事故でただ1人生き残った少女・輝美の中に宿った24人のクラスメイトたちの「残留思念」。彼女と修学旅行を欠席して難を逃れた少年・清隆が彼らの心残りを晴らすために奔走する……というお話。
淡々と静かに紡がれる悲しくてほの温かい鎮魂の物語。輝美は24人の残留思念の助力を得る事が出来る「超人」となっているのですが、それでも元はただの女子高生で……というところがよかった。特に、故人の想いの正しい伝え方がわからない輝美と湯坂のお母さんとの不器用なやりとりには胸が熱くなりました。
「1人になるため」にその町にやってきた彼女が、クラスメイトたちの残留思念を得ることで自分自身も変化していく事、もう過去の自分には戻れないと自覚する様子がとてもよかったです。
しかし、24人の残留思念を晴らす、といいつつ結局5人くらいしか晴らせてなくて、後書きを見る限りこれで完結っぽい言い回しなんだけど続編は出ないのでしょうか。輝美自身にも何かの秘密がありそうだし、あと1?2冊でいいから続きが読みたいなあ。
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みずたまぱにっく。3 - This is MIZUTAMASHIRO!! -
[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草 すっかり涼橋寮でのバイト生活にも慣れてきた水田マシロは、ある日寮母のアザミ子からの指示で「おつかい」として陽向と共に外に出ることに。何故か「赤ずきんちゃん」のコスプレ姿で!?恥ずかしい気持ちを抑えて町に出たら変な男に声達をかけられて…!? |
うーむ、陽向が前巻から期待していた通りの二重人格キャラで、予想通りの展開にニヤリとしたところまでは良かったんだけど、前の2巻と比べてもあまり盛り上がらなかったなあ…私の中で。ふんわり天然さんな陽向と悪戯っ子な少年・花向の対比は凄くツボなんだけど、トラブルの解決法としてこれまでカケラも見せなかった「異能要素」が突然出てきたのが凄い違和感でした。なんか解決法が思いつかなくて安易に異能要素でごまかしたように見えてしょうがないというかなんというか…いや、見落としてただけなのかなあ…伏線もなしに突然こういうネタが出てくるのはあまりにも強引すぎる気がするのですが。
今回の話からしても、今後学園異能方向にシフトしていくつもりなのでしょうか…うーん、2巻までのノリが普通に好きだったので、このまま擬似TS系学園ラブコメとしての路線を貫いて欲しい気がするんですが。忍が「人前で男姿を見せられない」と言ってるのもなんかその辺の関係なのかなあ。
花向がマシロに子供っぽいイヤガラセを連発する辺りの話は好きです。花向可愛いよ花向。
シニガミノバラッド。アンノウンスターズ。
[著]ハセガワ ケイスケ [絵]山本 ケイジ 新トウキョウ王子花園学園に転校してきた少女・咲ヶ本モモ。背丈程もあるリュックと白いセーラー服姿で、クラスメイトの前では天然系ドジっ娘を演じているが本性はワガママで凶暴…な彼女の正体はなんと“死神”だった—!生徒たちに取り憑く“幻魔”を回収するため、使い魔の黒猫・ダニエルと今日も元気に愛の鉄・拳・制・裁☆の日々だけど!? |
白い死神・モモと黒猫のダニエルが織りなす優しい物語「しにがみのバラッド。」のキャラ名だけ借りたベツモノ番外編。イマドキの変身美少女魔女っ子アニメ風(鉄拳制裁なあたりが)。どうみても「学●キノ」の二番煎じですが、いつそういう方向に崩壊してもおかしくなさそう(あとがき的に)なキノと比べて、普段は完全シリアスな「しにバラ」がこれやると感慨深いものがある…ような。しかし「みずたま」といいこれといい、個人的にはハセガワさんのコミカル路線…私、嫌いじゃないぜ…?
本編とは正反対に狂暴でイマドキで猫かぶりでオトコマエなモモですが、根本を流れる優しさは同じ。御無体な行動の裏で時々覗かせる不器用な優しさに、ちょっとニヤっとしたりしなかったり。
まるで一発ネタのような物語だけど、新たなる敵の存在が提示されてたり、伏線っぽいものがいくつも未消化だったりと……ひょっとしてこれは続くのか?正直、最近波が激しい「しにバラ」よりもこちらのほうが好みだったりするので続きが出るなら楽しみかも。軽く(物語の雰囲気的な意味と、余白的な意味で)サラっと読めるも好印象なのでできればこのままコミカル路線を突き進んでほしいな?(意味ありげな間章が気になる…)
…それにしても、挿絵が本編の七草さんから山本ケイジさんに変更されているのは絵師の得手不得手的な問題?確かに七草さんのギャグ絵って見たことないような気がするけど…。確かに破天荒な「咲ヶ本モモ」に山本ケイジさんはピッタリな配役ですが。
最近の七草さんのイラストは時々猛烈にキャラがの表情が好みだったりするので時々ほんと困る…(神様ゲームの表紙とか、今回のゲストイラストとかゲストイラストとか)
しにがみのバラッド。11
[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草 見た目の派手さからクラスのアイドル的な扱いを受けているカノカは、裏心がミエミエの“友人”達と適当な付き合いを繰り返すのに疲れていた。そんな彼女には気になるクラスメイトが居る。学校中から「不思議ちゃん」と呼ばれる彼女・ミツミには過去に“天使”と出会った経験があって… |
「かのかプリズム」で描かれた、カノカとミツミの不器用な友情も可愛らしいのですが、それ以上に「うみねこのプリズム。」でのヤストとユズルの関係が最高です。「メガネを取れば美少女」というユズルの設定はもっと挿絵の七草さんに全力を出していただいて頑張って欲しかったですが(挿絵を見る限り、どうみても「メガネをとっても美少女」には見えません…すいません)、美少女美少女とからかわれる度にいちいち頬を染めて全力で否定するユズルのうぶっぷりが実に可愛いなぁ。エピローグで4人が仲良く戯れてるところはホントにニヤニヤしっぱなし。青春の甘酸っぱさが炸裂で、非常に良かったです。
しかし、やはり今回のヤストとユズルの親友関係には、萌えずにはいられない。うっかりヤスト×ユズルを妄想してニヤニヤしてしまったのは内緒です★
しかし、ハセガワさんの文章、
そしてモモとアンの対決(?)は今回で一応決着?というかこれが最終巻といわれても違和感は無かったかも。いい感じに話も面白かったし。まあキノみたいに時間軸弄ればいくらでも伸ばせそうなシリーズではありますが…。
みずたまぱにっく。2 - This is MIZUTAMASHIRO!! -
[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草
忍がある日、涼橋寮のメンバー全員を巻き込んで「コスプレ部」を立ち上げるとか言い出した。当然生徒会には却下されるのだが、そこから何故か"薔薇の団"全員で廃部寸前の歌劇部と生徒会の五月祭での手伝いをさせられる羽目に。なしくずしに忙しい日々を送ることになったマシロだが、そこに思わぬ落とし穴が…!?
男の子みたいな女の子と美忍がある日、涼橋寮のメンバー全員を巻き込んで「コスプレ部」を立ち上げるとか言い出した。当然生徒会には却下されるのだが、そこから何故か"薔薇の団"全員で廃部寸前の歌劇部と生徒会の五月祭での手伝いをさせられる羽目に。なしくずしに忙しい日々を送ることになったマシロだが、そこに思わぬ落とし穴が…!?
五月祭の準備でてんやわんやの中実力テストがあり、成績が下がって特待生の基準を下回ってしまったマシロに退学の危機が…—という話で、「エア・メガネ」こと千尋の過去も明かされます。この「特待生」の基準とか、改めて考えると凄い高い基準ですよね。例え1番の成績は取れていないといえど、普通にその基準をクリアしていたマシロって案外かなり凄い。
そして今回はマシロ自身の魅力が大幅にクローズアップ。最初の方は“薔薇の団”の一員になったマシロに近づけばお姉さま達に…という下心が大きくあったんだけど、“五月祭”で彼女自身の魅力に気づいた学生が多かったんじゃないかなと思います。周囲の態度の変化に動揺を隠せないマシロがまた可愛いですね。エアメガネには…元々メガネ属性皆無なのであんまりときめかなかったかな。ちょっと「エア・メガネ」を引きずりすぎという印象も否めなかったし。
まあ何を言っても個人的ベストヒットは 中盤の陽向なんですけども。 なんだか 物 凄 い 萌 え ッ 子 が 出 て き た ぞ !?二重人格萌えとしては物凄く何かを期待してしまうのですが。ここは一つ、早い事陽向メインのお話をやっていただきたく思います!!順当に行けば次は陽向の話になるはずだし、これは3巻が楽しみだぜうへへへへへ。
ところでやっぱりこの作品、かの少女漫画界に咲くドクダミの花・岡田あーみんの蝶名作ギャグ漫画「ルナティック雑技団」の影響を受けてるみたいですね。
「この問題はね、まずじーっと見てみるんだ。しばらくそうしてると文字列がぷっかりと浮かび上がってくるでしょ。そしたら、左脳で文字たちが決闘をはじめて、あとは、右脳が勝ち残った文字をたたえてくれるんだ。ソレが答えだよって!ね?簡単でしょ?」
……ここに天湖森夜がいるよう…。
ルナティック雑技団 (1) (りぼんマスコットコミックス (721))岡田 あーみん 集英社 1994-03 by G-Tools |
みずたまぱにっく。 This is MIZUTAMASHIRO!!
[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草
超お嬢様学校である聖アンジェリーナ女学院に奨学金で通っている水田マシロは先生の紹介で学生寮のお手伝いのバイトを始めた。馬鹿みたいに立派な豪邸…にしか見えない超広い学生寮にはなんと4人しか寮生がおらず、しかもその4人は学園内でも『薔薇の団』と噂される美少女達で…!?
ショタっ子メイドが美少女達にかこまれてどたばたする話だと勘違いした私の心のときめきを返せーッ(つд`)超お嬢様学校である聖アンジェリーナ女学院に奨学金で通っている水田マシロは先生の紹介で学生寮のお手伝いのバイトを始めた。馬鹿みたいに立派な豪邸…にしか見えない超広い学生寮にはなんと4人しか寮生がおらず、しかもその4人は学園内でも『薔薇の団』と噂される美少女達で…!?
まほろばやラブひなもどきのギャグ風ラブコメを想像していましたが、むしろ学校でのトラブルなんかはハセガワ版「ルナティック雑技団」という印象。「ドクロちゃんです」ですらご自分の作風を貫かれてしまったハセガワさんなので“コメディ”という響きが全く想像できなかったのですが、予想外に面白かったです。「しにがみ?」世界にも流れる時間が遅くなったような独特の雰囲気を生かしたまま、各所でちょっと笑ってしまうような作品に仕上がっています。何事にも一生懸命なマシロをはじめ、天真爛漫な忍、ツンデレな「エア・メガネ」こと千尋等キャラクターも凄く魅力的で、見ているとなんともほのぼのと癒される気持ちになります。
個人的には学園の方で、予想外にあっさりと殆どの生徒がマシロを受け入れてしまったのが表紙抜けというか、現実感があまりにも無かったかな。3バカ(失礼)がいい具合に噂を流してしまったというのはあったとしても、本当の女子高だったらこんな状況はありえないと思うのです。まあ、ここでドロドロした女の争いに発展しないのがハセガワ作品のいい所なのかもしれないけど。
しかし「エア・メガネ」は2006年度ライトノベル迷台詞ベスト3に入れそうな予感。
しにがみのバラッド。 9
しにがみのバラッド。 9 発売:2006.8 発行:メディアワークス [著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草 |
読んでたら後半に向かうにつれ、すばらしい勢いで尻すぼみ。
「え?なにやってんのこれ??」と疑問系だらけのままあとがき。
なんか間違った方向で後味が悪い。
というか後半の数編をどう読んでも右から左に抜けていく。
最近このシリーズ本当にツボに来るか全く駄目かの二択だなあ。
4巻くらいまでは「構成とイラストがキノのパクリw」とかけなしつつも
キノとは全く違う魅せ場が多くてかなり好きな作品だったのですが…。
「ニノ」
「しにがみ。」だと思わなければ好きなんですが。
6巻の3話目と同じで「しにがみ」シリーズではやって欲しくない方向の話。すなわちバッドエンド。
「午後の猫。」「金魚の泪。」
「午後の猫。」が一番好きかも。「金魚の泪。」は今までの話の劣化焼き直し版という感じで。
残りはいらn…もとい、全面的に微妙。
なんかもうこのシリーズはモモの正体とか死神対決とかやらないで
毎回少年少女のほの痛いボーイミーツガールとか恋愛物語とかやってればいいとおもう。
なんか本当にモモの過去話とかその辺が蛇足。
キノにも同じこと言えるけど、一番最初に作られたテンプレからズレた話を書こうとすると駄目な感じがする。「学園キノ」は神だけど(待て)
といっても「金魚の泪。」を見る限りテンプレ通りにやっても序盤の勢いはない感じ。5巻くらいまでは本当に好きなシリーズだったんだけど、そろそろ買うのやめようかな…。
しにがみのバラッド。8
しにがみのバラッド。 8 発売:2006.3 発行:メディアワークス [著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草 |
5巻までは読むたびに電車の中で涙腺と戦ってた作品なんですが、7巻8巻はそこまでの破壊力は無かったなあと。逆に、4巻まではまさに神作品だと思う。今の作風は面白いことは面白いんだけど、あまり良くない意味で万人向けになってしまった気がします(ただし6巻はry/ある意味6巻は今後の方向性をマニア向けにするのか万人向けにするのか方向性を図っていたのかな、という気もする)
猫の話が好きでした。以前出たときの話が印象に残っていたというのもあるけど。
あと、正直「UN」の話は蛇足だと思うのは私だけですか。作風違うというか、いっそ富士見の人気作品に多い長編・短編シリーズで別々に出すとかしたほうが面白いんじゃないでしょうか。
レビューとか見ていると、アポロ以外にも最初の方の作品のキャラが出てきてるそうなので余裕があれば1巻から読み返してみたいですね。すっかり最初の方のストーリー忘れてるよ…。
しにがみのバラッド。6
作画及び展開のキノパクリっぽさは感じなくなったのですが(本家キノも近頃だいぶ作風変わって上続編あんまり出てないし)作風自体が変わってませんか?なんか今度は作風が変にキノっぽいというか…この作品独特のあったかさがなくなってきてしまった感じでちょっと残念。
収録された3話とも、バッドエンドとしかいいようの無い雰囲気で、こういう雰囲気嫌いじゃないんだけど「しにがみ」シリーズとしてはなんか異質。何よりモモがほぼ完全に傍観者になっちゃってアレ?って感じです。今までの作品はこういう嫌な終わり方をさせたくないから、モモが色々口を出したりしてたんじゃないかな、と思っていたのですが。
特に3話目。色々と痛いよ、痛すぎるよ。
この作品こそ事前にモモ降臨してほしかったというかなんというか。
それこそキノでこういう展開なら別になんとも思わないんですけど。
なんかモモ本人の話と短編ストーリーが違う物になりすぎてて、
本編でのモモの位置付けが良く判りません。
モモ編もなんだか難しい話になってて微妙だしなー。
もうちょっと本編とモモ編とのリンクが欲しいですよ。
例えば本編にアンが出てきてモモが皆を助けようとするのを邪魔するとか。
アンの所為でこうなったとかそういう展開ならまだこういう終わりでも納得できる気が…。
単体で読めば普通に面白いと思うのですが「しにがみ」シリーズだと思うと正直…。
作風が変わったと思って最初の頃とは別作品だと思うべきなのでしょうか。
「吸血鬼のおしごと」みたく。
しにがみのバラッド。5
[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草 |
なんつーか、うちの黒兎設定を知っている人は読んだらどこに萌えたか一発でわかりそうな勢いですが。
というか黒携帯ハマって以来めっきり暗殺者萌え。
実はROも隠れ♂アサシン萌え(なんですと←男キャラの中では)
高確率で死にネタの入るこの作品、作風自体がとにかく物悲しいのですが
「しにがみのうた」のやるせなさは格別でした…。
どうでもいいけどチセって某最終兵器彼女思い出してしょうがないんですが!
冒頭で(感想描くたびに毎回触れてるけど)「キノの旅」と作風が似てるといいましたが
キノがほのぼのーとしてそうでどこか現実的な雰囲気が漂っているのに対し
しにがみのバラッド。は物悲しいのにどこか暖かい雰囲気なんですよね。
ここがキノと一番対比すべきところじゃないかと。
個人的にはかなり好きな作品ですー。