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真・運命のタロット1 《教皇》がiを説く

[著]皆川 ゆか  [絵]乱魔 猫吉

記憶を失い、自分が誰であるかも忘れて1996年の街を彷徨う少女。菊沼と織藤は少女が“荒サン”という菊沼のかつての渾名を知っていた事から彼女を保護するが、少女の周りでは次々に不思議な事件が巻き起こる。しかも、彼女からは脳波が出ていないというのだ……

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新展開で送る“運命のタロット”シリーズ第二幕。《教皇》とのフェーデの最中に起きたアクシデントで記憶を失ってしまった(らしい)《女教皇》がかつて知り合い達に偶然保護される…というお話。13巻のラストから続くのかと思ったら、プロローグが予想外の展開過ぎた!しかもライコが既に○○○○○になってるし!!新しいタロットの精霊や曰くありげな人物がばんばん現れて、気になるのなんの。前巻からこの物語に至るまでの空白期間に何があったんだろう。気になりすぎる。

それにしても学園異能系ラブコメ小説だったかつてのノリはいずこに……あとがきでホワイトハート移籍の噂もあったということですが、正直かつてのティーンズハートからは想像も付かないほど難しいお話が展開されてます。「虚数意識論」とか、高校時代に数学落第寸前だった私としてはとてもわけがわからなかったんだぜ…っていうか“虚数”とか普通に習った事さえ覚えてなかったんだぜ……初期のドタバタキュンキュンラブコメ時代もあまり得意ではなかったけど、ここまで跳躍されると逆にあの初期のノリが懐かしくなってしまうのはなぜだ…!!もうライコは学生には戻らないのかなあ…。

ラストはとても重い展開に。まだ記憶を取り戻していないライコにとって、荒サンと織藤さんと島津は唯一といっていい「身近な人」だったわけで、彼らを助けようとした結果として拒絶されるというのは痛かっただろうなぁ……。

ナナヲ チートイツ

[著]森橋 ビンゴ  [絵]しろ

父親と共に麻雀の代打ちをやっていた中也はある日父に裏切られ、多額の借金を背負わされた上ヤクザに売られてしまう。それ以来すっかり麻雀へのツキを無くし文字通り「啼かず飛ばず」の日々を送っていたが、父親が自分を売って所属したという組織が主催の麻雀大会が開催されるという話を聞いて…

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イタイケな未成年男子がヤクザの奴隷(性的な意味で)と聞いて(ガラッ)

父親に借金のカタとして売り飛ばされ、ヤクザの性奴隷にまでその身を落としてしまった主人公が自らの自由を掴み父親に一矢報いる為同じような境遇の少女・七緒と共に裏社会の麻雀大会に挑む、というお話。ヤクザと聞いて即座に屈強なスーツの兄ちゃんを想像した私はいったいメガミ文庫に何を求めているのか。色気サドっ気たっぷりの女ヤクザだった……よ…(さめざめ)

身近な人間に裏切られ、借金のカタに人身売買オークションにかけられて、1億で売られる」までの展開がもろに以前読んだBL小説「お金がないっ!」とダブってたため、それ以降の展開の差異がかなり面白かった。BL的ファンタジー要素の助けが一切無い、受→攻への愛情が発生しない「お金」というか。オークションでの展開もあちらで読むと「そんなバカな!」なのですが、こっちは油ギッシュオヤジがいやらしい目で見てきたりと現実感があるというか。ていうかそうだよねー、普通性奴隷にされた相手にうっかりほだされるとか、常識的に考えてありえないよね!とか。いや、「お金っ」の非現実感たっぷりな展開も好きだけどね。

可愛らしいイラストと主人公の設定から偽BLみたいな物語を予想していたら、普通に真っ当な麻雀小説。ぶっちゃけ麻雀に関しては全く判らないので試合のシーンは斜め読みだったのですが、ドン底まで突き落とされた主人公がヒロインと出会い、麻雀大会での優勝を目指して必死になるという展開は間違いなく正統派なスポ根熱血系ラブコメでした。多少駆け足な印象はあったものの1冊で綺麗に終わってるし、七緒が徐々にデレていく展開にもニヤニヤする。

ただ、個人的には主人公の飼い主である女ヤクザ・初音さんの扱いがちょっぴり消化不良だったかも。微妙にデレそうな気配があったり、「実は良い人」っぽいフラグが結構立っていた様に見えたのにラストはあっさりご退場だったからかなあ…中也と七緒のラブコメがものすごいしっかりと描かれている分、サブキャラである初音や一之瀬がちょっと浮いて見えたように思えます。二人とも良いキャラなのに扱いが悪くて残念だ…。

あと、挿絵の人はもうちょっと少年漫画的というか、動きのあるイラストで読みたかったかも。良くも悪くも熱血麻雀小説というジャンルとしろさんの可愛らしいイラストのミスマッチがひとつの味を出しているというのはあると思うんですが、キャラのバストアップ絵ばかりなので色々物足りないものが…いやまあ確かに表紙にだまされなければ絶対に手を出さないジャンルの小説ではあったんだけどっ!!



余談。

感想内でやたらと「お金がないっ!」と比較してしまいましたが、私あの小説嫌いじゃないので誤解しないでいただければ…!なんか凄く原作好きな人に失礼な文章を書いてしまった気がするので弁解を……いえ、すいません、原作の1巻しか読んでないのですが、凄く面白かったです。正直受があんまりにも可愛すぎて、可愛い男の子攻推奨派としては萌えられはしなかったのですが…

わかりやすいくらいわかりやすい「BLファンタジー」って素晴らしいと思う。
いや、なんかたまーにこういうベタベタすぎるくらいベタなエロ読みたくならない?

4344802101お金がないっ 1 (1) (バーズコミックス リンクスコレクション)香坂 透
幻冬舎 2003-11-22

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[著]片山 憲太郎  [絵]山本 ヤマト

揉め事処理屋を営む高校生・紅真九郎の元に、世界屈指の大財閥「九鳳院家」のご令嬢・紫の護衛の依頼が舞い込む。詳しい事情も知らされないまま依頼を引き受け、ワガママお嬢様な紫に振り回されながらもそこそこ平穏な毎日を過ごしていたが…

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アニメ終わったけど今頃手を出してみたよな「紅」のシリーズ1冊目。

ちょっぴりワガママだけど「大財閥のお嬢様」としての高貴さを併せ持つ紫のキャラが素敵でした。自分が間違っていると思った事は絶対に譲らないけど、自分が間違ったことをしたと思ったらその過ちを認めることが出来るという姿が、小学生の女の子に使う言葉としてはちょっとヘンかもしれないけどすごくかっこいい。銭湯での真九郎とのやりとりがすごく好きだったりします。一方、真九郎は後半ヘタレてしまう部分が多いせいもあるけど、短編ネタの多い漫画版の方がかっこよかったかも。しかし、真九郎がだんだん紫に感化されて変わっていく姿には、思わずニヤニヤさせられてしまうものが…。

しかし、話と設定はドツボなのに、イマイチツボにこなかったのは漫画版がほぼ忠実に同じところなぞってるからかも…もともと文字が詰まってる本は得意ではないので(これだけ本読んでてそれか…!)漫画版がすでにやってしまっている部分はちょっと読んでいてつらい部分があったり。丁度そのへん、日常生活の部分だったというのもあるかもしれませんが。

でも、紫と大財閥にして“表の御三家”の一・九鳳院家の秘密が明かされてからはもう一気に物語りに引き込まれて、最後まで一気読み。真九郎がボロボロになりながらも紫を救うために奮闘し、ずっと長いものには巻かれろで愛想笑いばかり浮かべてきた彼が強大な権力を持つ九鳳院家当主と本気でやりあう場面には胸が熱くなりました。

しかし、続きを読むかどうかは色々と悩みどころ。「醜悪祭」の悲劇はいろいろな意味で記憶に新しいので、そんなに酷いことになるなら綺麗に終わったところで読むのをやめてしまうのもありかなあ…と思ってしまったり。といいつつ、2巻のあらすじがとても気になる私が居たりするので予定は未定ですが!

それにしても、漫画版の真九郎はマジでかっこいいです。きゅんきゅんします。3巻楽しみ。

これはゾンビですか?1 はい、魔装少女です

[著]木村 心一  [絵]こぶいち むりりん

連続殺人犯に生命を奪われた相川歩は直前に知り合った不思議な無口少女の手によってゾンビとして生き返ることに。教室で日の光に殺されそうになったりしながらも平和な日常(?)を送っていたある日、空から魔法少女が降ってきて……

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明らかに人間外な少女たちの手によって「ゾンビ」で「魔装少女」にされてしまった主人公(♂)が、異世界から魔装少女を狙ってやってくる怪獣・メガロやら彼の生命(?)の恩人である少女・ユーを狙ってやってくる勢力やらを撃退したり、自分を殺した連続殺人犯の行方を追ったりしながらハーレムっぽい日常を送るという異能力バトルア……ラブコメ。主人公の斬新なキャラ紹介絵に踊らされ、思わず発売前からエントリ書いてしまったのも良い思い出です。

いろいろな意味で設定の勝利。もうとりあえず私としては歩のムキムキ「魔装少女バージョン」のカラー絵があるだけでも無条件降伏です。とりあえず買うしかない、読むしかない。なんていうか、発売前のエントリでもいったけど、さすが「メイドガイ」を生んだ富士見書房は器がちがう。

この設定からして間違いなくギャグだろう!!と思っていたら割とまじめに異能力バトルをやっていて、ちょっと期待はずれだったかも……いやまあ、バトル自体は普通に面白かったんだけど良くも悪くも「普通に面白い」レベルで、もっとキワモノ的な何かを想像していたこちらとしては物足りなかったなあ…コメディ要素もあるにはあるんだけど、こちらも何かパンチが足らない。ていうか主人公の「魔装少女」設定はもっと編集側まで巻き込んで生かすべきだったと思う。イラストが各章の扉に配置されているせいか、全体的にちゃんとした「挿絵」が少なくてちょっと燃焼不足だった…というか歩の「魔装少女」な挿絵もうちょっと増やそうよっ!!!正直美少女なんかよりも歩の挿絵をガンガン入れるべきだった!!そういう「怖いもの見たさ」ファンを釣りたくて公式ページの紹介をああいう画像にしたんじゃないのか?!だまされたよっ!!

キャラクター的にもツンデレでタカビーな魔装少女・ハルナ、生真面目でちょっとネジがズレてる吸血忍者・セラ、無口系で何気にツッコミが激しいネクロマンサー・ユーという3人のヒロインは十分すぎるほど個性的なキャラになってると思うんだけど、肝心の主人公・歩の性格が時々ブレがあるように思えて…。だるだるキャラっぽい語りをしたかと思うと変態丸出しな行動をしたりして、なんか脳内で思い描いたイメージと一致する行動を取ってくれなくてキャラが掴めないというか、キャラ掴めないから感情移入できないって言うか…うーん。あと、一気にヒロインが3人も出てきてしまう分、どのキャラとの絡みも足りない感じで、全体的に物足りない部分があったかも。

とにかくいろいろな意味で、猛烈な格好で登場した主人公に過剰な期待を抱いてしまったのが素直に物語を楽しめなかった敗因かなあ…物語の設定とストーリーは結構好きなんですけど。とりあえず色々「物足りない」というのが最大の印象なので、2巻が出たらまた主人公の大活躍(ギャグ的な方向で)に期待して買ってみるつもりです。…あ、忘れてた、「あとがき」の破壊力が高すぎる。担当さんとのやりとりが秀逸すぎたw

しかし、メインキャラの一人が突き抜けて突飛なビジュアルというのを売りにだした作品って、どうしても買う方としてはスラップスティックでしっちゃかめっちゃかなコメディを期待してしまうような気がして、手にとった後気に入るかどうかのハードルが他の作品よりも高くなってしまう気がするのです。だから、コメディ以外の作品は逆に損してる気がするんだ。去年の某グリズリー軍曹とか……。

いやでも、実際手に取ってくれないよりは沢山の人が手にとってくれたほうが良いに決まってるんだけど……いろいろな意味で難しいよなあ……
サージャント・グリズリー (ファミ通文庫)

ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート

[著]森田 季節  [絵]文倉 十

同級生の神野真国から突然電話で告白を受けた明海。その内容は「自分はかつて女の子を殺したことがある」というものだった…。“イケニエビト”と名乗り、神野と出会い、殺され、都市伝説の通りに神野以外のすべての人間に忘れられた少女。しかし、明海もかつて彼と同じ経験をしたことがあって…

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“タマシイビト”と呼ばれる存在に殺されるために存在し、自分を殺した本人以外の人間にはその存在を記憶してもらうこともできないまま数年で生き返り、繰り返し人生を送り続けるという悲しい存在である“イケニエビト”と、彼女に出会った二人の高校生が「歌」を通して彼女の存在を刻みつけようとする物語。

なんともいえない読後感。妙に目を引く表紙と、淡々とつづられる文章と、ホラーサスペンスっぽい設定と、イマドキの高校生らしい青臭さみたいなものと、物悲しさと、ロックな青春が核融合を起こした結果よくわかんないけど爽やかになってる!みたいな。桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は?」に不思議要素足したようなイメージに近いんだけど、もっとなんともいえない独特な雰囲気がある。

タマシイビトに喰われてしまう為に数か月しか生きられない“イケニエビト”である実祈。復活した彼女との限られた短い時間の中で精一杯思い出を作ろうとする神野と明海の姿がなんだか切ない。やけにあっけない結末は色々消化不良のところもあるのだけど、じつにこの物語らしい終わり方という気もする。なんていうか、気になる部分は多々あるんだけど作品の雰囲気がなんだか心地よくて、そんな小さな事はどうでもよくなってしまうような魅力がある。

ただ、逆に言うとこの辺の雰囲気にうまく流されないと全くツボにハマらないんだろうなー。「そもそもなぜ神野が明海に電話をかけたの?」とか、作品全体を流れる強烈な中二…というよりも高二病臭さとか。良くも悪くも「雰囲気を楽しむ」物語であることは間違いないと思う。

“タマシイビト”との因縁も完全に断ち切れたわけではなく、実祈は自らの望みをかなえることができるのかとか、明海の恋の行方とか、爽やかな終わりと同時に続きが気になる終わり方。既に2巻が発売されているので3人の関係がどのように続いていくのか、とても楽しみです。

あと、やっぱり表紙のデザインが物凄い良いですよね。「白背景+女の子の立ち絵」というライトノベルでは王道すぎるくらいありがちなデザインのはずなのに、妙に目を惹かれてしまいます。帯の「せつなさはロック」というアオリ文句もこの作品にぴったりだし、2巻の帯デザインもすごく心惹かれるものがあって、凄くツボでした。普段あまり感じた事がないんだけど、編集やデザインの人のパワーに、どうしようもなく惹かれた一冊でありました。

容疑者Xの献身

[著]東野 圭吾  

数学のみを生き甲斐にして生きてきた高校教師・石神。そんな彼はアパートの隣に住む花岡靖子が勤める弁当屋に毎日弁当を買いに行く日々を送っていた。顔が見られれば幸せと思っていたのだが、彼女は別れた元夫を衝動的に殺してしまう。石神は花岡母子を助ける為、事件の隠蔽工作を始めるが…

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母親からなにやら読み終わったものが回ってみたので読んでみました。憧れの女性が衝動的に犯してしまった殺人を天才数学者がとある大胆な手段を用いて隠蔽しようとするお話。あらすじを読んだら「探偵ガリレオ」シリーズの一冊のようなので激しく身構えてしまったのですが、普通に楽しく読めました。

いつぞやの感想でも書きましたがぶっちゃけわたし、かなりの推理系ミステリアレルギーなので、中盤で湯川博士や警察の人々と石神が様々な場面で推理を披露しながら駆け引きを繰り広げる部分が色々な意味で辛かったのですが、思いっきり素直にそれまでの展開を鵜呑みにしてた分、真相が明かされたときの衝撃がハンパ無かったです。大胆すぎる隠蔽トリックに驚愕。

そして同時に、自分の身を犠牲にしてでも花岡親子をあらゆる意味で護ろうとした石神の気持ちに胸を打たれました。ラストはもうちょっと救いのある展開になって欲しかったなあ…と思いつつ。ていうか最後が結局どうなったのかがよくわからなかったのですが、あれはわざとぼやかしていると思っていいのかな。

個人的には全く推理もミステリも関係ありませんが、時々挿入される石神の高校での授業風景がとても印象的でした。生徒達との何気ないやりとりやらなにやらから石神の数学への愛情がじんわり伝わって来る。なんだかんだいって、この人は案外周囲が思っている以上に『教育者』という職業に向いていたのではないか。様々な思惑が絡み合ってただ生徒達を教えるばかりではやっていけない『高校教師』という職業には向いていなかったのかもしれないけど。

余談ですが東野圭吾なら現在ドラマ放映中の「流星の絆」を読んでみたいと思う最近の私です。ドラマを見たら面白そうだったので。ただハードカバーを読むのは色々と辛いので(主に腕と懐が)、文庫落ちを地味に待ちたいと思います。


4062145901流星の絆東野 圭吾
講談社 2008-03-05

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コッペとBB団 その1

[著]田口 仙年堂  [絵]はしもと しん

謎の物質「デイストーン」を我が物にしようと日夜頑張る悪の組織・BB(ブラックブリッツ団)の地下基地になぜか子供が迷い込んだ?!?生活課のQ三郎はなしくずしにおもりを押し付けられて大迷惑。アイスをせがむその子供の保護者を探して基地を歩き回る羽目になるが、彼女にはとんでもない秘密が隠されていて…!!

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「ガーゴイル」の田口さんの別シリーズ。悪の組織・BB団と見た目は幼女だけど実はすごい力を秘めた女の子・コッペが織り成すほのぼのコメディ(?)。

後書きでも似たような事が書かれていましたがこれって見事にガーゴイルの裏返し的な物語と言うか、なんというか。生まれたばかりで善悪の区別のつかないハイテクAI兵器を良い人たちが一生懸命まっすぐに育てようとするという根幹は同じで、唯一違うのはその「良い人たち」がガーゴイルでは善、コッペが悪であると。あ、考えるとガーゴイル&双葉の立ち居地とコッペ&Q三郎の立ち居地も対象的ですね。

悪の組織とはいえ、根は良い人達の集団であるBB団の面々が一生懸命コッペを可愛がる姿が印象的。育て方次第では自分達の侵略を手助けする超兵器としての素養を持っている彼女ですが、頑なに「子供は大人に守られるべきだ」という考えを貫いて普通の少女として育てようとするQ三郎がかっこいいです。というかQ三郎は良いツンデレ…。敵である正義の味方さん達もどこか気の良い人達ばっかりで…特にライトドライバーが2号とのハードな戦いを繰り広げた後に交わしたやりとりには思わずニヤニヤしてしまいました。

ガーゴイルにも共通する「敵にも見方にも(一部除き)本当の悪者はいない」的な世界観と、ほのぼの和ませておいて後半でちょっと泣かせる展開が凄く心地よい物語でした。ガーゴイルが自分的にかなりドツボだったので、こちらのシリーズも暇をみつけて読んで行きたいです。

機動戦士ガンダム00(1) ソレスタルビーイング

[著]木村 暢  [絵]柳瀬 敬之、羽音 たらく[原作]矢立 肇、富野 由悠季

西暦2307年―人類は枯渇した化石燃料に代わる新たなエネルギー・太陽光発電システムを手に入れたものの、その恩恵をめぐって各国は未だ終わりなき争いを続けていた。そんな世界に「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れた!あらゆる現行モビルスーツを凌駕する4機の“ガンダム”を所有する彼らの名はソレスタルビーイング―いま、ガンダムによる全戦争行為への武力介入が始まる!!大人気アニメを完全小説化。 (「BOOK」データベースより)

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アニメ「機動戦士ガンダム00」のノベライズ。アニメ本編は5話くらいで視聴をやめちゃったのですが、アニメではなかなか見えてこない各キャラクターの心の動きや、わかりづらい部分がちゃんと基本に忠実に補完していってくれる内容なので、普通に楽しんで読むことが出来ました。というかガンダムのノベライズを見ると、既に見たはずのアニメの内容を半分も理解できていなかったことが非常に多いんだけど…それだけ適当にしかアニメ見てないって事なのかしら。

ガンダムアニメ共通の特徴なのか、とにかくアニメ版では伝わって来ない各キャラの心情がストレートに読めるのがやっぱり面白いですね。刹那の迷セリフ「俺がガンダムだ」もこうやって心象描写が入るとそれなりに不自然ではなくなってしまうのが不思議です。

あと、私はマリナ皇女が出てくる前で視聴をやめてしまったので、彼女が刹那達とは無関係な所で彼らに無意識のうちに影響を受け、自国を良くする為に一生懸命奔走し始める姿が印象的でした。刹那との微妙な関係も良かった。

しかし、ある種不自然なまでにガンダムマイスター4人同士が絡んでこなくて、その辺がちょっと不思議だったりします。プライベートで話してる姿とかが全然無いからかな。別に腐狙った展開にしろとは全く思わないし、話の作り自体は非常に硬くてこれはこれで面白いと思うんだけど、よくも悪くもパンチが足りないと言うか、地味。まあでも、仲間同士が馴れ合って友情だのなんだの言い出して熱血展開とかになったら、それこそ世間的には「ガンダムじゃない」になるのかもしれないなぁ…

まあそれはとにかく、そんな弾け飛び展開を所望する私としましては、
キモは出番は少ないですがコーラサワーグラハムに決定。
この小説の地味で堅実な雰囲気を一生懸命ぶち壊そうとする二人は間違いなく輝いています。

イナクトの性能証明もあるが、ちょっと見かっこいい目の前のモビルスーツがムカつく。だから倒す。スペシャルな感じで。

グラハム機はその“ありえないこと”をあっさりとやってのけた。
それこそが、グラハムを若くしてトップファイターに押し上げた理由。
フラッグファイター唯一の空中変形の使い手。空戦の貴公子。
その技、人呼んで“グラハム・スペシャル”!


あーもう、お前ら光り輝きすぎだ!!

おそらくシリアスのやり方しか知らないキャラクターたちに囲まれて、二人で息を巻く姿が素敵すぎ。特にコーラサワーの「スペシャルな感じ」は電車の中で噴出しました。
嗚呼、後光が見えるよ…次はもっと活躍してください特にコーラサワー。

あとグラハム氏は、アニメ見たときはグラ刹でガチホモ!とか思ったのですが小説版を読むとホモというよりはどうみてもガンオタです本当にありがとうございました。



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