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キーワード:菊池 たけし / F.E.A.R. (5 件 / 1 ページ)

紅き月の巫女 ナイトウィザードリプレイ

 

紅い月の輝く夜―真行寺命は、“箒”をもって空を駆ける“ウィザード”の少女…緋室灯と出会った。出会いはやがて彼らを、世界を賭けた戦いへと誘う。…真行寺の護り刀“ヒルコ”の継承。衛星軌道上に現出する六本の“柱”。最後の巫女の覚醒。そして―。E‐LOGIN誌に連載されて好評を博したTRPG『ナイトウィザード』リプレイ、ここに堂々の文庫化!声優とベテランゲーマーをプレイヤーに迎え、ドラマは熱く盛り上がる。 (「BOOK」データベースより)

E-LOGIN誌で連載されていたナイトウィザードリプレイ。ストーリーが同時に紙面で行われていた読者企画と連動していて、そちらの結果によって展開が変わっていく…というのがとてもおもしろそうでした。というかどんどん劣勢になっていく人間側に噴いたww

門外の雑誌に連載されていたせいかTRPGの戦闘部分は極力少なくてプレイしたことない人にも読みやすく、ストーリーもキャラクターも設定も物凄く好み……だったんですが、リプレイ部分が物凄く少ないせいでTRPGリプレイの最大の特徴である「皆でワイワイ物語を作っていく」感じが、逆に鼻についたかなあ……というのが少し。シリアスなシーンで良い台詞を言っているのに、プレイヤーの「(爆笑)」がはいるだけで台無し、というシーンがかなりありました。いや、確かに実際にこのセッションに自分が参加してたら自分も笑うんでしょうが!!ソレが判っていても割り切れない何かが!!

他のリプレイを読んだ際は殆どそんな風に感じたことはなかったんですが……バトル部分が少なくて他のリプレイよりも「物語」としての面が強調されていたからこその弊害かなあ。個人的には、リプレイを元にした学園異能ライトノベル、という形で読んだらまた違った感想があったのかもしれません。

しかし、主人公の癖に様々な意味で黒すぎる主人公の命や無表情娘で料理が殺人兵器級な灯、最後でなんだかなしくずしに美味しい所もっていかれちゃった(持っていっちゃった?)感なマユリ、そして変態なのかいい人なのか良くわからないナイトメア……と個性豊かな面々が織り成す物語は普通に良かった。そして思わぬ伏線がラストで回収されたりするのにはニヤニヤしました。


アリアンロッド・リプレイ・ルージュ4 ノエルと蒼穹の未来

[著]菊池 たけし / F.E.A.R. [絵]佐々木 あかね

大切な仲間を喪い、意気消沈するノエル達は彼女の母が居るという沈黙の氷原を目指す。しかし、その前にノエル達を反逆者とみなした神殿が立ちふさがる。一方、悪の組織<ダイナストカバル>の大首領は新たな人工生命を彼女達のもとへ送り込んで…
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最後までハラハラドキドキワクワクし通しのリプレイシリーズ、最終巻でした。最後ということで今までに登場したNPCたちがどんどん出てきたり、あの人の意外な素性が明かされたり…でシリアスで熱い展開が目白押しなのですが、なんでこんなに笑いが止まらないんでしょう。

実際キャラクターたちの熱い想いも痛いほど伝わってくるんだけど、それ以上にセッションに参加している人たちが和気藹々とセッションを楽しんでいる様子が伝わってきて、それが凄く面白かった。TRPGに限らず、親しい仲間達と居るとめちゃくちゃ物語りはシリアスな場面なのになんかもう笑いが止まらないー!とか、実際あるある(笑)通常の小説では伝わってこない、物語の「作り手」達の感情がこちらにまで伝わってくるのが新鮮でしょうがなかったです。あと、本当に序盤ではレベル4のモンスターに四苦八苦していたメンバーの成長が目に見えてうかがえて、面白かった。

そんなこんなで物語的には、前巻でトランが抜けた穴に新たな悪の組織の人造人間・レントが参入。少しずつ明るさを取り戻していく一行ですが、所々にトランの事を忘れられない一行の描写が突然挿入されるのがもう、あざといまでに此方の涙腺刺激してきます。戦闘中にうっかり…とか、どこか彼の面影を持ったレントと出会ったときのノエルの一言とか。そして新キャラのレントとNPCの皆様が総じてその辺の空気読まない(笑)

しかし、最初は典型的なアンドロイドタイプで無感情系だったレントが、物語が進むにつれどんどんトランっぽくなってくるのはわざとなんですか!わざとなのですか!!(中の人が同じというのはもちろんあるんでしょうけど、“これだから神殿は”は意図的な発言だよなあ)言葉の端々からトランを感じてしまって始終ホロリとしまくっていた私です。

バトルはなんていうか、本当にノエルのプレイヤーさんが期待を裏切らない(笑)主人公と言うかもはや勇者的なサイコロ運持ってて、終始ハラハラドキドキしっぱなしでした。サイコロが全てを決めるTRPGだからこそ本当にどちらに転ぶかわからなくてハラハラ。「でもきっとここならやってくれるに違いない!」って所でしっかりクリティカルが出たりしてドキドキ。なんかもう力丸さんのサイコロ運がこんなじゃなかったら物語パートはともかく、戦闘パートはここまで盛り上がらなかったんじゃないかと思います。

3巻までの感想でも書きましたとおり、これが始めて読む「リプレイ」で、TRPG自体も全くの初心者の私が友人に薦められて始めて手を出したシリーズでしたが、本当にTRPGの、そして「リプレイ」小説の楽しさを初心者にあますことなく教えてくれたという感じのシリーズでした。今後TRPGをプレイする機会があるかどうかは神のみぞ知るって感じですが、このリプレイ小説の雰囲気は凄く好きだったのでまた何か面白そうなものがあったらこっそり手を出してみようかな?


アリアンロッド・リプレイ・ルージュ(1?3)

[著]菊池 たけし / F.E.A.R. [絵]佐々木 あかね

ノエルは16歳の誕生日に自分が両親の本当の子供ではない事を知り、捨てられていた時に持っていたという薔薇の小箱を手に冒険のたびに出る。実はノエルは『薔薇の武具』と呼ばれる伝説の武具を開封する力を持っていた。そんな彼女を巡って神殿や帝国、更には悪の組織までもがエージェントを差し向けるが…!?
 

今更ながらTRPGに参加させてもらうことになり、とりあえず雰囲気を掴むだけでも?と渡されたシリーズ。1巻だけお借りしたのですがなんかレビューサイトさんで3巻がすごいことになっているらしいと聞いてうっかり2・3巻を探して買ってきてしまいました。

TRPG未体験の力丸乃りこさんをセッションに加えて、経験者の3人が彼女を護りながら少しずつ色々な知識もまじえつつ、冒険していくお話。ヒロイン格の力丸さんがTRPG初体験という事で、これから体験する自分にとっては他人事ではありません。とりあえず1巻を読んだ時は、セッションの楽しそうな雰囲気とかドタバタしている雰囲気が伝わってきて「おおっ、TRPGって予想以上に面白そうだな」って印象。オリキャラとかまるで作ったことのない人間なので物凄く参加するまで不安だったのですが…(でも力丸さんのキャラクター設定、妙に濃くて別の方向で不安になったけど…!!私ほんとオリキャラとか作れない人間なので…orz)エイプリルさんのキャラが激しく好きです。美女なのに中身はオヤジとかたまらない…!!

2巻以降は自分がTRPG体験してから読みました。体験する前に読んだ時とは別の、「うああああ確かにあったあったこういうの!」的感覚があって面白いです。2巻…兎に角面白すぎ。禁句の設定で皆がひっかかりまくり、戦闘してもいないのにHP減らされるあたりのくだりでは大爆笑。NPCのキャラクターも無駄にこゆくて、ツボに入りまくりでした。いつもの通り電車の中で読まなくて良かった…!!

そして3巻。仲間たちにかかわりのあるNPCが沢山出てきて、ストーリー的にも重いです。そして6話目はもう…最近のラノベでも中々ないくらい必死に先を先を…とノンストップで読んでしまいました。ほんと、ラストの展開は涙、涙。

自分のTRPGでやってるキャラがメイジ/サモナーだったというのもあって、トランには格別に親近感を抱いていたのですよね。使い魔どうしよう?とか困ってる時にトランの使い魔は携帯大首領発言を見て「おおっ、こんなのでもいいんだっ!!」と参考にさせていただいたりしましたし。ついでにいうと腐女子的にもヘタレで悪い人ぶってるイイヒトで、しかもクリスとの凸凹関係が色々と妄想をかきたてるいいキャラでしたよねえ…いえ801とかそういうのではなく。喧嘩ばかりでも実は仲の良い男2人のコンビは良いものですよ(*´д`)

また最新刊が出たらコッソリ購入したいと思います。普段読んでいるものとは毛色が違うけど凄く面白かったです。



アリアンロッド・リプレイ・ルージュ+1 ノエルと白馬の王子

[著]菊池 たけし / 久保田 悠羅 / F.E.A.R. [絵]佐々木 あかね

ライン王国の事件を解決して一息ついていたノエルは、何故か財政難のダイナストカバルを救うため、トランと一緒にお祭りでヤキソバのテキ屋をやることに。ヤキソバ屋は盛況でかなりの儲けを得たのだが、なにやらヘンな奴が現れて…!?
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アリアンロッドルージュ「+1」っていうのは「ルージュ+」の 1 巻という意味ではなく、「ルージュ」「+1」という意味だったという驚愕の真実。

みっしょん06直前の、ノエル達4人の最後の平和なひと時が描かれる「ノエルと白馬の王子」と雑誌に掲載された4コマに加えてランダムダンジョンで繰り広げられる超サバイバルなリプレイ「魔を貫く者」を収録。帯に書かれた矢野さんのセリフに、うっかりじんわりせずにいられない。

「白馬の王子」はトランとノエルの二人にゲストキャラ・ヴァルを加えて送る、思いっきりギャグなシナリオ。ヴァルの妹の仇で自称“ノエルの婚約者”の白馬の王子様とのトンデモ対決までしっかりダイスで行われて、こんな事までTRPGで出来るんだなあという懐の広さを魅せ付けられるシナリオでした。大食いだの幅跳びだのクイズだの…とオバカな競技が目白押しで大変面白かったのですが、何よりも噴いたのはやはりポージング対決でしょう。これはないwwwwしかも勝負の結果が……もう神すぎるwwww

金に困った「ノエルの父親」と資金繰りに苦労する「ダイナストカバル首領」とか、既に本編を読み終わっているとニヤリと来るネタも非常に多く、とにかく笑いまくりの短編だったのですが、やっぱり“あの悲劇の直前”であるという演出が際立っていて不意を付かれてジーンとさせられることが多かったです。特にエンディングの演出はあざとすぎて不覚にも泣いた。くそう、こんなところでトラン×ノエルを半公式にされたって嬉しいんだか哀しいんだか!!

そして何気に必見なのが佐々木さんの描く4コマです。ジュライ可愛いよジュライ。

そして残る「魔を貫く者」ですが…申し訳ないけどなんでこれに収録したのかが良くわかりません…ゲストキャラもあっちのリプレイの人だったし、「ハートフル」の方に収録すればよかったんじゃない?最初から最後までルージュキャラのネタかと思っていたので、GMもメンバーも殆ど変えての「プラス」に凄いびっくりしたというのもあるのですが、それ以上に、これまでとは打って変わって露骨に上級者向けのシナリオに戸惑いました。私の中で「ルージュ」というシリーズはとにかく初心者向けにTRPGの楽しさを知ってもらう為のコンセプトで作られてるシリーズっぽい印象があったのですが…。

上級ルールブックどころか初心者用のルールブックも読んだこと無い、単にノエルとその仲間達の行く末を楽しみに読んできた私のようなTRPGも殆どわからないズブの素人には、殆ど理解できないシナリオになっていて、読みながらモニョモニョしてしまった。せめてランダムダンジョンのルールくらいはもうちょっとしっかり説明して欲しかったなぁ…なんかこの本を読んでる人なら上級ルールブックや「ハートフル」読んでて当然だよね!?的な雰囲気が全体的にあって、物凄いキツかったです。キャラクターにもストーリーにもイマイチ感情移入できなくて、ゲーム性優先のシナリオという感じだったのでそちらも併せてつらかった。

そういえば、「白馬の王子」のラストに出てくる魔族の女性はこちらの短編に出てきたショコラって女性という事でいいんでしょうかね。いかにも今後本編に絡んできそうな出方をしていたので色々な意味で期待していたらそのまま正体すら明かされずに終了してしまって拍子抜けでした。

うーん、最初の「白馬の王子」が凄いツボだっただけに、後半で興をそがれてしまったカンジがして凄い残念でした…