“中村 恵里加” の検索結果 | ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:中村 恵里加 (27 件 / 3 ページ)

ダブルブリッド4

[著]中村 恵里加 [絵]たけひと

出向期間が残り1週間と差し迫った頃、山崎太一朗はとある決意の元、普段は出勤しない日曜日の捜査六課を訪れた。「今日は特別な日にしたい」そう思って、片倉優樹に自らの気持ちを伝える為に。ところが二人の前に死んだ筈の高橋幸児が現れ、優樹は彼を匿うと言い出してしまう。太一朗の苛立ちは収まらず、二人のすれ違いは大きくなるばかりで……
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優樹と太一朗のどこか奇妙な関係に一旦の終止符が打たれる、シリーズ第4巻。5巻以降はある程度の浮上はあるものの、優樹と太一朗の関係に関してだけはもうひたすら転げ落ちていくのみという感じなので、再読しててもここに差し掛かると何度でも「ああ、4巻が終わってしまったなあ……」と感慨を覚えてしまいます。願わくばもう少しだけ、この二人の生暖かい関係を眺めて居たかった。

それまでなんとなく絶妙なバランスで成り立っていた二人の“友情”が太一朗が関係を踏み出した事、そしてそれ以上に再び現れた高橋幸児の存在によって最早修復不可能な所まで完膚なく破壊されていく姿が、ほんと見てられない。一途になればなるほど空回りして、自ら築いた関係をぶち壊して行ってしまう太一朗の、半ば結末を予想しながらも起さずにいられなかった最後の行動も。どんなに憎もうとしても、自分の写し身のような彼を憎みきれずに奇妙な感情を持ってしまった優樹にも、そして本当は分かり合えたかもしれないのに、こんな終わりを迎えるしかなかった“もう一人のダブルブリッド”にも、なんでもっと上手くやれなかったんだよ、と言いたくて仕方がない。一つ歯車を間違えなければ最良の未来を迎えられた筈なのに、不器用な彼らが辿り着くのは思いつくだけの選択肢の中でも、おそらく最悪の結末。

ここで終わってしまったらある意味綺麗に終われたかもしれない物語は、“主”や浦木達が率いる『特高』や奇妙な少年・片倉晃達の『クロスブリード』を交え、新たな局面を見せつつもまだまだ続きます。9巻まで読むと、何度も「ああ、こんなことなら4巻で終わってくれた方が良かったんじゃ…」と思う場面があるのですが、この後も最悪の選択を選び続けるこのシリーズで、それでも最後の最後の1巻に意地汚く「ハッピーエンド」の奇跡を期待してしまうのは、優樹と太一朗の関係がそれだけ気に入っていたからに他ならないと実感。

終わらないのは、今より僅かでも希望の見える終わり方をするためだ、と今でも信じてる。
本当に、あと1度だけ、笑い合う優樹と太一朗が見たいなぁ…。

(ていうかここで明らかにまとめに入ってる自分ってどうなんですか!!
 落ち着いて!概刊だけでもあと5冊あるのよ!!!


ダブルブリッド3

[著]中村 恵里加 [絵]たけひと

中国で生み出された人型兵器“ナタ零番”が作動テストの為、日本にやってきた。ところが、人間としての生活に適応させる為に行われたはずのテストの目的が、何者かの計略によって「大日本帝国陸軍施設の破壊」に変更されてしまう。暴走した“ナタ零番”は偶然、片倉優樹と出会い……
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面白いには面白いんだけど、他の話と比べると明らかになんか浮いちゃってるシリーズ第3巻。中国ってこの後出てきましたっ……け?なんかこの話だけ話の本線と繋がりがないから浮いて見えるんだろうな…この巻のゲストキャラって全員××ですし。

途中まで日本に上陸した“ナタ零番”こと超蒼と、彼の監視役である玄亮の視点を中心に物語が展開されるのも違和感を感じる原因の一つでした。良くも悪くも「ダブルブリッド番外編」という印象で。個人的には本当に短い、優樹と太一朗が二人で居ることの出来た時間の出来事なんだから、もうちょっと捜査六課側の視点があっても良かったと思ってみたり、みなかったり。

しかし、超蒼&玄亮コンビのトンチンカンなやりとりは何気に最高でした。玄亮が超蒼に表情を教えようとする一幕にはうっかり噴きました。一方、六課側では六課入り浸りになり始めた大田先生や食いしん坊な新キャラ・虎司と太一朗のやりとりがとっても素敵です。太一朗はツンデレ。

八牧氏はとにかく、残る六課メンバーである夏純との絡みは6課出向中にはないんですっけ?この時期に出会っていたら結構面白いコンビになりそうな予感がするので、出向中に出会えなかったのは実に残念だ…。八牧と太一朗はある意味キャラが被ってて同属嫌悪してそうな予感。

うーん、良くも悪くも読み終わってみるとやはり他の巻と比べると薄いというか、感想の出てこない話だ…。個人的には今回の見所はやはり虎司くんの破天荒ぶりでしょうか。読了した翌日に焼肉食べに行った位には素敵でした。

そして、エピローグの優樹と太一朗の場面は9巻までの内容を知ってから読むと、なんていうかほんとホロリとくる。これが二人がすごした、最初で最後(←ネタバレ)の「幸せな時間」の共有だったんだと思うと……もう。


ダブルブリッド2

[著]中村 恵里加 [絵]藤倉 和音

高橋幸治の事件から2週間後、優樹は太一朗と居酒屋に行った帰り道で首筋に血のついた女性が倒れているのを発見する。翌日、内閣府の浦木から吸血鬼がオーストラリアから日本に密入国したという話を聞かされるが、その帰りに噂の吸血鬼—フレドリック・アシュトン・クロフォードに声をかけられ、なぜか彼と勝負をすることになり……
   個人的お気に入り度数
現在クライマックス手前まで物語が進んだのを見てきた後に2巻・3巻を見ると、優樹と太一朗の間にあった“平和な”ひとときが本当に短かった事を実感して、本当に寂しかったり。後半の鬱々とした展開も大好きなんだけど、出来れば二人の幸せなひと時をもう少し眺めて居たかったという気持ちも感じてしまいます。

冒頭で優樹と太一朗が呑みに行く話が、また凄くいいんだ…この欝でグロいシリーズの中では希少な平和なやりとりの中でも有数に好きな場面かも。酔っ払って優樹に説教かました挙句、前後不正になって優樹におぶわれて帰って、翌朝自分のしでかしたことを勘違いして涙目な太一朗の姿は見ていて実に和みます。

また、大田やクロフォード氏とのやりとりでも素晴らしいヘタレ犬っぷりを発揮してくれて、二人にやり込められる太一くんの姿にニヤニヤが止まらない。今のうちなら言える!!太一くん可愛いよ太一くん!ついでにこのノリなら「クロフォード氏に篭絡される太一くんは、どう考えても受だよね」とか言える!!!(言うな)

一方で、二人が抱える考え方の違いや歪み、すれ違いは既にかなり顕著なものになっていて、改めて読みなおすと一見なんでもない所に火種がこれだけ埋め込まれていたんだなあと思ってしまいました。優樹の無防備な振る舞いにドギマギする太一朗と、その太一朗の赤面の意味がわからなくて「?」となる優樹さんの姿は非常に可愛いのですが…今読み返すとその無防備さが、その決定的なすれ違いの象徴であるようにも思える。優樹と太一朗が自分のトラウマを自覚しながらも、それから逃げ続けようとする姿も印象的でした。

グロい表現もシリーズ内平均を考えるとかなり少ない方だし(無いわけではない)、割と息を抜いて読める貴重な巻。


ダブルブリッド

[著]中村 恵里加 [絵]藤倉 和音

通常の生物とは異なる遺伝子を保有する生物・通称“怪(アヤカシ)”が発見されて数十年。警視庁の怪捕縛専門特殊部隊「EAT」に所属する青年・山崎太一朗は上司の命令で政府公認の怪のみで構成された部署—通称「第六課」—への出向を言い渡される。直情的で怪の捕縛は人間のみが行うべきだと頑なに信じ、怪を毛嫌いする太一朗だったが六課に所属する唯一のアヤカシ・片倉優樹の人柄に触れるうちにその考えを改める事になり…
   個人的お気に入り度数
祝・最終巻発売決定!!!
…というわけで、既にかなり内容を忘れている予感がするので、再読祭開催。というか9巻が出た時に内容殆ど覚えてなかった記憶が(酷)しかしこれ、発売日8年以上前の作品になるんですね…ほぼリアルタイムで追いかけていたのに。年取るわけだ…(´・ω・)

というわけで、数年ぶりに読み返したわけですが、やっぱり凄く面白い。政治的とか体面的な事情でほぼ飼い殺し状態にされ閑古鳥の鳴く「第六課」で、3年前に去っていった仲間たちの帰りを待ちながら孤独な日々を送っていた優樹と、緊張感の足りない優樹を前に空回りし続ける太一朗という序盤の平穏な日々の、シリーズ全体からしたら本当に僅かな間でしかなかった平和な日常の描写が密かに大好きです。頭が固くてプライドばかり高くて頑固で自己中で……と、どうしようもなく駄目駄目な太一朗が、片倉優樹という一人の少女に惹かれながらも自らの考えを少しずつ改めていくのと同時に、優樹の方も自分を始めて“人間の少女”としてみてくれる興味深い人間・太一朗という人間に出会って変わっていく…というお約束でベタベタな展開が凄く好き。

「君と私が今まで培ってきた友情は、今から死ぬ」

だからこそ、そんな二人の関係を最後の最後で打ち壊す優樹の独白・変貌とラストバトルは本当に衝撃で初めて読んだときはしばらく呆然としてしまったのを今でも覚えています。“友情”が“死ぬ”といった言葉選びが独特で、非常に印象強かった。その後の展開ももう、基本的にハッピーエンドで王道ベタベタな展開しか読んだ事のなかった私にはかなり印象的で…最後に一応ハッピーエンド(??)的なオチになるとは言えど。

また、この作品を語る上で外せないのがやはりグロ描写。……特に、井の頭公園での戦闘とその後の六課での治療描写はあまりに生々しすぎて今読んでもリアルで吐き気が……うぷっ。シリーズ刊行当時密かに「電撃三大欝グロ作家」とかいらない事を考えていたのも今となれば良い思い出です(ちなみに残りの2人は「Missing」の甲田学人、「インフィニティ・ゼロ」の有沢まみず。…有沢さんは「いぬかみっ!」の感想を見る限りその後方向転換したんだろうなあ…あのグロさが好きだっただけにちょっと残念だー。)

というか、1巻で終わっておけばそれなりに幸せそうな未来が垣間見えてたのにどうしてあんなことに……(しみじみ)


ソウル・アンダーテイカー


[著]中村 恵里加
[絵]酒乃 渉

 
ダブルブリッドの続きまだ(うわなにをするやめ)
…もとい、「ダブルブリッド」の中村恵里加さんの新作です。

なんか読み始めて思ったのが「ああ?、中村さんだああああ」の一言に尽きちゃったのですが。
主人公の性格とか会話の展開とか地の文とか。どこがどうとは表現できないのですがなんとも味があって、この味は中村恵里加さんにしか出せないんだろうなあ、という感じ。
主人公の比呂緒のどこか達観した性格が「ダブルブリッド」の優樹さんとどことなく被る気が。

「ダブリ」時代からこの人の文章の書き方がすごく好き。
特に241P最後とか最後とか。もう一人でゾクゾクしちゃってました。
そして、中村作品のヒロインキャラが毎回めちゃくちゃ好みなんだよう。
優樹さんもそうだけど、比呂緒かなり好みです。すごくこの子の人格には裏がありそうで(二重人格という意味ではなく)

それにしても主人公、作中で何回「馬鹿」って言われてるんでしょう(笑)
妹には罵られ、暴力を振るわれ、先生にも怒られ、ほとんど友達もできず…という
普通の人間なら引きこもりにもなりかねないような状態でも、へらへら笑っている主人公って、実はかなり強い子なのではないかと思ってしまいます。(というかこの状況で笑っていられるのって本気で感情機能がマヒしてるか、本当の馬鹿じゃないってことじゃないかと思えるんですよね)
ただ、彼女が「馬鹿」なのもいろいろ深い訳があるらしく…。それがこれから明かされていくだろうと思われるのが結構楽しみ。

「ダブルブリッド」でも発揮されていた鬱展開(というかグロ展開)に通じそうな設定や複線張られまくりで読んでてかなりどきどきものですが
(特におっちゃんが…微妙に太一朗っぽい役回りになっちゃいそうで怖い(苦笑))
これからが楽しみです。グロくても大好きですから、中村恵里加。

挿し絵は以前ガンガンで漫画を描いていた酒乃渉さん。久しぶりに見るとだいぶ絵柄変わったような…そういえばガンガン時代もカラー絵は見たことないので比較しようがないですが。最初酒乃さんだとわからなかったです。カラーの色使いや塗り方がキレイで今の方が好みかも。


流行に乗って「ライトノベル個人史」書いた

 ライトノベル遍歴を語るのが流行っているようなのでブログのリハビリも兼ねて投下します。前半は以前に書いた記事の焼き直しなので、個々のタイトルの紹介は省略します。あと永遠の21歳ということになっているので年代はかかない。

ひたすらお金がなかった少女小説読み漁り期


 図書室と図書館と古本屋の100円以下ワゴン(ブックオフ参入前の微妙な古本屋とかだと10円とか30円みたいなワゴンが割りとあった)で読むものを探していた時代。コバルト・ティーンズハートのミステリ系の長編シリーズや恋愛系の1冊完結系ばかり読んでました。

408610783X殺人切符はハート色 (集英社文庫?コバルト・シリーズ)
山浦 弘靖,服部 あゆみ (著)
集英社
発行:1985-09

 古本屋駆使して一番頑張って集めてたのはやっぱり「星子宙太シリーズ」だとおもうんですけどまさかこれ50冊続いて子供が出来るところまでいったとか流石に知らなかったです……さすがに全部は追ってません。

 なおたまに同世代が話題に上げる「運命のタロット」シリーズは古本屋ではめったにお目にかかれず。ぶっちゃけ、ミステリーものと恋愛物は冊数出てても1冊で話が完結するから巻数バラバラでも追いやすかったんだとおもう。運タロとかあらすじからして時系列バラバラではよみたくないですしね。折原みとの現代舞台の恋愛物とか「とんでもポリス」とか「〜の国のアリス」シリーズとか読んでたはずだけど内容うろ覚え。

4086145685なんて素敵にジャパネスク (コバルト文庫)
氷室 冴子,後藤 星 (著)
集英社
発行:1999-04
4758436894あなたにここにいて欲しい (ハルキ文庫)
新井 素子 (著)
角川春樹事務所
発行:2012-10-11

 図書館で読んでたやつというと「ラノベっぽい(と言うかラノベ出身)けど一般レーベルで書いてる」このふたり。氷室冴子はコバルト文庫のやつが割とそのまま文庫やハードカバーで図書室入ってましたね。新井素子は少女小説レーベルで書いてたのとは違う路線のやつが入ってたんだけどそこからコバルトに行って転び直したりしてたから……「あなたにここに居て欲しい」は良い百合なので好きな人はどうぞ。あと「おしまいの日」はいいぞ。

大体林原めぐみが悪い富士見全盛期

B0093SY2YKスレイヤーズ1(新装版)<スレイヤーズ (新装版)> (富士見ファンタジア文庫)
神坂 一,あらいずみ るい,あらいずみ るい (著)
KADOKAWA / 富士見書房
発行:2011-04-21

 少女小説ばかり読んでいた頃に「らんま1/2」でドはまりした林原めぐみさんのラジオ経由で(ラジオ経由!)わかりやすくアニメ化直前の「スレイヤーズ」にすっころんだ大変わかりやすいオタクです。90年台後半のラジオにはラジオドラマなるドラマCDの連載版みたいなやつが連載されており、林原めぐみさんのラジオでは当時スレイヤーズのラジオドラマが流されていたのでした。

 マンガみたいな軽快なノリの文章と、それとは裏腹にガンガンぶっこまれるヘビーな展開が衝撃で。スレイヤーズはアニメになったのが1部までだからあんまり話題にならないけど2部の重さが結構好きだったんですよね。ラストは子供なりに飲み込めないところもあったんだけど、「まあ神坂一だしな……」みたいな謎の納得があったのを覚えてます。そういう意味で一番刺さったのは3冊完結の「闇の運命を背負う者」だったかもしれない(2巻まででそこそこきれいに落としておいて3巻で突き落として重い物背負わせる感じがすごい)。


 スレイヤーズで林原めぐみでわかりやすくこっちも好きだったオタクでした。セイバーマリオネットもアニメと違って原作の重たい展開が……とかずっと言ってたんですけどJtoXは原作とは全く別方向に重たかったなあ……。

B009AALA2Iそれゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】1
庄司 卓,赤石沢 貴士 (著)
朝日新聞出版
発行:2010-10-20

 ちなみに林原めぐみのラジオ経由というとこっちもそうですどんだけ罪深いんだ林原めぐみ。スレイヤーズとこれがほぼ同時期だったんじゃないかな……アニメはまともに見てなかったので特にヨーコはラジオドラマのイメージが強いです。ああいうの好きだったので今の声優ラジオには全く興味がもてなくてすまない……。

B009NNZO5Qロスト・ユニバース−1 幻夢 目覚める<ロスト・ユニバース> (富士見ファンタジア文庫)
神坂 一,義仲 翔子,義仲 翔子 (著)
KADOKAWA / 富士見書房
発行:2011-12-01

 そして3年後には空前の「ロスト・ユニバース」期来るんですよ。私の青春の林原めぐみから逃げられてない感じすごすぎてツライ。そしてライトノベル原作で初めて人生を狂わされた男は間違いなくお前だケイン・ブルーリバー。「ヤシガニ屠る」とかいってはいけない。

4044156026魔導物語 (2) (角川文庫?スニーカー文庫)
山本 剛,壱 (著)
角川書店
発行:1995-03
487025350X小説 ツインシグナル〈Vol.6〉時の彼岸 (COMIC NOVELS)
大清水 さち,北条 風奈 (著)
エニックス
発行:1998-08

 今も大体好きなアニメのノベライズは追うけど当時はノベライズ頑張って読んでて、その中でも特に山本剛の「魔導物語」シリーズと北条風奈の「小説TWINSIGNAL」シリーズがお気に入りでした。あと書影がでてこないんだけど久美沙織の「MOTHER」シリーズ。後者は特に初めて同人的な方向でドハマリした作品だったので、死ぬほど読み返したし、当時の読書遍歴にも大分影響あったとおもう……というか当時は並行して国内・海外SFブームが来ていたので私のソノラマ全盛期はここです(秋山完がわりと好きです)。

 良くも悪くもアニメ・マンガとともにあったスレイヤーズ全盛期のラノベ遍歴でした。

私の傷みでオタクの道を踏み外す

 割とここまでメディアミックス済の作品をメディアミックスから入って原作まで追う、というわかりやすいオタクをしていた私に、当時ネット上でお付き合いのあったお姉さんが勧めてくれたのが電撃文庫の大定番「ブギーポップは笑わない」です。暫くはブギーポップとキノの旅を追いかける解りやすいオタクをしていたのですが、盛大に道を踏み外したのはこの2作品が元凶。

B01GNKL6I0ダブルブリッド<ダブルブリッド> (電撃文庫)
中村 恵里加,藤倉 和音 (著)
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
発行:2016-06-16
4840229961Missing〈12〉神降ろしの物語 (電撃文庫)
甲田 学人,翠川 しん (著)
メディアワークス
発行:2005-03

 当時の読書遍歴を思い出すと「ダブルブリッドで優樹さんが自分の目えぐるシーンやばい」「Missingの呪いのFAXの話こわくない?」「インフィニティ・ゼロの虫の描写やばかったほんとうにやばかった」とか言い出してなぜそんなに痛み描写の激しい小説ばかり読んでいたのか。

 特にダブルブリッドと出会わなかったら今のライトノベル読みみたいな自分はいないとおもうので文字通り足を踏み外した感じすごいんですけど、身を切られるような傷みの描写と傷つけ合いながら必死に関わろうとする人間と人間でないものの生き様に震え、最終巻付近になったら年単位で刊行ペースが開くようになって震えたあの日。本当にウン年ぶりで完結してくれてよかったです……あと中村恵里加の新作のためにいまだに電撃の新刊チェックしてる

学園異能はいいぞ

 ダブルブリッドで道を踏み外して暫くたった私に襲いかかったのは学園を舞台に超常能力を持った生徒達が世界の裏で暗躍する系ラノベ。なんかこの呼び方にも色々異論があるみたいなんですが言いづらいので以後とりあえず「学園異能」っていいます。定義は個人の解釈です。

4840231516レジンキャストミルク (電撃文庫)
藤原 祐,椋本 夏夜 (著)
メディアワークス
発行:2005-09
B01C272O1Qシャドウテイカー 黒の彼方<シャドウテイカー> (電撃文庫)
三上 延,純 珪一 (著)
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
発行:2016-03-03
B00RYOKE2O殺×愛1 ?きるらぶ ONE?<殺×愛> (富士見ファンタジア文庫)
風見 周 (著)
KADOKAWA / 富士見書房
発行:2015-01-13

 まだあんまりラノベ感想を書いててもラノベ感想サイトは漁ってない時期なので表紙やあらすじで「おっ」となったやつを片っ端から買って読んでいくスタイルだったんですが、特に好きだったのはこのあたり。三上延先生は「ビブリア」で一発当ててしまいましたが電撃のオサナナジミスト系学園異能系が本当に好きだったので原点回帰してくれないかなあ……。

 「レジンキャストミルク」は心に欠落を抱える少年少女達がその欠落を異能の力として戦うみたいなお話なのですが異能力から感じる華やかさ、痛みや物語と挿絵のマッチ感が本当に好きで、あと殊子先輩が大好きだったので色々察して欲しい。きるらぶは何度も脱落しそうになりながら追いかけた記憶が割と強いんですけど、刹那的な世界観となんだかんだでご都合主義爆発なハッピーエンドがとても好きです。

バカテスから先はまだ歴史にはなってないのでこの辺で。
それではアイドルマスターSideMの学園異能イベント走ってきます。


【ラ管連るっ!】スタート:「今日だら」号

今ラノベ感想サイト界隈で流行らしい平和さんテンプレをうちでもリスペクト!!
……いえ、なんかやらないといけないような気持ちにかられたので。

あわせてよみたい

ご挨拶

はじめま(以下略)

読書傾向について


さて、本題のオススメ紹介に入る前に私の読書傾向などについても簡単にご説明をさせて下さい。私がライトノベルを読み始めたのは1995年頃、スレイヤーズやあかほりさとる世代 ((オーフェンは読んでなかったので割愛)) です。学生時代に大いにハマった後、暫くはメディアミックス作品ばかり追いかけていましたが、「ブギーポップ」「キノの旅」を代表する電撃文庫全盛期時代にどっぷりと浸かりこみ ((だがしかし元凶はその2つではなく「ダブルブリッド」だった)) 、現在ではディープな勢いで読みふけっています。

読む作品の傾向としてはまず基本として熱血と厨二と異能が大好きで、ハーレムハーレムしたただのラブコメ ((当ブログのMFJカテゴリの記事数が異様に少ない元凶とも)) とかでなければ美味しくいただけます。最初の頃は角川スニーカー・富士見ファンタジア文庫が中心でしたが、今はすっかり電撃文庫がメインに……なったと思いきや最近はファンタジア文庫にすっかり原点回帰中。苦手分野はラブコメ時空の強いレーベル全般。面白い作品も多いのですがどうしてもハードルが高くなってしまいます……。

ちなみに最近は富士見ファンタジア文庫の「東京レイブンズ」やメガミ文庫「魔王様げ?む!」、ビーズログ文庫の「死神姫の再婚」が面白かったです。電撃文庫の「境界線上のホライゾン」は全裸をこよなく愛する皆さんには大変オススメですので各自紳士の皆さんは今すぐレジに走ると良いと思います。

マイ・ベスト・ライトノベル


ラノベ関係のオフ会以外で初めてお会いする方にライトノベル遍歴を話すとかあまりない気がするのですが、とりあえずすぐに挙げる作品が3つあります。「セイバーマリオネットJ」「ダブルブリッド」「フルメタル・パニック!」の3つです。

4829129018SMガールズ セイバーマリオネットJ〈12〉
愛・乙女 (富士見ファンタジア文庫)

あかほり さとる ことぶき つかさ
富士見書房 1999-07

by G-Tools

ラノベにハマった黎明期に読んだシリーズというと「スレイヤーズ」「小説TWINSIGNAL」「セイバーマリオネットJ」の三択なのですが、一番未だに思い入れの強いシリーズはこれかなあということで。感情を持った機械仕掛けの乙女達と世界をかけた恋愛をすることになった普通の少年の物語。ただのハーレムラブコメかと思っていたらどんどんディープに、重たくなっていったのが印象的でした。個人的マイベストは5巻と12巻。

余談ですが、人生で一番読み返した小説はノベライズですけど「小説TWINSIGNAL Vol.2 仮想の未来」だと思います。人生で一番読み返した本だと思うし、今後この小説よりも読み込む小説は金輪際現れないんじゃないかなあと思います。愛すべき人を失った電子生命のお話で、原作コミックスを知らない人にもオススメ。

4840214174ダブルブリッド (電撃文庫)
中村 恵里加 藤倉 和音
メディアワークス 2000-02

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ライトなラノベ読みだった私をディープなラノベ道に突き落としたシリーズ。「アヤカシ」と人間の狭間の存在・『ダブルブリッド』である主人公・片倉優樹と彼女を憎み、慕い、のちに傷つけようとする男・山崎太一郎の物語。4年越しの新刊発行・完結の報せを聞いた時には飛び上がって喜んだのも懐かしい思い出です。

ところどころに激しい「傷み」の描写があり、なかなか人には布教しづらかったりもするのですが…でも大好き。

4829128399戦うボーイ・ミーツ・ガール—フルメタル・パニック! (富士見ファンタジア文庫)
賀東 招二 四季 童子
富士見書房 1998-09

by G-Tools

今、一番完結が待ち遠しい作品。数年ぶりに新刊発行とシリーズ完結の告知があり、ラノベ好き界隈では話題性も高いこの作品。ラノベジャンルでは比較的珍しい?ロボットアクションというジャンルの魅力を存分に生かした熱いバトル展開の数々と、打って変わった学園パートでのドタバタ具合が最大の魅力です。ていうかこの作品の魅力については大手の人が存分に語っておりますのでそちらを参照すればよいのではないかと思いますのでとりあえず「アニメ4期マダー?」「スパロボ据え置き機参戦マダー?」「完結編タノシミー!」と叫んでお茶を濁したいと思います。

ちなみにだいぶ余談ではありますが、この作品の主人公である「相良宗介」は数あるライトノベル作品でも屈指に好きな主人公です。彼の持つ重い過去やプロの傭兵としてのプロフェッショナルな仕事振りやそれとは対称的な学園生活でのヘタレっぷり、そして「傭兵」としての自分と「ただの男」としての自分に葛藤する姿など……とりあえず好きなものは好きなんだからしょうがない!彼はシリーズ中でいつでも光輝きまくってますが、彼の幼少時代の語られる「極北からの声」は今でもお気に入りの作品のひとつです。 ((以上、この段落まるごと大手の人のテッサ語りの改変コピペなのであった))



え?なんでここまできて「バカテス」が出てこないのかって?

4757733291バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)
井上 堅二 葉賀 ユイ
エンターブレイン 2007-01-29

by G-Tools

……いや、あまりにも今現在進行形でフィーバーしてる作品って、熱が落ち着いた後じゃないとこういう「マイベスト」には入れたくなくないですか。あと2年もすればマイベストラノベとして君臨してるんじゃないかなあという気がするのですがなんかこう、今ここに入れてしまうのは……違う気がします!!

今一番フィーバーしてる作品、といえば間違いなくこれなのでとりあえずこれに今一番ハマってますよ、と紹介だけしてみます。

あわせてよみたい : 読書遍歴を振り返る流れに便乗する その1(小学時代編) :https://urara.tank.jp/log/eid1229.html


2008年11月のまとめ&読了記録

11月に読んだ本は21冊でした。
原稿に集中する為意図的にペース落としていたのはあるのですが(感想書く時間が意外に時間泥棒さんなので)、やっぱ全体的に以前よりペース増えたなあ…と思いつつ、せっかく新刊が少ない月だったのでもうちょっと読みたかった気も。
そして先月から続いていた「杉井光強化月間」がようやく終了。どれもおいしゅうございました。
…え?ここまで来たら「さくらファミリア!」も読んでコンプすべき?

2008年11月のページアクセストップ4


とらドラ9!
⇒感想

とらドラ8!
⇒感想

とある魔術の禁書目録SS2
⇒感想

バカとテストと召喚獣5
⇒感想

先月から引き続き「とらドラ!」フィーバー中。全然アクセスが下がる様子がないのですが、何が起こっているのですか……。

そして追随するのは同じくアニメ化中の「禁書目録」最新刊。新キャラ・新設定乱立でそろそろ設定資料片手に読む時代になってしまうのか。何度も言ってますが電撃文庫は、次から禁書文頭にキャラクター及び世界設定紹介をですね……?

それにしてもアニメ化3作品には叶わなかったとはいえ、最後の3日で禁書に追いつきそうなアクセスを集めた「バカとテストと召喚獣5」。次期アニメ化候補のトップエースパワーはやはり凄い。私としてはもうちょっと女性読者が増えて欲しいと切実に願うものであります。5巻は久保君がイケメン男子であることが発覚して、雄二×明久にノリきれない美形スキーがニヤリとすること請け合いですよ!?とりあえずエンターブレインは冬コミでアキちゃんの抱き枕を出してください。むしろ「裸ワイシャツ上目遣い涙目ボタン上2つ空け」の明久をお願いします。2万までなら出す。


2008年11月に読んで面白かった本


ダブルブリッド Drop Blood
⇒感想

火目の巫女
⇒感想

桐原家の人々3 恋愛統計総論
⇒感想

魔王城一限目
⇒感想

今月読んだ中では…というかむしろラノベ全体の中でも「ダブルブリッド」と「バカとテストと召喚獣」は愛着のあるラノベとしては5本指に入ると思うのですが、その2つが2回連続同じ月に出るのはどんな運命の悪戯か!多分これがホントに最後の短編集、とても美味しく戴きました。というかダブルブリッドは思い入れありすぎて困る。未収録の短編をまとめた本が出るであろう事は予想してましたが、よもや本編終了後のお話が読めるとは夢にも思っていなかったです。最後の最後に素敵なプレゼントを本当にありがとうございました。ていうかこの調子で来年には「ソウル・アンダーテイカー」の続きが出るといいなあ…

杉井光強化月間からは平安系欝グロ巫女ファンタジー「火目の巫女」。結局2ヶ月がかりで「さくらファミリア」以外の杉井光作品をコンプしてしまったのですが、結局火目が一番ツボだったなあ……続きが絶望視されているのがとても残念です。「このラノ」ランクインのご祝儀かなにかで出ませんかね…できればメモ帳4巻より火目4巻を……。

そして杉井光強化月間とともに密かに裏で行われていたルビー文庫積読崩しキャンペーンから「桐原家の人々」。友情以上愛情以下BLと弟×兄スキーとしては大変美味しいお話でした。ああ、そういえば4巻まだ買えてない……ここまで来ると「デルフィニア戦記」が俄かに気になってくるわけですが、今月来月は新刊予定が詰まってるから来月以降かなあ…

魔王城一限目」はガーゴイルとはうってかわってしょっぱなから重い展開の物語ですが、「ガーゴイル」から続く家族の暖かさが根底に流れる優しいお話。今月読んだ新シリーズ系では一番オススメです!


2008年11月の読了記録

MediaMarkerさんでちょくちょくつけてる読了記録がHTML出力できるようになったので、読書メーター組に対抗して使ってみたいと思います。…個人的に、欲を言えば、カテゴリを絞っての表示とコメント出力ができれば完璧なんだけどなあ。ラノベの読了はいらないのでそれ以外だけで出力したい…
続きを読む


電撃コラボレーション  まい・いまじね?しょん

[著]電撃文庫記念企画
(うえお久光、時雨沢恵一、上月司、有川浩、中村恵里加、五十嵐雄策、有沢まみず、柴村仁、古橋秀之、岩田洋季、成田良悟)
[絵]西E田、むにゅう、京極しん、田上俊介、さそりがため、三日月かける、山本ケイジ
   
西E田さんの書かれたイラストを元に電撃文庫の作家・イラストレーターがストーリーを作っていくというコラボアンソロジー。15周年企画の一環?で今月から毎月こういったコラボ小説が発売されるようです。男女の学生、手紙、UFOというキーワードの縛りがあるのに王道ラブコメあり、SFありホラーありで各作家さんの味が出まくってる辺りがおもしろかったです。

色々な意味で「いつも通り」で学園キノ系はっちゃけギャグの時雨沢恵一、ベタ甘ラブコメな有川浩とかもおもしろかったですが、ダブルブリッドやソウルアンダーテイカーから一転・コテコテの脱力系メタメタギャグをやらかしてくれた中村恵里加とギャグ系エロコメ・シリアス泣きゲー系のどちらでもなく何故か超ダークでホラーな展開の有沢まみずが最大の衝撃だったかも。中村さんはまだ著者近影や初期の後書きのゲーム語りからなんとなくこういう芸風もアリかなあと思ったんですが(ていうかいつかギャグコメ書けばいいと思います)、有沢まみず×ホラーラノベは想像したこともなかったぜよ…確かにインフィニティ・ゼロはちょっと欝グロも入ってましたが!半分くらい未読の作家さんでしたが、やはり既読の人の方が普段と比較できる分二重の楽しみがありますね。

そのほか、ある意味王道といえなくもないような、古橋さんのお話と最後という事を最大限に利用した他の短編ネタが炸裂の成田さんの短編がお気に入り。未読の作家さんの中では上月司さんのスレ違いラブコメに1票。男の子と女の子で同じ行動に対する見解がどんどんズレていくのが素敵過ぎる。こういうギャグコメディは大好きだ…!

…ところで岩田さんの「シンデレラ」、大筋は切ない恋愛モノで結構好きなんだけど、男の子の方の行動の理由があまりにもしょぼすぎると思ってしまう私は駄目なんでしょうか。本当に好きな相手ならそんなの愛で乗り越えられるだろ。女を断る理由がほしくてそういうこと言った、とまでは思わないけどもうちょっとまともな理由がほしかったです。


ライトノベル好きに「初めての○○」10の質問

ライトノベル好きに「初めての○○」10の質問(鍵の壊れた部屋で見る夢さん)

そういえば以前この質問を見かけたときにいつか回答しようと思って放置してたのでした。リバイバルブーム来てるみたいなので(違)これを機会に回答してみますー。

実際「初めて読んだ」に該当する本を読んだのって小?中学生の頃になると思うので実際本当にそれが「はじめて」かどうかは自信ないのですが、多少の差異はきにしないと言う事でー。

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