子って結局確信犯なの天然なのどっちなの!!(正直、やや確信犯入ってると思ってる)

ただ、どんなに軽快に描かれていても生徒達がぶつかる「差別」の壁があまりにも陰湿で、ちょっとどうしてもそこだけは楽しみきれなかった。生徒達が彼らを差別するのはわかるんだけど、自分たちのミスで彼らを入学させてしまった学校側までが差別に拍車をかけるような流れがなんだかなぁ。ぶっちゃけ、素直に過ちを認めて合格取り消しにしたほうが正しい態度だったんじゃないだろうか。彼らを学校から追い出したくて仕方ない教師陣のどこまでも「上から目線」な態度にはどこまでも苛々した。

どんなに彼らに非がなくても、一度「悪役」として貼られてしまったレッテルは中々覆せない。学校全体との理不尽な悪意の中でほぼ孤立無援で戦う彼等の姿がかっこよかったです。次巻があるならメイン以外の「男クラ」の生徒達ももっと活躍して欲しいなあ。メインキャラ以外は空気通り越して透明人間になっちゃってたから……

俺たちは今更ながら学園内における男クラのヒール的立場を痛感した。そう。俺たち一年十一組は一般性とにとって徹底的なまでの悪役であり、対する三年五組はどこまでも正義の主人公なのだ。ピンチに陥った正義の主人公が一発逆転で悪役を退治するには、たとえ多少強引な筋書きが繰り広げられようが、それは許容範囲内の展開なのだ。


「勝つぞ名塚。たとえ試合終了後観客に殺されようがな」
ポジションにつこうとした俺に、戸張がすれ違いざまそう囁いた。
「わかってる。俺はガキの頃から正義の主人公より悪役ヒーローの方が好きだったんだ」

B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない

[著]綾里 けいし  [絵]kona

「まぁ、どちらにしろ、退屈な話だけれどね。ボク好みの要素なんて欠片もないよ」欠伸をしながら黒いゴシックロリータを纏った少女・繭墨あざかは言った。“動く落書き”の犯人を捕まえる。いつも通りの馬鹿げた事件は、僕と繭墨を異能の一族・水無瀬家の誇りと絶望と裏切りの渦中に巻き込んでいく。自らの矜持のため、人の命を踏みにじる彼らに僕は怒りを覚えるが―。残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー、大反響の第2弾。 (「BOOK」データベースより)

   個人的お気に入り度数

異能の少女・繭墨ととある事件をきっかけにして異能を孕み彼女の「助手」となった普通の青年・小田桐が様々な怪奇事件と遭遇して解決……したりまぜっかえしたりするお話第二巻。

1巻に引き続き、悪趣味で醜悪な物語……なのは変わらないんだけど、全体的には1巻よりもややマイルド、のように思えてしまったのは新キャラ・白雪のお陰か。異能の一族の若き長でありながら、この面子に混ざると全然普通の女の子に見えてしまうから恐ろしい。あとカラーページのふくれっつらが可愛すぎて困りました。あと可愛いといえば幸仁の書いた「神」のカサカサッぷりがたまらなく可愛いんですがどうしたらいいですか。

もちろん、今回もなんともいえない醜悪さ・悪趣味さは健在。細かい所からチクチクくるようないやらしさを各所で感じました。「金魚」マニアのあの人のお話とかはある意味テンプレ的なんだけど、それ以上に七海と繭墨のやりとりにゾクっとくるものが……ちらっとしか出てきませんでしたがあれって明らかに……ですよね。

そして最後の最後で3巻への特大の爆弾が落ちてきたわけですが、あの人復活とか3巻に期待せざるをえません。あとラストの展開はエグいと思う。さりげなくとてもエグいと思う。3巻楽しみです。

……余談ですが雄介が小田桐のストーカーにしか見えなくなってきました。

闇の皇太子 宿命の兄弟

[著]金沢 有倖  [絵]伊藤 明十

「光があれば影もできる―この世を支えている“影=闇”の世界があるかもしれない」人好きされる后に紹介された、主神言という少年が告げた言葉。謎の言葉を不思議に思いつつ、なぜかとても懐いてくる言を京都案内していた后は、今まで目にしたこともなかった異形のものに襲われる!さらに“安倍晴明”なる(名前以上に行動が!)怪しげな人物が后を追いまわし始め…。后の周りに続々と集結する12神将とは?そして言の正体とは―!?個性的すぎる闇の後継者たちの物語が今、始まる。 (「BOOK」データベースより)

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噂には聞いていたけど予想以上にBLだった。

なんていうか、必要以上に物語に女子が絡んでこない不自然な世界観、という意味で大変BLだった。女子がいないわけじゃない(でも2人しかいない)けど、基本的にキャラクター相関がほぼ同性同士により構成されてることにびっくりした。というか開始100Pもいってないのに主人公がいつ押し倒されてもおかしくない気がする(ただし男に)というのもなんかすごいな!

愛情に飢えたブラコンヤンデレ弟×人の良いおにいちゃん、という組み合わせは大変美味しいんだけど、とにかく開始直後から弟→兄への愛情度MAXな上、その後かなり早い段階で兄もデレモードに突入してしまうのが個人的にはちょっと物足りず。特に言はギリギリ「一目ぼれ」ではないわけだから、もう少し激的な変化が欲しかったなあ。

后のデレに至っては、もう超常的な何かで説明しないと説明がつけられないレベルで……うーん。いくら困ってる相手をほっとけない性分とはいえ、弟とはいえ、初対面の相手に対してここまでデレてしまうのは不自然に思えるというか……ややデレ方が不自然だったので何らかの裏設定的な理由がありそうな気がするんだけど……あったらいいな…。とりあえずキャラクターの関係は結構好みだし、聞いた所によると結構巻を重ねると面白くなるらしいので2巻以降に期待してみます。

……后を女の子にしたらまだ乙女ゲー的展開で無理が無いのに、って突っ込みは野暮だよね?



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