ナオ達のその後を描く5編を収録した短編集。全4巻で綺麗に完結した印象があったので、蛇足になるんじゃないかなあという心配があったりしたのですが、そんな心配は不要といわんばかりの素晴らしい短編集でした!ナオと真冬だけでなく、他のキャラクターたちにも焦点が当たっていて、それぞれの気持ちが伝わってくるのが素敵。
好きだったのはナオと真冬が抜けたあとのフェケテリコを、千晶に憧れてサポメンになったベーシスト・橘花の視点から描く「翼に名前がないなら」。千晶と神楽坂先輩が「フェケテリコ」にかける想いも熱いのですが、二人に認めてもらおうと奮闘し、正式メンバーになれないことでもがき苦んでいく橘花の姿がとても印象的でした。
離れ離れになったナオと真冬の間で揺れ動くユーリの姿を描いた「ステレオフォニックの恋」も好き。素直になれない二人を結びつけようとするうちに自分自身の気持ちがわからなくなって、自らの演奏を見失ってしまうユーリの姿は見ていてこちらまで胸が苦しくなるようなものがあるんだけど、彼らしい結論にたどり着き、演奏を取り戻す姿には胸が熱くなりました。
それにしても
今、ユーリがかわりに直巳を泣かせる。
そう思うと、手の中でストラトが火照るように感じられる。
がエロいです。半分くらいガチでユーリ×ナオだったとは思わなかtt(強制終了)
でも実際「一人一人じゃなく、一緒に居る二人が好き」っていう感情は確かにあるよね。単体じゃないんだ、二人そろってないとダメなんだ!!…二次元のカップリングで想像しててすいません。
しかし、一番ツボに入ったのはナオと真冬の……の話を聞いた哲郎を描いた「だれも寝てはならぬ」かもしれない。息子の結婚の話を聞かされた哲郎がなんだかんだいって物凄く取り乱している姿が可愛くて仕方が無い。
哲郎かわいいよ哲郎。