ページ 41 | 今日もだらだら、読書日記。

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脱サラした元勇者は手加減をやめてチート能力で金儲けすることにしました

 
六時

「大したことじゃない。会社を辞めることにしたんだ」全ての島が空に浮かぶ魔導と科学の世界。総合商社の若きエース天堂雷輝は出世の道を捨て自主退社した。独立後オリハルコン採掘に着手し国家レベルの資金を掌握。更に吸血鬼の王国に夜を永劫展開する闇色幻灯機と、それを維持するインフラを建設…雷輝は次々とビッグビジネスを成立させていく!やがて覇権国家『神聖帝国』に敵対視され―。だが彼には恐れなどない。なぜなら彼こそは、かつて史上最強の男と呼ばれた元勇者なのだから!世界一の強者が手加減なしで突き進む、感動のサクセスストーリー!! (「BOOK」データベースより)

さすがです、お兄様(作品が違います)

 かつて世界最強の勇者として世界を救った存在であり、頭よし、顔よし、性格よし、とおおよそ欠点の見当たらないパーフェクトすぎる元勇者・天堂雷輝が仕事先で出会った美女やブラコン妹を骨抜きにしつつ脱サラして会社を興し、世界を救うためビジネスの世界に征っくぞー!(やや物理コミ)というお話。

 依頼毎にメインとなる美女が登場して、彼女の悩み事を解決しつつちょっといい雰囲気になりつつどうにもならないところは勇者の物理力で解決しビジネスも成功させていく。とにかく雷輝社長が強いしかっこいいし完璧なので美女がメロメロになってもしょうがないなみたいな所ある。ブラコン妹も様々な事情から絶対の自信を持っているので他の女とどうこうしてても特に攻撃とかなくて、どっしり構えている。

 最初から最後までもう絵にかいたかのような「超強い主人公無双」なんですが、弱者への見下しも強者の奢りもイケメンの厭らしさも一切ない、勇者としてビジネスマンとしてもあまりにも完璧なお兄様のスーパーサワヤカイケメンっぷりが凄かったです。とにかく読んでいてストレスとなる要素がみつからない。どんなにピンチになっても安心して読めるあたり、ハードボイルド系水戸黄門みたいな圧倒的な強さを感じました。

 第1巻では「社長」といいつつも個人で動くことが多かったので次巻があるなら今回登場したメインの3人以外の社員の姿がみたいです。しかし、ちょいだしされた社内の雰囲気も本当に良かったので安心できる……安心感がすごい……。

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回復術士のやり直し 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜

 

「こんな使えないのが仲間だと思うと虫唾がはしりますわね」回復術士は一人で戦えない。そんな無力な存在だからこそ勇者や魔術師に利用され、奪われ続けた少年・ケヤル。しかし彼はある日、回復を極めた先にあるものに気付き、世界そのものを再構築し四年前からやり直すことを決意する。「これで世界は俺の思い通りになる…、さぁ、復讐のはじまりだ!」Webで話題を集めた衝撃の問題作―陵辱シーン大幅増量で禁断の書籍化!(「BOOK」データベースより)

 勇者として目覚めたものの、役立たずの烙印を押され廃人にされてしまったケヤル。最後に仲間を出し抜いて賢者の石を手に入れた彼は石の力で世界を『癒』し、勇者として目覚める前からやり直すことを決意する。悪意によって一度人生を奪われた少年が繰り広げる、人生やり直し系復讐劇。

 なろう版(多分3巻途中分くらいまで)既読。即死技、洗脳、人体改造、スキルコピー等々、「回復」という概念を拡大解釈して定番のチートスキルとして転用していく発想が面白い。これから起こることを知りつつも敢えてそれに乗っかることで復讐するための「言質取り」と「お膳立て」を整えていく展開がエグいけど、しかしまあ味方も敵も擁護のしようがなく下種か廃人しかいないので一周回って爽快ですらある。

 個人的には洗脳されて性奴隷化しているヒロイン(?)・『術』の勇者フレアが実は虎視眈々と復讐返しを狙っている展開をめちゃくちゃ期待しているのですが、どうなるのかな。個人的にはケアルのワンサイドゲームのまま終わってしまうとそれはそれでスッキリしないんですよね……喧嘩両成敗で共倒れしてほしいんだけど。

 ところで書き下ろしの追加シーン、どこかとおもったらまさかの過去編。原作になかったホモのDVが追加されてるとは思いませんでした!!『剣』と『砲』が同性愛拗らせた性犯罪者なのは知ってたけど、洗脳前のフレアのこじらせぶりも大概に酷い。勇者3人ともマジで地位と勇者としての特権がなかったら完全に犯罪者だよ…。

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異世界テニス無双 テニスプレイヤーとかいう謎の男がちょっと強すぎるんですけど!

 
夕薙

超高校級の天才テニスプレイヤー相馬王助。全国を制した彼はある日、異世界に『英雄』として召喚される。「ボ、ボールが分身した!?」「残像だったの!?す、すごい!」「『ゾーン』!?なにそれ!?」彼を召喚した魔術師エリーシャは究極のテニスに驚愕してばかり。「この程度、全国じゃ必須スキルだ」異能を超えた異能―テニス。竜を一撃で葬り、魔の軍勢を殲滅し騎士団の精鋭を容易く撃破する。魔王も勇者も、強くなりすぎたテニスプレイヤーには敵わない!常識置き去りのスーパー・テニスファンタジー、試合開始!!(「BOOK」データベースより)

 異世界ファンタジーの世界に召喚されてしまったのは普通の高校生。しかし彼は、インフレを繰り返して異能力バトルのレベルまで昇華されてしまった「高校テニス」の頂点を極めた男だった……というお話。あらすじの時点で某ジャンプのバレンタインチョコの数が凄い某異能高校テニスマンガを彷彿した人、だいたい合ってます。

 インフレ能力系スポーツマンガ×俺TUEE系異世界ファンタジーという混ぜちゃいけない洗剤まぜちゃった感じのあらすじ時点でヤバイんだけど、どこかで聞いたことあるようなトンデモ技やトンデモ能力が次々と繰り出され、周囲が驚いては「こんなの全国なら常識だぞ」とあっさり受け流される姿に笑いが止まらない。発想だけでも勝利感すごいのに、そこにいちいち中二病丸出しの必殺技名くっついてるのズルいでしょ……美味しいところを持って行かれまくるヒロインが、徐々に解説ではなく「驚き担当」化していくのにめちゃくちゃ笑った。

 スポーツ漫画と異世界ファンタジー、双方のお約束をしっかりネタにしてメタメタな笑いに変えつつ、それでいてド直球の正統派王道ファンタジーなのがとてもアツかった。気がなさそうに見えてしっかり意識しちゃってるヒロインとのラブコメあり、現実世界で背中を追い続けた憧れの先輩との男と男の約束あり。ラブコメとスポ根、どちらの要素も美味しく頂けて一冊で二度おいしい。

 そして、どんなに圧倒的な能力を持っていても「スポーツ漫画の登場人物」には踏み入ることが出来ない場所があり、そこを「異世界ファンタジー」ならばやすやすと踏み越えていける。2つの世界が交わったからこそたどり着くことが出来たクライマックスが最高でした。まだまだ物語には様々な謎が隠れていそうで、続きがとても楽しみです。

 それにしても、あとがきでさらっと明かされた「異能バトル〜」のあの人の話にニヤニヤせざるをえない。めちゃくちゃ中二丸出しのネーミングセンスで笑いまくってたら……その草の根運動で定着しちゃったのかよ!!「異能バトル」は未読なのでスルーしてしまったんですが、アニメイトの店舗特典のコラボ小説確保してくればよかったなあ……。

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アビス・コーリング 元廃課金ゲーマーが最低最悪のソシャゲ異世界に召喚されたら

槻影
 

気がつくと僕は、ランダムで召喚される『眷族』を使って冒険するソーシャルゲーム『アビス・コーリング』に酷似した世界にいた。最強の集金システムと呼ばれ、数百万のユーザー達をどん底に叩き落とした末、法整備によりサービスが終了した最低最悪のゲームに似たこの世界で、僕はかつてプレイヤーだった頃にやり残した事を成し遂げるため、再び召喚士として立ち上がる!欲と打算とちっぽけな誇り?廃課金ゲーマーの性が燃え上がる冒険賛歌、開幕!!(「BOOK」データベースより)

 最強の集金システムと言われ、法整備により潰された廃課金ゲー「アビス・コーリング」。そのゲームと酷似した異世界に転移してしまった主人公が、廃課金プレイヤーとしての豊富なゲーム知識と初回1回無料ガチャで引き当てた眷属の力でコツコツ石を集めつつ降りかかった火の粉を払っていくお話。

 なろう原作(多分2巻分ぐらいまで)既読。「リセマラ」「ログインボーナス」「初回任務で石獲得」などのソシャゲの定番システムを何が何でも現実(=召喚された異世界)に適用しようとする主人公の迷走ぶりが面白い。転移した異世界を「ソシャゲ」と位置付けて周囲から見たら奇異な行動を繰り返し、自分たち以外の人間を「NPC」と考える主人公・ブロガー(HN)と、転移前はソシャゲとは縁がなく、転移した世界を「異世界」と位置付け、そこに住む「人間」達と新たな関係を構築していくヒロイン・青葉がお互いに全く正反対の方向から世界に対してアプローチしていくのが印象的でした。まあ実際、何割かは現実に通用したりするんだけど、流石にリセマラするために自殺しようとするのは思い切りが良すぎるのでは…!?

 「ソシャゲと酷似した異世界」という設定の中でファンタジーしながらもときおり顔をだすソシャゲネタが楽しかったです。特にクライマックスの、まさに勝てない敵は石の力でぶん殴ればいいじゃないな戦い方、まさしくソシャゲという感じで好き。あと、バトル時の「僕ならリセマラだ」の決め台詞、いかにも廃課金プレイヤーの発想というかんじで良いなあ。

 ただ、最初の街とはいえ、主人公が現在のところ“無課金プレイ”状態で割と無双できちゃってるのでちょっと「鬼のような廃課金ゲー」という実感ないんですよね……青天井のごった煮インフレガチャに加えて戦闘補助目的で石を割るのが前提な課金バランスは確かに割と石の使い所が多そうだなと思いつつ、原作がWebだからか全体的に設定が小出しで、個人的にはイマイチ「日本人を狂わせた廃課金ソシャゲ」というほどのオーラ感じないというか。もっとトンデモな集金システムで殴りに行ってほしい。

 かき下ろし部分で明かされた最大レア度21(あとからレア度がインフレして増設された結果の模様)&眷属二万種オーバーのごった煮ガチャ(しかも眷属を重ねなくて良いので2体目からただのダブリと化す上、一度引いた眷属は排出確率が上がるおまけ付き)というガチャの設定はあまりにも衝撃なんですけど、そこまでガチャがシブいと逆にもうガチャ回らない気がするんだよな…。

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クオリディア・コード 3

 

「この世界はニセモノだ」―ほたるから託されたメッセージを訝しんでいた霞だが、大國真昼医務官の襲撃を経て自らの目に映る異常な世界の真実を知り、人知れず行動を始める。一方、最大戦力である舞姫・ほたるを欠いた防衛都市に、さらなるアンノウンの大襲来が迫る。霞の留守を守るべく必死に抗戦する明日葉と、カナリアの死を受け入れ今一度戦場に立ち上がった朱雀だが、新たに出現したかつてなく強力な人型アンノウンに追い詰められてしまう。だが、混乱する戦場に消えたはずの少女が姿を現す時、世界は反転する!!激戦の果てにたどり着く世界の真実とは!?大人気アニメの公式ノベライズ、運命の第3巻!(「BOOK」データベースより)

 渡航が描く、TVアニメ「クオリディア・コード」本編のノベライズ。真実が明らかになる最終巻。3巻は千葉というか千種兄妹(+ヨハネスを加えた千種親子)に焦点が当たる分、これまでの巻よりも描写がイキイキしていた気がします。1巻の時にも思ったけど、ほんと渡航先生の描く千種兄妹は何しててもイチャついてるようにしか見えないので困るな……。世界の真実が明らかになってからの物語はアニメでもかなりの急展開(良い意味で)だったので、各キャラクターの視点から改めてじっくりと物語を読めるのがとても楽しかったです。

 個人的にはやはり終盤の壱弥&霞、青生&明日葉の関係性が好きなんですが、千種兄妹のイチャイチャぶりとはまた別枠で、壱弥と霞ってお互いの事好きすぎじゃないですかね……!?アニメで見て展開知ってるのに10回くらい後ろから殴られて悶絶したんですけど。壱弥が霞から「本当のヒーロー」と言われて立ち直っちゃう程度に霞のこと買ってることはアニメの時から知ってましたけど背中を預けるまでの葛藤ぶりまるで主人公の事大好きなのに素直になれないツンデレヒロインかよ……だし、前々から霞が壱弥のことを何かにつけて「ヒーロー」と呼ぶのにはなにか劇的なエピソードがあるのではと興味津々だったわけですがぶっちゃけこれ一目惚れ(違)じゃん……最終決戦中に壱弥ポエムを読み始める千種霞まじ何なんだ……。

 そして「クズ金」読者としてはやはり晴磨さんの安否が気になってしまうのでした。というか最後の霞の意味深発言で色々期待してしまうんですけど、晴磨さん周りの話を含めたクオリディア・アフターとか出ませんか?

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通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?2

 

「見てマー君!」「…あのさ」「言うなよ。泣けてくるだろ」ゲーム世界に付いてきた母親の真々子が強すぎて、自分たちの存在意義を見失いそうになった真人たちは、強化アイテムが手に入るという学園の試験運用クエストを受けることに。学園で出会った癒術師のメディに心ときめかせる真人だったが…。「ちょっと着てみようかと思って。どう?似合うかしら」やっぱり真々子も付いてきて!?セーラー服で授業参観に参加したり、プールでスクール水着を披露したり、男子から告白されたり、学園祭のミスコンにも出場して大活躍!?さらにはメディも問題を抱えていて!?母親同伴冒険コメディ学園編! (「BOOK」データベースより)

 国が運営するVRRPGのテストプレイヤーとして、チートな母親と冒険する羽目になった子供たちの物語。第2巻は、強化アイテム目当てで入学することになった学校で新たな母娘と出会うお話です。

 ゲームの中の「学校」が試運転中だからってものすごい雑な設定になってるのずるい。プログラムとはいえ、NPC生徒達のメタ発言に一周回って悲哀すら感じました。無限ループって怖くね……はやく細かい設定作ってあげて!!!

 出番は抑え目ながら重要なところは全部持っていってしまう母・真々子が相変わらず強キャラすぎるんだけど、むしろ今回はメディ母娘の束縛関係が(良い意味で)しんどかった……過剰な期待を背負わされ、「良い娘」であることを強いられストレスを溜め込む娘と、出発点は「娘の為」だったはずなのに少しずつ目的を見失って、自分の対面を保つためだけに面倒くさいモンペと化していく母親の関係性が割と多かれ少なかれ世間によくある系のしんどさで、しんどい。

 そんな親娘が複雑な所はあるけどそこそこ良好な関係を築いている大好親子と激突することで少しずつ原点を思い出す流れが良かったです。1巻は終盤が母親同士の対決になってしまってちょっと置いてきぼり感あったんですが、今回は母親同士の対決はあくまで前座、メインは子供たち同士のぶつかり合いになっていて、読みやすかった。

 ……しかし、相変わらず1巻に引き続きこのゲーム作った政府が無能すぎる。実際にゲームを始める前よりも溝を広げてしまってる親子の方が多いし、テストプレイの時点で反対勢力に付け入る隙を作りまくってるし……改善が関係した親子もゲームシステムは関係なく大好親子と殴り合ったから改善したみたいな感じがするんですが……あとオチが大変に酷いと思いました。あと割と学校を休ませてゲームの世界に閉じ込めるって、それアリなの?まあ一応選択の自由はあったけども……本気で一流大学目指してる受験生とかが巻き込まれてたら怒って良い。

 子供たちが授業の一環として親の目を離れ、ダンジョン探索に赴くシーンがつかの間の休息という感じで短いけど良かったです。やっぱりゲームはこうでなくっちゃな!!!

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「好きなライトノベルを投票しよう!! 2017年下期」投票します。

企画元:好きなライトノベルを投票しよう!! - 2017年下期

 下半期あまり読めてないのですが賑やかし程度に参加させていただきます。あと2時間ぐらいで締め切りですが、Twitterからの投票も受け付けられてますのでお気に入りの作品があるかたは是非ご参加ください!

amazon.co.jp:ロクでなし魔術講師と禁忌教典9
羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典9」
【17下期ラノベ投票/9784040724171】
緊迫感のあるストーリーや因縁の宿敵・ジャティスとの一時共闘がアツかった!!個人的に乖離していた日常が非日常に侵される話は大好きなので、そういう意味でもポイント高かったです。まだ10巻読めていないのですけど、真実を知ったクラスメイト達にグレンたちがどう向き合っていくのか、とても楽しみです。
amazon.co.jp:自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?2
三河ごーすと「自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?2」
【17下期ラノベ投票/9784040693965】
1巻もよかったけど、物語の核心に向けて一気に走り出した感じの2巻が楽しかった!主人公TUEE系なんだけど、主人公が「平穏な毎日を送りたい」と考える理由がしっかりしていること、それを脅かそうとする者たちとの戦いがわかりやすく描かれているのが良い。兄に並び立てないもどかしさを抱えながら少しでも長く彼とともにあろうとする妹と、彼女だけのヒーローであるところのお兄ちゃん最高でした。
amazon.co.jp:クオリディア・コード 3
渡航「クオリディア・コード 3」
【17下期ラノベ投票/9784086312080】
兄妹萌えといえばこちらもたいへんよかった…アニメの物語を忠実になぞりながらその間の心象描写や補足をしていく、優等生のようなノベライズなんですけどもアニメを楽しんだ身としては各キャラクターの心の動きが読めるのがもう楽しくて楽しくて。特に、さすが生みの親と言うべきか渡航の手で描かれる千種兄妹(そしてヨハネスを加えた千種一家)のイチャコラっぷり、たまらんですね。あと個人的に壱弥と霞はお互いのこと好きすぎるだろうと思いました
amazon.co.jp:正解するマド
乙野四方字「正解するマド」
【17下期ラノベ投票/9784150312848】
「ノベライズが書けない!」からはじまって、最初から最後まで作者の私小説風を装いながら、読み終わったら文句なしに「これは『正解するカド』のノベライズであった」と思える物語が最高に楽しかった。いかにもSF小説な“仕掛け”の数々が明かされる場面は興奮せざるをえない。アニメの展開など1ミリもなぞってないけど、どうしようもない原作と作者へのリスペクトを感じる物語でした。
amazon.co.jp:学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇
柚本悠斗「学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇」
【17下期ラノベ投票/9784797392906】
タイトル・あらすじから学園舞台の傍若無人俺強い頭脳バトルかとおもっていたら、おもいのほか学園カースト系人間ドラマなお話でした。学園の現体制の歯車としてもどかしい思いを抱えながら独り自らの「正義」に準じる交渉人と、自分の「正義」との板挟みになりながら人間的に成長して仲間とともに現態勢を打破しようとしていくみそっかすヒロインの関係性がとても楽しかったです。
amazon.co.jp:ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ
井上堅二ほか「ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ」
【17下期ラノベ投票/9784047347472】
「15センチ」をお題に書かれた短編アンソロジー。個人的にバカテスや文学少女の後日談が読めた時点でかなり買いなんですけど、あまり期待してなかったオリジナル短編がいちいち本当に面白かった…!色んなジャンルのお話が読めて、「15センチ」というお題への解釈も人それぞれで最初から最後までまんべんなく楽しめる。ファミ通文庫がたまにだすこの手の短編アンソロジー企画好きなので、今年もよろしくお願いしますという意味も籠めまして推します。

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ショートストーリーズ 僕とキミの15センチ

 

それは、明日起こるかもしれない、あなたの「if」の物語―。「僕とキミの15センチ」をテーマに、総勢二〇名の作家が参加した珠玉のショートストーリー集。Web小説投稿サイト『カクヨム』に掲載された作品に、『バカとテストと召喚獣』の井上堅二や『“文学少女”シリーズ』の野村美月、そして『東雲侑子シリーズ』の森橋ビンゴによる「あの作品×僕とキミの15センチ」のスペシャル書き下ろしショートストーリーを加えた全二〇篇収録!(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

 ファミ通文庫19周年記念として「カクヨム」に掲載された"15センチ"をお題にしたファミ通文庫作家のオリジナル短編+公募作1編+「東雲侑子」「バカテス」「文学少女」の番外短編3編を集めたアンソロジー。番外短編3つ以外はすべて「カクヨム」の企画ページから読めるので、気になる作品があったらチェックしてみると良いかも。

 バカテスの短編目的で買ったんですけど、ラブコメありホラーありSFありの「全部盛り」なお祭り感がめちゃくちゃ楽しい。アンソロジーってだいたいひとつふたつは合わない作品があるんだけど、どれも凄く面白かった!ファミ通文庫は割とこの手のアンソロジー企画定期的にやってる印象なので、20周年となる来年も楽しみ。

  〜以下、タイトルクリックでカクヨムの第一話に飛びます。〜

記憶喪失の少年が目を覚ますと、目の前の少女との殺し合いを強要されていた。記憶に残っている物語の展開を思い出しながら事態に対処していこうとするが……。
文庫表紙のイラストから青春ラブコメアンソロみたいなのを想像して読むといきなりデスゲームの皮をかぶったSF的ななにかにぶん殴られる構成が最高に良い。「僕」と「私」の対話によって淡々と語られる物語と、少しずつ自らの存在が足元から揺らいで行くような展開が楽しかった。

15センチの距離で見つめ合う幼馴染のふたり。いつのまにかそれはどちらが先に離れるかという「いつもの勝負」になっていて……。
なんでもかんでも「勝負」になっちゃうケンカップルは好きですか!(大好きです!) 軽口を言い合ったり、お互いの羞恥を煽ってみたりという軽妙なテンポの掛け合いから、最後にド直球で責めてくるのがズルい。短くて爽やかな青春短編。

家の蔵の中には「コダマサマ」と呼ばれるミニ神社がある。コダマサマへのお供えを持って行った康太は、好奇心からお社の中を覗いてしまい……。
短い時間を濃密に生きる「コダマサマ」たちと不登校になってしまっていた少年の、数カ月間の短い交流。可愛いくてちょっぴり切ない、明日を生きる元気が湧いてくるような物語でした。可愛かった……。

付き合っている先輩と縁日デートに向かう途中、先輩の運転する車に「ぶつかってきた」不思議な少年。現場で拾ったスマホの中身を確認してみると……。
初めて恋に落ちた少年の色ボケ全開の日記が最高に頭悪くて、そこから段々「ちょっと不思議」なお話になっていく展開が楽しい。割と先が読める展開だったけどその王道ド直球ぶりが良かった。最後の「僕の天使」で思わずニッコリ。

クラスであぶれ者になった僕と出雲さん。クラスの中心となる生徒達の楽しそうな姿を横目に、彼女は“地面から十五センチだけ浮いた程度の物語”を所望する……。
もうこのタイトルだけで勝ってる感すごい。求めるのは退屈な日常からちょっとだけ乖離した非日常。クラスの輪の中に入り損ねた彼らがそれをdisりつつ、ちょっとだけ勇気を出してその“非日常”に飛び込もうとする姿に胸が熱くなりました。そしてその非日常感を「地面から十五センチだけ浮いた程度の物語」って言いかえるセンスがめちゃくちゃ好き。それにしてもちょっとしか出てこないけどカーストのてっぺんである花咲さんからは本物の強者の気配がしますね……勝てる気がしない。

展覧会をきっかけに惹かれあっていく華道家元の娘・彩華と書道教室の息子・涼介。涼介への恋心を自覚する彩華だが、彼は茶道教室の娘・花鈴と付き合っていた……。
「カクヨム」コンテストの最優秀作品。両親のせいで恋愛に懐疑的だった繊細な少女がひとりの少年と出会って変わっていく、爽やかなラブコメ……だとおもっていたら途中からうっかり彩華さんが間違った方向にふっきれてドロドロの三角関係に一直線。魔性の女みを上げていく彩華さんvs女の嫉妬全開の花鈴さんvs板挟みにされる涼介という、ひどい泥沼が展開されていきました。3Pルートには流石に入らなかった(でももうこれ3Pエンドだろと思ってた)けど、最後の涼介一人称からそこはかとなく漂う未練感がまた、最後まですっきりしなくて大変良かったです。

入学以来入り浸っている大学図書館で、なんとなく気になる存在であった彼女。ある日、彼女の方から声をかけてきて……。
近づいたり離れたり、もどかしい距離感がくすぐったいラブコメ。自意識過剰ではと警戒したり、女子慣れしてない&図書室慣れしてない感丸出しの主人公と、図書館大好きな女性・高坂さんがとてもかわいい。「15センチ」の中でひとつの物語が生まれたことを予感させるお話でした。

数カ月ごとに、実家のケーキ屋で5号(直径15?)のショートケーキをホールで買っていく少女。彼女が有名な走り幅跳びの選手であり、記録更新の度にケーキを買いに来ていると知って……。
幸せそうにケーキを買っていくゆっきーが本当に可愛いし、そんな彼女の姿に魅せられて、家業のケーキ作りを頑張り始める主人公がさらに可愛い。どこまでもケーキの様にふわふわで甘くて可愛いお話でした。

隣の席に座る、かなりミステリアスな美少女。彼女とのやりとりは、いつも何かがズレていて……。
いつも15センチほど目線がズレていたり、何故か自分のことを必要以上に知った風な口を利く美少女・十六夜さんと「僕」のすれ違いまくりの会話劇が楽しかった。「15」という数字にまつわるズレが沢山登場するのだけど、"十五文字分くらいズレている"なんか完全にWeb小説媒体だからこそのお遊びという感じがして好き。テンポよく会話が進み、最後はちょっと良い感じの雰囲気になって終わる、楽しいお話でした。

五軒先に住む幼馴染の少女の専属理容師をしていた俺。いつものようにカットをしていた最中、彼女が出来たことを伝えると……。
幼馴染なふたりの可愛くて甘酸っぱい恋物語。告白されたので流されるようにOKしたけど付き合えば付き合うほど幼馴染のあの娘と比べてしまって……隣にいるのが当たり前すぎて意識したことのなかった相手が、改めて自分の中で大きくなっていく様子が微笑ましかったです。また、付き合うことになった女の子がまたさばさばしてて可愛いんだよなあ。彼女の実際の気持ちは語られないままだけど、こういう流れになって笑顔で送り出してあげられるのほんとイイ女だなと思った。

クラスメイトの女子の写真を、スマホの中に大切に保存していた主人公。本人に見つかり、「盗撮」と疑われてしまって……。
全然下心なんかないよ盗撮じゃないよって弁明してる筈なのに読んでるこっちがくすぐったくなってしまうような直球の告白をしちゃってる主人公と、それを聞いて満更ではなく頬を真っ赤にしながらぷんぷん怒ってる女の子の姿が目に浮かぶような独白×2がとてもかわいい。もうなんかこっちも赤くなりながら「ご馳走様でした!!!!!」っていうしかないんですけど!?本当にかわいい。

商店街の片隅に存在する釣り堀「恵比寿屋」。そこに集まるお互いの事情も本名も知らない常連たちが、ある日、なんとなくお互いの事情を話す流れになって……。
仕事や家族から逃げてきたり、特に理由はないけどそこにいたり、いろんな事情でそこに来ている常連たちのお互いの事を知らないけれど確かにそこに存在した絆があったかくてたのしい。それにしてもラストそのどんでん返しは反則ですよ!!!(好き)

重箱職人をしている実家には、四段目の『与の重』を作った上で土蔵に封印するという奇妙な決まりがあった。土蔵の掃除を申し付けられた主人公が重箱の中を覗いてみると……。
家業を継ぐのを嫌がっていた主人公がご先祖様と出会い、彼女の描いた蒔絵の虜になる。二重の意味で彼の人生をひっくり返してしまうような出会いと、そこから始まる時をかける物語にきゅんとなった。それにしても最後、アイスキャンディの棒だけでは飽き足らずしっかりとハッピーエンドを自力で用意しているご先祖様のちゃっかり感には思わずにんまりしてしまう。

文芸部に所属するキモヲタの前に突然現れたのは、同じ学校に通う現役女子高生声優。彼女の「役作り」に協力することになって舞い上がったのもつかの間……。
オタクが憧れの声優と出会って素顔の彼女に惚れてしまう、素敵なボーイミーツガールだとおもったらめちゃくちゃ現実突き付けてくるしその後の展開がめちゃくちゃ気持ち悪くて最高にズルい。いやでもそこまで完膚無くフられたんだからもう開き直るしかないよな!!!最高にキモヲタみあふれる要望を気持ち悪がりながらもちゃんと受けてくれる先輩、声優の鏡すぎる。

中間試験の勉強中、自室に現れた小さなオジサン。自らを幸運の妖精と呼ぶオジサンを最初は気味悪がっていたけど……。
都市伝説上の存在「小さいオジサン」が現れ、難しいお年頃の父子の絆を取り持つお話。サイズはファンタジーだけど口を開くと普通にオヤジギャグ連発な小さいオジサンに少しずつ心を許していく主人公の女子高生の姿が微笑ましかったです。

アパートの自分の部屋の隣の部屋から、いつも物音がする。正体不明の隣人の正体を、何故か大学の同じゼミの女の子と見張ることに……。
主人公とヒロインのくっつきかたが強引すぎて解せぬという気持ちに凄いんだけど、○○からの圧力じゃ仕方ないな!?個人的にはもう少しこう短編とはいえなにかあと3本くらいはフラグが欲しかった気がします。しかしこの謎ときもすこしふしぎもうっちゃってトップスピードで主人公とヒロインをくっつけて去るスピード感、結構好き。

「彼女は絵本を書きはじめる」 森橋ビンゴ
人気作家として活躍を続ける彼女と同居している主人公。仕事の傍ら、彼女は子供向けの絵本を書き始めて……。
『東雲侑子は短編小説をあいしている』シリーズの後日談。原作読んでないので解らない部分も多かったんだけど、ヒロインから主人公への暖かい気持ちがあふれ出るような絵本の内容にとてもほっこりしました。

「僕とキミらと15センチにまつわる話」 井上堅二
大学入学前のある日、早くも高校の同窓会に誘われた二人。ところが待っていたのはいつもの異端審問会で、お互いの"彼女"との「15センチ」にまつわるエピソードを暴露する羽目に……。
『バカとテストと召喚獣』の後日談。高校を卒業してもあまりにも通常営業な彼らのやりとりと、めちゃくちゃ強引に「15cm」という共通お題を力技で突破していく感じ凄くいつものバカテスでした……。しかし、明久が大学に合格してることよりも、姫路さんとのバカップルぶりがあまりにもリア充すぎてこれはFFF団も15センチを振り回すしかない。ていうかイチャイチャするために同じインカレサークルに入る明久と姫路さんis何……めちゃくちゃ合コン帰りに酒の勢いで一線超えそう(偏見)。

「"文学少女"後日譚 つれない編集者(ミューズ)に捧げるスペシャリテ」 野村美月
作家と編集者という形で再び出会いを果たした心葉と遠子。編集者としての立場から以前のように心葉の物語を『食べる』のを躊躇う遠子に、心葉はとある悪戯を思いつく……。
『文学少女』シリーズの後日談。仕事上の関係をタテに取りなかなか素直になってくれない遠子を振り向かせようと彼女を強引な手口で振り回して「ごはん」責めにしちゃう、大人になったコノハくんのやり口が大変好みでズルいです!!!短編集のシメにふさわしい、甘いデザートのような短編でしたごちそうさまでした。

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通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?

 

「これからお母さんと一緒にたくさん冒険しましょうね」「あり得ないだろ…」念願のゲーム世界に転送された高校生、大好真人だが、なぜか真人を溺愛する母親の真々子も付いてきて!?ギルドでは「彼女になるかも知れない子たちなんだから」と真人の選んだ仲間をお母さん面接したり、暗い洞窟で光ったり、膝枕でモンスターを眠らせたり、全体攻撃で二回攻撃の聖剣で無双したりと息子の真人を呆れさせる大活躍!?賢者なのに残念な美少女ワイズと、旅商人で癒し役のポータも加わり、救うのは世界の危機ではなく親子の絆。第29回ファンタジア大賞“大賞”受賞の新感覚母親同伴冒険コメディ! (「BOOK」データベースより)

 VRゲームの世界でチート能力を得た母親とその母親に振り回される子どもたちのお話。

 思春期の子供たちの視点から描かれる、母親との微妙な関係がとても面白かった。「子供」の領域にずけずけと土足で踏み込んでくる母親・真々子さんが壮絶にウザいんですけど、なんかあのウザさが逆にリアルの母親感あるなあ。上手く言えないけど、ただ母性が強い系のかーちゃん属性の「ヒロイン」ではなくて、見た目がヒロインっぽい「母親」になってるの、良かったと思う。

 そんな主人公母子がゲームの世界で冒険しつつ、母親らしい図々しさで息子の行動に介入したりしながら、他の上手く行ってない母子の問題を解決していく。散々流れ弾を投げておきつつもメインストーリーはアツい直球勝負なのもポイント高かったです。正直、母親視点で子供の育成の話題を議題でクライマックスされるとマジどこに視点を置いて読めば良いのかわかんないとこはあるんですけど……!まあそういう話だと割り切るしか無いのか。

 しかし、「ちょっと問題の有る母子」にこのゲームをさせて親子関係改善すると思ってるんだとしたら、ちょっと政府無能ですよね…。母親を手厚くもてなしすぎて子供を怒らせるために煽ってるようにしか思えないし、それで本格的に親子関係破綻したらどう責任取るつもりなんだろう。テストプレイ状態なのに外部から思い切り介入されちゃってるのも無能感ヤバイ。その辺は今後の物語で言及されていくと思われるので、どうなっていくのか楽しみです。

 ところで、この物語を読む前に公式制作のフリーゲーム(コメントOFF推奨/重いから)をやったんですけど、本当に母親が強すぎて子供の出番なさすぎてすごかったので読んだひとはやるといいと思います。いや、実際主人公も普通に強いんですよな。それ以上に母親があまりにも強いだけで……ほんとうに、真っ先に母親の手番が来て全体攻撃で全部ふっとばして戦闘終わるみたいなのすごすぎる……。

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自称Fランクのお兄さまがゲームで評価される学園の頂点に君臨するそうですよ?2

 

ゲームの結果ですべてが評価される弱肉強食の学園・獅子王学園。面倒のない日常を過ごしたい砕城紅蓮は、Sランクの生徒会役員を倒して得たポイントを妹の可憐に譲渡し、最低位のFランクを維持していた。だが、生徒会長・白王子透夜の『生徒会選賭』開幕宣言により事態はまたも激変。学園全てを巻き込んだゲームが始まってしまう―。「教えてやる。あんたらが遊び半分で望んでいた―戦争の怖ろしさをな」愛する妹との絆を断ち切ろうとする卑劣な罠を前に、圧倒的な天才の力が愚かな生徒たちを断罪する!今、最も熱い学園ゲーム系頭脳バトル、伝説再来の第二弾! (「BOOK」データベースより)

 面白かったー!1巻の腹の底が見えない妹とそれ込みで「大切な妹」な兄の関係も良かったけど、裏事情が見えてからの兄に並び立てないもどかしさを抱えた妹と彼女だけのヒーローであるところのお兄ちゃんがめちゃくちゃかっこよかった。

 空席の出来た生徒会を巡って、学園全体で勝ち抜きゲームをすることに。日常のちょっとした仕草も罠になりかねない、毎日更新の地雷行動を踏まないようにしつつライバルを蹴落とそうとする生徒達の中、もはや全く「負け抜け」させる気がなさそうな兄のお題笑った。

 なんだかんだで決勝まで勝ち残って、生徒会の面々と一騎打ちになり、思わぬ強敵、思わぬ因縁の相手がが現れて‐‐と、終盤は一気に砕城兄妹のバックグラウンドが明かされる展開。妹を戦わせないため裏社会で戦い続け、ようやく望んだ平穏を手に入れた兄と、その兄の平穏が長続きしないと知っていて、せめて今度こそ共に並び立ちたいと努力する妹。努力家だが秀才レベルでしか無い可憐の絶望と、その彼女を救うために立ち上がる紅蓮の姿が印象的でした。ほんとこの兄妹の関係は最高だな…!!

 これまでの砕城兄妹の関係性が凄い好きだったので、可憐側の事情明かしはもうちょっと焦らしても…みたいなもったいなさを感じたけど、あとがきを見た感じ3巻くらいで短くまとまるのかな。本気になった紅蓮の活躍がどうなるのか、とても楽しみです。

 それにしても、色んな意味で生徒会長兄弟が良いキャラすぎる……腹の底が見えなさすぎる弟も良いけど、普通に他人の賭けの対象にされた上に「男の奴隷になれ」と言われてノリノリで引き受けるこの生徒会長だよ……!!

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