ページ 163 | 今日もだらだら、読書日記。

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嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸

[著]入間 人間 [絵]左

まーちゃんと僕ことみーくんは、誘拐事件の被害者だ。酷い虐待を受けたまーちゃんの心はすっかり壊れてしまった。そして僕は「嘘つき」になった。そして8年後、同じ街で連続殺人事件と誘拐事件が起こる。僕は8年ぶりにまーちゃんと接触するのだが…
 

噂通りとってもヤンデレな内容ですね。
ストーリー全体が実に病んでるのですが、いっそ病みすぎてノリが軽い。まーちゃんも凄くヤンデレなんだけど、あまりにもテンプレ通りのヤンデレというか、ヤンデレの行動テンプレに基づいて行動しているだけのヤンデレという印象を受けてしまって、ヤンデレキャラが高確率で持っている「その行動にゾクっとさせられる」ような薄気味悪さが無い。ヤンデレ萌えの最大の萌え所って、ある意味二重人格萌えみたいなもんで、普通の女の子がとある刺激によって突然ヤンデレ的行動をとり始める恐怖見たいなのだと思うんだけど、まーちゃんには「普通の女の子」としての書き込みがあまりにも足りないというか…なんというか分類すると、ライト・ヤンデレ・ノベル?(色々な意味で)

誘拐事件をきっかけに壊れてしまったため、人間としての“常識”から外れて行動してしまっているまーちゃんと、敢えてそういう“常識”を見ないで居るみーくんの二人が織り成すお話なので、やっている事はかなりアレなのに全く罪悪感が匂ってこないというか…二人が壊れるきっかけを作った「誘拐事件」にすらもあまり重さを感じない不思議。ある意味新しい感覚。

「まーちゃん」
マユの額の髪を指で梳きながら、諦め混じりに問い掛けた。
「君、あの子達を拉致っちゃった?」
「うん!」
当たり前のように、元気一杯の返事を頂戴した。

色々な意味で、↑の文章がこの作品の一風変わった「軽さ」を全力で体現してる気がします。

まーちゃんとみーくんの異常にテンションの高いノリの会話は、良くも悪くも劣化・西尾維新という印象が強かったかも。玖渚友といーちゃんが主人公の「化物語」という印象受けました。会話にやたらと他作品ネタが絡んでくるところが維新っぽく感じた最大の原因なんだろうなあ…あとみーくんがものすごくいーちゃんとキャラ被る。ただ、凄くこういうノリの会話は好きなので個人的には全く問題ないですが。

なんかもう、「面白い」といえばいいのか「面白くない」といえばいいのかすらわかんない作品でした。判別不能です。○点評価とかしてなくてよかったと実に思います。5点とも言えるし2点ともいえる気がする。とりあえずちょっと分かりづらい所が多かったんで次を出して欲しいような…でもこの終わりで続編を望むのは難しいのかな。

あ、個人的にはカウンセラーの恋日先生と警察の上社さんがめちゃくちゃ好みです。

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狼と香辛料3

[著]支倉 凍砂 [絵]文倉 十

クメルスンは冬の大市と祭で賑わっていた。商売と、ホロの故郷であるヨイツの情報を求めて町に行く途中で二人は魚商人・アマーティと出会う。どうやら彼はホロに気があるらしく、最初は色々世話を焼いてくれたのだが、二人の関係を誤解したアマーティは自分とホロとの結婚を認めさせようと勝負を挑んで来る。ホロがアマーティとの結婚にに首を振るわけが無い…と最初は取り合わなかったロレンスだが、ホロとのすれ違いがとんでもない事態を生んで…?!
 

コメント欄でお勧めしていただいたので予定を繰り上げて読んでみました。確かに3巻でますます面白くなってる。今まで個人的に唯一のネックになっていた前半のグダグダ感も殆ど感じませんでした。

なんか二人の関係が今まで以上に凄く良いですね?。ホロが疑うたびに何かと「嘘をついてないの、判るだろ?」と切り返してくるロレンスにニヤニヤします。そしてアマーティという“恋仇”の存在によって浮き彫りにされる、お互いの存在の大きさ。後半のいつになく弱気なホロが可愛くて仕方ありません。

それにしても、アマーティのかませ犬っぷりは最後の方になるとちょっと可哀想になっちゃいますね。せっかくの美少年キャラなのに扱いがよろしくないよ!!!あ、でもどちらかというと私はラント君も実に好みなのでオールオッケー。(ああっ、なんだか今凄く名作を台無しにした気がする!!)

今までのような命の危険や商人生命の危機は全く無いんだけど、「ホロがいない」というだけで緊迫感はシリーズ最高級。殆ど無理であろうというところから必死に一人で巻き返そうとするロレンスの姿には手に汗握るものがありました。そして、ダメかと思ったその時…!という巻き返しの過程が凄く良かったです。しかし今回は「信用売り」が理解しきれてなくて、イマイチ途中でなにやってるか良くわかんなかったんですがorz

ホロの故郷にして旅の最終目的地となる筈のヨイツの場所もわかった事だし、二人の旅が今後どうなるのか、楽しみです。

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狼と香辛料2

[著]支倉 凍砂 [絵]文倉 十

港町パッツィオで儲けた香辛料でを売りに行ったロレンスとホロ。仕掛けられた罠を見抜き、その弱みで武器の信用買いを行った二人は意気揚々と教会都市リュビンハイゲンへ向かったが、罠に嵌められて大損を出してしまう。一転して破産の危機に襲われたロレンスは危険な賭けに打って出るのだが…
 

なんか面白くなってくる…というか尻に火が付くまでが長いシリーズだなあ…“経済”という特殊なテーマを使ったライトノベルなので仕方ないのですが、ちと経済関係の薀蓄がまどろっこしく感じて、そこでいつも詰まる。二人が窮地に陥ってからの展開はめちゃくちゃ面白く、一気に読めてしまうのですがそこに至る道のりがちょっと長い。ホロとロレンスの掛け合いは凄く微笑ましくて面白いのですが…。

ほのぼのとした前半から打って変わって、後半の展開は非常にハード。少しだけの援助を求めた際に“そんな非常時に女(ホロ)を連れ歩くとは何事だ”といわれて援助を断られてしまった場面では思わず読んでいて背筋が凍りました。そして裏切りに次ぐ裏切り…とにかく一度エンジンに火が付けば最後まで気が抜けません。文句なしに面白かったです!

…ただ、やっぱ前半がちょっとダルい。私自身があまりただほのぼの?としているだけの小説が得意ではないというのが大きくあるんだけど、ちょっとホロとロレンスの微笑ましい掛け合いに萌えるだけで読み進むにはキツイものがあった。二人の掛け合い以外の部分が良くも悪くも硬いからかな。でも「Missing」みたいに薀蓄が多くても楽しめた作品は私にも結構あるわけで…。

物凄く面白い」「ホロとロレンスの掛け合い超サイコー」という点においては否定しないんだけど、去年の今頃の「狼と香辛料」フィーバー思い出すと、やっぱりちょっと「想像してたよりは」面白くないなあとか思っちゃって残念な感じ。我ながらどんだけ面白い作品を期待していたのかという感じなんですけど(笑)

何の前情報も無しに読めばもっと素直に楽しめたのかなあ?

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イラストレーター買い…むしろ「巻頭カラーページ買い」の話

超個人的「この作家の別シリーズは読む!」(「いつも感想中」さん)
ライトノベルの「作家買い」詳細解説と個人的な事例とか「イラスト買い」とか(「平和の温故知新@はてな」さん)

作者買いの話を読んで、考えてみると殆ど私はライトノベルで「作者買い」をしていないことに気づきました。一応自分の好きなシリーズの作者の別シリーズが出ると、それなりに気になることは気になるんですが高確率で購入には至らないというか、なんというか。

なんでだろうと思ってたんですが、殆どの作品において作者の作品は気になるがイラストレーターが微妙だった事に思い当たってみたり。ライトノベルは個人的に文章と絵があってナンボだと思っているので、私の場合は挿絵もツボに来ないと高い割合で購入に至りません。というか、この作者ならきっと面白いに違いない!っていうのはあるのに読む気がしないのはなぜだろう。

考えてみると私が今のところ完全な「作者買い」をしてる作者って
 ・川上稔
 ・甲田学人
 ・岩井恭平
 ・中村恵理加
くらいしかいないんですよね。
あれだけプッシュしまくっているフルメタですら同作者の「ドラグネット・ミラージュ」からまず未読…というか序盤で挫折中。1巻は書いてるのは違うので致し方ないといえば仕方ないのか…い、いつか頑張って読もう…。あと新井素子もエッセイ関係は高確率でスルーしてしまっています(あちらは冊数多すぎるというのもあるけど)

というわけで私の場合は作者買いでもイラストレーター買いでもなく、作者&挿絵コンビ買いになる確立が高いです。まあ同じ作者と同じイラストレーターで安心して読めるというのもあるのでしょうが…。「川上稔&さとやすコンビ」をはじめ、「藤原祐&椋本夏夜コンビ」とか「三上延&純珪一」コンビとか来ると確実ですね。私は途中で挫折してしまいましたが「時雨沢恵一&黒星紅白コンビ」なんてのも世間的には人気かもしれません。

しかしそれ以上に「前情報全く無しで新シリーズに手を出す」という場合、私は巻頭にあるカラーページをめちゃくちゃ重視します。表紙が気に入ったら手にとって、巻頭カラーをペラペラ眺めて、それでピンと来るものがあればあらすじを読んでレジに…という寸法です。公式サイトや感想ブログで気になった作品も巻頭カラーがイマイチだとスルーしてる、というのも多かったりします。

というわけで、自分の中で巻頭カラーの果たす責任は恐ろしく重大になります。基本的には、この数ページに作品の雰囲気が全て凝縮されていると考えているからです(内容と巻頭カラーが予想以上に違って地雷を踏む事も多いのですが…)

自分的に「巻頭カラー買い」だった作品

スカイワード1(著:マサト真希/挿絵:橘由宇)
この本、作者さんの文章が非常に独特なのですが(句読点を使わないで畳み掛けるような文体を時々使う)そういう文章を巻頭カラーページに掲載していたため、思わずその文体が気になって購入。巻頭カラーイラストではなく「巻頭カラーの文章」に惹かれた一例。2巻以降はこの文体が鳴りを潜めてしまって作品の雰囲気も大幅に変わってしまって寂しかった記憶が…次シリーズの「絶世少女ディフェンソル」は未読。
オンライン書店ビーケーワン:スカイワード

ウィッチマズルカ1 魔法、使えますか?(著:水口 敬文/挿絵:すまき俊悟)
とにかく見開きで描かれる未玖の願種召喚シーンが素敵。その後のバトルシーンでもその挿絵が1枚あったお陰で凄く場面が想像しやすかったです。ライトノベルの中でも有数にお気に入りな巻頭カラー絵。
オンライン書店ビーケーワン:ウィッチマズルカ 1

レジンキャストミルク4(著:藤原祐/挿絵:椋本夏夜)
もともと椋本夏夜さんのファンをしている私なので、かなり作者&挿絵コンビ買い入ってるシリーズなのですが、巻頭カラー部分が際立ってる小説なので紹介。特に3巻以降の漫画は何かが覚醒しているというか…椋本夏夜さんの脳裏でマカデミアナッツサイズの何かが弾けたとしか思えません。本編のダークを軽やかにスルーして、巻頭カラーで「プリン王国」だのなんだのやりだすセンスが最高です。
オンライン書店ビーケーワン:レジンキャストミルク 4

撲殺天使ドクロちゃんです(原作:おかゆまさき/アンソロジー)
だから、なんでこんなところにいるんですかCLAMP先生。
一人だけ明らかに浮いてます。なんというか空気読めてません。しかもどうみても侑子さん(xxxHolic)がいらっしゃいます。
インパクト強すぎでした。うっかり買っちゃったじゃないですか。やってくれやがったな電撃編集部。完敗です。本当にありがとうございました。
オンライン書店ビーケーワン:撲殺天使ドクロちゃんです

私の場合はこんな感じですが、世間のライトノベルブログ管理人さんにとって「前情報の無い新シリーズ」を手にとるポイントはどの辺になるのかがちょっと気になったりします。やっぱ完全イラスト重視な自分の買い方はライトノベル好きとしては希少なんですかねー。

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天空のアルカミレス5 聖婚の日

[著]三上 延 [絵]純 珪一

先日目にした戦いでの拓也の様子に一抹の不安を覚えた礼菜は、ルスラン=ヴォルクに連れ去られてしまった日向子を助けるために鞠子と共に“城(カストラ)”に潜入した。これ以上拓也を戦わせないために。しかし、礼菜達が居ない事に気づいた拓也も享司の手を借り、二人を追う。そして“城”にたどり着いた一行に、次々と真実が明かされる…!
 

最終巻だという割りに、全体的に地味というかなんというか…打ち切り臭さえ漂うラストバトルだったのがちょっと不満です。次々に真実が明かされ…………ていくのはいいんだけど、せっかくのおいしい設定を数十ページのために浪費している感が否めなかったというか。

金色の戦器以外は全く扱えない特殊なアルカミレスであった拓也の正体、そして彼の過去、日向子の正体とその本物の戦器、ルスランの真の目的だのグロスマンの戦器の正体だの享司の真意だのが一気に明かされるのでちょっと読んでる側としては置いてかれ気味というか…もう少し早めに明かすか、もう1巻くらい続けて見せ場を作ってあげても良かったんじゃないかみたいな設定が多かったのが残念です。特に日向子は結局最後まで戦力としてはどこまでもかませ犬みたいな印象がぬぐえなかったし(その分“ヒロイン”としての魅せ場が多かったのでなんともいえないんだけど…)、享司の正体も普通に考えたら相当美味しいのにラストバトルの捨て駒以外の役割を果たせていないのが本当に残念。

ついでになんというかルスランの行動原理がえらいしょぼ…ゲフンゲフン。

しかし、その部分を除けばあれだけたくさんあった伏線を綺麗に消化して、ちゃんと各キャラの見せ場も作って…とかなり上手い終わり方だったと思います。ただ、なんというかイマイチ盛り上がりに欠けるというか…どこかのサイトさんの感想で読んで納得したんだけど、なんか面白いけど「地味」なんだよね。この人の作風は。

キャラクター的には主人公&幼馴染2人も大変良いのですが、それ以上に脇役が光っていた作品だと思います。特に毬子が友典と出会うことで少しずつ変わっていく過程は凄く好きだったです。あと、とにかく享司が凄くいいキャラでした!というか、良いキャラだったからこそラストバトルの扱いが気に食わなかったんですけど…。

地味ながら堅実に面白いお話を書いてくれる作者さんなので、次回作も楽しみにしたいと思います。

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黄昏色の詠使い2 奏でる少女の道行きは

[著]細音 啓 [絵]竹岡 美穂

競演会で破壊された校舎の修復工事の影響で、新入生の集中補習を海の傍にある分校で行う事になった。すっかり修学旅行気分で補習を満喫する生徒達だったが、その傍にある研究所で大変な事件が起こっていた。校長の命を受け、研究所を調査しに行った教師のゼッセルとエンネが行方不明になってしまい…!?
 

「祓名民(ジルジエ)」という、名詠士が召還したモノを還すために使う“反唱”に特化した一族でも天才とうたわれ、しかしその道に反発してトレミア・アカデミーで名詠士を目指している少女・エイダ。そして前回とんでもない名詠に成功してしまい、自らの力に怯えるクルーエル。今回は迷える二人にそれぞれの道行きが示されるというお話。

今回は作品固有の圧倒的な美しさみたいなのが控えめな印象だったのがちょっと寂しかったかも(名詠シーンが少なめだったからか…?)。でも相変わらず、作品に流れる“綺麗さ”というか、“優しさ”みたいなのが際立っている作品です。

道を選んだ二人の目の覚めるような活躍も凄く素敵だったのですが、今回は個人的に行方不明の先生二人を追って研究所に乗り込んだネイト達の担任の先生・ケイト先生がものすごいかっこよかったです。ゼッセル&エンネのベテラン先生コンビと違って名詠士としての実力はイ・#125;イチなのですが、生徒を必死で護ろうとする姿が印象的でした。そして忘れていけないもう1人の人物がやはりエイダの親友であるサージェス。こういう控えめに影から支えて上げられるタイプの相棒って凄く素敵だと思います。

ネイトの「夜色名詠」をはじめとした、本編のキモになる部分には殆ど触れられない回だったのですが、毎回凄く「魅せて」くれる作品なので出来ればゆっくり続いて欲しいシリーズかもしれません。来月発売予定の続編が楽しみです!

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モンスターズ・イン・パラダイス2

[著]縞田 理理 [絵]山田 睦月

ようやくパートナーらしくなってきたカートとジョエル。ところが、ある日二人も良く通っていた“神話的人類”が多く集う店<十字路亭>の看板ウェイトレス・サブリナが<パッシング禁止法>(種族を偽ることを禁止する法律)違反で逮捕されてしまう。一見人間にしか見えないサブリナだが、1/32だけサイレンの血を引いていたのだ。二人はサブリナを救う為、ある人物に弁護を依頼するのだが…
 

逮捕されたサブリナを救う為に二人が奔走する話と、“獅子神殿”に仕えるメイド・ミリシャのお話と、短編を1話収録。相変わらずなんだか微笑ましいジョエルとカートのコンビですが、少しずつ本編はシリアスモードに入ってきました。かなりお気に入りになってしまったシリーズなので、次巻で完結というのがかなり残念です。

Vであるカートにも物怖じしなくなってきたジョエルのお陰で少しずつ職場の雰囲気が変わってきて、思わずニヤニヤとしてしまいます。まだまだしこりはあるけど、ムーニーやパーカーとのやりとりなんかはすっかり普通の同僚同士のやりとりという感じになってきて、1巻でのカートの態度を思い出すと非常に微笑ましい。

『32分の1のサイレン』は↑の粗筋でも紹介している通り、法廷バトル。敏腕かつかっこいいVの弁護士・デウローが絶望的な状況をひっくり返す姿はまさに爽快。ていうかこれ、なんて逆転裁判?

次の『赤革の手帳』はこのデウロー弁護士とメイドのミリシャが出会う話。過去を乗り越え、前向きに歩き出すミリシャの姿は凄く感慨深いんですが、デウロー弁護士が…あああ。いいキャラだっただけにもう少し彼女の活躍を見たかったです。やっぱりもう2?3巻続いてくれても良かったのになあ。

そしてラストでせっかく良い感じに築かれてきたジョニーとカートのコンビに亀裂が…人間&異種族コンビのお話だと良くあるパターンといえなくもないのですが、二人がどうやって亀裂を修復するか、最終巻を楽しみに待ちたいと思います。

ていうか、ラストのあの展開を読んだ後だとラストの短編『クリームソーダ・ウォーズ』が非常に切なく思えるのはなぜだろう。あくまで無意識に昔のいじめっ子を追い詰めるジョエルが実に良いです。ぶっちゃけラストの短編が一番ツボだったかもしれない(笑)

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レジンキャストミルク7

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

全ての虚軸を消すため動き出した城島樹とその計画の柱となる城島鏡、そして“無限回廊”。彼らの元から森町芹菜を助け出すため、晶達も行動を開始した。危険は承知の上で無限回廊に晶と硝子が戦いを挑み、そしてその間手薄になった学校を殊子・蜜・ネア・里緒が守るという作戦を立てるのだが、学校には思いもよらぬ強敵が襲い掛かり…
   個人的お気に入り度数

なんだかんだいって前巻で捨て切れていなかった“日常”を完璧に捨て去った晶達の反撃戦。以前のように仲間達を利用し抜くという決意を固めつつも彼女達に置く全幅の信頼が凄く頼もしかったです。

そんなこんなでなんとか色々と吹っ切れた事も手伝って殆ど晶・硝子コンビが最強状態。今まで手も足も出す事が出来なかった“無限回廊”に遂に一矢報う事に成功。“無限回廊”と戦っているときの晶は本当に生き生きしていて、なんだか今回は本当に良かった。二人が皮肉交じりに口にする“兄弟喧嘩”という言葉にふさわしい戦いだったと思う。今までのこのシリーズには無いくらい、すがすがしいバトルでした。



でもその後が。
もう、何を言えばよいのか…。
確かに読み返すとこれでもかっていうくらい死亡フラグ立てまくり(ネタバレ)なんですけども…。
なんかどこかで、今回最後に至るであろう道が見えていながらも、暫く彼女の死を認めることが出来なかった蜜(ネタバレ)のように「それはないよね」って自分に言い聞かせ続けてきて、
それでもやはりそうなってしまった時には信じられなかった。
とにかく、どうしようもなく悲しかった。

終わったあとの蜜の行動とか、
硝子と姫のやりとりとか、
蜜と君子のやりとりとか
とにかく全部泣ける。
その後の城島一家の会話とか激しく頭に入らなかったくらい。

もともと凄く好きなキャラだったのですが、今回は本当に姉妹そろっておいしいところを持っていきすぎでした。巻頭の漫画から本編、エピローグに至るまで姉妹の絆がありありと描かれて、読み返すたびに泣けてくる。冒頭の平和なシーンですら、最後を読んだあとだと泣けてしまう。

展開は凄く悲しかったけど、本当にあらゆる意味で傑作級でした。あとがきで「今回は苦戦した」というような事が書いてあったけど、6巻までとはレベルがちがう面白さだと思う。なんていうか、各キャラの感情がこちらにストレートに伝わってきて、ひたすら泣かされました。

次回で遂にクライマックス。
どういう風に決着をつけてくれるのか本当に楽しみです。

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モンスターズ・イン・パラダイス1

[著]縞田 理理 [絵]山田 睦月

田舎から出て、アイオニア連邦ブルームフィールド市で捜査官になったジョエル。大都会ブルームフィールド市は人間と“神話的人類”と呼ばれる者達が共存していた。“神話的人類”恐怖症のジョエルは、よりによって新人が長続きしたことの無い“神話的人類”の対策課に配属された上にヴァンピールの青年・カートとコンビを組まされることに…!?
 

「まいじゃー推進委員会!」さんの名台詞紹介にハートを打ち抜かれて衝動的に購入してしまいました。元々弱いんですよ、わたしこういう設定…。

モンスター(“神話的人類”)と人間が共存しているといってもやはりモンスターへの差別が強い街で、人間達の中で生きようとするヴァンピールのカート捜査官と、神話的人類恐怖症ながらもカートの相棒としてなんとかやっていこうとする新米捜査官・ジョエルのお話。恋愛要素抜きな「ダブルブリッド」(ただし2?3巻くらいのノリみたいな!)という印象のお話です。こういう異種族間で芽生える友情や愛情に関するお話はもともと非常にツボポイント直撃なので、非常に楽しく読めました。

ウィングス文庫は実は初めて手に取ったのですが、いやあ良くも悪くも絶妙に「WINGS」の持つ空気を踏襲しておりますね?。こう、ボーイズラブじゃないんだけど腐女子が萌えそうなポイントを実に正確についてくるというか、別にBLじゃないんだけど腐女子が脊髄反射で反応しそうな…そんなギリギリ感がどうしようもなくWINGSだよこれ(笑)

普段から凄く落ち着いていて大人な態度でジョエルよりも一枚上手で、いつでもジョエルをからかってばかりのカート捜査官が実は結構な寂しがり屋で、ジョエルをからかうのも職場の仲間達にイヤミな態度をとってしまうのも実は…という設定がクリティカルヒットでした。逆ツンデレな吸血鬼に萌え(笑)性格的にも外見的にも正反対なジョエルとのコンビは、ひたすら微笑ましくて見ていて飽きません。

メインの2人の他にも個性豊かな“神話的人類”がいっぱいで、とにかく読むのが楽しい小説でした。そんな彼らや、カートの内面に触れるにつれて少しずつ“神話的人類”への偏見を無くしていくジョエル。ただ、やはり小さな頃から聞かされてきた“偏見”は根強く残っているようで…色々失敗してしまって凹むジョエルの姿が見ていてほほえましいです。偏見は完全には消せないけど、少しでも彼らと歩み寄ろうとするジョエルが一途で見ていて気持ち良いです。

カートが吸血鬼であることといい、賭けの内容といい、今後吸血鬼としてのカートにも深く突っ込んでいくような感じなので、ますます楽しみ。ほんと吸血鬼と人間のコンビって萌えますね!!

ノリは非常にWINGSな感じですが、特に腐女子要素は無いので男性の方でも楽しめるかと。逆に腐女子は男性が反応しない萌えポイントにいちいち反応して楽しめばよいかと(笑)オススメです!!

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5月のまとめ&面白検索ワード

4月の検索ワードネタが結構自分でやってて面白かったので今月もやってみます。
オススメ作品は右柱でやってるのでやっぱりカットで。

しかし、今月は新刊の感想があまりなかった所為か
面白い検索ワードがあんまりないなあ…。


作品別

■彩雲国物語■

アニメ第二期の影響でしょうか?
新刊発売頃からずっと1位独占中です。

■黄昏色の詠使い■

1巻の感想に飛んできたみたいな。
す、すいません2巻は積んでます…電撃の新刊が出るまでには何とか。

■おと×まほ■

「いつも感想中」のhobo_kingさんに敗北宣言されてしまったりした所為か、堂々の検索ワード総合第三位。
ちなみに個別記事別アクセスランキングでは堂々の1位でした。うひー。
しかしこの作品、やはり主人公の彼方がちっとも男らしくないのが女装ネタスキーとしては不服でした。界隈の感想でも、「可愛ければ性別なんかどうだって!」という感想ばかりで不服気味な私です。それじゃあ彼方が女の子でも全く問題ないじゃない!嫌がり方もそこまで激しくなくて、ツンデレ程度のエッセンスにしかなってませんしねえ。
でも、かの名作魔法少女ギャグマンガ「プラネットガーディアン」みたいな勢い嫌がってしまうともうジャンルが変わってしまうような?(プラガ好きだったのでそれはそれで読みたいですが/笑)

これからも当ブログでは女装少年の萌えポイントはギャップだ!!と熱く主張したい所存です。



以下は面白検索ワードのコーナーです。どうぞー☆(笑)

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