宝島社様より献本をいただきました!
『魔法少女育成計画』『魔法少女育成計画restart』に登場した33人の魔法少女達が本編の外で繰り広げる短編集。予想以上に両作の魔法少女間の絡みが多くて面白かった!意外なキャラクターが思わぬ所と繋がってたり、意外な正体が明らかになったり。
原作でも最も描写がないまま脱落したねむりんが主役の「ねむりんの冒険」にニヤニヤせざるをえないんだけど、そこから更に彼女の意外な活躍が見て取れる「ワンダードリーム」にホロリとさせられる。マスクド・ワンダーの面白キャラ確立にはこんな裏話があったのかー!とおもっていたら最後で……。
基本的に本編とは違って明るく楽しい物語が殆どなんだけど、時折彼女達の来歴や末路を思い起こされてふっと暗い気持ちにさせられる事が多くて、そういう意味で二重に楽しめました。特に「restart」の魔法少女達が予想以上に重い話を背負っていることが多くて……その部分にダイレクトに触れてくる「娘々@N市」もキツイんだけど、何よりも終始明るい話を象っているのにその後の展開を考えると鬱になってしまう「アカネと愉快な魔法少女家族」の破壊力が酷い。その前の「娘々@N市」の展開を考えると、アカネのところでも同じことが……って考えてしまって、もう。
ところで、どの物語も面白かったですがお色気担当の中の人が男っていいんですかそれ!?いいんですか!?ラ・ピュセルたんまじかわいい。「オフの日の騎士」のあざとさがトップスピード(not魔法少女)。
キーワード:マルイノ (4 件 / 1 ページ)
魔法少女育成計画 restart(後)
宝島社様より献本をいただきました!
仮想ゲーム世界に呼び出された16人の魔法少女達が否応無しに生死を掛けた理不尽なゲームに挑まされる、シリーズ第二幕完結編。
生き残るために結束した魔法少女達が魔王城に踏み込んだ辺りで「このままじゃ終わらないんだろうなあ」とおもったらその後が酷かった!意味深にショップで売られる、明らかに○○戦を装丁された武装や魔法少女の中に潜む“裏切り者”。最後まで誰が倒すべき魔王なのかわからないまま理不尽な戦いや不慮の事故で死んでいく魔法少女達。魔王側にもそれぞれの事情があって、一言に「悪を倒して平和になりました」では終われない後味の悪さがもうなんというか……やっぱり今回も安定のエグさだよ!!
そして、物語の裏には倒された今もなお魔法少女達に歪んだ因果を生み出し続ける“彼女”の影が。コミカライズも始まるようだしこのままでは終わらないというか、この設定を使えばバンバン続編だせそうな終わり方でしたね。それにしても成長したスノーホワイトがかっこいい。個人的に現在の彼女視点の物語もまた見てみたい。
後半もやっぱりキャラクター的にはプフレお嬢様とシャドーゲイルのコンビが萌え的に最強すぎるわけですが(プフレの終盤の発言はもう燃え滾るしかなかった)、前編でうじうじしっぱなしでもどかしかったペチカが少しずつ成長し、以前の無念を晴らす展開が物凄く良かったです。最初いらない子扱いだったペチカのPTメンバーが皆ペチカのことが大好きになっていく展開も美味しかった。あと、最初はラピスのことを五月蝿い子としか思って居なかったディティック・ベルが、最終的に彼女に想いを託すという関係性も凄く好きでした。
魔法少女育成計画 restart (前)
宝島社様より献本をいただきました!
キャラを一新してのシリーズ第二巻。魔法少女として活動していた16人の魔法少女達が『魔法少女育成計画』というゲームに巻き込まれる。前巻では現実を舞台にしたマジカルキャンディ争奪サバイバルだったんだけど、今回は仮想ゲームの世界で理不尽なルールに苦しめられながらゲームのクリアを目指すお話です。
しょっぱなのルール提示から既に嫌な予感しかしなかったんだけど、予想とおりというか、『こうなったら嫌だなー』というのを全て的確にぶち抜いてくる感が一周回って爽快なほどで、今回も安定のエグさ。持ち上げて落とす事にかけてはむしろ前回以上で、ちょっと気を抜いたら途端に絶望の展開が待ってるよ!!
また、ゲーム内で3日過ごした後現実で3日過ごす、というシステムが凄く面白く働いてた気がする。リアルでの3日が事実上の探偵パートみたいになっていて、いつも通り日常を過ごす魔法少女がいる一方でゲームの裏を突き止めようと動く魔法少女達の動きがアツかった。挙動不審な魔法少女も結構居て、その辺の秘密が明かされるのもたのしみ。
メインキャラクター自体は前回から一新だけど、さりげなく前巻キャラの姿も見え隠れしたり…で、その辺がどう後編に掛かってくるのかが楽しみです。前巻の展開を知っていると、どうかんがえても凄い事になるのはこれからという所で終わってしまうので残念というか、早く続きが読みたい…!
キャラクター的にはプフレさんが大変好きですが後編の一番いいところあたりで華々しく散る予感しかしない……あと前回があれだったせいか魔法生物が猛烈に可愛らしく思えます。
魔法少女育成計画
宝島社様より献本をいただきました!
このマスコットキャラがゲスい。
16人居る魔法少女の枠を半分にすることになった。週に1度、人助けをすると貰えるキャンディの数が一番少なかった魔法少女を発表し、その娘を魔法少女でなくす。魔法少女でなくなるとは、『死』を意味していた。最初は平和的な方法で魔法少女枠の争奪戦をしていた彼女達だったが、脱落=死のルールをはじめとして様々な事実が明らかになり、次第に追い詰められていく。あまりにもあっけない最初の魔法少女の『死』からはじまる物語の転落具合が凄かった。
ちょっと希望が見出せたと思うと即それ以上の絶望によって行く手を塞がれていく絶望感がはんぱない。ちょっとギスギスし始めた時に絶妙にそれを煽るような追加ルールが出てきたり、魔法少女内も当然一枚岩ではないので騙し騙されて殺し殺されていく展開が本当に凄かった。殆どの魔法少女達の事情は深く触れられないんだけど、死んだ後に描かれる「本来の姿」だけでも彼女達の想いや無念が透けて見えてきて、辛い。
マスコットキャラが外道な魔法少女モノというとどうしても「魔法少女まどか☆マギカ」が出てくるけど、キュウべえが根っこから別次元の生物だったのに対してこちらのマスコット役を務めるファヴはある意味魔法少女達なんかよりもずっと人間臭いのでタチが悪い。そして端々から感じる悪趣味さがどこまでも本当にゲスい。まじ、ゲスい。
個人的には「まどか☆マギカ」よりも「扉の外」を思い出させる悪趣味さだよなあ、と思う。ゲームマスター側に感じる悪趣味なゲスさとか、プレイヤー達を意識的に追い詰めるために存在する追加ルールやアイテムなんかのあたり。
とてもよい悪趣味さだった。そういうの好きな人なら超オススメ。
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