ページ 160 | 今日もだらだら、読書日記。

▼ 最近の記事

お・り・が・み 龍の火

[著]林 トモアキ [絵]2C=がろあ?

魔殺協会から解放され、再会した母親の元で平和な学園生活を送り始めた鈴蘭。平和を噛みしめるのもつかの間、彼女の学校に新任の教師としてやってきたのは“ご主人様”こと魔殺協会社長・伊織貴瀬だった!!しかも理事長の孫から半ば脅迫されて伊織の過去を取り戻すのに協力する事になってしまい…
 

ご主人様こと伊織の知られざる過去に迫るお話。かなり口先だけで世の中渡ってきた悪役キャラ(「終わりのクロニクル」の佐山系?)だとばかり思っていたら、予想以上にエライ過去をお持ちで、びっくりしました。ドリルマニアの医者と過去を取り戻した伊織の会話が凄く良かったです。伊織もそうなんですがそれ以上にただのギャグキャラだと思っていた医者があんな二面性の持ち主だったとは…やめてくださいうっかり萌えちゃうからッ!!

あと数時間でクーデターが起きるという超劣勢の中、伊織が記憶を取り戻した事を切っ掛けに始まる快進撃に一気に引き込まれます。まさに反撃の狼煙のごとく、タイミングバッチリで登場する沙織のシーンなんか最高にかっこいい。そして挿絵でも登場する、伊織の“あの台詞”には本気で悶えます。あああああこれぞまさに“悪役”!!悪役萌え!悪役サイコー!!!

リップルラップルの過去にも何かありそうだし、ラストでのヴィゼータと伊織のやり取りなど、まだまだ波乱が起こりそうな予感で一杯で、続きを読むのが楽しみです。

そういえば、「マスラヲ」とこっちでみーこさんの口調が大分違った気がするんだけど、その辺の謎も読んで行けば明かされるのかな?

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秋津島二 惑いし宿命の乙女

[著]鷹野 祐希 [絵]水上 カオリ

託宣は「大物が動けば全てが動く」と告げた。恋人の仇を討つために、斎としての力が欲しい事に変わりはない…しかし、そんな理由で斎になってしまっていいのだろうか。諏訪・厳島の斎に出会い、自らの受け継いだものの重さを知った佐唯の胸には迷いが生まれる。何とか迷いを断ち切り、宿神儀式を行うため奈良に戻った彼女の元に、厳島の斎・弥彦から知らせが届き…
 

どこが?といわれると難しく、時にちょっと小難しくはあるのですが、地道に面白いですね。逆に言うとイマイチ盛り上がりに欠けて感想が書き辛かったりするんですが。

前回もかつて姉妹のようにそだった少女たちと戦う運命になったり、その少女の手によって恋人が殺されてしまったり…と非常に重い話でしたが、斎としての力を剥奪するという目的で襲われそうになったり、水百の過去にもいろいろあったり…と、ますますストーリーに重さが増していく印象です。奈良の面々にも受け入れられたというわけではないようですし、かつての妹分だった祥姫の黒化はますます進むし、厳島の斎・弥彦と宿神・市寸島比売にも妙なフラグが立ってしまっていそうな予感がするし、ラストに現れたあの人はどうみても…だし。しかし、そんな中で僅かながらではありますが前向きに自らの宿命を受け止めようとする佐唯の姿が素敵です。今後の展開がどうなっていくのか非常に楽しみ。

そんな中本当にわずかな間でしたが、奈良の大神神社で佐唯と感応して言葉を交わした大物主命のキャラが偉い素敵なのですが。とにかく重い空気の中彼のセリフだけが素敵に浮いてます。真顔で「禊の際に服を着て水を浴びるのはおかしい」「斎が自らの夫である宿神の前で全てを見せないのは変だ」だのと言い出した挙句、「禊の際は是非、服を脱げ」としきりに強要する神って、ほんとにどんなんだwこの作品唯一の清涼剤として是非今後も頑張っていただきたいものです(セクハラ発言を)

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愛でしか作ってません

[著]後藤田 ゆ花 [絵]沢内 サチヨ

「あたしたちを買ってください!」
YOIカンパニーで働く佐藤珠美は業界でも最大手のBL雑誌の編集者。ところが、親会社の赤字の煽りを食らい、自社が倒産することに!編集者達は自分達を丸ごと「買ってもらう」為、他出版社への身売り作戦をはじめたが…!?
 

いつぞや倒産した某BL大手出版(多分ビ●ロス)の元編集者が、自分の体験を元にして書いたというフィクション小説。…とはいうものの、きっとかなりの割合でノンフィクションなんだろうなあ…という気がしなくも。1社除いて、社名を隠す気ないですよねこれ!?(笑)

突然編集長に呼ばれて、言い渡されたのが「うちの会社が親会社の倒産を受け、連鎖倒産する可能性があります。お給料も出せません、次いつ出せるかも分かりません。」という言葉。それでも社に残留した女性編集者達が色々な葛藤を経ながら他の会社に身売りしようと奮闘する話。とにかく読んでいると主人公達のボーイズラブへの愛とか、“自分達が作っているもの”に対する誇りなんかが伝わってくる。ちょっと「私たちは腐女子のトップ・カリスマ腐女子」とか「うちが潰れたらBLが駄目になる」とか「自分が声を掛ける事で、作家の人生が変わる」とか全体的にちょっと自意識過剰っぽい表現が鼻にはつくのですが、ぶっちゃけこのくらい自分の仕事に愛情と自信持ってなかったら給料も無しで無償活動なんかしないと思うんですよね。とにかく、編集者達の「本気ぶり」が伝わってくる作品。

作家の原稿を取りに行ったり、倒産がほぼ決定した後にもコミケに同人作家を発掘しに行ったり、扱っているのがBLであるというのを理由にボロクソにけなされたり…と倒産の件で駆け回っているあたりの話は凄く楽しい。特に恐山出版の編集者と珠美がガチでぶつかり合うシーンは良かったです。屈辱に耐えながらも自分が大切に育てた作家を紹介したら、予想以上に真剣に受け止めてくれて…—という、編集者の態度の変化が凄く良かった。この人もただ頭からBLを否定しているのではなく、自分の仕事に誇りを持ってやっているんだろうなというのがなんとなく伝わってくる。それにしても結局“恐山出版”ってどこのことなんでしょうね。集英社?

しかし、筆者がある程度反映されているであろう「主人公」の珠美がこの本を書くに至るまでの経緯は正直余計だった気も。編集部身売りの場面では、何者にも流されず、編集部復活に向けて頑張る編集者達の姿が描かれているのに、あんまり信じていないけど同僚に誘われたので占いを受けに行って「小説家になりなさい」と言われ、流されて本を書き始めた…というのがあまりにも場に流されすぎで、なんだか微妙に感じてしまいました。本になった経緯もなんだかその場のノリっぽくて、なんか、これが本当なら本気で小説家目指してる人間に対してなんだか失礼な気がしてしまう。

倒産前夜にみんなで集まって、差し押さえられる前に作家達から預かった原稿や全プレの景品を送ってしまおうとするシーンが凄く印象的。封筒が足りなくて必死に他の封筒を使いまわしたり、エロい絵柄を隠そうと苦心したり…そんな事をしながら色々語り合って、やはり話はBLになってしまう、腐女子達のサガを感じます。その後の担当漫画家とのやりとりにもジーンとした。

色々とツッコミたい部分はあったけれど、BLが好きな人や編集者の仕事に興味がある人にはかなり楽しめるのではないかと思います。ある意味“ノンフィクション”であると歌っているからこそハチャメチャに書けたというのがあると思うし。題材はBLですが、普通に熱い物語なので耐性がある人にはオススメ。

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私の愛馬は凶悪です

[著]新井 輝 [絵]緋鍵 龍彦

クラスメイトの射水位里は凄くモテる…のはいいのだが、毎日とっかえひっかえ女の子と肉体関係を持っている。今日も彼の“予約”を取るためクラスにやってきた他校の女の子と、堂々とそういう話をしているのを見て我慢できなくなった高岡霧理は、二人を怒鳴りつけてしまった。どうせ馬の耳に念仏…と思っていたのだけど、何故か射水は霧理が彼の話し相手になるなら、女の子との関係を全て清算すると言い出して…!?
   個人的お気に入り度数

生真面目で庶民的な少女・霧理とお金持ちでド天然な射水くんが織り成す、ラブコメ(?)。うわあああこれは面白い。あと1週間早ければラノサイ杯の単発部門あんなに苦労しなかったのに!

そもそも人間との付き合い方自体が良く分かっていないっぽい天然わんこ・射水くんと常識人でツッコミ体質な霧理のどこかズレたやりとりがツボでした。というか主人公二人がどっちも凄く好みだったので、もうそれだけでも大満足。特に射水くんはド天然でヘタレで暗い過去と二面性とわんこ属性というすばらしい萌え要素の持ち主です。彼的には「水」といったら水道水じゃなくてミネラルウォーターで、「料理」といったらステーキのフルコースだったりするわけです。要所要所で射水くんの行動に萌え萌えしてしまいました。肉体的には歴戦のテクニシャン(笑)な射水くんは精神的にはぜんぜん子供で、霧理との関係もなんだか微笑ましくて、見ていると思わず顔がにやけてしまう感じ。

なんだかんだいいながらすっかり仲良くなった二人なのですが、霧理の妹・氷柱が射水くんの「予約」を取りたいと言い出した辺りからちょっと話がおかしくなり始めて…ていうか最近の若い子はどんだけ進んでるのかと霧理とともに小一時間問い詰めたい。若い子怖い!!!

出番は少ないけど姉思いの弟・進や霧理の親友・夏鈴も素敵でした。これだけ強引に「予約」をキャンセルしたんだから、それに対するしわ寄せが妹以外のどこかに来ないのが不自然だなあと感じていたら、実は夏鈴が駆け回ってブロックしてくれていたという。姉の危機だ!とばかりに“種馬”こと射水くんに殴りかかっていく進も可愛いくて、どれだけ霧理が周囲の人に愛されているのか、実感できるエピソードでした。

とにかく登場人物全てが魅力的で、読んでいてなんとなくほんわか出来る物語でしたが、ラストでストーリーが一気に急展開。二人の仲の進展も含め、次巻が楽しみな1冊です。




余談ですが、この本実はREMEMBER GENERATION FAIR 4thで当選して頂いたものだったりします。フェア前後に人知れず「リメジェネ作家の本に手をつける祭」を開催したのですが、この本だけ売り切れ続出で購入する事が出来ず……。
本を頂けたのも嬉しかったのですが、それ以上にフェアを機会に以前から気になっていた作品に手を出す切っ掛けになったのが凄く嬉しかったです。冊数が多くて断念した「BBB」「Room No.1301」「ご愁傷様二宮くん!」もいつか読破してみたい所存です。

先生方、素敵な本と出逢わせてくれて本当にありがとうございました!
4先生の今後のご活躍、楽しみにしてますっヽ(*´▽`)ノ

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カッティング Case of Mio

[著]翅田 大介 [絵]も

恐ろしく美少女で頭も良いが左腕に血の滲んだ包帯を巻いてリストカットの跡を晒し、クラスの中でも孤立している少女・西周ミオ。そんな彼女に一目惚れした相坂カズヤはミオに告白し、付き合うことになった。暫くはお互い隣り合って静かに本を読むだけの毎日が続いていたが、徐々にミオも心を開き始める。ところが、ある日ミオが通り魔に襲われて…
 

「リストカット」という題材自体は正直好きではないのですが、表紙絵に惹かれて購入。序盤の主人公の明らかに高校生らしからぬ言動にウンザリしかけたりしましたが、ミオの態度が変わってくる辺りから語り部である主人公・カズヤの態度も少しずつ変化してきて、それ以降は一気にストーリーに引き込まれました。正直、前半の主人公の言動をどれだけ許容できるかで相当評価が変わってしまいそうな作品です。まあ、その後も基本的に主人公は過剰なまでの気障発言を連発し、私たちを間違った意味でクラクラさせてくれますが……いいんかこんな高校生…

最初は会話もせずに本ばかり読んでいて周囲からも異様な目で見られていたのが、ミオがカズヤに話し掛けた事をきっかけに、本当に少しずつ二人の距離が縮まっていくという過程が凄く良かった。初めてのデートで緊張したり、互いの家に行って勉強したり……と、だんだん行動が普通の高校生カップルになっていくのが本当に素敵。

ただ、そういうもどかしい二人の関係が凄く気に入ってしまったので、中盤でミオが通り魔に襲われて以来の近未来SFっぽい設定がちょっと蛇足に思えてしまったり、みなかったり。後半を読んでいくと蛇足な設定ではない事がちゃんと分かるんだけど、そこにたどり着くまでが遅い。なんか普通にこのまま、リストカット少女と重度の中二病患者である主人公がお互いを感化しあって良くなっていく話でも良かったのになあとか思って、少し残念。

主人公が今まで自分に感じていた違和感の正体に気づいたり、ミオがリストカッターである真の理由が明かされる後半は、ある意味このストーリーで微妙に思っていた部分の種明かしを受けているようで面白かったです。確かにミオがただのリストカッターだったらもっとどろどろした話になっていた可能性が大きく、上手く説明を付けたなあと。ラストは青春らしい、熱い展開で最初予想していたのとは大きく違ったけど、楽しく読めました。

個人的には、主人公が中学時代にお世話になった元生徒会長・沙姫部先輩が非常にツボ。やはりラノベの生徒会長キャラは一味違うぜ!!

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なつき☆フルスイング! 2 真夏の夜のケツバット

[著]樹戸 英斗 [絵]ほんだ ありま

夏希に夢魔の研究協力を依頼しにやってきた虚像機関のスタッフに憑いていた夢魔が逃げ出した!虚像機関に協力するのは面白くないが夢魔の被害を広げるわけには行かない…と夢魔の捜索をはじめる二人だったが、先日の戦いで停止寸前に追い込まれたアルブバスターは、あと1回しか使えなくて!?
 

前巻と比べるとはっちゃけぶりが足りない気もしたけど(ケツバット描写が殆ど無い…!)、落ち着いた分爽やかな青春小説ぶりが増してるように感じるシリーズ第二段。夏希とその周囲の出番が抑え目な分、ストーリーが1つ1つ独立して「短編集」という印象が強くなりました。前回サブヒロイン格だった美姫子に至っては殆ど出番無い状態で、その辺はちょっと寂しいかも。

虚像機関からやってきた二人のうち、なりゆきでオズワルドに着いて来る事になったジェシカがオズワルドや夏希に振り回される姿が哀れ。毎晩の飲み比べを通して(?)最終的には夏希ともすっかり良い喧嘩友達状態になっていたけど、かっこいいお姉さんだけどどこかドジッ子で振り回され体質だなんてツボすぎます。今後の活躍に密かに期待w

1話は面白いけどそれなりという感じでしたが、2話以降右上がりで面白くなっていきます。泣かせて来る3話も面白かったですが、個人的には2話がお気に入り。就職活動が失敗続きの女子大生と、以前ダウジングで有名になった小学生が友達になるという話でしたが、最初後ろ向きだった二人がお互いの存在に感化されて前向きになっていくという過程が良かったです。直接的ではないけど何気に絡んでくる、夏希とジェシカの飲んだくれコンビも最高でした。

3話に登場する赤羽さおりの話は、展開が、露骨に智紀が夢魔に取り憑かれた時と同じだったのできっとそうなんだろうなあ…と思っていたら予想以上に重い話で、どんどん話に惹き込まれました。ラストはいい具合に夢魔に取り付かれていた事が良い方向に作用してくれて、ほっと一息。

毎回後ろに向かうにつれて加速度的に面白くなっていく感じのシリーズなんですが、ちょっと高低が激しい気がしなくも無いかな。1話も面白かったのですが、2・3話が飛びぬけて面白いからちょっと残念な気がしなくも無いです。

今回の最後で虚像機関の中でも過激な一派が登場してストーリーが大きく動き出す予感。今回みたいなのんびりした爽やか青春ストーリーが気に入っていたので良くも悪くも楽しみという感じですが、続編期待しています。

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「2007年上半期ライトノベルサイト杯」投票します

■ 「2007年上半期ライトノベルサイト杯」を開催します(平和の温故知新さん)
↑詳しいルールや投票の仕方等はこちらから↑

というわけで、今年も参加です!忘れそうだから連休中に片付けておこうかと(笑)
タイトルクリックで当サイト内の感想ページに、書影クリックでBK1の該当ページに飛びます。
また、基本的にオススメ度の高い順に並んでいます。
(つまり、上半期で一番オススメのシリーズは単発は「連射王」、シリーズは「殺×愛」という事ですね)

シリーズ部門はあっさり決まったけど単発部門の「連射王」「ヴァーテックテイルズ」以外が
どれも微妙なラインで並びすぎてまじめに困りました…
余程2作品で終了しようかとも思ったのですが、最終的にはこんなかんじに。

シリーズ部門は、ほんと迷いなかったな自分。

単発部門

【07上期ラノベ投票/単発/4840237344】
連射王(上・下)(川上 稔著/メディアワークス/2007.1)

どんなことにも本気になれないと悩む少年・高村コウが、シューティングをワンコインクリアしている青年に出会い、自分も“ファーストプレイ・ワンコインクリア”を目指す物語。題材的に異色に思えますが熱?い「青春小説」。テンポ良く畳み掛ける文体が更に熱さを煽ります。コウと岩田の恋愛模様にも要注目!


【07上期ラノベ投票/単発/4829163828】
麗しのシャーロットに捧ぐ ヴァーテックテイルズ
  (尾関 修一〔著〕/富士見書房/2007.1)


ある人形作家の屋敷で、シャーロットというメイドの少女を中心に巡り繰り広げられるゴシックホラー小説。3つのストーリーが時系列バラバラに展開され、大きなミスリードも仕掛けられており最後まで全く先が読めないミステリーでした。絵柄の雰囲気的な問題で挿絵画家の人選間違えてる気がしたけど。


【07上期ラノベ投票/単発/4840237182】
なつき☆フルスイング! ケツバット女、笑う夏希。
  (樹戸 英斗〔著〕/メディアワークス/2007.2)


故障の為野球部を休部中の少年・智紀と破天荒で強引でヘンテコなケツバット女・夏希が人に取り憑いた夢魔を払っていく物語。夏希のキャラクター性やゲストキャラクター達の一生懸命な生き様もよかったのですが、それだけに3章で明かされる夏希の過去話は衝撃的でした。


【07上期ラノベ投票/単発/4894255383】
ゴッデス! 1.女神さまって大変なの♪
  (ひかわ 玲子著/ホビージャパン/2007.4)


突然飛ばされた異世界で“女神さま”をやることになってしまった少女二人のお話。そこ世界は神々の力をお互いが奪い合うという弱肉強食の世界で?!?と、予想以上にシビアな物語でした。騙し合い・裏切りもしょっちゅうで先が見えません。そして凶悪な次巻への巻引き…続編はいつ出るんだー!

【07上期ラノベ投票/単発/4757733283】
声で魅せてよベイビー(木本 雅彦著/エンターブレイン/2007.2)

昔ながらのマイコンオタク少年とイマドキで声優志望な腐女子のラブコメ。同じ“オタク”でありながら考え方が全く違う二人が感化しあっていく様子が凄く良かったです。続編が読んでみたいシリーズのひとつ。ただ、やっぱしヒロインの腐女子設定はいらないと思うわけですが。

シリーズ部門

【07上期ラノベ投票/複数/4829119330】
殺×愛?きるらぶ?(風見 周著/富士見書房/2007.6)

遂に完結。5巻目くらいから目に見えて面白くなってきました。遂に迎えた“卒業式”での出来事、そして大どんでん返しとしか言いようが無い最終巻のエピローグは涙無しには読めません。ヒソカと咲夜だけじゃなく、この物語全ての登場人物にエールを送りたくなるような、最高のエンディングでした。前半の巻で止まってる人も、この機会に是非読んで欲しいです。


【07上期ラノベ投票/複数/482911911X】
フルメタル・パニック!(賀東 招二著/富士見書房/2007.3)

「つづく?」「燃える?」と劣勢気味だったミスリルのメンバーが集結、大反撃をはじめる最新刊。破壊されたARX-7の後継機も登場し、宗介とかなめも…な、熱すぎる展開。…なんてのは置いといて、宗介×かなめ萌えとしてはラストのバカップル全開なやりとりだけでもう100票位投じたい勢い。

「何人死んだって???何百、何万、何億人死んだって構わないから。だから、あたしを迎えに来なさい!あんたの持てるすべて??そのクソの役にも立たない、非常識で迷惑極まりない兵隊の技能を総動員して、どんなにヤバい相手でもギッタギタにやっつけて、あたしを抱きしめに来なさい!!」

は今年一番の名言だと思います。

【07上期ラノベ投票/複数/4840238820】
レジンキャストミルク(藤原 祐〔著〕/メディアワークス/2007.6)

今までラノサイ杯の候補に毎回挙げておきながらどうにもあと1押したりなくて、次点落ちの常連シリーズと化していたこのシリーズですが、今回は殊子先輩ひとりの為に全力で1票投じます。7巻での殊子・蜜姉妹のやり取りがどうしようもなくツボでした。ちなみに次点は6巻佐伯ネア先生のボンテージ白衣w

【07上期ラノベ投票/複数/4840238499】
扉の外(土橋 真二郎〔著〕/メディアワークス/2007.5)

閉塞感溢れる宇宙船の中に閉じ込められ、何者かに生与剥奪件を握られた高校二年生の生徒達が、提示されたゲームに挑まされる物語。1巻を読んだときは、アイデアはとにかく主人公に全く感情移入できず、ラストも駄目だったんですけど2巻で一気にツボな作品に化けました。進むごとに度を増していく人間同士の裏切り・騙しあいも秀逸で、続きが楽しみなシリーズです。

【07上期ラノベ投票/複数/4829119187】
黄昏色の詠使い(細音 啓著/富士見書房/2007.5)

5色の媒介を元に自らの心を形にする「名詠式」を学ぶ学校を舞台に、母の志を継ぎ5色どれにも属さない色“夜色名詠”の確立を目指す少年・ネイトの物語。綺麗で優しい気分にさせてくれるシリーズです。特に名詠式の詠唱呪文が凄く綺麗で、何度も読み返したくなるような魅力です。

以下次点作品

【単発部門】
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん …主人公がいーちゃんすぎて押し切れなかった。嘘だけど。
ミミズクと夜の王 …いや、ライトノベルサイト杯じゃなかったら入れたと思うよ?
遭えば編するヤツら …ISBNがないので投票不能っぽい?

【シリーズ部門】
キスとDO-JIN! …是非執事票を投じたかったです。
Fate/Zero …ISBNないから対照作品外だよなあ。イスカンダルとヴェイパーに一票投じたかった。
学園キノ …大変惜しい事にギリギリ7月発売でした。

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9S<ナインエス>8

[著]葉山 透 [絵]山本 ヤマト

由宇から遺産の知識を手に入れ、その力で遺産犯罪の根絶を目指す黒川率いる海星。彼らの強引なやり口に憤る者と犠牲が出ても遺産犯罪が無くなる事を喜ばしいことと受け止める者で世論は二つに割れる。一方、元気のない、というよりも生気の感じられない由宇を心配した闘真と麻耶は彼女を立ち直らせようとするが…
 

1年ぶりの新刊。7巻の感想でも言ってるけど、恐ろしいほどに既刊の内容が把握できていないのはどうして。6?7巻の内容が不思議なくらいに頭に残っていなくて、そこに1年3ヶ月のブランクは厳しいです。基本的に中盤以降になるとどんどんストーリーに引き込まれるんだけど、序盤が…やはり一度シリーズ通して読み返したいものですが、なかなか時間がとれず…。「禁書目録」にも言えるんだけど、やはりこういうシリーズには大まかなキャラクター紹介とあらすじの掲載を強く要求したい!!

思い悩む由宇を励まそうとして、何故か一緒にお風呂に入ろうとしたり(読者サービス?)、途中から突然お嬢様vs穴倉娘バトルに発展したり…と、麻耶ちゃんの活躍が何気にかわいい(今回に限っては相当役立たずだけどw)。特に由宇をやり込める麻耶お嬢様。最高です。

結局、思い悩む由宇を完全復活させるのが闘真の言葉となるのですが、その言葉は同時に闘真に嫉妬心を芽生えさせて…と今回はさりげなく二人のラブラブも見所です。闘真は元からちょっとそんなケがありましたが、由宇も何気にしっかり今回は闘真LOVEな所を覗かせます。特に深海でのやりとりはやばいです。珍しく取り乱す由宇もかわいいのですが、どれだけ闘真は由宇しか見えてないのかと。

終盤では前述の深海でのやり取りをはじめ、いつものごとくジェットコースターのように怒涛の展開が襲ってきます。どのやりとりも魅力のあるものばかりですが、個人的に一番評価したいのが八代vsマモン。優男で昼行灯な八代の本領発揮、素晴らしいまでの知略と甘さにシビれました。どうしよう、闘真も好きなんだけど現在このシリーズの中で一番、八代が好きかもしれない。

というわけで、続きが激しく気になる状態で幕引きされてますが、9巻は是非早めに出してほしいなあ…とか思う今日この頃です。確かにある程度キャラクターを把握してなくても読めるんだけど、8巻の内容を忘れる前に次を読みたいというのが本音だったり。

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学園キノ2

[著]時雨沢 恵一 [絵]黒星 紅白

美少女ガンファイターライダー・キノに変身しちゃうごく普通の女子高生・木乃は今日も元気にカレー屋で大食いチャレンジに挑戦していた。5人分はあろうかというポークカレーを間食して賞金を貰い、大満足な木乃。しかし、そんな彼女を見つめる黒い影が…!?これは“キノの旅?the Beautiful World?”とはまるで関係なく、女子高生の木乃と人語を喋るストラップ・エルメスが繰り広げる、硝煙反応たっぷりの連射乱射な物語。第二弾。
 


なるほど、時代は静×陸だったのか!!
時雨沢先生のはっちゃけっぷりはいつもの通りですが今回はなんだか黒星先生が間違った方向に全開です。最後!最後!!いっそ陸太郎は誘い受けを通り越して襲い受けになってしまえばいいと思います。憎しみとか色々まざりあって転じて愛情になっちゃえばいいと思うよ。むしろ個人的にはリクシズの方がこのm…ゲフンゲフン。しかし黒星先生、そっち方面の耐性あったんですね。

内容的にもテンション的にも1巻を読んだときよりも多少落ち着いてきて、はっちゃけぶりは抑え目ですが本編「キノの旅」の美味しい部分もいい具合に取り込んで、本編では出来ない事をやっているという感じが凄く良いです。「茶子の爆弾物語」で魔物に取り込まれた生徒が見ていた“夢”なんかは、なんだかいかにもキノの旅の作者さんという感じの纏め方だったし、文化祭で自作品のセルフパロディをするのもあとがきで語られている通り、この作品では出来ないであろう試みで面白かった。ラストの静の外伝は特に「キノの旅番外編」という印象ですね。

まあそういう真面目な感想はおいといて、今回はパロディネタも全開です。なんか脳内で植物の種が弾けたり三倍だったり俺の歌を聴けー!だったり…至る所で所狭しと詰め込まれたパロディに脱帽です。まさにこの企画だからこそ出来た詰め込み具合といえるんじゃないでしょうか。(パロディネタについては、こちらのサイトさんで詳しくまとめられてます。私半分もわからなかったよ…時雨沢恵一…恐ろしい子!!)

つか、よもやこんなところで「計画通り!」が出るとは思わなかったよブラザー。

個人的にはもういっそのことこちらが本編になってしまえばいいよくらいは思っているので(笑)来年また3巻にお目にかかれる事を祈ってますが…流石に一発ネタ的企画だけに厳しいかなぁ?

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とある魔術の禁書目録SS

[著]鎌池 和馬 [絵]灰村 キヨタカ

遂にローマ正教と学園都市が戦争をはじめる……とはいっても、学園都市で生活する大多数の生徒達にそんな実感はない。戦争の影響で食料が値上げされると心配した吹寄が今のうちに鍋を作りたいと言い出したら、いつのまにやらクラス全員(+α)ですき焼きパーティに行く事になってしまって!?
 

「とある魔術の禁書目録」の外伝短編集。13巻と14巻の間のひと時の平和が描かれていて、割とストーリーに重要そうな話もあり、普通に「14」にしてしまっても違和感なかったのでは…5巻とかもなんかこんなノリだった記憶がありますし。

戦争に実感が沸かなくて値上がりの影響なんか心配してるクラスメイト達と、一連の事件で魔術側の事件に多くかかわってしまった当麻の隔絶が妙にうすら寒かったです。確かに当麻の想像するとおり、真っ先に前線に送られるのはいくらでも替えが利く普通の生徒達で、しかも本人達はそれに全く気づいてなくて…というのが。ぜんぜん外れた感想になってしまうけど、ほんと気づかないうちに自分達が巻き込まれていってしまう“戦争”って怖い。

しかし、ちょっと人数が増えすぎて把握が追いつかない分が多々。海原光貴もそうだけど、シェリー=クロムウェルは前の巻あたりからずっと「…この人、当然のように出てきてるけど誰だっけ?」状態でした。前回登場したサーシャも思い出すのに時間が必要だったし、結標も8巻が印象に残ってない人にはキツかったんじゃないですか?せっかく「短編集」だったわけだし、上手い事各キャラの設定を再確認させるような使い方をして欲しかったです。つか、こういうキャラクター数の無駄に多い作品は最初のページに軽く人物紹介を載せろと。

前回で「打ち止め」達と訣別し、彼女達を守るために海原の誘いを受けて“グループ”の一員となった一方通行。もうすっかり裏主人公というか禁書シリーズの真の主役状態だったりしますが、自分の大事な人を守るために敢えて裏道を行こうとキモを据えて、ますますかっこよくなってます。特にラストの見開きで描かれる“グループ”は「ヒール(悪役)」って言葉が恐ろしいまでに似合うイラストでした。

それにしても、一方通行の大活躍に押されて今回の当麻は出番少なめですが、少ない出番で光りすぎです。魔術側と対峙する際に言葉が通じないと説教できないからと外国語を学ぼうと決意するシーンではうっかり噴き出しましたが、それを本気で言っているというのが恐ろしい…。あと、「レベル0」の集団であるスチルアウトに向けて放った言葉は同じレベル0の当麻だからこそ響く何かがありました。久々にクリティカルヒットな説教を聴いた(笑)

良い意味で「悪役」として、裏主人公的な立場を確立した一方通行と、その正逆の位置に居る当麻。この見事なすれ違いっぷりもまた良いですが、完結するまでには1度くらい二人が手を組む姿がみたいなあ。

魔術側と科学側の戦争に向け加速する本作、続きが本当に楽しみです。

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