ページ 172 | 今日もだらだら、読書日記。

▼ 最近の記事

二四〇九階の彼女

[著]西村 悠 [絵]高階@聖人

無数の世界が幾千と積み重なって形成された“塔”。サドリは廃棄された“塔”の2409階の世界に居るという少女と言葉を交わし、彼女との約束—いつか外に出て、海を見ること—を果たす為に途中で知り合った人工生命体のカエルと共に“塔”を降りていく。通り過ぎた世界では沢山の様々な人間がいて、それぞれ懸命に生きていく…。
 

各話結構面白くて基本となる世界設定等も非常に惹かれるんですけども、「キノになりきれなかったキノ」みたいな…良くも悪くもそんな印象を受けた作品でした。

“ただ一つの約束を果たす為に”という行動理念が根底にあるのなら主人公はあくまで傍観者に徹するべきだったと思うのです。しかもゲストキャラクター達の背負った運命や世界観などが重く、彼らが生み出すストーリーが非常に魅力的なのに対し、対照的に主人公の設定や背負うものは酷く薄い。こういうストーリーなら従来のテンプレ通りな熱血主人公を据えるよりもキノやモモのような“傍観者”的な主人公を据えた方が面白かったんじゃないでしょうか。

個々のストーリーは文句なしに面白かったんです。特に「九四三階の戦争」「一〇五六階の幻想」のラストは非常に切なくて、胸が締め付けられる思いでした。

作者的に、主人公を傍観者にしたいのか、それともフラグたてまくりの上条当麻的スタンスに持っていきたいのかが不鮮明なのに加え、階層数によって時系列がはっきりと示されているにも関わらず時系列をめちゃくちゃにして読ませているという意図が不明で、そこが気になって本編に集中できなかったというのもあったと思います。時系列が不鮮明だったりカエルとコンビを組ませたりしているのはやはり「キノの旅」を意識したストーリー構成という事なのかもしれませんが、それなら主人公をもっとでしゃばらせないで欲しかったです。というか特に意味がないなら時系列順でいいんじゃないかと思うんだけどなあ…続編が出る予定があって、実は続編以降の重要な伏線に繋がっていたりするのでしょうか。

近頃「キノ」や「しにがみ。」を読んでもだれだれに感じてしまう分「電撃短編界に新たな風が!!」とか序盤読んでて思っていただけに、凄く残念な感じでした。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

地下生活者/遠灘鮫腹海岸

[著]椎名 誠

とある駅の地下連絡通路を歩いていた"おれ"は突然の轟音を聞いた直後、数人の男女と共に連絡通路の中に閉じ込められてしまった。闇の中、ひたすら救助を待つが何の音も聞こえず、次第に"思念"が朽ち果てた肉体から離脱して…(地下生活者)
"地下"をテーマにした、ちょっとヘンでちょっと恐ろしいSF短編2作を収録。
 

高校時代に読んで非常に怖かったのですが物凄く印象に残った話であり、「とにかく怖かった」という印象しか無かったので再読。椎名誠といえば当時「岳物語」や「あやしい探検隊」等のエッセイ系しか読んだことが無かったので、この本を読んだときのインパクトは大きかったです。

どちらの短編も、現実でも簡単に起きてしまいそうな内容で、それが恐怖を誘います。特に地下連絡通路は最初に読んだときは暫く通行できなかったほど。こういう「身近な所に潜む恐怖」という方向性的にはライトノベルに例えると甲田学人の書く作品に似ているのですが、この作品には椎名誠ならではのユーモアセンスのようなものが溢れており、描写がありありと思い浮かぶ割にシリアスになりきれていない部分があります。

雰囲気たっぷりの甲田ホラーと違い、どこか淡々と、それでいて妙にユーモラスに物凄い事が書いてあったりするのが妙に怖いのです。面白いんだけど、同時に怖い。

ラストも全く落ちてないというか、なんだか判らないままに終ってしまうんだけどそれがまた良い。多分他作品でこんな落し方をしたら「ちっとも落ちてないじゃん!」と文句を付けまくるんでしょうけど。しかし本当にどちらの作品も最後はどうとでも受け取れて、結局どうなってたんだろうと真剣に悩んでしまう今日この頃です。

「地下生活者」の後半で"思念"になった主人公達が自分の家族に会いに行こうとする場面が印象的でした。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

みずたまぱにっく。 This is MIZUTAMASHIRO!!

[著]ハセガワ ケイスケ [絵]七草

超お嬢様学校である聖アンジェリーナ女学院に奨学金で通っている水田マシロは先生の紹介で学生寮のお手伝いのバイトを始めた。馬鹿みたいに立派な豪邸…にしか見えない超広い学生寮にはなんと4人しか寮生がおらず、しかもその4人は学園内でも『薔薇の団』と噂される美少女達で…!?
 

ショタっ子メイドが美少女達にかこまれてどたばたする話だと勘違いした私の心のときめきを返せーッ(つд`)

まほろばやラブひなもどきのギャグ風ラブコメを想像していましたが、むしろ学校でのトラブルなんかはハセガワ版「ルナティック雑技団という印象。「ドクロちゃんです」ですらご自分の作風を貫かれてしまったハセガワさんなので“コメディ”という響きが全く想像できなかったのですが、予想外に面白かったです。「しにがみ?」世界にも流れる時間が遅くなったような独特の雰囲気を生かしたまま、各所でちょっと笑ってしまうような作品に仕上がっています。何事にも一生懸命なマシロをはじめ、天真爛漫な忍、ツンデレな「エア・メガネ」こと千尋等キャラクターも凄く魅力的で、見ているとなんともほのぼのと癒される気持ちになります。

個人的には学園の方で、予想外にあっさりと殆どの生徒がマシロを受け入れてしまったのが表紙抜けというか、現実感があまりにも無かったかな。3バカ(失礼)がいい具合に噂を流してしまったというのはあったとしても、本当の女子高だったらこんな状況はありえないと思うのです。まあ、ここでドロドロした女の争いに発展しないのがハセガワ作品のいい所なのかもしれないけど。

しかし「エア・メガネ」は2006年度ライトノベル迷台詞ベスト3に入れそうな予感。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン

[著]新井 輝、築地 俊彦、水城 正太郎、師走 トオル、田代 裕彦、吉田 茄矢、あざの 耕平 [絵]駒都 えーじ、さっち、しのざき あきら、村崎 久都、緋呂河 とも、若月 さな、深山 和香

富士見須高校に通う高校生の健一は、ある日机の中で妙な“学級日誌”をみつけた。日記に書いた未来の内容が何故か現実となってしまうノートのお蔭で人々にはネコミミが生えるわ、現実と虚構の世界までごっちゃになってきて…!?ネコミミメイドで眼鏡ッ娘な美少女作家・吉田茄矢は世界を救う事が出来るのか!!…………アレ?
 

富士見ミステリー文庫と一部ファンタジア文庫の人気作家達が繰り広げる、リレー小説企画…電撃の「ドクロちゃんです」で更に悪乗りしてしまったような話。ストーリー展開はもう滅茶苦茶で3話目の水城正太郎先生のパートからは楽屋オチまで横行し始め…と色々な方向でしっちゃかめっちゃか。きっとさぞかし世間の評価は真っ二つな事でしょう。っていうかどこが「ラブバージョン」なのか判らないから!!いいぞいいぞ、もっとやれー!!!

妙な学級日誌に翻弄される2話までもさることながら、脱線して楽屋オチが横行し始める3話以降が激しくツボ。ある者は生みの親に反旗を翻し、ある者は協力し…的な作者とキャラクター達の「食うか食われるか」な関係にニヤニヤしつつ、その懸け合いに散々爆笑させていただきました。

リレー小説ならではの脱線具合や作者陣のお遊び具合もさることながら特筆すべきは吉田先生&あざの先生パートの富士見ミステリー文庫の自虐ネタ

「それともこれは富士見須を亡き者にしようとする○撃文庫の陰謀ですかっ。」
「まあ、うちって○撃に狙われるほど大きくないしさー」
「あ、あいつはマジひどいんだよ。だって、あいつ、○○文庫で書いたんだぜ?


○撃文庫ライバル視されまくりwwwww
最期のは何気にHJ文庫らしいですが。

「うちは富士ミスだよ?本格的なミステリーなんて誰も求めてないんだから。


編集長自らこの発言。自らのレーベルの存在全否定です。
最早“ミステリー文庫”としての存在意義はどこへっ!?
(…ミステリーより“L・O・V・E寄せ”らしいですが…)

自虐といえば、山鹿弁護士と一緒にやたらとカプコンの某裁判ゲームがネタにされていましたが、これにも自虐ネタの香りを感じるなあ…。


軽い○スノートパロディで始まり、楽屋裏に次ぐ楽屋裏を繰り返し、そしてラストは死体出まくりの自虐オチ。確かにプロの書く一つの“小説”としてはとんでもない型外れかもしれませんが、今期一番笑わせていただいたのもこの作品だと思います。基本的に全シリーズを読破していなくても全然楽しめるストーリーとなっているので(っていうかスイマセン、キャラクターの出てきた話って「タクティカル・ジャッジメント」以外読んだことありません…それどころか参加してる作家さんの作品も「さよなら、いもうと。」と「HYDRA」しか…!!)いわゆるギャグ小説・馬鹿小説と呼ばれるたぐいに目がない人には兎に角オススメ!!



あ、「学園キノ」と「ドクロちゃんです」がダメだった人はオススメできません。


ところで、風見先生が「きるらぶ」のどのキャラと連れ立って歩いたのかが微妙に気になる。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

我が呼び声に応えよ獣 魔術士オーフェンはぐれ旅

[著]秋田 禎信 [絵]草河 遊也

かつて《牙の塔》という魔術組織に身をおいていた魔術士・オーフェンは魔術の失敗で恐ろしい怪物の姿になってしまった姉弟子のアザリーを追って組織を抜け、副業で金貸し屋をやりながら彼女を探すという生活を営んでいた。今日は金貸し屋の顧客である地人の兄弟に「金儲け」の話があると言われ、のこのこ出かけていったのだが…!?
 

超今更ですが買ってみました。何か良くも悪くも「スレイヤーズ!」と同じく現在のライトノベルの原点というか、それに近い印象を受けました。よく言えば「古きよき時代の?」で悪く言うと現在の時代から見ると「ありがち」、なんだよなあ。何かと比較される「スレイヤーズ!」と比べると特に目新しい要素も無く金貸し屋という設定の割にはストーリーも至極シリアスで、良くも悪くも現在のライトノベルのファンタジー系バトル作品としては王道な感じのストーリーで、文章のテンポも良いので安心して楽しめました。

地人の兄弟やクリーオウの存在がちょっとした息抜きというか、3人が出てくると一気にシリアスな空気が崩壊する所が個人的には良かったです。短編の方が面白いと薦められた事があるので、そちらもあわせて読んでいきたいと思います。

しかし、マジクは無理してここで出さなくてもよかったんじゃ…微妙に何度かアニメを見ていたので「これから活躍するのかな?」と思ってみていましたが、何もしらないで読んだら彼の存在自体が意味不明だったに違いない。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

しずるさんと無言の姫君たち

[著]上遠野 浩平 [絵]椋本 夏夜

冬の雪山で、到底その場にはそぐわないヒール姿の女性の死体がみつかった。死体は酷く綺麗な状態で欠損が無く、しかも苦しんだ跡が見えなかったため「白雪姫」等と渾名される。いつもの通り病院を訪れたよーちゃんが、その事件の話をしずるさんにしてみると…?
 

「白雪姫」「人魚姫」「眠り姫」「かぐや姫」と、おとぎ話のヒロインに見立てた死体達の事件をしずるさんが病室から解き明かすお話。タイミングよく直前に「断章のグリム」を読んでおり、ちょっとだけ「これ、なんて断章のグリム?」って思ったのは内緒ですが特に人魚姫の話等はそちらを読んでいたことも含めて感慨深く読むことができました。

いつもの通り、安楽椅子探偵役の少女・しずるさんとワトソン役のよーちゃんの会話を読んでいるだけでもなんだかほのぼのしてしまいますが、今回はよーちゃんがしずるさんに隠し事をして気まずくなったり…と少々暗め。しずるさんに隠された謎も少しずつ形を帯びてきた感じでやはり今後は彼女の正体についても明かされていくのでしょうか。

しかし、同時に1巻を読んだ際の自分の読後感想を読み直すと、しずるさんがよーちゃんと触れ合うことによって少しずつ前向きに変わっていっているような印象を受けました。少なくても1巻で感じたしずるさんへの「後ろ向きな人」という評価は訂正したい所。二人の温かい会話の雰囲気が非常に好きなので、是非ラストは二人とも幸せになって欲しいです。

そして本編と共に進んでいく「ハリネズミのチクタ」ですがラスト2編では二人が会話形式でお話を組み立てていく、という形式でなくなっているのが非常に印象的。特に最終章のチクタは明らかに第三章の視点から語られています。時計職人も見つかったことだし、本編もこれからクライマックスに突入、という事でしょうか。
二人の関係やしずるさんの秘密ともども、ハラハラしながら続編を楽しみにしたいと思います。




だから次は是非とももうちょっと早めに出してくださいねっ(ボソ)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

断章のグリム 3 人魚姫

[著]甲田 学人 [絵]三日月 かける

泡禍事件解決の要請を受け、神狩屋が以前住んでいたという街を訪れた蒼衣達。そこで神狩屋の義妹となるはずだった少女・海部野千恵に出会う。重度の潔癖症である彼女の家の周りは、石鹸の泡で満たされていた。不穏な空気を感じた3人は、彼女の招待を受けて海部野家に一夜の宿を借りることになるが…
 

2巻を読んで「最近そこまで甲田作品の描写イタくないよねー」とか「現実離れしすぎて今までのように描写が実感を伴ってこない」とか言って侮っていたら3巻は初っ端からやってくれました。間違っても爽やかな朝に読んではいけません。歯磨きする前にも読んではいけません(どっちも読んで大後悔したのは私ですが。)

今回はグリムではなく、アンデルセン童話「人魚姫」を元にした怪奇。…とはいっても、解決編は次巻に持ち越し、ということでイタイ描写以外に突っ込める場所があまりないかも。どういうなぞらえに従って事件が進んでいっているのか今の状態だと全く不透明だし、どうも今の状態で色々と当てはめていくと矛盾が多いんだよな…「人魚姫」のストーリーにも隠されたオチがあるのではないかと邪推してみたり。

しかし、こうやってストーリーに対する感想が書けないと気付かないけどこの作品、予想以上にキャラクターに対する印象が薄いことに驚きます。Missingの時はストーリーも面白いんだけどそれ以上にキャラクターが強烈だった印象があるのですが…特に空目・神野・吐野の3人は電撃文庫作品内でも有数の強烈な個性の持ち主だったと思っているだけに、なんだかこのシリーズは前作ほどキャラクターで楽しめないのが、残念。
同じツンデレなら、私は断然雪乃よりも亜紀たんを推しますよ!(聞いてない)

2巻と3巻の間に半年近い年月が経っているので、続編となる4巻は出来るだけ早めに出て欲しいと願うばかりです。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

銀色のオリンシス

[著]雨宮 ひとみ [絵]平井 久司

木星への研修生として宙域航海船キング・オブ・ミーメニア号に乗り込んだ相沢航一。初めての宇宙に心躍らせる航一だったが、木星に向かう途中でミーメニア号は空間の歪みの中に突っ込み、事故を起こしてしまう。爆発の中気を失った航一が目を覚ますとそこは緑豊かな見知らぬ場所で、しかも自分の事を「兄様」と呼ぶ少女まで現れて…!?
   個人的お気に入り度数

現在放映中のアニメ「銀色のオリンシス」の過去話にあたるストーリーらしいです。

うーん…アニメと並行でシリーズ化が決定している(あとがきを読む限り)所為か、見事に風呂敷だけ広げて何か主人公に秘密があるっぽい伏線を披露しただけで「次回に続く!」って終わり方…ページ数もそんなに厚い方じゃないので、もう少し厚くしてストーリーをもう少し進めてしまわないと続編を読みたい、アニメを見たい!って気にはあんまりならないですね。確かに無料で見る事が出来、30分で終了しなければいけないアニメの第一話だったらこういう終わり方で良いのでしょうが…。

どうも作者の人はアニメの第一話的ノリで小説の第一話を書いてしまったような印象を受けます。まだこれがアニメの完全ノベライズだったらアニメにつなげられるかもしれないのですが、アニメ版とは異なる時間軸の話という事で、この小説からの読者をアニメ版につなげるのは非常に難しいかと。ていうかこのアニメ、巨大ロボットモノじゃなかったんですか。ロボットは?燃えるバトルは何処!!良くも悪くも「既にアニメをみていて、更にオリンシスの世界を広げたい!」と思う方に焦点を絞った作品になってしまっています。

ミーメニア号が事故に遭うシーンの描写は非常に印象的で、文章自体は下手な人ではないと感じただけに、なんだかもったいないなあ…

しかし、この本を読んで実感したのですが、平井さんの絵は正直小説の挿絵には向いてないと思うのですよ。アニメ絵じゃないと映えないというか、カラーじゃないとキャラクターの区別がつか…ゲフンゲフン!!

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

れじみる。

[著]藤原 祐 [絵]椋本 夏夜

姫島姫には早見殊子という“彼女”がいる。そんな彼女と遊園地へデートに出かけた姫なのだが、遊園地には見知った顔が居て…!?
ほのぼの×ダークなレジンキャストミルクシリーズに100%“ほのぼの”な短編集が登場!
 

ツンデレ少女・蜜と硝子がお料理対決をしたり、人間の区別をつけることが出来ない理緒がお祭で小さな男の子と交流したり、皆で海水浴に行ったり、保健教師佐伯ネアのちょっと特殊な嗜好?が明らかになったり…と各キャラクターの魅力満載な短編集です。個人的には5巻ですっ飛ばされた海水浴話が収録されてて満足だったり(笑)

一番ツボにハマったのはなんと言っても2話の蜜VS硝子のお料理対決。テンプレ通りに天然に蜜を刺激する硝子も素敵ですが、なんといっても盛大にスレ違って義娘との距離が縮まったと強引に勘違いしてしまう蜜のお母様が素敵過ぎます。蜜の料理シーンは爆笑必須。電車の中で読む際は注意しましょう。つか電車の中で読むのは危険です。

また、3話の理緒の夏祭りの話は“虚軸”としての悲哀もちょっぴり滲ませつつほのぼの良い話で面白かったです。ラストの男の子のセリフではじーんとしてしまいました。一番ツボったのが“ぶつもり”だなんてナイショですが。そんな明らかに癒され無さそうなダークなスローライフ、ちょっと体験してみたい。そういえば電撃作家陣の間では流行ってるんですっけ?“ぶつもり”。

またプロローグ・エピローグで本編1巻前、5巻直前の硝子が見れます。彼女の感情がどれだけ成長したか感じられるのもなんか良いですね。そして5話ラストのバニー硝子に萌え。

一編一編に密かに本編でも人気な椋本夏夜さんの漫画も収録して、レジンキャストミルクファンなら大満足必至の短編集です。是非この調子で第二段も出して頂きたいです!(笑)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

リバーシブル 1 黒の兵士

[著]水月 昂 [絵]方密

実際に存在する街「セントラルシティ」で破壊活動を繰り広げるという主旨のネットワークゲーム“マスケラ”。非合法なこのネットワークゲームにハマり、毎晩ミッションをこなしていく俺達7人グループだったが、ある日“マスケラ”を持ってきた先輩・相馬が失踪してしまう。しかも、それ以来周囲に危険な事件が起こり始めて…
 

面白かったとは思うんですが、なんか全体的に印象が薄い感じ。ヴァーチャルリアリティのネットゲームとか汎用殺戮アンドロイドとか主人公の父が残した《調停者》と呼ばれる不思議なデヴァイス等、燃えポイントは色々あったはずなのですが…。一番最初の“マスケラ”をプレイしているあたりが描写もかっこよく、スピード感があって、一番面白かった気がします。あとはイマイチ…。

一番痛かったのは、やはりなんとなく先の展開が読めてしまった事かな。上手くどんでん返しに使えば強烈なインパクトを残しそうな要素を沢山内包しているのに、序盤で「あ?、ここはひょっとしてこうなるんじゃないかな」と思えてしまうのが痛かった。それともラノベの読みすぎでこういう展開に慣れてしまった結果でしょうか。昔はこんな深読みなんぞできなかった気がするんですが_| ̄|○

《調停者》もイマイチ凄そうなところが伝わってこなかったです。敵に狙われているのなら主人公の父が何故送ってきたときに警告を発しなかったのかというのも謎だし(普通に何も言わずに送ったら息子がお土産だと勘違いして濫用することくらい考えておけよ!)逆に何故そこまでして敵に狙われているのかという理由付けも不鮮明で、とりあえず凄いんだということしか判りませんでした。《調停者》よりもヒロインの伊緒の方が余程凄く見えたよ!!とても普通の高校生とは思えない能力の高さに呆然です。実は中身40歳軍属の経験豊かなナイスミドルとかってオチはないよね!?

ネットワークゲームをプレイしている人間としては、序盤の和美の「現実と仮想世界の境界が曖昧に?」云々というセリフが一番印象に残りました。印象に残っただけで後半の展開に特に響いてなかったのが切ない限りですが。続編は…まあ気が向いたら読もうっと…。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)