“岩佐 まもる” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:岩佐 まもる (19 件 / 2 ページ)

ROBOTICS;NOTES 3 キルバラッド・オンライン

   
原作
5pb.×ニトロプラス

関東を襲った大規模な太陽嵐。その直後、東京でロボットの反乱が発生する。失踪した母の残したメッセージ、そして君島レポートの予言がついに現実となったのだ。しかもその実行犯としてネット上には神代フラウの名前が出回っていた。仕組まれた陰謀に次第に追い詰められていくフラウだったが、そんなフラウの前に八汐海翔が現れ!?閉ざされた電脳空間で始まる、二人だけの孤独な最終決戦―フラウ編感動のクライマックス。(「BOOK」データベースより)

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 「Robotics;Notes」の物語を登場人物の1人・神代フラウの視点から追うノベライズ完結編。フラウの個別ルート終盤を追う内容に加え、淳和視点から淳和の個別ルートを描いたスピンアウトも収録されています。

 フラウの、母親である古郡みなみと彼女の遺した「ガンヴァレル」への強い想いが胸に痛い。ゲームで若干唐突感のあったお風呂場のシーンや「ガンヴァレルが汚されちゃう」という発言を更に補強するような、作品への強い想いを感じる場面の数々がとても好きでした。元々“母さんの残したガンヴァレルを忘れられたくない”という目的の為にあんな凄いゲームを作ってしまうような彼女が、自身の行動が原因で母親とガンヴァレルまで汚されることになってしまうという絶望はいかばかりのものか。自分自身がけなされるよりも悲しいことって、あるよね。

 個別ルートが終わるところまでしか描かれないので、このノベライズ単品で追っていると「俺たちの物語はここからだ!!」で終わってしまうのが若干面白味に欠けるかも。角川スニーカー文庫のノベライズはこれに限らず原作を全て読んでいるの前提の副読本みたいな役割をするものが殆どなのでその辺は割り切って読むしかないけど。あとがきでも言及されているとおり、この後の愛理ルートでのフラウの暗躍とか、ゲーム終盤であき穂と海翔が東京に行ってる間の種子島の様子とか凄く見たかった気はするんですが…。

 ただ、神代フラウという引きこもりが八汐海翔というゲームオタクと出会い、1人の少女らしい恋愛感情を自覚する事で引きこもりを脱するという成長物語としては物凄く面白かった。奇天烈な言動の裏で物凄く緊張してたり、幼馴染のあき穂との関係を気に掛けていたり……みたいな部分がとてもとても可愛かったです。

 後半に収録された淳和ルートの物語は、正直ページ余ったのでとりあえず入れましたみたいな感じが強くて正直…な部分はあるんだけど、元のシナリオ自体が単独でとても良い話なので、物語を復習する的な意味で、面白かった。海翔が大徳寺一家と邂逅する話がカットされてたのが本当に残念なのですが……というか大徳寺父・祖父のツイぽアカウント酷いwww



40887956874088794842しかし、フラウ関係のメディアミックスは全体的に恋愛色自体が薄いロボノの物語の中でひときわ糖度が高いので良いですね。ノベライズは原作をやったひと/アニメを最後まで見た人への補強シナリオの側面が強いので未読者にはあまりオススメできませんが、フラウ視点から少しだけ原作の展開を変えつつ展開するコミカライズ版のほうは、原作未経験者にも満面の笑みでオススメできます。

 原作よりも若干マッドプログラマー度強調(だけど恋する乙女)なこなちゃんとか、原作よりも更に格ゲーバカ一代な海翔さんがとても良いよ!!「多少特殊な能力を持つ普通の少年少女達がロボットを作るため頑張る」な原作に対し「ちょっとおかしな一芸秀でた秀才達が華麗に魅せる」物語になっていてこちらもあわせてオススメしたいです。

 

ROBOTICS;NOTES 2 キルバラッド・ファントム

 
bun150
 
原作
5pb.×ニトロプラス

八汐海翔といっしょに、残りの君島レポート探しを始めた神代フラウ。愛理も加えて賑やかな日々を送るフラウだったが、東京の仲間から思わぬ知らせが入る。なんとネット上にアニメ「ガンヴァレル」の最終話が流出したというのだ。母親についての思わぬ手がかりに驚きを隠せないフラウだったが、そこから人類滅亡を予言した君島レポートと共通するメッセージを発見し!?世界を巻き込む巨大な陰謀が動き出す、緊迫の第二巻。 (「BOOK」データベースより)

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 「Robotics;Notes」の物語を登場人物の1人・神代フラウの視点から追うノベライズ第2巻。さりげなく出てくる「栗御飯とカメハメ波」の名前にふきだしたのは私だけじゃないはず。

 原作ゲームでいうとフラウの個別ルート入る直前くらいまでのお話。個別ルートに入ってしまうと、基本的に海翔・アキとメインとなるヒロイン以外の動きが見え辛くなるので、物語の中でも特に殆ど動きのみえなかった淳和ルート間の彼女の動きが見れたのがとても面白かった。いつも通り変な事を言ってるフリして内面では深く動揺し、傷ついていたんだなあと思うと胸が痛い。そして彼女の気持ちを敏感に察するとか当然できなくて、すげない態度を見せる海翔がさすがすぎました。

 あと、ちょくちょく挿入される過去のフラウ母の視点が…!!原作と某ノベライズを呼んでいるとあの黒幕さんめが!!という気持ちになること請け合いなのですが、ほんと、びっくりするほど何もかもが黒幕である彼の元に集結するようできているのが改めて……。

 次巻ではいよいよフラウルートでの物語に踏み込んでいくのでどうやって物語を補完してくれるのか楽しみです。しかし、他のキャラクターのスピンアウトが入るってどれのことなんだろう。個人的には愛理ルートでのフラウの動きとか見たいんですがそういうのこないですか。

 ゲジ姉たんにオススメの薄い本教えてもらいたい。

 

ROBOTICS;NOTES 1 キルバラッド・アノテーション

   
原作
5pb.×ニトロプラス

2019年、夏。失踪した母親を捜して種子島にやって来た神代フラウ。大ヒットゲーム「キルバラッドON‐LINE」を制作した美少女天才プログラマー(そして真正の腐女子!)である彼女は、巨大ロボット製作に関わる地元の少年・八汐海翔と出会い、協力関係を結ぶ。だが人類滅亡を予言した「君島レポート」との出会いが二人の運命を大きく変える―。大ヒット作『STEINS;GATE』に続く「科学ADV」シリーズ最新作が遂にノベライズ。 (「BOOK」データベースより)

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 科学アドベンチャーシリーズ第三弾「ROBOTICS;NOTES」の物語をヒロインの一人・神代フラウの視点から追うノベライズ。角川スニーカーのノベライズでは定番ですが原作を知っているの前提+原作の隙間を補完するタイプのノベライズになっていますので原作未プレイのかたはご注意ください。(特にこの物語の場合、フラウは物語の途中から現れる設定のため序盤のシナリオはかなりすっとばして描かれてます)

 フラウ視点のメディアミックスはウルトラジャンプではじまったコミカライズの第一話も読んだんだけど、地文でじっくり心理描写の入れられるノベライズのほうがしっくり来る気がする。原作でも「ツイぽ」や彼女自身の発言でぽろぽろ露出していた腐萌え語りがだだもれになっているのはもちろん、典型的な非コミュオタな彼女が@ちゃんねる用語で覆い隠している本音がだだもれ状態になっているのが楽しくてたまらない。ロボ部の中で一番自由奔放な発言をしているようにみせかけて、単に他人とコミュニケーションとるのが苦手なだけだったり、結構うろたえたりしているのが可愛くて堪らない。

 海翔視点からはなかなか見えてこない、母や『ガンヴァレル』や『キルバラ』への強い思い入れが透けて見えるのも良かった。「キルバラのリーダーボード5位」というのは自分が作り上げた大切な作品にどれだけ思い入れを持っているのかの証というわけで。母の手がかりを追うための人脈作りといいながら必死にその繋がりを維持しようとして、どうしたらよいかわからなくて内心テンパる姿が可愛すぎました。

 しかし、一番このノベライズで面白いなあとおもったのは原作でも登場する「ツイぽ」の扱い。ゲームと同じフラウの発言に、ゲーム中では見えることの無いフラウのフォロワーからの反応(主にフラウのサークル仲間からのレス)がついて海翔のそれとは全く違うTLになっているのが面白かったです。

 

コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN?4?

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗 [絵]木村貴宏/toi8


黒の騎士団を裏切られ、妹も弟もすべてを失ったルルーシュは父帝・シャルルと対決する。しかし対決の場に現れたのは思いもよらぬ人物だった。一方、間一髪で助け出されたナナリーは義姉のコーネリアから衝撃の事実を聞かされて…
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シャルルとの対決からラストまでを描くコードギアスR2のノベライズ作品、完結編。

とりあえずマリアンヌ様、マジパネエ。
父帝・シャルルが言葉とは裏腹に本気でルルーシュ・ナナリー兄妹を愛していたのは「コンプリートベスト」で明かされていましたし、小説版の「ナイトオブラウンズ」でマリアンヌのキャラがかなり……だったのは知ってましたが、ここまで悪女ぶりを全開にされるともうどう反応してよいやら……正直ドン引きです。いろいろな意味で、すべての元凶はこの人だったんだなあ。

これだけ悪女ぶりを発揮された状態で「もしルルーシュとナナリーに子供作らせたら」発言とか聞くと、ルルーシュが妹に注いできたシスコン全開な愛情についてもよもや…とか勘ぐってしまう。母としてルルーシュが妹に固執するような「教育」という名の誘導は出来るわけだし。

ルルーシュの皇帝就任後はほぼナナリーの視点から物語を描くに終始していて、これが結構面白かったです。特にアーニャやスザクに対して辛く当ったり、ルルーシュにダモクレスの鍵を奪われて兄を詰った時の心情とか、最終的には自分の意思でルルーシュとほぼ同じ事をしようとしていたというあたりは凄く面白かったので。あと、死ぬ直前のルルーシュがCの世界を通してナナリーに呼び掛けるシーンは、あの兄妹好きならマジ必見です。もうなんていうか、ルルーシュ良い兄貴すぎるよ…。

ただ、ナナリーにずっと焦点があたってるおかげでルルーシュ達のやってることは片っぱしから飛ばしまくりだったのが個人的には気になった。ここまできたらルルーシュがシャルルを倒してから皇帝に就任するまでの空白の数か月何があったのか(おもにスザクと)とか、その辺の穴埋めも期待するじゃんよ!!!…いやまあ、下手に公式発行物があそこを埋めてしまうと同人業界が阿鼻叫喚になりそうですけど。あと、ナナリーがサイコメトリー的な超能力に目覚めていたというのはちゃんとアニメでもやるべきだったとおもう(最終回に突然ナナリーが兄のやろうとしたことを悟ってしまった下りは、不自然に感じた人も多いはず…)

ナナリーの葛藤やら人間的な成長やらが非常に面白く描かれていたと思うので、もういっそ本編追うんじゃなくてナナリーメインの本編補完スピンオフとして出せばよかったんじゃないかなあ…と思うのです。ていうかこの内容でタイトルが「コードギアスR2」であらすじが原作アニメと同じことしか書いてないのはもはや詐欺の部類だと思うんだ。無理に本編ノベライズという形で出さない方が良かった気がする。(特にこの巻では、アニメ本編で行われたやりとりの殆どは「説明」という形で省略されていて、それのせいで凄くテンポ悪い)

エピローグは原作アニメでも話題になった「ルルーシュ生存説」を強化するような形でそれでもルルーシュの生死自体は上手いことぼやかされていて、この終わり方は凄く良かったと思う。派生作品で死亡側・生存側に固定されてしまうのは正直いやだなあと思っていたので。

 

コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN?3?

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗 [絵]木村貴宏/toi8


自分に、ギアスにかかわったせいでシャーリーは命を落とした……ルルーシュはその怒りの矛先をギアスという力に向け、零番隊に“ギアス嚮団関係者の殲滅”という命令を下す。それまでの命令とは打って変わった非道な作戦に戸惑う零番隊の面々。一方、ギアス嚮団に踏み込んだルルーシュは「Cの世界」と呼ばれる謎の空間でブリタニア皇帝・シャルルと邂逅する。
   個人的お気に入り度数
ギアス嚮団殲滅作戦から東京租界へのフレイヤ発射までの場面を描く、ノベライズ第三弾。2巻の時にも思ったんだけど表紙と内容がちょっとずれてない?TURN2の表紙はもろに「Cの世界」前後のネタだし、今回の表紙もこの組み合わせが正しくなるのはこのだいぶ後だよねえ…

相変わらずノベライズというよりアニメの副読本として面白いこのシリーズ。個人的にはアニメ本編の裏で陰謀を張り巡らそうとするシュナイゼル&カノン主従の動きが面白かったです。シュナイゼルはなんだかんだいって結構早い段階からゼロの正体に気付いていたんだなあ…とか。中々良い黒幕ぶり。アニメ視聴を前提としたストーリー展開の所為か、ナナリーがいかにしてあの場面を抜け出したのか描写してくれたのもポイント高し。できればここまで原作のネタバレをかますなら、どっかに『アニメ見てから読んでください』くらいは書いて欲しい気がするけど。

そして秀逸なのはルルーシュとスザクが枢木神社で相対する一連のやりとりでした。復讐に縛られていたスザクが現在のルルーシュにかつての自分の姿を重ねて、そんな自分を救ってくれた在りし日のユフィを思い出して、彼なりのやり方でルルーシュを赦そうとする心の動きが非常に良かったです。実際、ここから終盤にかけてのルルーシュの行動は哀しくなる位にかつての(ルルーシュにギアスをかけられる前の)「死にたがりだった」スザクと似通っていると思うので、かつて同じところに居たスザクには少しだけでもルルーシュの想いが判ってしまったのではないかと。余談ですがこの場面を読んでる際、ジャストタイミングでipodから「あんなに一緒だったのに」が流れてあまりのジャストフィット具合に噴きました。ジャストフィットなんだけど、挿絵はスザクがルルーシュの頭を踏み踏みしている場面なのでもう合ってるんだか合ってないんだか……(笑)

恐らくこのノベライズもあと1冊か2冊くらい?原作では空白地帯の多い部分に突入するのでどうやってその部分を埋めて行ってくれるのかがとても楽しみです。楽しみにしてます。

ところで、作中にこんなセリフが登場するのですが…この辺の説明ってアニメにもありましたっけ?物凄い気になってるので引用します。原作アニメでいうと15話「Cの世界」のあたり。

「肉体の不死は、コードの本質じゃない」
「っ?」
「コードの不死性が持ち主の体に働くのはあくまでも副次的なもの。コードの本質とは、人を、世界を固定化させることにこそある。根源から生まれ、やがては根源に返っていく人。しかし、コードは人を根源に返す事を許さない。輪廻の輪を断ち切り、自らが選んだ刹那の時間に人を、そして、人が成り立たせる世界を留め置く。それこそが、真の意味でコードを『使う』ということ」
「………」
「もっとも——」
女はやはり目を閉じていた。
「そこまで到達したコード保持者は一人も居ないけれど。あなたが知る『私』も含めて。ささやかな願いから始まったギアスは人を溶け合わせ、やがてコードの使用が可能な存在を生む。
でも、コードそれ自体も本質を発現させるのは、とても難しい。なぜなら、個人個人が受け継いだコードも、その瞬間においては完全ではないから。世界を固定化し、輪廻を繰り返す根源の渦から切り離すには、コード自体もある種の成長をとげなければならない。けれど、それを成し得た保持者は誰もいない。誰も」

これが小説版オリジナルのセリフだとしたら、わざわざこんな意味ありげな長文を言わせるのはエンディングでのルルーシュ生存エンドへのフラグだと期待してしまう私が居るのですが……何らかの形でC.C.の命は奪わずコード能力だけを受け継いで、コードの能力を使って生き延びたとか。ていうか、そうじゃなかったらこんなところでこんなに詳しくコード能力説明するかなあと(原作では「不老不死能力」としてしか認識されていない気がしたので……それともシャルルの計画のあたりで生きてくる設定なのか?)

でも本当に小説版のラストが何らかの形でルルーシュ生存エンドになるんだとしたらアニメ本編でやってほしかったような気が……結局丈が足りなくて描ききれなかっただけなのかとか…ううーん、複雑な心境です。

 

コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN?2?

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗 [絵]木村貴宏/toi8


エリア11の総督として日本に戻ったナナリーは失敗に終わった「特区・日本」の再建を宣言し、黒の騎士団にも参加を呼び掛ける。しかし、あまりにも前回とは状況が違い、人々は見向きもしない。そんな中、特区日本に参加すると表明したゼロは100万人の“日本人”を引き連れて……
   個人的お気に入り度数
ナナリーの視点を中心にコードギアスR2の物語を補完するノベライズ第二弾。「特区・日本」の再建騒動の辺りから、シャーリーのあの事件までの物語の裏側を描きます。相変わらずアニメ未視聴者立入禁止な雰囲気がとても素敵です。

エリア11に赴任してすぐ、特区日本の再建をやろうとして大コケしてしまったナナリーが、「ユフィのやろうとしたことを継ぐ」のではなく、様々な人から自分なりのやり方で“優しい世界”を作るということを教えられ、エリア11総督としての信頼を勝ち得ていくまでがかなり丁寧に描かれているのがとても良かった。アニメ本編を見ていないと楽しめない物語ではありますが、本編のノベライズというよりナナリーという一人の少女の成長物語として普通に面白かった。

ナナリーの精神的な成長も注目なのですが、やはり今回の話で光輝いていたのはルルーシュの妹LOVEっぷり。あんた中華連邦と黒の騎士団がドンパチやってる合間にそんなことしてたのかよ!!100万人の“ゼロ”を国外追放にさせた件の真意と言い、とにかく要所要所でナナリーへの愛が滲み出るバカ兄貴っぷりに爆笑させてもらいました。ナナリーを身の危険に曝したスザクの騎士としての不手際をC.C.に愚痴るシーンなんか、完全に嫁をいびる姑の域。やってることはものすごいかっこいいのにな!

未熟ながらも少しずつ自らのやり方で柔軟な思考を持って政治に臨んでいく健気なナナリーの姿がとても魅力的に映るがゆえに、そのあとの展開を考えると胸が痛くなる……。

それにしても、この一連のエピソードがアニメで放映されないのは惜しい。アニメのコードギアス本編を3クールか4クールにして、小説版のエピソードを盛り込んでほしかった。確かに小説版で語られるエピソードは「静」のエピソードが多くてこれをアニメに追加したら毎週クライマックスのようなスピード感は薄くなると思うけど、それでもキャラクターの理解の為に盛り込むべきだったと思う。

アニメ本編はこの直後から急転直下、毎週クライマックスの如くな展開に突入していきます。今後どういう風にこの物語が描かれていくのか、とても楽しみです。

 

コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN?1?

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗 [絵]木村貴宏/toi8


「ブラックレベリオン」の際、謎の少年に連れ去られたナナリーは皇族としてブリタニアに戻る。最愛の兄・ルルーシュの行方を案じながらも兄の重荷となっていた事を自覚した彼女はかつての姉・ユーフェミアの遺志を継ごうと決意するが…
   個人的お気に入り度数
「コードギアスR2」のノベライズ第一弾。ナナリーの視点を中心に、前シリーズ最終話後からナナリーのエリア11総督就任までを描きます。

ブリタニアに居るナナリーからの視点ということで例によってアニメ序盤で語られる物語はほぼ全部スルー。完全にアニメを見た人向けの内容となっているけど、今なら丁度本編の無料配信もあるし、販促小説としては丁度良いのかも。イマイチ本編では影の薄いスザク以外のナイトオブラウンズの、特にアーニャがとても良い味出してました。腹に一物もってそうなシュナイゼル兄様も影で大活躍。

一方、すっかりルルーシュへの復讐を心に決めたスザクさん。時折覗かせる冷たい表情がとても怖いです。復讐の為ならなんでもやっちゃいそうなスザクさんがとても恐ろしいです。というか、ナナリーに地味に死亡フラグ立ってる気がするのは気のせいか…。そして初登場からヤンデレ全開なロロさんにも注目。こええよ…ルルーシュの周りに居る男性キャラ皆こええよ…。

また、前シリーズ終了直後にあれだけの衝撃を受けていたカレンがどうして再びゼロの下に居るのかの理由が明かされたのは興味深かった。C.C.とのやりとりが何気にすきなのですが、この二人もっと絡まないかな。以前のような盲目的な依存をするのではなく、等身大の少年として「ゼロ」を見るようになって、その一方でナナリーと同じ“兄を持つ妹”としての立場からゼロの行動に疑問を抱き、見極めるために再びその傍に居る事を決意するという姿がとてもかっこよかったです。カレンはアニメ版でもなかなか良い味を出してるので今後の活躍が楽しみ。

アニメ本編の補完として読む分には文句なしの出来でした。今後もアニメはしっかり追いかけていく予定なので、今後の小説版の展開にも期待してます。

 

コードギアス反逆のルルーシュ 朱の軌跡

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗
[絵]玲衣

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ルルーシュが「ゼロ」として初めて表舞台に現れはじめたばかりの頃のエピソードを、カレンの視点から描くシリーズ番外編。シンジュク事変と「リフレイン」を巡るカレンの母の話が中心です。

凄く面白かった!!……けど、STAGE1か2と同時期に出してくれればちょうど良かったと思うのは流石に望みすぎなんでしょうか。こちらはスニーカーで連載されていた分らしいので、時期的な問題はどうしようもなかったというのは判るのですが、STAGE1を読む前にこちらを読んでいれば、STAGE1があんなに意味不明になることは無かった筈なのに。STAGE4の後に出すというのなら、1つ1つのエピソードを縮めてもっと先のほうまでカレン視点で見てみたかったというのもあったりします。

今までルルーシュの側から『便利な道具』としての姿しか見えてこなかった「黒の騎士団」を構成する事になるメンバーたちの素顔が出てきたのは面白かったです。井上とか、こんなに良いお姉さんポジションキャラならもっと目立てばよかったのに…ぶっちゃけ、アニメでは最後の方で死んで相方(?)に名前絶叫されるまで、名前と顔が一致していませんでしたよ……。

後に宿命のライバルとなるスザクとカレンの初対決、カレンの母親の事件等、結構見所一杯で面白かったです。まあ個人的に言えば…やはり時系列の並べ方が気になったりはするのですが……シンジュク事変のあたりをちょっと短くしてもっと色々なエピソード入れて欲しかったというのはあるかなあ。

 

コードギアス反逆のルルーシュSTAGE-4-ZERO

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗
[絵]木村貴宏/toi8

   個人的お気に入り度数
行政特区日本を巡る一連の事件から本編最終話までを描いた、ノベライズ第四弾(過去話を含めると第五弾)。

ああ、ほんと前回での展開が楽しかっただけに、富士での特区日本の事件以降の展開が辛かったです。あのタイミングでギアスが暴走するとかルルーシュの間の悪さは異常。特に小説版を読むと、これまでルルーシュがどれだけ自分のギアスに頼りっきりだったのかがモロに浮き彫りにされてきてもうなんというか…他の人間を根本的に信用できなかった結果ではあるのだろうけど、もう少し自分の作った「黒の騎士団」を信用して、作戦を任せても良かったんじゃないかなあ。

自分がユフィにやらせてしまった行動とそれによって引き起こされた惨劇に打ちのめされながらもその犠牲を少しでも無駄にするまいと行動しながらも、動揺を隠せないルルーシュ。一方で頑なな心を漸くユフィによって救済されかけ、再び地獄に叩き落されるスザク。なんかどっちの考えにも同情できる部分があって、ほんとなんともいえない……。ユフィがああなってしまった直後のゼロのセリフに違和感を覚えるカレンという構図も面白かったです。本当に最期まで何もわからないままだったユフィの想いも、凄く痛かったです。これで少しでも状況を理解していたのならまだ少しは救いがあった気がするんだけど。各キャラの心理状態が描かれることによって、絶望に彩られたラストの展開がますます救いがない展開に見えました。続編で補完されると信じてるけど、ほんと容赦ない…。

基本的には今回もアニメのエピソードを忠実になぞっていているのですが、ルルーシュがユフィの「行政特区日本」の構想に賛成できなかった理由とか、ブリタニアの皇族が地位を返上する意味、アニメ版でイマイチ腑に落ちなかった部分がちゃんと補完されてるのがすごく良い感じです。個人的に唯一残念だったのは、最終決戦前のスザクが『ルルーシュ』に電話をかけるシーンがまるまるカットされていたこと。おそらくこの時点では既にスザクはゼロの正体に気付いているわけで、どんな気持ちでルルーシュとあの会話をしたのかは物凄く興味があったので…というか、スザクに焦点を当てるというのを公言してるノベ来図なのに、このシーン抜いたらだいぶ片手落ちだと思うんだけどなあ。

全体で見るとツッコミどころも多々あったノベライズでしたが、結構楽しんで読めました。R2のノベライズも来月から発行されるようなので、そちらも楽しみ。

 

コードギアス反逆のルルーシュSTAGE-3-SWORD

[著]岩佐 まもる
[原案]大河内 一楼/谷口 悟朗
[絵]木村貴宏/toi8
   個人的お気に入り度数
スザクがユフィの騎士に任命されるあたりから、キュウシュウ戦役のあたりまでを描いた、ノベライズ第三弾。STAGE2までに散々感じた、物語の不恰好なつぎはぎ感が綺麗に無くなって、普通にアニメのノベライズとして楽しめました。まあSTAGE2の後書きにあるスザクに焦点を絞って云々が本当なら、もうこの先は基本的に重要エピソードには全てスザクとルルーシュが二人でかかわっていく事になるわけだけど。

アニメでもそうだったのですが、この辺からユフィがどんどん可愛くなっていくのでとても萌えてしまいます。更に、神根島でユフィにいいとこ見せようとして滑りまくるルルーシュが可愛くて仕方ありません。落とし穴の配置と脳内シミュレートは完璧なのに、功を焦って自分の体力を計算に入れてない辺りがルルーシュの駄目なところですよね(でもそこが好き!!

一方で、今回は完全にスザクの心理状態にスポットの当たった巻となってます。ぶっちゃけスザク祭です。過去の事件によって人間としてどこか欠けてしまったスザクが様々な人々に心配されつつ、ユフィと出会うことで少しずつ人間らしさを取り戻していく物語であると言い換えても良いのではないかと。

アニメ版を見た際、ある意味目的も考えもはっきりしていて理解しやすいルルーシュに対してスザクはどこかちぐはぐした印象(行動・発言はとても正義感溢れる偽善者なのに、一方でルルーシュ以上に冷酷で独善的な印象があった)を受けて、その辺が引っかかっていたのですが、その辺がようやく納得できました。7年前の事件でルルーシュ以上に傷つき、大事なものを亡くしてしまったのはスザクだったんだなあと。ユフィの騎士を辞退した真相なんかも、ただ自責の念に駆られただけではなくて、彼の根幹に関わる予想以上に深い問題だったわけですね。

そんなスザクが自らの傷に折り合いをつけ、そして作中でも髄一ゼロと共同戦線を張るキュウシュウでのくだりはこの作品とは思えないほどに熱くて、アニメでも大好きな場面でした。というか、ここぞとばかりにゼロがいいとこ持っていきすぎなんだよ!!澤崎の問いに対する対照的な二人の回答が、とても印象的でした。こんな二人を目の辺りにしてしまったら、ルルーシュやユーフェミアが全く違う立場から「二人が手を取り合う未来」を夢見てしまった気持ちも判る気がする。

しかし、ここで一瞬だけでも「人間らしさを取り戻したスザク」と「スザクとルルーシュが手を取り合った未来」が垣間見えてしまっただけに、次の巻でやってくる、最悪の顛末を恨まずにはいられない…。