ページ 173 | 今日もだらだら、読書日記。

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彩雲国物語 紅梅は夜に香る

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

茶州の一件で州牧の地位を剥奪され、仕事のない「冗官」として王都に戻ってきた秀麗。謹慎中の彼女の前に、金色のタヌキを持った貴族の青年が現れる。やる気の無さそうな彼の口から出たのは、なんと秀麗への結婚の申し込みで…!?
 

後書きにもありましたが、表紙の秀麗&劉輝の姿が結構インパクトありました。「はじまりの?」を思い浮かばせるような構成になってるのは意図的なんですね。一巻のどこか可愛らしい表情と比べる、凄く大人びた表情を浮かべる二人が印象的。(しかし、御蔭様で例によって巻数が書いて無いお蔭で「はじまりの?」と間違えて飛ばしそうになったのはナイショです。

何故かきらびやかなタヌキグッズで身を包んだ新キャラ・タンタン(静蘭命名…)が凄く良い味出してました。今まで色々なレビューサイトさんでも言われてましたが結構ご都合主義というか、登場人物が総出で秀麗の援護に回ってしまう部分があったので(キツイと思われるキャラでも、なんだかんだ言って甘やかしてる印象があった気がする)、秀麗と共にありながら秀麗や仲間達が敢えて触れないで置いている部分までズバズバ言ってしまえるタンタンは中々貴重なキャラクターかと。今回…というかこの「冗官編」はこのタンタン君の事だけではなく、色々と秀麗が敢えて見ないようにしていた部分を改めて見つめなおす機会が非常に多かったと思います。一生懸命走ってきたけどまだ秀麗には“女としての幸せ”を選ぶ事も出来る。今まで単なるヘタレ幼馴染(酷)だった三太の発言が胸にしみました。

しかし静蘭………茶朔洵の一件で開き直ったか、最近露骨に腹黒キャラ化が激しい気がします…つか腹黒っていうか近頃堂々と黒いぞ!?(秀麗の前以外では)

ラストは、このシリーズにしては珍しく少し後味の悪い終わり方。「漆黒の月の宴」の時以上に秀麗が良かれと思って行った行動が裏目に出てしまったというか…なかなか考えさせる終わり方でした。いつものスッキリ大逆転!!な終り方も良いですが、今回のラストもなかなか面白かったです。

サブタイトルの「紅梅」は、なんとなく現しているのがあのキャラ…だろうなあ、と思って特に調べたりしてなかったのですが、他のレビューサイトさんで辞書サイトへのリンクがあったので見てみたところ…うわっ、こんな深い意味だったんだ。ある意味絶妙なタイトルセンスに脱帽です。ひょっとしてこれ、今回出張ったあのキャラ以上に秀麗と劉輝の複雑な関係のことも暗に示してるんじゃないかな…と思ってみたり。エピローグでの二人の会話(というか秀麗の雄たけび?(笑))が凄く「らしくて」好きでした。

もふもふ系で偉く可愛い…けど王妃の事となればパワフルに劉輝を追い掛け回すおじーちゃんの「うーさま」や、新たな秀麗の政敵?も現れて、ますます次巻が楽しみです。つか、うーさま可愛いな…一匹(!?)欲しいわ…(´?`*)

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彩雲国物語 藍より出でて青

[著]雪乃 紗衣 [絵]由羅 カイリ

もうすぐ夢にまで見た会試!…なのに、王都に転がり込んできた藍家のぼっちゃま、藍龍蓮に振り回されてばかりの秀麗たち。秀麗の家でご馳走になることになった龍蓮は手土産を手に入れようとするが…!?(「王都上陸!龍蓮台風」)
会試直前の藍龍蓮と秀麗達、州牧就任直後の春姫と克洵、茶州を去る直前の秀麗達、計3話+αを収録。
 

やっばい、龍蓮に激しく惚れた(*´д`)

明るく振舞ってるけど実は?(略)なキャラは今も昔も大好きです。
会試は2位通過だし、よもやホンモノの馬鹿ではないだろうとは思っていましたが、
ここまで重いキャラだったとは…凄くイイ!
秀麗・影月とのトリオも微笑ましいですが、それ以上にお兄様である楸瑛との兄弟コンビが凄く好き。冷酷そうに見えてもなんだかんだいって甘やかし気味な楸瑛兄ちゃんに密かに萌え。

そして茶州メンバーや龍蓮の強烈なキャラクターに押されて出番こそ減ってるものの、王都キャラの行動も相変わらずいかしてます。奇人と黎深さんのコンビはもう漫才コンビと勝手に認定していいですか?仮面の件は笑いが止まらなかったよww

ラストの話では茶州で秀麗達がやってきた事が本当の意味で認められたように思えて、非常に感慨深かった。最終的には石榮村での“失敗”を理由に左遷されて茶州を去ることにはなるんだけど、彼女達のやった事を誰よりも民達はちゃんと認めてくれている、という所にじーんと来ました。そして妙に逞しく生きてる若き医者の卵たちに大爆笑。

龍蓮のお馬鹿っぷりや克洵のヘタレっぷりが面白くてつい忘れがちですが今までのストーリーの補完・後のストーリーへの仕込みも満載。
藍龍蓮の重い運命や前巻ラストで取り乱した理由、「欠けゆく白銀の?」で見せていた香鈴の不安の原因など、今までの作品を読んだ人には美味しい展開が満載です。ますます続編が楽しみになってきました。

特にラストの葉先生との会話が凄く意味深で気になります。

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角川ビーンズのシリーズの判り辛さって異常

彩雲国物語の影月編を前中後編の2冊目から買った件に引き続き、今度は短編「藍より出でて青」と間違えて既に読んだはずの「朱にまじわれば紅」を買いそうになった件について。(←レジで気が付いた)

1回目は書店で探したら前編が売り切れていて「間にあと1冊ある」というのを知らずに中編を買ってしまったのが原因。そして2度目は短編シリーズという事で「朱に交われば?」と「藍より出でて?」だけ別に並べてあったのが原因。「次は短編」っていう覚え方が悪かった模様です。表紙のノリも似てる上に普段カバーかけた状態で読破してしまう私に表紙の絵柄のみで判別するのは無理。

「マ王!」や「少年陰陽師」シリーズを読もうと思い立ったときも感じたんだけど、角川ビーンズ文庫はなぜシリーズモノに巻数を入れないんでしょう。次にどれを読めばいいのか、後ろの既刊一覧見ないと判らないって言うあの判り辛さは異常。次の巻をイチイチ確認するのが面倒くさくて続巻を買おうっていう気分になかなかならないのですが…

しかしその割りに間違えて読みとばしたり、ダブル購入をしたという話は聞かないので皆すごいなあ、と思っていたらこんなエントリを発見して正直物凄い安心しました。私だけじゃなかった!!
そういえば富士見ファンタジアや角川スニーカーも一部の作品で巻数表示なかったですよね…「フルメタ」や「バイトでウィザード」の時結構苦労した記憶が…

余談ですが、自分のバイト先も古本販売をやっているのでコッソリ売れ行きを調べてみたのですが、スレイヤーズは本編はそれなりに売れ行きがよく、ここ最近に発売された「すぺしゃる」の方が大量に在庫が残ってる感じでした。
富士見ファンタジアって親会社のマスターがおかしいのかなんなのか、シリーズ名の表記がなくてサブタイトルのみの表示になるので富士見でマイナーなラノベシリーズは総じて売れてません。それを考えるとスレイヤーズ本編は健闘している方?ていうかほんと、富士見書房の商品マスター、いつか修正しに行きたい…

ちなみにうちの職場で定期的に在庫入ってきて、しっかり売れてくれるラノベは「マ王」と「フルメタ」でした…ってどっちもタイトルに通し番号振られてない作品ですね。フルメタなんかシリーズタイトルすら入っていないのに、なぜかよく売れる。意外にタイトルと通し番号と売上は関係ないのか、それともかなりマイナーなうちのショップで買ってく人が猛者なのか…。


オーフェンは……………えっと………可哀想だから見なかったことにしてあげてください。殆どの巻に恐ろしい量の在庫があるのはどういう…(ガクガクブルブル)


微妙に追記。
シリーズタイトルが入ってないのはうちのバイト先個人の事情なので、世間的な売上がどうなのかは謎です。ネットの小売店と普通の古本屋では売れるものもかなり違ってきますし、ネット古本屋の代表格ともいえるイーブックオフなんかはちゃんとシリーズタイトル入れて売ってますしね。
売れ行きの話はあくまで1つの例ってことで、ひとつ。

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ダナーク魔法村はしあわせ日和 都から来た警察署長

[著]響野 夏菜 [絵]裕龍 ながれ

優秀な潜入捜査官だったイズーはとある事件をきっかけに仕事が出来なくなり、警察署の署長として栄転…という名の左遷を受ける事に。自らの境遇に納得がいかないイズーだが、更に赴任したダナーク村は「田舎の」「平和な」「魔法使い達の村」で…!?
 

実に10年ぶりに、正統派少女レーベルに手を出してみました(ぶっちゃけ角川ビーンズは少女レーベルとは認めない方向で。)

真面目で冷静(?)な署長・イズーが破天荒な魔法少女・ビーを始めとした一風変わった村人達に振り回されながら、少しずつ心の傷を癒し、村に馴染んでいく…という話。魔法村という設定以上に一昔前の田舎的なのどかな雰囲気を感じさせる村の描写が凄く心地よくて、「こんな村に住みたいなあ」と思わせてしまうものがありました。ジブリ映画で食べ物が半端じゃなく美味しそうに感じてしまうような、そういう感覚。少女レーベルというと恋愛モノばかりというイメージがあったのですが(中学時代はコバルトとティーンズハートばっかり読んでたクセに…)恋愛要素も薄く、凄く読みやすかったです。

ほのぼの?とした空気の前半から後半は急展開。イズーでも捕まえるのに手を焼いた凶悪犯をあっさり始末してしまう魔女達の手際のよさにニヤニヤしつつ、魔女長の言葉にジーンとしてしまいました。最後まで凄くすっきりした気分で読むことが出来て、凄く面白かったです。続編が出たらまた読んでみようと思います。

ちなみにこの本、「ラノベ365日」さんの感想を読んだら面白そうだったので、つい大量の積読本を尻目にうっかり手を出してしまったんだけど実は紹介されていた本で気になったのは実は同じレーベルの別の本だったり…。
こちらも面白かったのでそれはそれで得をしたということで。最初に気になっていたほうも近いうちに買って来ようっと。


追記。
よく考えたらこれもコバルト文庫でした。
もう私の中で多分新井素子って少女小説とかライトノベルの括りじゃないんだよな…すっかり忘れてましたorz

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マキゾエホリック Case1 転校生という名の記号

[著]東 亮太 [絵]Nino

数々のトラブルに巻き込まれ、転校を繰り返した高浪藍子。彼女が新しく転入した私立御伽学園1年乙組は巫女やメイドや暗殺者、超能力者にマッドサイエンティストに勇者などなど…一筋縄では行かない奇妙な面子ばかり集められたクラス。しかも転校初日から彼女の転校データが消失していきなり退学の危機に…!?
 

ひたすらキャラクターが多すぎて初っ端から混乱。
とにかく凄く沢山の曲者が居て、それら全員がライトノベルで主役はれるような面白設定満載、というのは判ったけどその設定を前に出そうとし過ぎてキャラクターを大量に投入しすぎ、メインキャラクター以外のキャラクターは総じて影が薄く登場してきた半数が「それで結局この人ダレだっけ?」という状態のまま読み終わってしまった…

投稿作の時はまだしも、続編モノとして発刊する予定が最初からあったみたいだし、7人くらいは登場するキャラクターを減らしてしまっても問題が無かったのではないかと思うのです。主人公周り4人+弥生・優・孝助&アヤカ・凛(後は敢えて挙げるならネグ)の8人くらいにキャラクターを絞って後はある程度存在だけ示唆させておいて続編以降的を絞っていく、くらいの方が読みやすかったのではないかと。始業式の一件だけでも「乙組の凄いクラスメイトがこっちにも!あっちにも!!」をインパクトとして強調付けるには充分な気がします。

そんなこんなで、中盤以降の少しずつ謎が明かされていく辺りまで来るとかなり面白いと思えたのですが、そこに至るまでが非常にタルい。キャラクターの名前が出るたびに前のページに戻って「こいつはどこにでてきたどういうキャラだっけ…」とやらないといけないので物凄くテンポが悪い。判らないものは判らないと割り切り、放置して先に読み進むと意味が判らない…読み終わるまでに5回は睡魔に敗北しました。

っていうかいっそのことクラスメイト全員の記号をいきなり明かしてくれればある意味判りやすかったかもしれないのに。

中盤の大体メインの登場人物が確定してくる頃になると普通に面白かったので、一応の顔見せが終った続編以降に期待って感じでしょうか。クラスのメンバーを“記号”化して、それが謎解きの部分に関わってくるって言うのも面白いと思いました。ただ、正直1巻を読んだだけでは他の積読本を消化してまで続編を読みたい、という気分にはあんまりならなかったです。

とりあえず、続編は積読してる本が片付いた後にまた読みたいと思ったら…かなぁ。

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メイド刑事3

[著]早見 裕司 [絵]はいむら きよたか

レディース時代の後輩、曜子から託された少女・ルカ。チームの中でもはねっかえりでもてあまされていた彼女はなんと、執事の朝倉さんの孫だった…!?さらに、潜入先のお屋敷には怪しい白メイドまで登場して…

 

とりあえずカラー挿絵見て一言。

つ、強いなあ…クイックルワイパー…
銃弾を跳ね返すクイックルワイパーってどんなだよ。葵姐さんかっこよすぎ(笑)

というわけで「スケバン刑事+家政婦は見た+水戸黄門」な燃えメイド小説第三段。
相変わらずお決まりの「メイドの一里塚…」には笑いがこみあげてきてしまいます。いや、真面目な顔して「メイドの一里塚…」って!!馬鹿だ!!

個人的には第7話の方が好きかも。ルカの為を思って敢えて彼女を突き放すレディース達、初めて“家族の情”に触れたルカの態度が少しずつ軟化していく所なんかは非常にツボでした。何より、ルカの前だとどうしてもレディース言葉に戻ってしまう葵さんに萌え。時々いきなりキレはじめる葵さんに萌え!!!

第8話は葵と彼女の両親の仇に関わる話。そして今後“宿命のライバル”となっていくであろう白メイド・貴美香との対決の話。今までのストーリーから比べるとグッとシリアス調になっており、個人的には普段のコミカルなノリの方が好きだったりしますが、これはこれで普通に面白かったです。ただ、このシリアスな雰囲気で「メイドの一里塚…」は浮くよ!!そして、ルカがシリアスな雰囲気をぶち壊していく所にこっそりとニヤニヤしてました。

次回は一巻一話の、初の長編らしいです。
これで葵VS木ノ上、貴美香の対決構図にそれなりの進展があるのでしょうか。長編はスケバン刑事における「年末スペシャル」みたいなものだと後書きに書かれていたので、5巻からはこれまでの短編スタイルに戻るのかな、とちょっと期待。シリアスも面白いけどやっぱりあの短編の1時間番組的積み込み具合が独特で凄く好きだし、今後が長編ばかりになってしまうのはちょっとさみしいので。

ところで、あとがき曰く「踊る?」シリーズで言及されてる“あの問題”ってスピンオフシリーズ第一弾のあれでしょうか?実はDVDもってるんだけど、切らなきゃいけない線が15本あると最早絶体絶命通り越してギャグだよねw

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クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子

[著]西尾 維新 [絵]竹 

“ぼく”こといーちゃんは、突然現れた哀川潤に(かなり強引に)依頼されて澄百合学園という超お嬢様学校に潜入する事に。一人の女子生徒を保護し、始めは簡単に終るかと思われた依頼だが、しかし生徒たちから「首吊学園」と呼ばれるその学校、やはり一筋縄では行かなくて…!?
 

哀川といーちゃんのボケツッコミ全開のやりとりが凄くツボ。ツッコミ激しすぎですいーちゃん。是非このままツッコミの道を極めて頂きたいw「デスノート」小説版で見せた、Lとナオミのかけあいの原型をここに見た気がします。しかもジョジョだの某霊界探偵だの…講談社ノベルズなのに○英社ネタばかり使って大丈夫なんですか!?

相変わらずモリモリ人が死ぬこのシリーズ。
今回はメインヒロインの一姫ちゃんにスポットが当たりまくっていた所為か、他のキャラクター達が凄く扱いが小さかったというか…子荻ちゃんとか凄く可愛くて好みだったので殆ど見せ場の無いまま退場で悲しかったです。せめてもう少し出番を!!一姫の正体は途中でなんとなく直感で判っちゃったから面白みなかったかなあ…。

一姫にかつて自分が“壊した”友人の影を重ねてしまういーちゃん。周りが天才だからこそ彼らの存在に劣等感を感じて疎んじてしまうしまうその姿に、今までに無く等身大の、ただのひとりの人間としてのいーちゃんを感じました。2巻までがどうしても主人公に感情移入できなかっただけ、余計に。


まあ正直、あんまりそういうマイナスな感情の部分には感情移入したくないんですが…っ(笑)

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シュミじゃないんだ

[著]三浦 しをん

ボーイズラブ漫画にまみれた日常…。この語りつくせぬ愛を見よ! 5年にわたる『小説ウィングス』連載に加筆修正して単行化。BL初心者には、ガイドブックとしてもオススメ。書き下ろしBL小説も収録。
(オンライン書店bk1内容説明より抜粋)
 

第1回からいきなり一部の乙女達には禁断の世界である「リバーシブル」を取り上げてしまうあたりが非常に素敵です。リバーシブル思考で常に肩身の狭い思いをしている身としては全力で褒め称えたい。よくやった!!!

毎回設定された“お題”に従って三浦さん個人がオススメのBL漫画を紹介しながら熱く語るという、とにかく色々な方向で熱いエッセイ集。展開されるBL論自体はちょっとBLに夢見すぎな感じも否めない上、夢見る腐女子がWebサイトで情熱の赴くままにやっちゃう自分設定語りっぽく感じなくも無いですが、最近の少女漫画の描写に対する考えなど、思わず頷いてしまう部分も多かったです。特に「私達がボーイズラブ作品にエロ以上に求めているのは“関係性”」というのは大きく同意。以前から密かに言いたかった事なので「よく言ってくれた!!!」と大絶賛。

また、三浦さんの“いつでもどこでもBL妄想突入OK”な思考行動は、同じ腐女子として「ああ、わかるわかるww」と苦笑しつつ笑わさせていただきました。

ボーイズラブに関する評論的な文章は完全に個人の好みが入ってくるので難しいと思う。特に偏見ですが腐女子の場合“自分の好きな傾向の作品以外は許せない、見たくも無い”という思考の人が基本的に多いから、小説ウィングスに掲載されたこの連載も非常に賛否両論ある連載であったのではないかと思うのですよ。三浦さんの嗜好、どうみてもメジャー嗜好じゃないしな。

これでもかっていうほど“同族”にきびしい腐女子界で、批判も賛否ももろともせずに自分の好きなことだけを書き綴ったというだけでも、手放しで評価したいです。自分がどちらかというと(オヤジ受)以外は三浦さんの嗜好がツボに入れたっていうのもあるとは思いますが。

いや、いいよね?ケナゲ攻×ツンデレ受。
「仮面ティーチャー」は近いうちに必ず捕獲してきます。

巻末にはご本人が書いた“BL小説”が掲載。
こんなところでもしっかりご自分のシュミである
「オヤジ受」を貫かれる三浦先生に敬礼。
しかし、ぶっちゃけ最中シーンはないけど以前読んだ“月魚”の方が
なんともいえないBL臭が漂っていた気がするのは気のせいか?

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天空のアルカミレス 3 アルカミレスキラー・ガール

[著]三上 延 [絵]純 珪一

“グランテリオン”最高幹部の一人、グロスマンは部下で数多のアルカミレスを打ち倒してきた少女・毬子を拓也達の元に差し向ける。アルカミレスに非戦闘派のテリオンだった母親を惨殺され、アルカミレスに深い憎悪を抱く彼女は拓也達の背後関係を調査するために、東堂学園に乗り込むが…
 

お互い葛藤しながらも、戦いを通して接近する拓也と日向子の二人の関係が非常に青臭くて見ていて楽しいのに対し、テリオスの力に目覚めつつある不安と、拓也が本当に迎えにきてくれるのか不安に今にも押しつぶされそうな礼菜の姿が印象的でした。そしてレディ・バレットマゾ疑惑浮じょ…いえ、なんでもないです。

しかしやはりメインの3人よりも脇役の方が印象的。友典と毬子のなんともいえない微妙な共振関係が凄く良かったです。ラストの展開は凄くベタだったけど、ベタだけに良かった。グロスマンはこういう状況で出てくるからには……な人なんだろうなと思っていたけど激しく予想とおりな感じでしたし。そしてアパタスが凄くいいキャラですね(´▽`*)

バトルモノなんだけど、バトルそのものよりも互いのキャラクター同士の複雑な関係や、心理描写が凄く面白いこのシリーズ。難を言うなら主人公の印象が微妙に薄いのと悲しいくらいに戦闘シーンが印象に残ってないことでは。その辺は今後後半戦となっていくので、これからに期待?「シャドウテイカー」の戦闘シーンは結構盛り上がって好きだったんですけど。

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戦闘城塞マスラヲ Vol.1 負け犬にウイルス

[著]林 トモアキ [絵]上田 夢人

あまりの目付きの悪さと対人恐怖症のせいで就職活動をすれば書類段階で34社全てに断られ、すっかり引きこもりになってしまったヒデオ。親からの仕送りも無くなっていよいよ首を釣るしかない…という時、道端で拾ったノートパソコンから自称“電子の精霊”ウィルスのウィル子が現れ、なしくずしに「聖魔杯」という人と人ならざる者が戦う大会に参加するハメに…
 

ぶっちゃけ本当の就職氷河期は34社全部に断られるなんて普通でしたが何か!?

えー自分はあまり真面目に就職活動しなかったので知らないけど、私達が卒業した年が一番の氷河期で、そこまでレベルの低い大学出もないのになんでも50社受けて全部断られたとかそんな話がゴロゴロ転がってました。同級生達の生み出すダースベーダーも真っ青なドス黒いオーラが忘れられません。まあそれなりの企業を50社受けて全部蹴られるのと、バイトの面接34個受けて全部断られるとかそういう比較だったら、明らかに後者の方がありえないけど。

というわけで、変なツッコミから始まりましたが(笑)以前から気になっていた「お・り・が・み」の作者さんの新作シリーズです。
体力ゼロのひきこもり君がいきなりはては暗黒武術会か、バトロワか!?と思わせるような展開に「消閑の●戦者」的頭脳バトルを想像していたら、むしろイメージとしては「ア×トロ!乙女塾」(初期)だった罠でした。真面目なバトルどころか、バリバリのコメディ。

何でもありな1500人以上でのバトルロワイヤルながら、絶妙に上手いルール制限が敷いてあって、あまり殺伐とはしない仕組み。「消閑の?」と同じくらいこのルール設定が上手いなあと思います。下手をすればいきなり1500人で殺し合いとなってもおかしくない状況で「殺してはいけない」「拒否したかったら拒否できる」「ルールは基本的にバトル、しかしバトルじゃなくてもいい」っていう制限を加えただけでここまでまったりモードになってしまうとは。解説2人組の方が余程殺伐としてるよ、これ…(笑)

主人公がハッタリや運やその場のノリで強敵を倒していったり、強い相手に強敵と認定されてしまう展開はまさにミモノ。しかし時々突然熱い展開に突入したりするのがたまりません。特にレッドフィールドとのバトルには激しく燃えた。

あと時々さりげなーく織り交ぜられるパロディネタに笑いをこらえるのが大変。特に酒に酔ったヒデオが「新世界の神に(略)」と言い出すシーンには大爆笑でした。ここまでコミカルな作品は久しぶりに読んだので(乙女塾も最近はシリアスになっちゃったしね…)今後に期待です!!

「お・り・が・み」の続編に当たる作品で、前作キャラや設定もそれとなく受け継いでいるようなのでこれは是非「お・り・が・み」の方も読んでみたい。積読本消化したら…(笑)

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