ページ 190 | 今日もだらだら、読書日記。

▼ 最近の記事

ハッピー・バースディ


[著]新井 素子 
チグリスとユーフラテスが最新作だと思ってたんですが、アマゾンで検索したらこんなん発見して速攻取り寄せ。ライトノベル新刊も貯めてるけど、こっちを読むほうが先決だわ!!と読んでしまいました(笑)

ところで、新井さんの「夫に依存している妻」の描写って、何か昔に嫌な思いででもあるのかってくらい嫌な書かれ方してると思うんですが…。夫が帰ってこなくてデンパってく妻(おしまいの日)とか、夫が恋しい余りシチューにしちゃう妻(ひとめあなたに…)とか。

今回の話では夫に依存している奥さんである、あきらが主人公。
ストーカー寸前ともいえる「悪戯電話」攻撃が原因で少しずつ精神バランスをおかしくしていきます。小説家として大成して、幸せの絶頂期に居たあきらの元に時々やってくる、「いい気になるなよ」という趣旨の電話。実はそれは近所に住む、彼女を良く思わない浪人生・裕人の仕業なんですが、当然そんなこと気づかない。

…と、ここまではありがちな「ストーカー」の物語なのですが。

とある不幸により精神崩壊を起こしたあきらが、その不幸の原因を裕人に責任転嫁して逆ストーカーを開始。そんな昔のちょっとしたウサ晴らしのことなんぞすっかり忘れて大学にも合格して幸せの絶頂に居た裕人。

ある日彼が受けた一本の電話から「いい気になるなよ」という、昔の自分の声が聞こえてくる…。

とにかく、この辺が非常に怖いです。あきらの執念深さ、女の粘着質な姿がありありと描かれます。彼女は裕人の20歳の誕生日にとっておきの仕返しをしようと計画を練るのですが、その復讐計画もまさに女の怨念どろどろ。

個人的に一番怖かったのはエンディング。
新井さんの小説って時々ぞっとする恐怖が最後に来るんですけどこう「あ、ハッピーエンドで、全部収まってよかったな?」と思ってるとアンパーンチ喰らうという(古)読後感はぞっとしたまま終わってしまうのであんまりよくないです。新井さんはこの手のタイプのキャラクターには最後まで手厳しい…。

とりあえず、ハッピーエンドが好きな人にはオススメ出来ません。
一応精神崩壊からあきらは戻ってきますが…戻ってきたと言っていいんだろうか?これは。女の執念が怖いという事がありありと描写されてて、非常に怖い一作に仕上がってます。男の人はこれを読んで女の子に対する認識を改めてみてもいいかもしれませんよ?



…ふふふっ。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

あなたにここにいて欲しい

[著]新井 素子

真美と祥子はどんなことでもツーカーでわかってしまう、特別な仲。しかし、ある日一人の女性・藤原綾子とであった祥子は何かに怯えるようになり、ついに真美の前から姿を消してしまう。真美は綾子の主治医であるという男性・宇野と共に祥子を追いかけるが…
   個人的お気に入り度数
この本を読んでると、本当にこの方の本は私の好みが集約されてるというか、なんというかな気分になります(笑)「テレパス」に「もう一人のわたし」、ついでに微鬱なストーリー展開とか。

超能力モノなんですが、女の子たちが超能力を持って華麗に戦う、的ストーリーでは勿論ありません。主人公・真美の親友の祥子は念動力で自分の家を燃やしてしまった過去を持つ、恐ろしいほどの人見知りで世間知らず。相対する綾子は人が30人も居るところに出れば気絶してしまうテレパシスト。「ブラックキャット」もそうでしたが、新井さん独特の弾けたキャラ設定がなんとも素敵。

中学時代に初めてこの本を読んだ時、印象に残ったのは何よりもこの本でのテレパスの描写です。今までSF漫画とか読んで「便利だな」とか「私もテレパシストになりたい」なんて思う人、結構居るんじゃないでしょうか。

この本を読むと「テレパシストってなんて可哀想なんだろう、怖いんだろう」って思えると思います。同じ空間に人が30人も居れば30人の思考が勝手に頭に入ってきて、気絶してしまう。口に出せないような汚い気持ちも、全て読めてしまう。考えてみればこんなに怖いことってないですよね。

私のSF小説とか超能力漫画を読むときの考え方を根本から変えてしまった本と言ってもいい。

そして現在読み返してみると印象に残るのは、こっちよりも真美と祥子の親友としての関係でした。今まで喧嘩もせず、ピッタリ息があってる関係って、仲の良いときはそれでいいんだけど一歩歯車が狂うと同属嫌悪陥って修復不可能になる事が多いんでうよね。
それを乗り越えたらきっと最高の親友になれるはず。二人の詳しい関係を話すと完全なEDネタバレになるので伏せますがラストで二人がまた親友として会話するシーンには目頭が熱くなりました。

ストーリーの軸になる言葉、「あなたにここにいて欲しい」。
これが一度だけ「あなたにここにいて欲しかった」になる場面があって
凄く心に響いたシーンでした。痛いというかなんというか…。
中学時代に読んだっきりの話なのに、この一行が一番心に残ってた。

愛って、憎しみって、友情ってなんだろう?って考えさせる作品。
でもちゃんとエンディングではハッピーエンドで、嬉しかったなあ。多少ご都合主義なところあるけども。


最後に。巧さんがかなり好み(笑)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

ブラック・キャットI

4086106302ブラックキャット (1)
[著]新井 素子 [表紙]石関 詠子 [絵]山崎 博海
集英社 1984-01

by G-Tools
某ジャンプの萌え漫画ではないのであしからず(笑)

調べてみたらこのシリーズ、10年ぶりの新刊発行なんですよ。
通常の本も私が高校生時代に出た「チグリスとユーフラテス」が最後で止まってて
新潮とかだと既に概巻が軒並み絶版状態になり・・・
そんな状態で文庫が平積みになっていたので喜び勇んで買ってきてしまいました。

それで、第一巻。表題作「ブラックキャット」と短編が数作収録。
挿絵は今の新潮文庫みたいな感じの絵で、今のライトノベルからは一線画した感じ(3巻で挿絵変わりますが)
それもそのはず。この本って初版20年前なんですよねえ。そりゃ古く感じるはずだ。
ご当人があとがきで「短編は苦手」と書かれていますが確かに長編の方が面白い感じ。
でも、短編は短編でまた長編とは全然違ったテイストで楽しめて、面白かったです。

盗むとき以外は不器用なスリの千秋、運動の出来ない泥棒「キャット」、人が殺せない殺し屋の明拓。このまさに「三重苦」な3人が協力して怪盗ブラックキャットとして宝石を盗み出すという話。三人とも技術としては超一流なんだけど、どこか変わっているというかなんというか。まず「スリなのに不器用」とか「泥棒なのに運動できない」なんて設定からしてかなり好み。あとは、根本的に新井素子さんの書くストーリー、キャラクター、世界観に私が惚れ込んじゃってるんで。悪役が居ても、どこか憎めない。そんな雰囲気とか世界観とか。
更にどうしようもなく文章の語り口が好きなんです。

もうちっとも本の紹介になってませんが、是非ご一読を。本当に面白いから。

話は変わって、短編の方の感想。
これ、まず読んで感じたのが「素子さんの本なのに一人称じゃない!」でした(笑)確かに主人公の一人称じゃない小説も結構あったんですよ。「チグリスとユーフラテス」とか「おしまいの日」なんかもそう。でも、それにしてもなんだか喋り言葉を聞いているような、そんな独特の文の書き方じゃないんですよね。

個人的には「チューリップ」と「でんしゃのあいちゃん」が好きだったかな。
どっちも後味的にはかなり怖い、ホラーっぽい話なのですが・・・
起こった事件自体は非常に残酷なのに、この人が書くと全然誰が悪いって雰囲気じゃなくなってしまうのです。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

ブラック・キャットII ナイト・フォーク

4086107775ブラック・キャット (2)
[著]新井 素子 [表紙]石関 詠子 [絵]山崎 博海
集英社 1985-09

by G-Tools
ブラックキャットシリーズ第二段。
獲物が「とある超能力少年のPK」という非常に突飛な話。
でもこれ、正確に「盗んだ」って言えるのかなあ・・・
自分の物にした訳ではないから盗んだとはいえないと思うのですが。

段々警察側の人物関係も浮かび上がってきましたが
「やたらと物を壊す新人警察官」「お説教好きで犯人に逃げられる警部」って
あっちも立派に二十苦してますね。
・・・もう一人致命的なキャラが居たらキャットたちと張り合えるのに(笑)

今回は3人が3様に違うこと気にしてて、そこから大騒動に発展してしまう感じ。
特に明拓ちゃんの入れ込みっぷりはまじで笑えたのですが。お手伝いさんのカタキって。
復讐された山崎ひろふみが「お手伝いさんと一緒に居た不信人物」よりも「お手伝いさん」当人を
疑ってしまうところが、どこまでもお手伝いさんが不幸であり、コミカルであり・・・。

個人的には山崎ひろふみの今後の行動に期待がたかりますます。この人おかしすぎ(笑)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

ブラック・キャットIII キャスリング

ブラック・キャットIII キャスリング
[著]新井 素子 [表紙]四位 広猫 [絵]山崎 博海
 
表紙だけ挿絵交代。確かに2巻までの表紙じゃ今のコバルトの方向性にそぐわないんだろうなあ。

遂にストーリーの核心部分に入ってきて、登場人物の役割も変わってきました。そして個人的にはどんどんヘタレになっていく明拓ちゃんが最高(笑)このままだと千秋はむしろ山崎ひろふみとくっついちゃいそうで怖いですね。しかし、この2人が一緒になったら色々と大変なような気がするよ。

キャットの過去とか、暗い部分がどんどん見えてくるのに作品全体にはやたら暢気な空気が漂ってると言うか、なんというか・・・むしろ山崎ひろふみが一人でシリアスな雰囲気をぶち壊していくというか(待て)
千秋も結構そういうタイプなんですが、山崎ひろふみのキャラはやっぱ最高だと思います。あのキャラは本気で主役を食ってしまっている気がする。

一番好きなのはひろふみと千秋が意気投合して呑みに行っちゃうところです。緊張感なさすぎな二人が最高!(笑)

ちなみに後編のレビューは間があきすぎて書けなかったorz

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

ブラック・キャットIV チェックメイト

ブラック・キャットIV チェックメイト(上)
[著]新井 素子 [表紙]四位 広猫 [絵]山崎 博海
 
ブラック・キャットIV チェックメイト(下)
[著]新井 素子 [表紙]四位 広猫 [絵]山崎 博海
 

相変わらずキャラクターの破天荒っぷりが凄い。山崎ひろふみはもうシリーズ通してありえないということで決着つけるとして今回は千秋もキャットも明拓ちゃんも、キャラクター全部が思いっきり暴走しちゃってる感じでした。

でも、ブラック・キャット3人の行動は結局相手を思いやる行動から出てるって考えると凄いほのぼの、そして和めました。クライマックスのキャットの描写がまたすっごい綺麗で。兎に角、3人(+1人)とも幸せになれてよかったって感じでした。

山崎ひろふみは…最後まで色々と爆笑だったんですが。
ゆくえさん……(笑)

最後に。
この作品、全部通して読んでよかったよ?。
IIとIII、IIIとIVの間にそれぞれ9年ずつって、間空けすぎ…(苦笑)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

……絶句(上)

……絶句(下)

[著]新井 素子 [絵]吾妻 ひでお
早川書房
1987-04
 
すごい久しぶりにアマゾンの古本で買ったまま放置していた新井素子さんの本に手をつけてみる。

この「……絶句」には私なりの思いいれってもんがありまして。
新井さんの本にハマったばかりの中学生時代、近所の小さな書店で見かけたことがあるのです。そこの本屋は新刊の品揃えは微妙だけど、売れ残った昔の本が何気に置いてあるようなところで。そこに売れ残った「……絶句」が上下2冊放置されてました。

「うわ?面白そう」と手にとってみたものの、中学生の小遣いで1000円の出費はかなり痛く…いつか買いに行こうと心に決めて書店を去って、買いに行く前に書店が潰れてしまった訳です。その後どんな書店や古本屋でも見かけなかったのでアマゾンの中古でゲットできたときは嬉しかったなあ。

と、そんな昔話は置いておいてストーリーの感想。
主人公が作者と同じ名前の「新井素子」、実体化してしまう登場人物たち。実体化した小説「絶句」の粗筋を読んだだけでは割とありがちというか、最強キャラばっかり出てくるありがちな「面白くなさそうな」ストーリーなんだけど、兎に角抜け出てきちゃった登場人物たちが個性的過ぎで、最高です(笑)

急に作者(この作品の主人公の「新井素子」では無い方の新井素子)を交えての座談会始まっちゃったりいきなり作者の都合で一人称から三人称に変わっちゃったりと、かなり本来の「小説」としては文壇の方々には叩かれちゃいそうな強引なネタも多いのですが。やっぱりあの新井素子の「代表作」って帯に書かれちゃうような作品ではあるという説得力があります。やっぱり、素子さんの小説は本当に面白いです。

個人的にはあもーるとライオンの会話シーンが凄く好き。
というかあもーるがかなり可愛くて好みですっ(><)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

……絶句(下)

……絶句(下)

[著]新井 素子 [絵]吾妻 ひでお
早川書房
1987-04
 
上巻に比べてシリアス度上がってます。というわけで「……絶句」の完結編。

殆ど無敵になったのもつかの間、事件に関する記憶と話を作るための想像力を奪われてしまうもとちゃん。原稿を燃やされても平気だった絶句連も、もとちゃんの記憶と共に徐々に消えていく。この辺の展開が凄くシビアで、辛いです。

個人的にはあもーるがかなり好きだったので、消えてしまったときは本当に辛かった。

また、動物達の「革命」にも無理が出始めて、全員が焦燥しはじめている時に更に宇宙からはもとちゃんの存在を消そうとする、“異質なもの”まで現れて…。

この辺からの展開は本当に素子節っていうか、凄く新井さん独特な感じ。宇宙がどうのとか、どんどん話が大きくなっていってオロオロしてるうちに話がどんどん進んじゃうというか。「普通の女の子」なもとちゃんが宇宙の偉い人だのなんだのにどんどん喧嘩吹っかけちゃう辺りは見てて凄くスッキリするというか…やっぱこの人の作品好き、と再確認。
あと、ライオンさんが好きです。ええ凄く。
日本の古典が大好きなライオンってどうなんだー!!(爆笑)

しかし、最後…もとちゃんのインナースペースが切り離されたのに新人賞佳作の連絡が来るって皮肉だなあ。ぶっちゃけデビュー後に新人賞と同じだけの作品を書けるのかかなり疑問っぽいのですが。

ノリとしては主人公が「もとちゃん」なだけに、同人界でいうドリーム小説っぽい所もあると思うのですが。でもそういう俗っぽい見解抜きにして普通におもしろいですよ。オススメ。寧ろ、自分のインナースペースの流出ってめちゃくちゃ楽しそうなのですが(笑)
ドリーム小説とかじゃなくて、作者と創造物って関係のまま自分のキャラと喋るとか、凄いやってみたいですよね。

あと、タイトルの使い方が上手いなあ、と。「人間は、唯一自然に絶句しなかった種族」っていうところでこんな使い方もあるんだなあと感心。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

インフィニティ・ゼロ—冬‐white snow

インフィニティ・ゼロ—冬‐white snow

[著]有沢 まみず [絵]にのみや はじめ
メディアワークス 2002-02
 
新刊出る!って聞いて、ストーリー思い出すために読み返して感想書こうと思っててずーーーっと忘れてたわけですが(汗)春・夏の感想はまた暇になってからに回して、とりあえず第一巻の感想を。

この作品、電撃にハマった頃に一番好きだった作品のうちの1つだったんですが電撃系の批評サイトでの評判は見事に鍵系のパクリでした(笑)ぶっちゃけこれ読んだときはギャルゲーってなぁに?美味しいもの?とかいってた私ですが、その後知り合いがやいt貸してくれてKANONとAIRをやりまして。


禿げそうなくらいに納得(笑)

大筋を述べますと発言が兎に角デンパな少女が実は身を削って不思議な力を使っている巫女で、力を使い果たして死にそうな彼女を救おうと主人公が奔走するんだけど云々って話。
すいません、自分で説明しててAIRの観鈴編の解説?とか思っちゃいました(蹴)
まあ、こんなに貶しまくっといても私はAIRで号泣した人間だから大好きですけどねこういう展開。唯一問題といえば「ダブルブリッド」「MISSING」とTOP3を争う、トラウマ級のグロ描写があるってことくらいですか?AIRのノリで感動モノ描きたいならやめておけばいいのに、ホント描写がグロいんです。蟲がぐちゃぐちゃ湧いてきたり、雨のように降ってきたり、その体液で主人公達ぐちゃぐちゃとか。ダブリが「痛い系」、Missingが「怖い系」のグロなんですがこの作品に関して言えば生理的嫌悪感を装う系グロといえましょう。

AIRのストーリーで「ひぐらし」をやるようなイメージでしょうか。今考えると。

なんか、全然誉めてませんが好きです。ええ好きですとも。好きじゃなかったら2年も待たないさ。とりあえず、鍵系好きで、グロ描写に耐えられる人で、正統派な感動話展開がお好きな方はぜひどうぞー。

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)

インフィニティ・ゼロ—秋‐darkness pure

インフィニティ・ゼロ 4 秋〜darkness pure

[著]有沢 まみず [絵]にのみや はじめ
メディアワークス 2004-11
 
学校行く途中に読んで、涙が止まらなくて困りました。正直、3巻の内容が救いようがないほどの鬱展開だったので、そして私の中で「吸血鬼のお仕事」最終巻がトラウマ級に痛すぎたので3年ぶり?に新作で完結編、ってどうしても良いイメージ抱けなかったんですよ。そして「こんなことなら完結させない方が良かった」みたいな最後を予想してました。

ある程度、ここまでやってしまったら
鬱エンドにいかれてもしょうがないだろうな、って。

期待を見事に良い方向に裏切ってくれて、ありがとうございます(泣)

後半の悲しい展開に涙をこらえるのに必死でした。そしてエピローグで、本当に泣きました。涙が止まりませんでした。終わり方が本当に綺麗で。もういいよ鍵のパクリでもなんでも、こんなに泣かせて貰ったんだから(笑)

ただ、個人的に今回の話はKEY作品よりも新井素子の「グリーンレクイエム」を思い出しました。あの作品の最後の展開に、子供心に物凄く納得がいかなかったんで、今回の最終巻が本当に嬉しかったんです。どんなにヒロインが忘れて欲しいと願っても、主人公はそれに立ち向かって、幸せになれなくてもいい、ヒロインの事を忘れずに最後まで覚えていて欲しいと願ってしまうのは私が女だから、というのもあるのでしょうが・・・。(友人に話した所、鍵ゲーの“ONE”かなにかに似ていると言われましたが…まあもうその辺は気にしちゃダメ!!)

本当に待った甲斐がある良クォリティの作品をありがとうございます。「いぬかみっ!」はあまりにもギャルゲ臭が漂ってきて痛すぎて読んでないけどごめんなさい(蹴)

ひとつだけ不満点を上げれば、挿絵。
「浄眼」は作品を語る上で外せない要素だし、ひとつの萌えポイントであるとも思うのですが、少しでも描き分けて欲しかったと思うのは我侭ですか?私は何度挿絵見てもそこで萎えるんです。黒目の部分を少なくするとかそういうちょっとした書き分けでいいのに、どうしてそれをしてくれないかなと。

最初の方は確かになんとなく描き分けてたっぽい印象を受けるんだけど、最終巻は完全に忘れてるだろ?って感じで、それがどうしても嫌でした。こういう作品だからこそ絵にはこだわりたいんです。特に人物の表情・瞳には。

どれがどの作品のパクリだとか気にしないでお話を読める人にはオススメの作品です。というかもう完結しただけでも手放しで五つ星あげたいです(笑)

記事への反応
なにかあれば
  • わかる (0)
  • 面白かった (0)
  • 興味が湧いた (0)
  • 持ってる (0)
  • 買いました! (0)
  • ぱちぱちー (0)