図書館戦争 | 今日もだらだら、読書日記。

図書館戦争

[著]有川 浩 [絵]徒花 スクモ

昭和の終わりに公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる「メディア良化法」と呼ばれる法律が制定され、様々な書物が検閲の上で没収・破棄されてしまうようになった。その悪法に対抗すべく、図書館は『図書館の自由法』によって彼らの超法規的な検閲に対抗する。高校生の頃、一人の図書館防衛員に助けてもらった経験を持つ郁は、彼を追いかけるように図書館の防衛員を志すが…
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政府のメディア弾圧に対抗する為、武装した図書館の中で繰り広げられるバトル&LOVEなお話。あらすじだけ読むと熱血系の人情系軍隊モノ?なんて思っていたのですが、見事に騙されました。これは良いバトルラブコメ。…というわけで、物凄い色々な人からひたすらお奨めされていた「図書館戦争」、結局アニメと漫画版の勢いを得て漸く読むことが出来ました…よ…。電車通勤時間が主な読書時間な人間にとって、ハードカバーは重くて敷居が高い…。

「メディア良化法」が昨今話題の児童ポルノ関連法案とオーバーラップしたり、何かと子供の犯罪を読書傾向の所為にしようとしたり……と架空の世界観ながら色々と現代と似通ったような部分が多くて、そういう現在の世相と照らし合わせて読むと倍面白かったです。検閲の理由がまた、凄くそれっぽいんだよなぁ…「“こじき”って単語がサベツ用語だから没収」とか、ちびクロサンボの話とか思い出して懐かしい。図書館からラノベを撤去されて怒った小学生達が、『大人の喧嘩』で立派に反論するくだりなんか、世間の政治家どもに読ませてやりたいところです。や、フィクションだけど。

本編の物語も非情に面白いんだけど、それ以上にキャラが魅力的。男勝りでズボラでバカだけど実はちょっぴり泣き虫で“王子様”に憧れちゃうような女の子・郁が凄く可愛くて、その破天荒な行動にひとときたりとも目が離せない感じ。そしてツンデレ全開な上司・堂上教官や、郁の良きライバルにして天然カタブツな手塚とのやりとりが非常に素敵なのです。特に手塚はイヤミなカタブツから天然ボケへの変わり身が早すぎて噴いた。

とにかく、まっすぐで人の考えの裏表なんて判らない郁と、遠まわしにしか郁への好意を表現できないツンデレ堂上の関係が、もどかしいやらこそばゆいやら可愛らしいやら…!!二人を取り巻く他のキャラクターたちも魅力的で、ニヤニヤが止まらない。個人的にはメインの3人も好きなんですが、玄田隊長と記者の折田さんの関係が非常に気になります。似たもの同志な二人の独特な雰囲気もさることながら、なんか色々と面白そうな過去がありそうで…。

ストーリー的にも、キャラクター的にも最高に魅力的で、まさに文句なしの面白さでした。
本が好きな人、昨今の児ポ法とかメディア統制に興味がある人には無条件でお奨めできるかも。
とりあえず早いところ続きを読まなくては…!!
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コメント

  1. 図書館戦争

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