「しずるさんシリーズ」の前日譚にしてしずるさんとよーちゃんの出会いのお話、そしてしずるさんvs統和機構なお話。
両方の世界観を踏襲した物語でありながら「ブギーポップ」「しずるさん」どちらを読んだ事ない読者にも比較的優しいつくりになってるのがかなり良い感じ。ブギーポップシリーズからのキャラクターもかなり居ますが知らなければ逆に気にならない程度のレベルですし、「MPLS=なんか超能力っぽい能力持ってる人」程度の認識があればシリーズ未読者でも問題なく読めると思う。しずるさん側のシリーズはそもそもしずるさん&よーちゃんの出会い話なので、恐らくシリーズ知識が一切なくても大丈夫。両シリーズの入門編としても、結構いいんじゃないでしょうか。もちろん、どちらのシリーズもかじっておいた方が楽しめる事は楽しめますが。
最初3/4くらいはずっと<プリーズ・ブリード・ユー>の使い手であるMPLS・葛城貴士と、彼の周囲に現れた統和機構の組織<オカリナ>の対決が描かれ、これ、しずるさんじゃなくて「ブギーポップ」じゃん!!!とか思っていたのですがとある出来事をきっかけに、意外なところからスイッチを切り替えるような鮮やかさで「しずるさんシリーズ」の世界へと物語が転換していく様子が凄かった!煽り文句の通り確かにこの物語は「しずるさんvs統和機構」であり、しずるさんシリーズであり、同時に“ブギーポップ世界の外伝話”でもあるんだよね。
しずるさんの物語とブギーポップの世界観が融合してちゃんとどちらの美味しいとこも素材を殺さず活かしてる感覚がとにかく凄い。1冊でどちらの世界の物語もちゃんと楽しめてる。というか、物語が「しずるさん」の方面に一気に転換した際の衝撃は本当に凄かった。
上遠野作品は本当に久しぶりに読みましたが、やはり面白い!派生作品が追いきれなくて切っちゃった「ブギーポップシリーズ」やしずるさん世界とのリンクが多いらしい「ソウルドロップシリーズ」あたり、もう一度手を出してみようかなあ。というか「ブギーポップ」と「しずるさん」再読したくなってきました。
ブギーポップとしずるさん、どちらかがお気に入りなら必ず楽しめるはずの一冊。超オススメ!
キーワード:上遠野 浩平 (6 件 / 1 ページ)
しずるさんと無言の姫君たち
冬の雪山で、到底その場にはそぐわないヒール姿の女性の死体がみつかった。死体は酷く綺麗な状態で欠損が無く、しかも苦しんだ跡が見えなかったため「白雪姫」等と渾名される。いつもの通り病院を訪れたよーちゃんが、その事件の話をしずるさんにしてみると…?
いつもの通り、安楽椅子探偵役の少女・しずるさんとワトソン役のよーちゃんの会話を読んでいるだけでもなんだかほのぼのしてしまいますが、今回はよーちゃんがしずるさんに隠し事をして気まずくなったり…と少々暗め。しずるさんに隠された謎も少しずつ形を帯びてきた感じでやはり今後は彼女の正体についても明かされていくのでしょうか。
しかし、同時に1巻を読んだ際の自分の読後感想を読み直すと、しずるさんがよーちゃんと触れ合うことによって少しずつ前向きに変わっていっているような印象を受けました。少なくても1巻で感じたしずるさんへの「後ろ向きな人」という評価は訂正したい所。二人の温かい会話の雰囲気が非常に好きなので、是非ラストは二人とも幸せになって欲しいです。
そして本編と共に進んでいく「ハリネズミのチクタ」ですがラスト2編では二人が会話形式でお話を組み立てていく、という形式でなくなっているのが非常に印象的。特に最終章のチクタは明らかに第三章の視点から語られています。時計職人も見つかったことだし、本編もこれからクライマックスに突入、という事でしょうか。
二人の関係やしずるさんの秘密ともども、ハラハラしながら続編を楽しみにしたいと思います。
だから次は是非とももうちょっと早めに出してくださいねっ(ボソ)
ロスト・メビウス—ブギーポップ・バウンディング
「ブギーポップ」シリーズの久しぶりの正統続編。
近頃積読ばかりしていたせいで既読本の読み返しが全くできず、
この本を読んでいても前作以前のキャラがかなりわからないところが多くて
かなり困ったのですが…。
特に今回一番困ったのが、ヒロイン扱いの絢の設定を丸々忘れていたこと。
マッドサイエンティストの女医さんとかはそれなりに覚えていたのですが
どうやら絢の話の辺りが一番印象薄かったらしくて
もうなにがなにやら状態でした…(汗)
まあその辺の私の話は置いておいて。
久しぶりに読むとやっぱり面白いです、ブギーポップ。
ちょっとホラーみたいなこわさもあり、ミステリーみたいな怖さもあり
でもストーリーはSFとかファンタジー要素もありで
かなりおいしい作品だと思うのですよね。
運転手のオジサンがなんとも哀れで可哀相でしたが…
キャラ的には絢と雨宮姉妹がかなり好きかも。
前回かなりストーリーの核心部分に触った印象を受けたのですが
今回はその謎が余計深まった感じです。炎の魔女…。
…次のは早めに出してくださいねー。私が内容忘れる前に!
しずるさんと偏屈な死者たち
[著]上遠野 浩平 [絵]椋本 夏夜 |
なんかしずるさんの設定自体が「ブギーポップ」ホーリィ&ゴーストに出てくるスリムシェイプの設定に
檄似だったので「パクリ!?」とか思ってたらパクリもへったくれもなかったという…(著者名確認しろよ)
とある病気で病室から出られない「しずるさん」が、主人公が集めてきた週刊誌の資料や事件のあらましのみで
どんどん事件を推理して解決してしまう、というのが基本的な粗筋。
主人公は結構推理するよりもしずるさんの推理にふんふん頷いてるだけっぽいキャラなのですが、
しずるさんの為に色々と事件の情報収集の為に奔走していく姿がなんだか意地らしくて可愛らしいです。
しずるさんは前向きな主人公に対して非常に後ろ向きな人(不治の病?だから仕方ないんだけど)なんで
ちょっと個人的にはもうちょい明るくなってくれんか、とかおもいますけど。
でも彼女のおっとりした空気が作品自体が暗くなるのを中和している感じで、バランスは取れてますよね。
しずるさんの病気、不思議な病院の謎など色々と謎っぽいのは残っているので続刊が出るんだと思うんですが。
密かに楽しみでしょうがありませんv
間に挟まってる書き下ろしの小話もほのぼのしていて可愛かった。
ただ、ミステリーの内容としては結構グロい感じなので苦手な人は注意したほうが良いかもしれません。
最初の話とか想像しただけでかなり気持ち悪い感じだったので。
ライトノベル好きに「初めての○○」10の質問
■ライトノベル好きに「初めての○○」10の質問(鍵の壊れた部屋で見る夢さん)
そういえば以前この質問を見かけたときにいつか回答しようと思って放置してたのでした。リバイバルブーム来てるみたいなので(違)これを機会に回答してみますー。
実際「初めて読んだ」に該当する本を読んだのって小?中学生の頃になると思うので実際本当にそれが「はじめて」かどうかは自信ないのですが、多少の差異はきにしないと言う事でー。
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遊び心溢れるラノベの装丁をまとめてみた。
という訳で漫画でやっててラノベが未到達or定着してないデザイン上の遊び心を幾つか挙げてみます。
じゃあその「未到達」なラノベにはどんな遊び心あふれる装丁があるのか!ということで、カっとなってまとめてみました。
いえ、単純に、「マンガの面白い装丁」を「ラノベの面白い装丁」と比較するなら、どうせなら記事を読む側の人も両方ともの情報をもった上で比較してほしいなあ、と思っただけなんです。もちろん記事を書いた人は「ラノベの面白い装丁」についての知識はあるんだろうけど、そういうのを知らない人にラノベにも面白い装丁はあるよ!って言いたかっただけなんです…。さすがに他社を跨いで連結表紙とかないけど!(いやでもこれは単に他社を跨いで同じ作者×イラストレーターのコンビが活躍するという事例が殆ど無いからじゃね…?って思うんですけど…少なくても、私はそんな事例知らない。)
※自分が読んだ範囲でのまとめなので、大量に抜けはあると思いますが、その辺はご容赦ください。
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