ページ 164 | 今日もだらだら、読書日記。

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勇者王ガオガイガーFINAL 2 大いなる遺産

[著]竹田 裕一郎 [原作]矢立 肇 [絵]木村貴宏、中谷誠一

原種大戦も終わり、普通の小学生としての毎日に追われる護の前に再びギャレオンが現れた。ギャレオンに残された意識は、護の実父であるカインはまだ生きているといい、護を三重連太陽系に誘う。様々な決意の末、再び星の海に旅立った護だったが…
 

護の視点を中心にOVA「ガオガイガーFINAL」の後半部分をノベライズ。割と説明が大目で冗長気味だった点も解消され、今回は戦闘は非常にあっさり風味です。

良くも悪くも、原作アニメを見ている(もしくはこれから見る)事を前提として作られているので、そういうものだと割り切って見てしまえばかなり面白いですね。というか、今回は前巻以上にアニメでじっくりやった部分は控えめに、原作アニメで描き足りない部分をじっくり描写されている印象で、アニメを楽しんだ人間としてはかなり良かったです。やはりこうやって読むとラストバトルの辺りなんかは勢い重視で設定おざなりで進んでいた部分が多く、「ああ?、ここは実はこういう状況になってたんだね!」ってポイントも多かったです。

さりげなく追加されたシーンも非常に良い味出してます。猿頭寺とパピヨンのやり取りとか、護が宇宙に旅立つ事になった理由や普段は見せない実父・カインへの思いなどなど…原作で挟んだら熱血な雰囲気ぶち壊しになりそうなシーンがあますことなく挿入されてて、そういったシーンを読むだけでもわざわざamazonで定価以上の価格で購入した価値はあったかなと(笑)

特に、エピローグの追加シーンは、あとがきで「公式設定ではない」と断言されていてもあまりにもGGGらしくて良かったと思います。アニメ版のエピローグはやはりどうにも、これまでとんでもない苦難を乗り越えまくってきた面子にしてはどうしてもあっさり諦め過ぎな気がして…諦めたわけではないという事実を確認出来ただけでもうれしかった。

それにしても、最後に一言。



超竜神達を毎回真ん中で真っ二つにする敵の皆様はどれだけ学習能力が無いんですか?
…いや、確かに真ん中でぶっちぎられた方がインパクトはあるっていうのは分かるんだけどさ!!

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ゼランディーヌ 性悪ないばら姫

[著]嬉野 秋彦 [絵]緋鍵 龍彦

両親を亡くし、家出同然で上京してきたひなこ。降りる駅を間違え、財布をスられ、お気に入りの傘を電車に置き忘れた挙句、変質者に襲われそうになった所を何でも屋を営む美女・ロジーヌに救われる。財布を無くしてしまった事もあり、暫く彼女の仕事を手伝うことにさせてもらうのだが、「何でも屋」の所長・すめらぎは超自己中な美少女少年で…!?
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女装美少年が私を呼んでいたんですよ。

「おと×まほ」といいこいつといい、今月は女装少年強化月間ですか?それとも遂に女装少年の時代が来てしまったということですか?(ありません)そういえば同じく今月発売だった「クィーンズ・ブレイド」のノベライズも女装少年が主役のようですが!

というわけで、とことんついてなくて巨乳でドジな田舎娘・ひなこが倣岸不遜でワガママな美少年・すめらぎと出会い、謎の奇病“ゼランディーヌ”を巡る騒動に巻き込まれるというお話。ゴスロリメイド服着用ボク喋りというとことん狙いまくりに見えるすめらぎ君ですが、中身は非常に漢らしい……というかむしろ非常にオヤジっぽい。喋らなければ、行動しなければ可憐な美少女なのですが、その実情では常にひなこにセクハラする機会をうかがい、女の敵には全力で制裁を下し、挙句にはちょっとイっちゃった笑顔で日本刀を振り回す。もうなんというかこのギャップが溜まりません。女装少年モノにかかせないのはやはり外見と中身のギャップです。

帯からして「女装少年モノ」を全力で押し出した作品なのですが、割合ストーリー的には王道な展開。ヒロインポジションにはドジな天然娘、サブキャラクターにクールビューティという感じでちゃんと女の子萌え分も押さえ、その他周囲のキャラクターもかなり濃い分女装少年という要素がいい具合に溶け込んでいます。さあ女装少年に萌えろ!という作風ではないので「可愛くてもやはり性別の差はでかいぜよ」という方も普通に楽しめるかと思います。

その点、今月「可愛ければ性別なんてどうでもいいじゃないか!」という感想を各所で生んだ「おと×まほ」とは良くも悪くも対極をなす作品ですね。新レーベル創刊等で存在が霞みがちな印象ですが、かなりお薦めです。

…余談ですが、この作品がツボに入った人は是非↓こちらも。女装少年萌え布教の一環として宣伝してみます。いやあ、恐ろしく女装少年モノとしての方向性が似ていらっしゃる(笑)

オンライン書店ビーケーワン:まりあ・ほりっく 1まりあ・ほりっく 1
遠藤 海成
メディアファクトリー(2007.2)

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空とタマ—Autumn Sky,Spring Fly

[著]鈴木 大輔 [絵]原 建人

オヤジと喧嘩をして家出をした天野空は、お気に入りのタバコを持っていつもの廃倉庫に向かった。しかし、そこにはいけすかない先客が居て、煙草を消せと文句までつけてくる。意地を張り合っているうちにいつのまにやら弱みを握られてしまった空は、おとなしく出て行くわけにも行かなくなって、“タマ”と名付けた謎の少女と本気で攻防戦をはじめるが…
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前半の空とタマが繰り広げる絶妙なやりとりにニヤニヤさせられて、中盤で一気に主人公の過去に引き込まれ、ラストでしっかり泣かされました。うわあああもっと早くに読めばよかったです!面白かった!

富士ミスのいわゆる「L・O・V・E寄せ」の時期に出た小説なんですが、いい具合にLOVE分とミステリー分が凄く絶妙にミックスされててツボ。タマの正体自体がある意味のミステリーになってるというか。特に空とタマが1問ずつ質問をしていくゲームをするのが謎解きっぽくて面白かったです。空がどんどん追い詰められていく姿に思わずニヤニヤしたり。

中盤で突然、空の過去話が始まったときはちょっと唐突と思えなくも無かったのですが、前半の不良息子っぽいイメージからは想像もつかない空の過去や、ラストで明かされる“タマ”の正体にぐいぐい引き込まれて、多少強引な展開はあんまり気にならなかったです。普通の人だったらどう考えても不幸だなあと思う経歴を“不幸だ”とも思っていない空の前向きな姿勢にもジーンとさせられましたが、それ以上の壮絶な人生を送ってきたタマがその場では自分の過去を明かさないっていうのが…最後でまたもやジーンとさせられました。

ラストの終わり方は少し悲しい終わり方だったのが少し悲しいけど、それ以上にあまりにも綺麗にまとまってて、文句なしの終わり方だったと思います。二人の過去はどうしようもなく暗いのに、青春のホロ苦い爽やかさというか、ジメジメ感が殆ど無いのがまた見事で。

なんだか自分が“頑張れっ。”って言われたみたいな清涼感。ほんと、手にとって良かったと思える一冊でした。

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Dクラッカーズ 2 祭典?ceremony?

[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都

セルネットの幹部“カイム”との戦いにより、「ウィザード」としての正体を知られてしまった物部景。セルネットと宿敵・ドラッグドッグスの甲斐氷太に狙われ、これまでになく追い詰められた物部はセルネットを壊滅させる為に大胆な策を打ち出す。一方、カプセルに蝕まれる物部の姿を目の当たりにした梓は、自分が彼を支えていこうと行動を開始するのだが…!?
 

旧版2巻のクライマックス直前から始まって、3巻の最後まで。やっぱり、「もともと3話」という前提を知っているからかもしれないんだけど、2巻の内容が中途半端に切れてるって印象がぬぐえないなぁ?…一気に読む分にはそこまで気にならないんですけど。

ミステリー的な謎解きの多かった1巻から、2巻は一気にアクションメインです。お陰で頭脳労働担当の我等がホームズ・千絵の出番が控えめなのが寂しい限りですが、その分1巻の後半から出張り始めたセルネットの「デルタ」こと茜ちゃんとドラッグドッグスの甲斐氷太コンビが良い味出してます。知能派なのに肝っ玉の姉御系でかつかなりの迂闊っ娘な茜ちゃんと、戦闘狂だけど悪い人じゃない、典型的な「好敵手」ポジションの氷太はとても敵とは思えない爽やかさで、凄くツボに入ったキャラ達でした。後半はこの二人が出てくるとニヤニヤしっぱなし(笑)

対してメインヒロインである梓は、自分の実力に対する過信からどんどん地雷源に向けて大暴走。その気持ちが幼馴染を守りたいという一途な気持ちからきてるのは分かるんだけど、ちょっと気味が悪い位の独占欲……と思っていたらラストであんな展開に!幼い頃の景への行動もただの幼馴染にしては少し気味の悪い違和感を感じていましたが、予想以上に歪んだ愛情が明らかに。梓の相棒である筈の千絵も、1巻での颯爽とした天然正義感娘ぶりはどこへやら、いろいろ思い悩んで後手後手に回る事が多かったので非常にもどかしかったです。

1巻以上に続きが気になるところで「次回へ続く」。
うわあ?、3巻の発売が楽しみでしょうがなくなってしまいました。新装版でゆっくりそろえようと心に決めたのでうっかり古本で旧版を探してしまわないように気をつけなければ(笑)

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Dクラッカーズ 1 接触?touch?

[著]あざの 耕平 [絵]村崎 久都

姫木梓の友人グループの一人だった倉沢麻里奈がドラッグを服用して飛び降り自殺を図った。そのドラッグ—“カプセル”—の入手ルートに幼馴染の物部景が居ると聞かされ、梓は一人、売買ルートを調査し始めるが、思わぬ人物からの接触を受けて…?
 

“悪魔”を呼び出す「カプセル」というドラッグをめぐるサスペンス。以前から気になっていた1冊だったのですが、読み始めたら予想以上に面白くて一気読みしてしまいました。しかし、3巻分を2冊にまとめた新装版…ということで、1巻からあまりにも分厚くて(総ページ数500P↑)思わず尻込みしたくなるのは仕様でしょうか。こ、これは…アニメ版BBBから入ったライトノベラー以外のファンを引き寄せようとするには厳しい厚さなんじゃないかと思うんだけどそこんとこどうなんですか!!お、終わクロを読破した私にとってはこのくらいなんともないけどな…っ!!

ストーリー的には文句なしに面白かったんだけど、3巻分の話をロコツに2巻にまとめた感が漂ってて、そこがちょっと気になりました。というか、以前の巻の巻末に差し込まれていた短文(詩?)のようなものが中盤で一区切りついた辺りに差し込まれており、ロコツにここが旧版1巻の終わりだったんだよと全力で自己主張してしまっているのですが!!終わり方も続きが気になるところで切ったといえば聞こえが良いのですが、正直無理やりぶちきったようにみえてしょうがありません。聞いた話によると、3巻位から一気に面白くなるらしいので、3巻まで一気に読ませる為の措置なんだとは思うんですが、無茶にまとめるよりは既存の巻数で切るか、旧巻末部分の短文をなんとか処分するか、あと100P増やしてでも2巻までの内容を1巻にまとめてしまった方が余程良かったと思います。なんというかこのぶ厚さは読書慣れしてないとなかなか手を出せなさそうだし、面白いだけにもったいない?…。

梓と捜査を共にすることになる相方にして探偵役・海野千絵がめちゃくちゃ可愛い。委員長然としたクールビューティ(?)から、好奇心旺盛な天然正義感少女への変身っぷりが最高です!ヒロインの梓も可愛いし、底の見えない幼馴染・景もなかなか良かったのですが千絵と梓がコンビを組んだ辺りから、千絵から目が離せなくなりました。いやこの子、ほんと可愛い!

既に完結している作品ですが、一気に買うと積んでしまいそうなので新装版で地道に消化していこうと思います。というか、ある意味本編以上にあとがきが面白かったです。

表紙の変遷がなんというか…これが富士ミスの「L・O・V・E・寄せ」かっ!!!

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ゴッデス! 1. 女神さまって大変なの♪

[著]ひかわ 玲子 [絵]近衛 乙嗣

幼馴染にしてライバルの璃李に果たし状を送りつけられたアキラは、親友の桜羅子と共に決闘の場所に向かった。ところがその場所で突然ヘンな光に包まれ、異世界に飛ばされてしまう。その世界は神々がお互いの力を奪い合う弱肉強食の世界で、襲ってきた女戦士を倒したアキラと桜羅子の身体には、倒した“神”の力が宿ったというのだが…!?
 

神殺しにより“神”となった少年少女たちの物語。異世界に迷い込んだ主人公達が神様を倒して力をつけながらも、もとの世界に戻ろうとする…というある意味バトロワタイプの物語かとおもいきや、予想以上に深かったです。神の力を得るにしても殺すだけではなく血を浴びるとか身体を重ねるとかそういった手段でも力を得ることが出来、下手をすると取り込んだ力に乗っ取られ返される…という事態も考えられて一筋縄では行きません。あらゆる意味で、色々と血なまぐさくドロドロしてますね…。

しかも、二人を取り囲む人々も色々と油断ならなそうな人々ばかり。なんだかんだいって主人公達を助けるような行動はするものの、大きな力を持っていて美少年(宙良)が大好きで腹に一物持っていそうなヴィダール神一派(ネコミミメイド神つき)も相当うさんくさいのですが、それ以上に怪しいのが主人公達と同じように異世界に迷い込んだ「仲間」のはずの絽貴(ロキ)君。北欧神話を下敷きにしているという事で、もう名前からして怪しいんですが(笑)1巻で早々にやらかしてくれます。(続きモノ前提の話しだし、もう少し裏切るのは後でも良かったんじゃないかと思うんだけどなあ?…)

色々な意味で主人公勢の周囲はどうにもかないそうもない敵ばかりで、今後どうやって彼女達が盛り返していくのか楽しみ。ドロドロした展開の中で、アキラ&桜羅子の固い友情が凄く爽やかで印象的でした。しかし、今回全くの役立たずだった宙良君はぜひとも物語の中でドーンと成長して頂きたいですね!なんか秘密があるっぽいですし、今後大成長するものと勝手に期待してます(笑)

ぶっちゃけイラストにつられて購入したのですが、予想以上に面白かったので満足。凄く気になるところで終わっているので2巻も購入したいと思います。しかし、あの重い話の後に問答無用で「♪」濫用しまくりあとがきはどうかと…ちょっと思いっきりラストのシリアスな気分が台無しというか…あとがきだけ読み飛ばしちゃいましたよorz

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スプライトシュピーゲル I Butterfly & Dragonfly & Honeybee

[著]冲方 丁 [絵]はいむら きよたか

超少子高齢化による人材不足が進んだ近未来のウィーンでは、凶悪犯罪やテロに対抗するために障害をもつ児童を機械化し、“兵器”として対抗する。それぞれの理由で障害を負い、機械の身体を受けた少女達—鳳(アゲハ)、乙(ツバメ)、雛(ヒビナ)—は“特甲”と呼ばれる機械の手足と羽を武器にテロリスト達と戦う日々を送っているが…
 

語り口が面白く、その独特のテンポに慣れてしまうと結構楽しめるんだけどすっっっっごくとっつきにくいし読みにくい?…。発売日(2月)から読み始めて、1章ずつ読んだり戻ったりを繰り返して本日ついに読了です。読み終わるのにこんなに時間がかかった本も久しぶりでした…。唯一救いだったのが、これがほとんどストーリー的な繋がりの無い「短編集」であることでしょうか。この語り口に疲れたら別の本を読んで?…とやっても最低限の設定を抑えておけばなんとなく次に読むときに大体ストーリーを思い出せるので、その辺はありがたかったです。

それぞれが暗い過去を持ちながらも、それなりに前向きに(?)頑張る3人の少女達が個性豊かでインパクトありました。とにかくメインキャラクター3人のキャラが印象的で、世界観は重いんだけどそれをぶっ飛ばすくらいのパワー持ってます(笑)しかし、前半の4編が暗い過去をにおわせつつそれなりに結構軽やかに進んできたのに対して5・6話「シティ・オブ・フェアリーテイル」がめちゃくちゃ重いです。ゲストキャラである3人の子供達の最期が特に可哀想で…。

しかし、逆にいうとキャラクターや独特な語り口、そして5?6話はすごく印象深かったんですが、1?4話まででそこまで面白かったといえる部分が無かったというか…個人的には、結構前半はキャラクターの魅力だけで引っ張ってる印象でした。だからこそ、なかなか読み進められなかったというのもあるんですが?…。ハマるまでなかなかエンジンのかからないお話でした。とにもかくにも。

現在でも国際的な問題になっている「テロ」についていろいろ考えさせる話でした。まだ明かされていない謎なども含めて、続きが非常に気になるけどやはりものすごく読みづらかったので…続編はどうしようかな?…。

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おと×まほ

[著]白瀬 修 [絵]ヤス

白姫彼方はどこからどうみても“美少女”にしか見えない男の子。少女にしか見えない程の若作りで、いつもハチャメチャな母親・此方に振り回され、どこか諦観する日々を送っていた。ところがある日突然母親から魔法の力を授けられた彼方は喋る猫・モエルと共に、魔法“少女”として謎の侵略者から町の平和を守る事に!?
 

学年一の「美少女」として名を馳せる「少年」が主人公の魔法「少女」モノ。女装の似合う少年が嫌々ながら魔法少女を…という話を聞いて実にいろいろと期待したのですが、自分の求めていた「変身女装美少年モノ」からは遠いかな。いやだって、女装少年って言うかこれ、普通に「精神が少年で肉体は少女」じゃないですか…いえ、ここまでやれとは言いませんがもう少し変身前と変身後にギャップがあっても良い物じゃないですか!なんだか髪型も服装も割合変身前とあまり変わらなくて、正直がっかりですよ!!

いやー「少女のような外見」というのは設定上仕方ないとはいえ、何らかの変身前・変身後での明確なギャップがほしかったです。いえ、性格はいいんですよそのままで外見上のギャップを恥らう主人公が変身女装少年モノの醍醐味なんですから(なんだそれ)。個人的には変身前は短い髪が伸びてあの髪型になる、とか主人公が普段は男らしさを演出するために眼鏡をかけているけど実は美少女顔、とか、コスチュームがガッツリとフリフリレースの超・少女趣味な衣装になるとか。

…という、「女装少年モノ」としての部分に深く突っ込まなければ、非常に面白い作品でした。この作品は変身モノとしてはかの名作「美少女戦士セーラームーン」のお約束を忠実に再現しているんじゃないかと思うので、まあもう少しギャップ欲しかったけどこれはこれで。喋る猫といい、コスチュームがなぜか制服を元にしていることとか変身後の髪型が(お団子じゃないけど)ツインテールなこととか、変身前後でキャラとしての変化が無いのになぜか知り合いの前で戦ってもバレないこととか(これは笑った)、こういったお約束の「共通点」を探していくと結構面白いですね。

また、主人公がとにかく周囲の友人や母親やサポート役のモエルからセクハラ紛いの事をされつつ必死に頑張るコミカルな部分も良いのですが、最初はツンツンしながらもだんだん「魔法少女」としての自分を受け入れていく過程が非常にツボです。普段は悪乗りがちょっと過ぎるところもある友達だけど、友達として実に良い関係を築いているのが素敵でした。特に最終話の丈の台詞にはジーンときた。

内容はなんだかんだ言いながらも非常に王道な変身モノですが、なんといっても「変身女装美少年モノ」ですので、そういうのでもOKな人にはお勧めです。あ、でもあんまり「変身女装美少年モノ」だという事を期待して読むと私のようにちょっとだけ後悔するかもしれません。

しかし…ピチピチスパッツは正直良くやった、と思った。
なんていうか、実にエロイですね。

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勇者王ガオガイガーFINAL〈1〉勇者王新生!—獅子王凱の神話

[著]竹田 裕一郎 [原作]矢立 肇 [絵]木村貴宏、中谷誠一

「原種大戦」に勝利したGGG。しかし、フェイクGSライドを悪用する死の商人“バイオネット”の暗躍もあり、まだGGGの戦いは終わっていなかった。先の戦いでエヴォリューダーとなった凱は新たなファイティング・メカノイド「ガオファイガー」とバイオネットに立ち向かうが、宇宙に旅立ったはずの護が現れて…
 

スパロボWをプレイしてるうちにあっさりハマりましたガオガイガー。今更FINALのDVD-BOXとか新品で買ってる愚か者です本当にありがとうござ(略)

というわけで、テレビアニメ「勇者王ガオガイガー」の続編OVA「FINAL」のノベライズ。基本的に内容は原作アニメと同じ内容+αになっているので、DVDを買うほどじゃないけど内容が気になる…って方とガオガイガーが大好きでもっと色々と深みに嵌りたい、という方向けです(笑)

各キャラクターの心理描写や各メカの詳しい解説等がふんだんに盛り込まれているので「原作への理解を深める」という点においては大満足なのですが、逆にそれがバトルシーンのテンポの悪さにも直結していて、原作を知らない人にとっては微妙なんじゃないかなあという印象です。まあ原作と展開が全く同じというのもあるんですが、正直戦闘中の描写が解説だらけでかなりダルい。この辺はやはりちゃんとした作家さんの書いたノベライズじゃないからかなあ?…。

各キャラの心理描写に関しては文句なしです。特にテレビアニメ版のラストシーンに至るまでの護や凱の葛藤が見れるのは面白いすね。OP(“神話”バージョン)の

人と機械の狭間ゆく痛み 胸の奥に秘めて

の部分なんかは特にこの本を読むと良く理解できるんじゃないかと思います。

元々が熱血アニメなんで、アニメ版は結構詳しい説明無しで勢いだけで魅せている部分があると思うんで(まあそれが熱血アニメの魅力なんですけど)、勢いですっとばしてる部分をじっくり読み込むには良いと思います。ただ、前述の通り追加シーンは殆どない上に結構戦闘描写が解説だらけでかったるいので、心理描写関係に興味がないならムック本を探して読んだ方が良いのかも…。

ところで、このブログを始めて推定でも2年以上経つわけですが(初期は同人サイトの一部として動いていたので正確な開設日時は不明)

これが初めてのMF文庫J作品(の感想)ってどうなんでしょう。
↑その後考えたら、初めてのMF文庫Jは感想書いてない「イコノクラスト!」でした。
 3巻積んだまま見事放置中…

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扉の外2

[著]土橋 真二郎 [絵]白身魚

“ゲーム”の説明も受けずに初戦で敗退した8組の生徒はカードの供給も受けられず、無気力な毎日を送っていた。そんな中、高橋新一は周囲を観察するうちに「内通者」達が出入りする抜け道を発見する。そこには4つの性格の異なる居住スペースとカードの配給があった。暫くの思案の末、8組の生徒達を上のフロアへと導く高橋だが、そこに待っていたのは更に過酷な“ゲーム”と鳥籠に囚われた“天使”だった…!
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今期の電撃の新人作品の中で一番評価まっぷたつだったと思われる「扉の外」の第二段。続編で一気に読みやすくなった印象です。というかどうしよう、一気にツボな作品に化けやがった!!

基本的にいつまでも「部外者」で、ヒロインとの描写も全然足りなかった前作に比べて主人公に感情移入しやすいのが一番プラス。ちょっと高校生にしては冷静(というよりも冷酷)過ぎる部分も多々ありますが、このくらいならなんでもありのライトノベルだし、許容範囲でしょう。なんだかんだいって、彼の意思は鳥篭に囚われた蒼井を救出する(ネタバレ)という実に若者らしい1ポイントに絞られている為、そこまで不可解な行動は取らなかったですね。というか、本当に今回の主人公・高橋新一は他の女の子キャラにもいい顔はするものの、なんだかんだいって見事に蒼井しか見てないんですよね(笑)いやあ、ほんとこいつ、冷静キャラに見せかけてめっちゃ青春してる。何よりもラストで吐露される、高橋の真摯な気持ちが胸を打ちます。

お互いの顔が見えないクラス別の対抗戦“現実感の無い戦争”だった前回に対して、今回は同じクラス内での直接対決を描く為に前回から感じていた人間同士の汚さに磨きが掛かっています。黒川を中心とした、男子達の直接的な暴力による発散行為も相当脅威を感じるに足るものでしたが、正直《レイク》に登録した女子達の陰湿さが一番ヤバイ。なんか1巻の6組女子もそんな部分ありましたが、自分達の弱点と強みを正確に把握して直接糾弾し辛い状況を作るっていうのが凄く現実的にありそうで…お、女って怖いね…!!(お前が言うな)(つか作者さん、女性恐怖症?)

しかし、個人的に気になった点を言うなら蒼井以外の、1巻で出てきたキャラクター達を全く生かせてない印象なのがちょっと。特に正樹愛美のあの正しすぎてどこかイカレてるとでも言うような、かなり上手く使えば電撃でも稀有な特性をもつキャラクターになりそうな感じだったのが、今回は単なる理想主義者っぽい印象になってしまったのが凄く残念…。1巻で結構いいところ持って行った氷室も見事に空気だし…。

今回はゲームの進行によっては確実に1人の人間が死ぬ、と約束されているのでゲームに対する現実感や緊張感も相当高かったです。ゲームが進行する毎に息を呑み、ハラハラしながら最後まで必死にゲームを見守る事になりました。というか、すいません、こういう設定大好きなんです私。これでバッドエンドだったら紙一重で一番ダメなパターンなんだけど、ギリギリのところで結局死ななかったのでほんと嬉しかったなあ…!(ネタバレ)それにしても鳥篭に囚われてるっていうのがなんだか倒錯的なエロスを感じます(あああ、この一言で今までの感想が台無し!!!

まだ1、4、6、8組以外のクラスがどうなったのかも語られていませんし、もう少し続きそうな印象ですね。でもこの調子で毎回ゲームの設定がエスカレートすると、最後は本当に○トロワもびっくりの殺し合いに発展するのではないかと戦々恐々。個人的にはあと1?2巻で終らせるのがベストなんじゃないかなあとか思います。

というわけで、久しぶりにツボポイントにこれ以上ないってくらい大ヒットした「扉の外」ですが、いかんせん1巻の評判が真っ二つなんでどれだけ読む人が居るのかが最大の疑問です。前回かなり絶賛していたhobo_kingさんが今回相当悪い評価を付けているのを踏まえて考えると、今回の話は「1巻がつまらなかった人の方が楽しめる」という恐ろしい状況になっている予感がするんですよねぇ…。とりあえず大絶賛してみるので、1巻よんで微妙だと思った方も余裕があったら是非読んでみてください。私が3巻読みたいから絶賛しておきます。

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