ページ 171 | 今日もだらだら、読書日記。

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“文学少女”と繋がれた愚者(フール)

[著]野村 美月 [絵]竹岡 美穂

図書館にある本のページの一部が切り取られるという事件が発生。勿論“文学少女”の遠子先輩がそんな事件を放っておくはずが無く、図書館で犯人を捕まえるが犯人は心葉のクラスメイトの芥川という少年だった。遠子先輩は彼を文芸部が新入部員獲得のため文化祭で行う劇に勧誘し、心葉は願わずして芥川の苦悩や過去を知る事に…
 

芥川というクラスメイトを通して、今まで心葉が考えまいとしてきた心の傷“美羽”との一件を乗り越えようとする物語。なんか本当にこの芥川というクラスメイト、何をやっても裏目に出てばかりでかわいそうでした。芥川自身はただ誠実にあろうとしているだけなのに、その行動が誤解され、ますますどん底へ落ちていく姿がなんとも悲しい。

そして今回は出番自体はいつも通り控えめですが劇中でヒロインをやることになったツンデレ少女・琴吹ななせが良い所をドーンと持っていってきます。知らずに心葉のトラウマに触れてしまって大後悔したり文芸部の面々に(という名目で心葉に…)クッキーを作ってさりげなく心葉の反応をみようとする姿が非常に愛らしいです。勝手に勘違いしてキレちゃうのも彼女の魅力のうち!可愛いなあ(´д`*)

そしてななせ以上に出番は少ないけど、美味しい所を抑えているのが竹田さん。1巻とは違いところどころで現れる彼女の本心の描写が短いながらも非常に印象的でした。それでもあまりにも小さいけれど些細な変化が少しだけ伺えて、その辺はちょっと嬉しくなってしまったり。

遠子先輩が送る、名作語りは今回も必見。今回は小学校の教科書に取り上げられた作品が幾つか取り上げられており、遠子先輩の語りで当時読んだ時の感覚をふっと思い出して懐かしくなったりしていました。本を読むのは好きな割りに先生の語りが長くてなかなか話が先に進まない現国の授業はあまり好きじゃなかった記憶がありますが、遠子先輩が現国の先生になればきっと現国好きが急増するだろうに。ていうか図書室に「文学少女」シリーズと過去取り上げた文芸作品を全部並べておいて見るとかどうでしょう!?近頃の読書離れにストップかけられるかも!!(笑)

“普通のモノの味がわからない”という遠子先輩がななせのクッキーを美味しそうに食べるシーン。味が判らないのに想像力の翼だけでここまでの感想を述べられる遠子先輩に改めて感心すると共に、こんなに美味しそうに食べているのに味が判らないなんて…と悲しく思わずにいられません。

遠子先輩の母親のことや“朝倉美羽”のことなど、少しずつ明かされてきた秘密に次回以降も目が離せなさそうです。


[追記]遠野先輩遠子先輩
どこかのオンラインブックマーク?で指摘されてたので光の速さで修正しました。どちら様か存じませんがご指摘ありがとう…ございま…す_| ̄|○
原稿でテンパってる時期とは言えこの間違いは流石に恥ずかしいですね。
ちょっと穴に潜って反省してきます。

ていうか、遠野先輩ってどこの直視の魔眼?

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天使のレシピ

[著]御伽 枕 [絵]松竜

高校二年生の春。俺はある“呪い”にかけられた。彼女が「おはよう」というと、また呪いが最新のものに更新される…。“羽根”をなくした人間達の恋愛模様と、罪を犯して羽根を無くし、彼らの橋渡しをする天使達の物語。

 

普通に恋愛がテーマの短編として書けばいいのに、うっかり「天使」だの「羽根」だのという不思議要素を絡ませてしまったがために一部の魅力が台無しになってしまった印象を受けます。うーん、「劣化版・しにがみのバラッド。?L・O・V・Eバージョン?」とでも言えばいいのでしょうか。どうにも天使達が現れる基準が掴み辛いんですよね、ラストの短編以外では「不思議現象」が起きている訳でもないですし。1話目の「呪い」なんかは絶対不思議要素の所為でああなったと考えるより「これが恋なんです!!」というオチにした方が面白いと思うし。

完全に天使要素を排除するか、全てラストのように恋愛の所為で不思議現象が起きてしまってそれを正常化する、みたいな展開の方が良かったのでは…。

ストーリーとしては天使が出張ってこない「恋愛実験」が凄く面白かった。ヒトの感情をよく理解できない芸術家少年・伊織と内気な少女・綾乃の微妙にトンチンカンな会話が微笑ましくて非常にツボ。逆にラストの「ソラヲトベ」はちょっとダメでした。何故ラストで二人が引き離されなくてはいけないのか理由が不明瞭だし、ちょっと読み辛い印象を受けました。

二人の天使が引き離された理由等、魅力的な設定は多々あるのにそれが全く生かしきれていないのが凄く残念です。「二四〇九階の彼女」もそうだったけど、どうも「キノ」とか「しにがみ」みたいな傑作短編シリーズの真似しようとして墜落した感じがしてダメでした。

「恋愛実験」が凄くツボだっただけに、もったいない気がする。
っていうかやっぱ、普通の恋愛小説にした方が売れるんじゃないの。


追記。
「トランキライザー・キス」のヒロインは女のこちらから見ても正直キモイです。
特に女のオタク・特に腐女子はヘンなところでピュアな話が好きなので、
これは女性向けライトノベルレーベルで出しても微妙ながします。
女性向の世界は基本的にファンタジーだからネ!!

どっちかっていうとラノベ好きよりは“性コミ”こと少女コミック読者辺りにウケそうな予感。
あ?…まあ、18禁乙女ゲームとかならありそうな展開かな。
自分にはどっちの属性もないのでなんとなくですけど。

敢えて触れなかったけど、この短編が一番ダメだったな。
ヒロインの自分勝手さが猛烈に鼻につくんですよね。
全面的に気分の悪い話でした。

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明日はマのつく風が吹く!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

いつもなら事件を解決すれば元の世界に戻れるのに、眞魔国から帰れなくなったユーリ。そんな彼の元に“現魔王のご落胤”と名乗る少女・グレタが現れる。彼女に暗殺されそうになり、足を痛めたユーリはグレタを連れてコンラッド(と勝手についてきたヴォルフラム)と温泉街に湯治に出かけるがそこでも事件が…!?
 

アニシナさん最高。
幼馴染のグウェンダルとのやりとりも非常に楽しいのですが、ラスト付近の大活躍の際の漢らしさにひたすらニヤニヤしてしまいました。カッコイイ!!

ストーリーは…ある意味前回からの続き。手に入れた魔笛の力によって雨を降らせ、スヴェレラの国を救っていたつもりでいたユーリですが、作物が育たず法石を取る事が出来なくなったスヴェレラでは実はますます民が貧窮し、多くの親が子供を「出稼ぎに出す」という名目で身売りさせなくてはいけなくなっていた…という話。

高校生なのにまるで堅いおじさんのように売春している女の子達を諭そうとしたり、すっかりグレタの“親”になって必死に彼女を守ろうとするユーリが非常に可愛い。この巻は特にユーリの一生懸命さが際立っていたような気がします。その裏で、自分の両親の事を思い出したり本当に元の世界に戻れないのか、悩む姿が印象的。

ラストの賭けのシーンでは、ただ状況に流されているような状態に近かった最初の頃から、自分の意思で「王として」周囲を守ろうとする姿に心打たれました。何か今回は本当にユーリかっこよかったな。

そして今回のギュンターは勘違いでついに出家
ユーリの書き間違いっぷりにも笑えましたがそれを間に受けて適当な寺に体験出家しちゃうギュンターの姿に大爆笑です。もうこの人どこまで突っ走っていかれるのか、今後が楽しみ(笑)

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今夜はマのつく大脱走!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

友人・村田健の失恋記念(?)にシーワールドにやってきた有利はイルカショーの最中に再び眞魔国へ召喚されてしまう。ニセ魔王が処刑されそうになっているという話を聞いて処刑を止めに向かうのだが、その旅路の途中コンラッド達とはぐれてしまい、挙句自分の事を嫌っているグウェンダルと駆け落ちカップルに間違われ、手錠で繋がれて追われる羽目に!?
 

今まで仲の悪かったグウェンダルとユーリが歩み寄る話。結局グウェンダルって悪い人じゃないというか、良くも悪くもまっすぐなヒトなんだろうなあ…。幌馬車の中でのユーリとの、どこかズレたやりとりが非常に素敵です。

ニセ魔王を探してユーリ達が向かったスヴェレラという国は非常に刑罰の重い国。ニセ魔王が食い逃げの罪で処刑されそうになっていたり、決められた相手以外の男や魔族と恋をした女性達が囚人として強制労働をさせられていたり…。同時に魔族への反感も非常に強い国で重い展開が目白押し。特にかくまってくれた親子(祖父子?)達とのくだりとか採掘場で生まれた子供を“事故”と装って生き埋めにしようとする部分なんかは非常にやるせないものを感じました。

かなり重い展開の中、最後近くのノリカさんとのやりとりが唯一の救いのように感じました。

しかし、ヴォルフラム&ギュンターの(ある意味)ユーリ馬鹿二人の存在が爽やかに重い雰囲気をぶち壊しているのが素敵です。こいつら重い雰囲気なんかもろともしねえ!!ていうか二人ともかなりの美男子なのにこんなキャラでいいの!?(笑)

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今度はマのつく最終兵器!

[著]喬林 知 [絵]松本 テマリ

ひょんなことから異世界・眞魔国の魔王に祭り上げられてしまったごく普通(?)の高校生・渋谷有利。再び召喚された眞魔国では戦争の話が持ち上がっていた。小市民的正義感からなんとか戦争を止めたい有利は、魔王のみが持つことを許されるという魔剣「モルギフ」を求めて旅に出る。のんびりと船旅を満喫できるはずが婚約者のヴォルフラム(男)がおしかけてきたり、船は海賊に襲われたりで大変なことに…!
 

ヴォルフラムがすっかり女房気取りな件について。
前巻でのツンケンっぷりはなんだったんだろうってくらいユーリに「なついてる」ヴォルフの姿が偉い可愛いんですけど。いや、ツンツンしてる態度は変わらないんだけど台詞が思いっきり…嫉妬旋風巻き起こしまくりで独占欲丸出しで!何このツンデレ!!!

ストーリー本編も前作と同じくハイテンションなギャグストーリーなのですが…今回は人間と魔族の考え方の違い等が露骨に見え隠れしたり、魔族側もユーリをまだ魔王として認めていない動きがあったりして、前回に比べて少し重くなっていますね。ユーリが必死になって人間達を助けたのに、それによって正体がバレてしまうと凄く冷たい態度をとられたり。そんな中でも、それらの罵倒を前向きに受け止めて少しずつでも成長しようとするユーリの姿に好感が持てました。特にラストの“魔剣”に対する処断を決めた時の姿は確かな成長を見て取れて読んでいるほうとしても嬉しかった。
やっぱり主人公はこうじゃなくちゃね!

しかしすっかりツンデレ女房ポジションを確立してしまった(?)ヴォルフも大分アレですが、どんどんユーリバカと化していくギュンター(陛下ラブラブ日記とか謎の占いの数々とか…)や、今回で意外な趣味が発覚したグウェンダル等、キャラクターの暴走っぷりが楽しいです。特にギュンターは…国の中枢の役割を担うはずの人が陛下の不在ごときで機能しなくなっちゃっていいんですかっ!!(笑)眞魔国の今後が非常に心配です。

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二四〇九階の彼女

[著]西村 悠 [絵]高階@聖人

無数の世界が幾千と積み重なって形成された“塔”。サドリは廃棄された“塔”の2409階の世界に居るという少女と言葉を交わし、彼女との約束—いつか外に出て、海を見ること—を果たす為に途中で知り合った人工生命体のカエルと共に“塔”を降りていく。通り過ぎた世界では沢山の様々な人間がいて、それぞれ懸命に生きていく…。
 

各話結構面白くて基本となる世界設定等も非常に惹かれるんですけども、「キノになりきれなかったキノ」みたいな…良くも悪くもそんな印象を受けた作品でした。

“ただ一つの約束を果たす為に”という行動理念が根底にあるのなら主人公はあくまで傍観者に徹するべきだったと思うのです。しかもゲストキャラクター達の背負った運命や世界観などが重く、彼らが生み出すストーリーが非常に魅力的なのに対し、対照的に主人公の設定や背負うものは酷く薄い。こういうストーリーなら従来のテンプレ通りな熱血主人公を据えるよりもキノやモモのような“傍観者”的な主人公を据えた方が面白かったんじゃないでしょうか。

個々のストーリーは文句なしに面白かったんです。特に「九四三階の戦争」「一〇五六階の幻想」のラストは非常に切なくて、胸が締め付けられる思いでした。

作者的に、主人公を傍観者にしたいのか、それともフラグたてまくりの上条当麻的スタンスに持っていきたいのかが不鮮明なのに加え、階層数によって時系列がはっきりと示されているにも関わらず時系列をめちゃくちゃにして読ませているという意図が不明で、そこが気になって本編に集中できなかったというのもあったと思います。時系列が不鮮明だったりカエルとコンビを組ませたりしているのはやはり「キノの旅」を意識したストーリー構成という事なのかもしれませんが、それなら主人公をもっとでしゃばらせないで欲しかったです。というか特に意味がないなら時系列順でいいんじゃないかと思うんだけどなあ…続編が出る予定があって、実は続編以降の重要な伏線に繋がっていたりするのでしょうか。

近頃「キノ」や「しにがみ。」を読んでもだれだれに感じてしまう分「電撃短編界に新たな風が!!」とか序盤読んでて思っていただけに、凄く残念な感じでした。

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地下生活者/遠灘鮫腹海岸

[著]椎名 誠

とある駅の地下連絡通路を歩いていた"おれ"は突然の轟音を聞いた直後、数人の男女と共に連絡通路の中に閉じ込められてしまった。闇の中、ひたすら救助を待つが何の音も聞こえず、次第に"思念"が朽ち果てた肉体から離脱して…(地下生活者)
"地下"をテーマにした、ちょっとヘンでちょっと恐ろしいSF短編2作を収録。
 

高校時代に読んで非常に怖かったのですが物凄く印象に残った話であり、「とにかく怖かった」という印象しか無かったので再読。椎名誠といえば当時「岳物語」や「あやしい探検隊」等のエッセイ系しか読んだことが無かったので、この本を読んだときのインパクトは大きかったです。

どちらの短編も、現実でも簡単に起きてしまいそうな内容で、それが恐怖を誘います。特に地下連絡通路は最初に読んだときは暫く通行できなかったほど。こういう「身近な所に潜む恐怖」という方向性的にはライトノベルに例えると甲田学人の書く作品に似ているのですが、この作品には椎名誠ならではのユーモアセンスのようなものが溢れており、描写がありありと思い浮かぶ割にシリアスになりきれていない部分があります。

雰囲気たっぷりの甲田ホラーと違い、どこか淡々と、それでいて妙にユーモラスに物凄い事が書いてあったりするのが妙に怖いのです。面白いんだけど、同時に怖い。

ラストも全く落ちてないというか、なんだか判らないままに終ってしまうんだけどそれがまた良い。多分他作品でこんな落し方をしたら「ちっとも落ちてないじゃん!」と文句を付けまくるんでしょうけど。しかし本当にどちらの作品も最後はどうとでも受け取れて、結局どうなってたんだろうと真剣に悩んでしまう今日この頃です。

「地下生活者」の後半で"思念"になった主人公達が自分の家族に会いに行こうとする場面が印象的でした。

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みずたまぱにっく。 This is MIZUTAMASHIRO!!

[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草

超お嬢様学校である聖アンジェリーナ女学院に奨学金で通っている水田マシロは先生の紹介で学生寮のお手伝いのバイトを始めた。馬鹿みたいに立派な豪邸…にしか見えない超広い学生寮にはなんと4人しか寮生がおらず、しかもその4人は学園内でも『薔薇の団』と噂される美少女達で…!?
 

ショタっ子メイドが美少女達にかこまれてどたばたする話だと勘違いした私の心のときめきを返せーッ(つд`)

まほろばやラブひなもどきのギャグ風ラブコメを想像していましたが、むしろ学校でのトラブルなんかはハセガワ版「ルナティック雑技団という印象。「ドクロちゃんです」ですらご自分の作風を貫かれてしまったハセガワさんなので“コメディ”という響きが全く想像できなかったのですが、予想外に面白かったです。「しにがみ?」世界にも流れる時間が遅くなったような独特の雰囲気を生かしたまま、各所でちょっと笑ってしまうような作品に仕上がっています。何事にも一生懸命なマシロをはじめ、天真爛漫な忍、ツンデレな「エア・メガネ」こと千尋等キャラクターも凄く魅力的で、見ているとなんともほのぼのと癒される気持ちになります。

個人的には学園の方で、予想外にあっさりと殆どの生徒がマシロを受け入れてしまったのが表紙抜けというか、現実感があまりにも無かったかな。3バカ(失礼)がいい具合に噂を流してしまったというのはあったとしても、本当の女子高だったらこんな状況はありえないと思うのです。まあ、ここでドロドロした女の争いに発展しないのがハセガワ作品のいい所なのかもしれないけど。

しかし「エア・メガネ」は2006年度ライトノベル迷台詞ベスト3に入れそうな予感。

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ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン

[著]新井 輝、築地 俊彦、水城 正太郎、師走 トオル、田代 裕彦、吉田 茄矢、あざの 耕平 [絵]駒都 えーじ、さっち、しのざき あきら、村崎 久都、緋呂河 とも、若月 さな、深山 和香

富士見須高校に通う高校生の健一は、ある日机の中で妙な“学級日誌”をみつけた。日記に書いた未来の内容が何故か現実となってしまうノートのお蔭で人々にはネコミミが生えるわ、現実と虚構の世界までごっちゃになってきて…!?ネコミミメイドで眼鏡ッ娘な美少女作家・吉田茄矢は世界を救う事が出来るのか!!…………アレ?
 

富士見ミステリー文庫と一部ファンタジア文庫の人気作家達が繰り広げる、リレー小説企画…電撃の「ドクロちゃんです」で更に悪乗りしてしまったような話。ストーリー展開はもう滅茶苦茶で3話目の水城正太郎先生のパートからは楽屋オチまで横行し始め…と色々な方向でしっちゃかめっちゃか。きっとさぞかし世間の評価は真っ二つな事でしょう。っていうかどこが「ラブバージョン」なのか判らないから!!いいぞいいぞ、もっとやれー!!!

妙な学級日誌に翻弄される2話までもさることながら、脱線して楽屋オチが横行し始める3話以降が激しくツボ。ある者は生みの親に反旗を翻し、ある者は協力し…的な作者とキャラクター達の「食うか食われるか」な関係にニヤニヤしつつ、その懸け合いに散々爆笑させていただきました。

リレー小説ならではの脱線具合や作者陣のお遊び具合もさることながら特筆すべきは吉田先生&あざの先生パートの富士見ミステリー文庫の自虐ネタ

「それともこれは富士見須を亡き者にしようとする○撃文庫の陰謀ですかっ。」
「まあ、うちって○撃に狙われるほど大きくないしさー」
「あ、あいつはマジひどいんだよ。だって、あいつ、○○文庫で書いたんだぜ?


○撃文庫ライバル視されまくりwwwww
最期のは何気にHJ文庫らしいですが。

「うちは富士ミスだよ?本格的なミステリーなんて誰も求めてないんだから。


編集長自らこの発言。自らのレーベルの存在全否定です。
最早“ミステリー文庫”としての存在意義はどこへっ!?
(…ミステリーより“L・O・V・E寄せ”らしいですが…)

自虐といえば、山鹿弁護士と一緒にやたらとカプコンの某裁判ゲームがネタにされていましたが、これにも自虐ネタの香りを感じるなあ…。


軽い○スノートパロディで始まり、楽屋裏に次ぐ楽屋裏を繰り返し、そしてラストは死体出まくりの自虐オチ。確かにプロの書く一つの“小説”としてはとんでもない型外れかもしれませんが、今期一番笑わせていただいたのもこの作品だと思います。基本的に全シリーズを読破していなくても全然楽しめるストーリーとなっているので(っていうかスイマセン、キャラクターの出てきた話って「タクティカル・ジャッジメント」以外読んだことありません…それどころか参加してる作家さんの作品も「さよなら、いもうと。」と「HYDRA」しか…!!)いわゆるギャグ小説・馬鹿小説と呼ばれるたぐいに目がない人には兎に角オススメ!!



あ、「学園キノ」と「ドクロちゃんです」がダメだった人はオススメできません。


ところで、風見先生が「きるらぶ」のどのキャラと連れ立って歩いたのかが微妙に気になる。

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我が呼び声に応えよ獣 魔術士オーフェンはぐれ旅

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

かつて《牙の塔》という魔術組織に身をおいていた魔術士・オーフェンは魔術の失敗で恐ろしい怪物の姿になってしまった姉弟子のアザリーを追って組織を抜け、副業で金貸し屋をやりながら彼女を探すという生活を営んでいた。今日は金貸し屋の顧客である地人の兄弟に「金儲け」の話があると言われ、のこのこ出かけていったのだが…!?
 

超今更ですが買ってみました。何か良くも悪くも「スレイヤーズ!」と同じく現在のライトノベルの原点というか、それに近い印象を受けました。よく言えば「古きよき時代の?」で悪く言うと現在の時代から見ると「ありがち」、なんだよなあ。何かと比較される「スレイヤーズ!」と比べると特に目新しい要素も無く金貸し屋という設定の割にはストーリーも至極シリアスで、良くも悪くも現在のライトノベルのファンタジー系バトル作品としては王道な感じのストーリーで、文章のテンポも良いので安心して楽しめました。

地人の兄弟やクリーオウの存在がちょっとした息抜きというか、3人が出てくると一気にシリアスな空気が崩壊する所が個人的には良かったです。短編の方が面白いと薦められた事があるので、そちらもあわせて読んでいきたいと思います。

しかし、マジクは無理してここで出さなくてもよかったんじゃ…微妙に何度かアニメを見ていたので「これから活躍するのかな?」と思ってみていましたが、何もしらないで読んだら彼の存在自体が意味不明だったに違いない。

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