“橘 公司(Speakeasy)” の検索結果 | 今日もだらだら、読書日記。

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いつか世界を救うために2 -クオリディア・コード-

 

暗殺対象である神奈川序列第一位・天河舞姫の突然の来訪。二人っきりになる絶好の機会であるにもかかわらず、動揺する紫乃宮晶。ストーキングの証拠満載の舞姫グッズで埋め尽くされた部屋を隠し通せるのか―。さらには四天王入りを果たしたことで、「神奈川伝統の寝起きドッキリでね!」今度は逆に舞姫たちからストーキングを受けることに!?(「BOOK」データベースより)

 舞姫を巡る事件を解決した功績で、空白となった四天王の一人に押し上げられてしまったシノ。それ以来、舞姫や四天王が突然シノの部屋にやってきたり、追い掛け回されるようになってしまう。舞姫と仲良くなるにつれ、彼女を暗殺するという任務に違和感と躊躇いを感じ始めるシノだが、今度は相棒のほたるが不穏な動きを見せ始めて……。

 アニメ関係の告知見てればシノの正体については割と「ですよねーー」って流れになるんですけど、あらすじが思い切りネタバレかましてくるのに笑った。というかカラー口絵からしてアレなのであんまり隠す気ない。しかし最終的にこの子が「ヒメニウムが足りない」とか言い出すのかと思うと本当にアレだね……。

 任務と良心の間で板挟みになりつつも少しずつ舞姫に絆されていくシノの姿にとてもニヤニヤする。普通に見たらただのストーカー状態なシノの部屋に踏み込んでこられて一悶着するも、まさかの四天王(※だいたいガチの舞姫ストーカー)が庇ってくれるの面白すぎて腹筋が攣った。そこから、舞姫による逆ストーキングからのデート展開で(もちろん四天王のストーキングと余計な入れ知恵つき)、四天王の妄想を再現させられたり、皆の趣味全開の服を押し付けられたりするのが楽しすぎる。それにしても性別バレしてからの方が圧倒的にイチャイチャ度高いのはどういうことなんです!?

 そんなイチャイチャ展開からうってかわって、正体がバレてからの決闘と、全ての真実が明かされた後の呼吸ぴったりの共闘が熱い。陰謀策謀あるけれど、とにかくバトルシーンはめちゃくちゃ強い二人がそんなもの全部吹き飛ばすみたいな展開で、爽快感がすごい。ヒメとほたる、ふたりがいればどんな敵だって怖くないという最強無敵の幼馴染関係が最高に楽しかった!

 そして、同時に最後の真里香と來栖がとても好きです……利害関係からはじまる双方への好感度に依存しない共犯者関係最高。アニメ4話までで基本的に東京以外の小説版の脇キャラは登場して来ないのですが、この2人はなんか枠組み外れたところからしれっと出てきて欲しいなあ。


いつか世界を救うために -クオリディア・コード-

 

西暦二〇四九年。世界は終わるかと思ったが、終わらなかった。突如として現れた正体不明の『敵』―“アンノウン”と戦争を続ける人類。防衛都市のひとつ神奈川の学園に転校してきた紫乃宮晶。彼の目的は『神奈川序列第一位・天河舞姫を暗殺すること』。しかし『最強』の称号を有し、人類の希望である少女の強さはあまりにも規格外で…。「のぞきではない。監視だ」「今は胸を調べている」「無論、尾行だ」「変態ではない、調査だ」「秘密裏に行う家宅捜索だ」舞姫の全てを知るための観察が始まった!?新世代ボーイ・ストーキング・ガール!! (「BOOK」データベースより)

 正体不明の敵性体・通称アンノウンの侵略により壊滅的な被害を受けた世界。戦争中にコールドスリープに入った子供たちは、スリープ中に次々と“世界”と呼ばれる異能力に目覚め、アンノウンに対抗する力を手に入れた。戦争はいったん終結という形を取ったが引き続きアンノウンの侵攻は続いた。関東には東京・神奈川・千葉に3つの防衛都市が築かれ、そこでは能力を手に入れた子供たちがアンノウンと戦っている。(以上東京編の感想からコピペ)

 舞台は防衛都市・神奈川。南関東管理局の特殊部隊に所属する紫乃宮晶と凛堂ほたるのふたりに神奈川の序列一位・天河舞姫を暗殺せよという命令が下る。どこか不可解なものを感じながらも学園に潜入したふたりだったが、舞姫は10年以上神奈川の首席に君臨し続ける強者で、シノの戦闘能力を持ってしてもなかなか歯が立たない。更に、彼女を崇拝する“四天王”などという存在も現れて、…!?というお話。

 南関東最強を誇る天河舞姫を中心に「ヒメ(舞姫)かわいい!」でまとまってる神奈川の雰囲気が、腹芸上等ギスギスフィーリングな東京編を読んだ後だと、とても癒やされる……。正直、舞姫ひとりが精神的な支柱となっているあたり、ちょっと危ないバランスで成り立っている気がしてならないけど、まあとりあえずギスギスしてるより良いんじゃないかな……。

 そんなアイドル的な存在の舞姫に、本当の目的を隠して近づこうとするシノの行動がはたからみると完全にストーカーだったり、そんな彼を“ライバル”と思い込んだ四天王とのドタバタが楽しくてたまらない。本当に同じ世界観設定のストーリーで東京とここまで違う雰囲気の話になるのかびっくりだよ!!

 ただ、全体的に明るくドタバタとした物語なんだけど、やっぱり繋がる世界観はクオリディアのそれで。しっかり世界観のつながりを感じさせる重たい展開も盛り込んでくるのが面白かった。東京は安定の東京だな……(やることがエグい)。

 それにしても、アニメから入ると“凛堂ほたる”ってこの人ではないよな…?あれ?ってなってしまう罠。なんとなく予想は出来るんですが、ここからアニメの物語にどう繋がっていくのかとても気になります。


このラノベの女女間の巨大/複雑感情が好きだ!

同性間のクソデカ感情の話が好きだ。普段は男男間のクソデカ感情をこよなく愛していますが性別は問わない女女もやぶさかではない!という気持ちで前から以前作ったまとめの女性バージョンをやりたいなと思っていたんですが、最近「悪役令嬢の中の人」がバズったりしてちょくちょくその手の話題を見るので今しかない!!と自分の好きな作品を簡単なジャンル分けしつつまとめました。

↓あわせてどうぞ↓

タイトル通りの記事です。 このラノベの男同士のクソデカ感情いいよね!!というタイトルを独断と偏見で25タイトル紹介します。長年まとめ記事作るよ作るよって言い続けて気がついたら...

悪役令嬢・悪女

まきぶろ「悪役令嬢の中の人」→感想
…わたくしはただ、エミならしていただろうことをやっただけよ。
推しだった悪役令嬢レミリアに憑依転生したエミと、彼女の憑依体験によって愛を知ったレミリア。エミの持っていた異世界の知識を得たレミリアが本質・悪のまま、「エミのレミリア」として徹底した善性を演じながら復讐を完遂していく展開が良かった。定期的にレミリアが見せるエミへの執着、彼女以外の登場人物への酷薄なコメントがたまりません!
永瀬 さらさ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」→感想
引き抜け。自分はプレイヤーだ。アイリーンを、自分が選んだ主人公を勝たせる、プレイヤーなのだ。
前世の記憶を取り戻し破滅回避を目指す悪役令嬢・アイリーンと、遅れて記憶を取り戻したヒロイン・リリア。記憶を取り戻してからはあくまで「ゲームプレイヤー」としての立場を貫くリリアが同じ転生者であるアイリーンへ向ける執着、悪役令嬢よりもずっと「悪役」らしく振る舞う彼女がアイリーンの生き様に触れ、真実の愛に出会って「ヒロイン」に戻っていく姿が印象的でした。いや悪のヒロイン・リリア様ほんと最高なんだ……。
中村 颯希「ふつつかな悪女ではございますが 〜雛宮蝶鼠とりかえ伝〜」→感想
──あなた様こそが、わたくしの、ほうき星なのです。
病弱なこと以外は完璧な雛女・玲琳と彼女を妬む嫌われ者の鼠姫・慧月。呪術によって入れ替わってしまったふたりが陰謀だらけの雛宮で様々な事件に立ち向かっていく物語。一応ヒーロー的な存在はいるけど、本質は女女のバディ物なんだよなあ。真逆のふたりがお互いの持っていない部分に憧れ合う展開が大変楽しく、徐々に明かされていく玲琳の複雑な内面が印象的でした。

親友・ライバル・相棒

うえお 久光「紫色のクオリア」→感想
ただし、あたしは決して、ゆかりを忘れられない──だから。こんな世界は、必要ない──
自分以外の人間がロボットに見える少女・毬井ゆかりと普通の女子高生・波濤マナブ。過酷な運命に翻弄されるゆかりを救うため、彼女から与えられた異能を駆使してマナブが永劫の時を駆け抜けるすこし不思議な物語。前半のゆるいやりとりからハードな時空SFになる展開がたまらなく面白い、ゼロ年代の大傑作なので未読の人はみんな読んで欲しい。あとコミカライズが最高です。
二月 公「声優ラジオのウラオモテ」→感想
忘れてないでしょうね、歌種やすみ。あなたのライバルは、夕暮夕陽だってことを。
デビュー3年目で声優としては曲がり角の「歌種やすみ」と新人実力派声優・「夕暮夕陽」。実はクラスメイトだったふたりがお互いのない部分に憧れながら最強最大のライバルとして実力を競い合う物語。主役二人のライバル関係がとにかく心地よく、周囲の力を借りながら成長していくやすみとやすみからの憧憬に応えるために独りで抗う夕陽という関係性も良かった!
谷尾 銀「ゆるコワ!〜無敵のJKが心霊スポットに凸しまくる〜」→感想
彼女と一緒ならば、何だって楽しい。退屈ですら楽しいのだ。
元柔道部の女子高生・桜井梨沙と悪魔的頭脳を持つ茅野循の女子高生コンビが怪異やヒトコワ案件に自ら飛び込んでいくホラー小説。循が時折覗かせる梨沙へのわかりにくい好意と執念、その好意を全て理解した上で彼女との関係を楽しんでいる梨沙という関係性が良かった。「黒津神社」の後味の悪さが最高に好き!!
橘 公司(Speakeasy)「いつか世界を救うために -クオリディア・コード-」→感想
そう。ほたるは夢の中でずっと──舞姫に手を伸ばし続けていたのだ。
天河舞姫と凛堂ほたるの過去の「約束」と「再会」の物語。最強のガワの中に年齢相応の脆さを隠し持つ舞姫と彼女のための「剣」としての在り方を貫くほたるという関係性が大変良かったのでアニメも合わせて観てほしい。なお、この物語にネームド男性キャラは登場しないのでそこを頭に入れて読んでください。ほたると舞姫の幼馴染百合も良かったけど、私は利害関係からはじまる真里香と來栖の百合が好きです。

ジャンル越境(文芸より)作品

新井 素子「あなたにここにいて欲しい」
あなたにここにいて欲しかった。欲しかった。すでに過去形。
少し不思議な能力を持つ祥子といつも一緒だった幼馴染の真美。祥子のことなら何でもわかっていると思っていたのに、祥子は自分と同じ異能を持つ女性と出会ってから様子がおかしくなって……共依存だったふたりがお互いから脱却して新たな関係性を築いていく物語で、本音をぶつけ合うクライマックスが最高に好き。
桜庭 一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet」
あたしは藻屑にはまっていた。かわいそうで、苛立たしくて、きれいで、汚くて……。
田舎で理不尽さに抗う少女・山田なぎさと都会から転校してきた不思議な少女海野藻屑。未だ幼い少女ふたりが織りなす現実からの逃避行劇。『砂糖菓子の弾丸』という言葉の通りのふわふわと甘ったる藻屑とのやりとりと、戻ってきたなぎさを迎え入れる少しだけ優しくなった世界の姿が印象的でした。ミステリー文庫時代のイラストの表紙好きだったんだけどなくなっちゃったんだよな……。

百合・恋愛関係

七斗 七「VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」→感想
「好きになりそうはもう好きなんよ!手遅れなんよ!好きなら私のこと落としに来いよ!」
下ネタ担当の2期生・聖様を中心にした物語がとても良かった。女性だけのVtuber企業という閉じた虚構の世界を舞台にした物語の中で性的マイノリティの話に触れてくるの凄く印象的だったし、コンプレックスを克服し想い人と相思相愛になった聖様がただのバカップルになるの大分面白かった。他にも様々な形の女同士の関係が描かれているのでそういうのが好きな人にもおすすめ!
向坂 氷緒「384,403km あなたを月にさらったら」→感想
四月までの私は、月の海にひとり。理世のいる地球に焦がれて、いつもひとりきりで宇宙を見上げていた。「……地球って、すごい」
最後に、TLレーベルから本番ありの百合作品を。かつて愛した幼馴染の女の子を追いかけて女子高に入学したら、彼女は破廉恥な噂のある「魔女先輩」の「お気に入り」になっていて……というお話。自分をクールだと思っているけど色々と抜けてる主人公が状況に翻弄される姿が楽しく、そんな彼女を小悪魔のように翻弄する幼馴染とのやりとりが大変可愛い、エッチな百合作品でした。