“賀東 招二” の検索結果 | ページ 2 | 今日もだらだら、読書日記。

キーワード:賀東 招二 (56 件 / 6 ページ)

甘城ブリリアントパーク1

 

謎の美少女転校生・千斗いすずが、可児江西也を放課後の教室でデートに誘ってきた。転校初日から校内で噂になるほどの女の子に誘われるというのは、悪くない構図だ。ただし―、こめかみにマスケット銃を突きつけられてなければ、の話だが。しぶしぶ承知して向かった先は「甘城ブリリアントパーク」。ダメなデートスポットの代名詞として名高い遊園地だ。そこで西也はラティファという“本物の”お姫様に引き合わされる。彼女曰く「あなたにこの『甘城ブリリアントパーク』の支配人になって欲しいのです」…って、なんで俺が。(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

魔法も希望もあるんだよ(でも夢と奇跡はありません)。

 転校生の少女に半ば脅されるようにして連れてこられた寂れた遊園地「甘城ブリリアントパーク」。妖精のお姫様に魔法の力を与えられ、なりゆきからその遊園地の支配人として、二週間以内に10万人を集客しなければいけなくなってしまった西也。しかし、“中の人などいない”を地でいく、どこかで見たようなマスコットキャラの妖精たちはいずれも一筋縄ではいかない者ばかりで……というお話。

 なかじまゆか先生の可愛い絵柄を楽しみつつ主人公が遊園地再建しながら美少女とフラグを立てる系のラブコメかとおもったらむしろ完全にマインドがオッサンな妖精達がひたすら居酒屋で愚痴る話だった。な、なにをいっているのかわからねえとおもうが略。そして会話が生々しい。居酒屋でこういう会話してるサラリーマンのおっさん、いるよね!!みたいないらぬ生々しさが全開です。

 妖精の国のお姫様と妖精たちが人間達の「楽しいと思う心」を集めるために働いている、という設定はとてもファンタジーですが、あくまでその能力には頼らず、あくまで人間の力で事態を解決していく姿がよかった。地道な広告活動や赤字覚悟の集客行為をしてもやはり人間のできることには限界があって、そこで残りの人数を集客するためには汚い手も使う。魔法のような「チート能力」にはあっても頼らず、どこまでも地に足がついた方法で集客を模索していくのが面白かった。ぶっちゃけ、最後の野球場のアレは物凄くファンタジーだとおもいましたが!!普通の高校生が潜入+破壊工作なんかして証拠を残さずできるわけないだろというか、もうちょっと頑張ってそこの部分にもちゃんとリアリティを追求してほしかった気はする!!

 キャラクター的には、西也の「ナルシストな友達居ない元子役」という設定は結構面白いのに割とその辺生かせてなかった気がするのが残念。っていうか、どうみても“ナルシスト”って設定が浮き上がってる気がするんですよねえ……友達居ない設定は今後学校での描写が増えたら自動的に生かされてきそうな気はしますが。便所飯してるのには噴出すしかなかった。

 西也とモッフルのいけすかないやつと書いて強敵と読む感じの関係はかなり好きでした。だがクライマックスの野球場はいろんな意味で無理がry


フルメタル・パニック! アナザー3

   
原作
賀東 招二

蒼い第三世代型AS“ブレイズ・レイヴン”を操り、素人同然にもかかわらず、テロリストを撃退した市之瀬達哉。そんな彼のASオペレータとしての才能を目の当たりにし、アデリーナは様々な思いが交錯する。それは全てを失い、ASオペレータに人生を賭けてきた彼女の根幹を揺るがすほどのものであった。そんな不穏な空気の二人を余所に、以前仕事で達哉に一泡吹かされたアラブの王子様・ユースフがまさかの襲来。決闘を申し込んできた。さらに、AS‐1“ブレイズ・レイヴン”のパイロットを巡り、試験をすることになるのだが、果たして―!?電光石火のSFミリタリーアクション、全力加速。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

俺のライバルの俺様系アラブ王子が可愛すぎる件。(←今巻のあらすじ)

 ユースフ王子レギュラーキャラ昇格おめでとうございますおめでとうございます!!無骨なドイツ製AS“ヴォルフ”を真っ白に塗って赤いマントつけちゃう王子のセンスがマジ斜め上すぎてもうなんだこいつかわああああああときめく!!!コスプレ担当無表情系軍人さんのアデリーナちゃんも、ロケンロールでゴスロリ娘のクララちゃんも可愛いですがアナザーの最萌えキャラはユースフ王子で確定してしまっていいとおもいます。一国の王子としてのプライドや矜持もあるけれど、なんだかんだで子供らしい俺様ぶりを隠しきれてないユースフ王子かわいいよ。ユースフ王子にアラブコーヒー振舞われたい!!!!!!

 陣代高校の文化祭が執り行われる中、D.O.M.S.では“ブレイズ・レイヴン”の搭乗オペレータの選考が行われており……というお話。文化祭の明るいお祭騒ぎとは裏腹に、どこか達哉との別れを予見しているクラスメイト達と“新入り”のオペレータである達哉のAS操縦の腕やなにやらにらしからぬ嫉妬心を抱いてしまい、以前のように達哉をまっすぐに応援できないアデリーナの葛藤が印象的でした。さりげなく見せるマヨラーっぷりといい今回の件といい、アデリーナも宗介と同じく落ち着いたイメージを受けるけど年相応の少女なんですよね。

 そんな中、“ブレイズ・レイヴン”のパイロット決定の報を受けてショックを受けたアデリーナは搬入されたもう一台の“ブレイズ・レイヴン”を駆って達哉と勝負をすることに。これまで溜め込んだ鬱憤を(模擬とはいえ)戦いの中でぶつけてくるのがなんとも彼女らしいんだけどユースフ王子マジで空気読んでください(惚)もうね、もうねこの人……今回いいところもっていきすぎだとおもうんですよ!!!!!

 いよいよ二体の“ブレイズ・レイヴン”が揃い、物語も次くらいから本格始動かな、という印象の3巻でした。まだ姿を見せぬ前作キャラ達の動向も気になるものの、物語の裏で不気味に蠢く三条姉弟やユースフ王子やらユースフ王子やら、「アナザー」側にも魅力的なキャラクターが増えてきて今後の展開が楽しみで仕方ありません。とりあえず3巻表紙をユースフにってゴリ押しした賀東さんGJまじGJ。


フルメタル・パニック! アナザー2

   
原作
賀東 招二

家の借金返済のため、民間軍事会社D.O.M.S.へ所属することになった陣代高校3年生の市之瀬達哉。厳しい訓練を終え、日本へと戻り、いつもの高校生活が始まるはず、だったのだが―『仕事だ、タツヤ』ざわめく級友たちを尻目に教室へ乗り込んできたのは、金髪美少女で優秀なASオペレータでもあるアデリーナと、10歳の天才スナイパー・クララだった!またしても変質する達哉の日常。彼女たちが持ち込んできた新たな仕事とは、“蒼いASを運ぶこと”だけのはずが、輸送中のヘリにミサイルが撃ち込まれ―!?疾風怒涛のSFミリタリーアクション、垂直離陸。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

 「フルメタ」本編から十数年後の世界を描く、スピンオフシリーズ第2巻。前巻の解説によると各国を回りながらASのバリエーション機紹介するのがメインということで、どうなるのかなあと思っていたんだけど、謎の新キャラや陰謀の匂いが充満して「それだけじゃ終らないぞ」という感じがぷんぷんに漂ってきてる。しかし12回リテイク喰らわせたとか明らかに筋トレより体力使いそうです賀東先生ェ…

 当面の敵になりそうな面々と、個性的な新キャラが多数登場。「ロックだ!」が口癖のオッサンとか、頭のネジがトんでそうな美人姉&クール(?)な弟分とか。個人的にはユースフ王子に今後の出番があるかどうかが大変気になります。ツンデレ男子は良いもの!!

 一方で、ちょくちょく顔を除かせる前作キャラにも期待してしまうのは本編ファンのサガという奴で……すっかり良い母になってるマオ姐さんはもちろんなのですが名前だけ登場のお蓮さんとかクルツ君やテッサとか。個人的には先生になったオノDが良い味出しすぎてて目が放せない。「卒業したくてもできなかった奴」っていうのはやっぱりあの人の事なのかーとか……

 新キャラ・旧キャラ入り乱れる中、達哉とアデリーナの関係にも少しずつ踏み込んでいったのが印象的。宗介とかなめの男女の立場が入れ替わったような形なんだけど、それでいて達哉がきちんと「ヒーロー」してるところが個人的にはとても美味しかった。悩みや葛藤もどこかあの二人を思わせるものがあって、今後二人の関係がどうなっていくのかが物凄く楽しみです。


フルメタル・パニック! アナザー1

   
原作
賀東 招二

あの戦いから十数年…。市之瀬達哉は都立陣代高校に通う、機械いじりが大好きな普通の高校生。無難な人生を楽しんでいた達哉だったが、ある日暴走した正体不明のASに突如襲われてしまう。殺される!そう思った瞬間、目の前に現れたのは、謎の美少女アデリーナだった。しかし、大怪我を負っていた彼女は、善戦虚しく倒れてしまう。達哉はアデリーナと妹を守るため、触れたこともないASに乗り込むことに。その決断が、彼の運命を大きく変質させていく―。SFアクションの金字塔「フルメタル・パニック!」の新たなストーリーが、ついに作戦開始。(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

「フルメタ」本編から十数年後の世界を描く、スピンオフ。機械弄りが好きな普通の男子高校生とPMCと呼ばれる民間軍事組織に所属する謎の美少女のボーイミーツガール。書くのが別の人だと聞いて期待よりも不安が大きかったのですが、蓋を開けてみたらびっくりするくらい「フルメタ」でした。色々なところで宗介とかなめの立ち位置を入れ替えたフルメタという印象。

中心部に居るキャラクターは入れ替わっているので前作を読んでいないと話が理解できない……ということはありませんが、その一方で「フルメタ」本編を読んでいるとニヤニヤ出来る仕掛けが目白押し。十数年後の世界ということであの人やあの人の将来の姿も登場するし、特に「マジで危ない九死に一生?」の書き下ろしを読んだ後に開くと、まずカラー口絵の人物紹介でニヤニヤが止まらなくなる!!あのやり取りはここへの伏線だったのかー!!!

1巻はとりあえず顔見せと導入……という感じが強く、新ASのお披露目もこれから。基本的にASの顔見せ?的な話がメインになるということなのでどうなるのかなあ……という感じだけど、まだ出てきてないあのひとやあの人の未来の姿とか期待せざるをえませんよね。ストーリーもキャラクターも含め、今後がとても楽しみです。

……それにしても、本当にフルメタの制作陣は、「サベージ」が好きだな……


フルメタル・パニック!12 ずっと、スタンド・バイ・ミー(下)

 

大きな犠牲を出しながら、ついに飛び立ったフル装備の“レーバテイン”と相良宗介。強力な敵の迎撃部隊を突破し、かなめが待つメリダ島最深部へ着実に近づいていた。だが、新兵器を装備したレナードが駈る“ベリアル”が出現。切り札の“妖精の羽”も破壊されピンチに陥る。一方、核ミサイルの発射を防ぐため、宗介たちとは別行動をとるマオとクルーゾーも、絶望的な状況に陥っていた。全面核戦争による世界滅亡のカウントダウンが始まる中、彼らに起死回生の秘策はあるのか!?そして宗介とかなめが交わした、あの日の約束は永遠に成就しないのか!?SFミリタリーアクションの金字塔ついに完結。(「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

完結編。なんかもう色々な意味で感無量すぎて、逆に言葉が出てこない……

前巻から引き続く死亡フラグの連続、絶望的な状況の中で宗介の放った言葉がなんとか“千鳥かなめ”を呼び覚まして、彼女が立ち上がってから一気に事態が好転していくのが凄かった。あの人の復活とか、既に予定調和っていうくらいにしっかりとフラグ立てされていたけど、王道すぎるけどやっぱりあの場面で出てくるのは反則……!なんだけどその後かわいそうなくらいケチョンケチョンにされるさまが酷い、とかあんな状態で「俺……帰ったら秋葉原でアニメ翻訳家になるんだ……」と逆死亡フラグを立てるクルーゾーさんとか、別の意味でも最高すぎましたww

何より、「あったかもしれない未来」での宗介とかなめのやりとりと、死の淵に立たされた宗介が見た、ミラからの「映像」の破壊力は半端なかったです。どっちもボロ泣きした。確かにかなめの能力を使えば宗介は戦争なんか知らない、日本の一高校生だったかもしれなくて、でもそれは「かなめが好きな」宗介ではなくて……半ばそういう選択肢を選ぶのではないかと思ってはいたけど、実際にああやって具体的なビジョンとして示されてしまうと二重の意味で心が痛い。最後の最後で1人の「人間」となったアルの行動にも胸が熱くなりました。

宗介とレナードのやりとりも良かったなあ。これだけのかかわりを持ちながら「好敵手」にすらなれなかった二人。どんな事があっても、憎む事も好む事も出来なかった相手。ある意味、あそこでレナードがああやって死んだのは必然だったと思うんです。宗介自身が殺しても、宗介が彼を見逃す形になってもいけなかった。最後まで無関係と無関心のまま対峙してきたレナードと宗介にはぴったりの結末だったのではないかと。

色々と時間は掛かってしまったけど、もう取り戻せない物も沢山あったけどかつて宗介が「連れ戻す」と誓った場所で、かつてかなめと約束した事を果たした二人と、それを見守るクラスメイトたちの姿が熱すぎて。最後の見開きの挿絵が素晴らしすぎて。もうなんか本当に、暫く何も言葉が出てこないくらいの脱力感があった。ああ、終ってしまったんだなあ、と。本当に凄い物語だったと思います。

あと1冊くらい短編集が出るみたいなので、そちらも楽しみです。



↓以下、大変どうでも良い妄想

《では逃げ終わったら、車にでも積んでください。車種はトランザムを希望します》



? ト ラ ン ザ ム !!! /

最後のアルのユーモアに大爆笑したwwwwwなんというガンダムOOwwwwwそういえばレーヴァテインのメカデザインってダブルオーのガンダムをデザインした人と同一なんでしたっけ?
つまりフルメタ世界のウン十年後だかウン百年後がガンダムOOの世界で、オーライザー=アルなんですねわかります。刹那が終盤でブワーッと展開させていた謎フィールドはTAROSが作り出したウィスパード空間ということで!!

…あれ?なんか上手いこと道理が通っちゃうぞ…?

※複数の方より「元ネタは『ナイトライダー』(80年代の海外ドラマ)ではないか」というご指摘をいただきました。
 元ネタを確認した限り確かにそちらのほうが元ネタとして正しそうな気がします。
 該当部分は削除……しようかともおもったのですが、一応「本を読み終わった直後の感想」ということで、このままにして残して置きます。


フルメタル・パニック!11 ずっと、スタンド・バイ・ミー(上)

 

ついに明かされたウェスパードの謎。歪んでしまった時間を元に戻そうとするレナードとかなめ。その行いに単純な善悪論を超えたものを感じ、歯切れの悪い宗介。戸惑いながらもかなめを取り戻す、最後の戦いが始まる!

個人的お気に入り度数

約2年半ぶりの新刊ひゃっほおおおおおおお!!!!!
待ちに待った「フルメタル・パニック!」シリーズ本編完結編・前編。アマルガム本拠地となったメリダ島に最大級のTAROSが建設されようとしていた。レナード・かなめが起こそうとしている「歴史改変」を食い止めに行こうとするテッサ達だが、その動きを分断する為にアフガンに核の脅威が迫り……というお話。

しかし色々な「線」が終わりに向けて収束していく様は圧巻。さりげなく登場するあんなキャラやこんなキャラたちの登場に胸が熱くなる。特にセイラー艦長率いる<パサデナ>とテッサの戦いは、事前に『ベリー・メリー・クリスマス』を読み返しておいて本当に良かった。あとは、やはり「つづく?」から1年後のどこか寂しげな陣代高校の様子がしょっぱなからカウンターパンチだったなあ。校長先生の言葉にはしょっぱなから泣いた。

長かったお祭りがやっと終るかのように、終わりへと向けて動いていくそれぞれの姿が印象的でした。クルツの死を引きずるマオ、カリーニンの代わりを務めてきたクルーゾー、1人の少女が本来背負いきれない重責に耐え続けたテッサ、テッサにどこまでもつき従おうとするマデューカス、そして宗介……と、誰も彼もに死亡フラグが透けて見えるのは演出なんだと……ブラフなんだと信じたい!誰が死んでもおかしくない状況だけど、なんとか全員で切り抜けてほしい。特に、クルツを失ったマオの様子が痛々しくて……なれない冗談で必死に慰めようとする宗介の不器用な優しさが胸に痛くて。

「ねえ、お願いがあるの」
「これが終ったら、もうやめなさい。あたしらみたいなろくでなしのことは忘れて、ちゃんと自分のために生きて。銃なんてもう二度と持たないで。人に優しくして、心から笑えるような男の子になって」
鼻をすする音。彼を抱きしめる力がぐっと強くなる。
「あなたになら出来るはずだから」


少しずつ成長し、宗介と共に悦びも悲しみも分かち合い人の死を悼み、着実にAIを越えた「自我」を持ち始めたアルが、最後の戦いにどのような力を見せるのか。宗介はかなめを救い出す事が出来るのか。そして何より、笑う事も泣く事も「出来ない」宗介が心から笑って泣いて、普通の少年として生きていく事が出来るのか。全ては来月の完結編へ。
もう来月が楽しみでなりません。

だったら自分は何者なのか?
それなら決まっている。ここまでの戦いで確かに実感した。
俺は兵隊だ。






最後にネタバレ防止に保護色で一つだけ叫ぶ。
生きてた!!クルツ生きてたよひゃほおおおおおおおおおおお!!!!!!下巻楽しみ!!!クルツ復活ちょうたのしみ!!!!!かっこよくマオ姉さん助けに来てくれるんだよねそうだよねええ!


フルメタル・パニック! せまるニック・オブ・タイム

[著]賀東 招二 [絵]四季 童子

漸く合流を果たした宗介達<デ・ダナン>メンバーは、各地に散らばったミスリル残存勢力を救援しながら少しずつ軍備を回復させていった。一方、レモンやレイス達と協力してとある情報を探っていたテッサは宗介達僅かな護衛を連れて“ウィスパード”の秘密が眠る街ヤムスク11へと向かう。しかしそこにはレナード達<アマルガム>の勢力が待ち受けていた。ウィスパードがもたらす「ブラックテクノロジー」の秘密が今明かされる…!!
   個人的お気に入り度数
「ウィスパード」達の秘密をはじめ、重大な事実が次々と明らかになるシリーズ最新刊。
レナードの豹変。
かなめに隠された重要性。
そして何故この世界が“フルメタの世界”となったのか…その秘密。

崩壊するはずだった国家が、崩壊しなかったかもしれない。
統一を保つはずだった国家が、分裂してしまったかもしれない。
そして、もしかしたら——米ソの冷戦が終わっていたかもしれない。

そしてそれを変えたのは、間違いなく“ウィスパード”と呼ばれる存在で。
ブラックテクノロジーという「呪い」を受けた子供達だった。

お母さん。
あと一分早く産んどいてよ……。

明かされた事実がとにかく重過ぎて、しかし同時にそして作品に仕込まれた様々な仕掛けにただただ、驚きを隠せませんでした。今の世界とフルメタ世界の歴史が違う理由やウィスパードの存在なんて、フルメタを“フルメタ世界”たらしめるための前提設定であるとしか思っていませんでした。それが一気にひっくり返された衝撃といったら…。

正直、難しい説明が続く中盤は今までの熱い展開から比べるとぜんぜんだるいし、前に出た2冊の強烈なカタルシスを考えると、説明だらけの文章は読み進めるのがちょっときつかった。個人的に中盤までで印象に残っているのは、もう最初で最後になるであろうと思われる宗介&レナードの共闘シーンくらいです。だから、中盤の読みづらさを差し引いて、評価自体は少しだけ減らしてます。

でも、何もかもが、最後の最後で一気に打ち砕かれました。

(※以下、本物語の結末に関する記述があります。未読の方はご注意ください。)




露骨な「フラグ立て」の様子に、序盤から「まさかな…」と思いました。
でもなんか、彼ならば大丈夫のような気がして。
そんなフラグへし折って、なんとか生き延びそうな気がして。
今だって、どこかからへらへら笑って、出てきてくれそうな気がする。
なんか、もう、本当に読み終わったあとは涙が止まらなかった。

正直、以後の展開は殆ど覚えてません。
涙が止まらなくて、本の文字が読めないなんて経験初めてでした。
エピローグでの各キャラクター達の行動が、また痛々しい。

自分を責めるテッサ。
感情を露にするマオ。
そして、泣けない自分を憂う宗介。
無意識に流れた、かなめの涙。

シリーズ中でも最大級に能天気だった短編が、こんなフラグにつながっているなんて…。


現実って、虚構の世界であっても残酷だ。



前に温泉に入ったのは、いつごろだっただろうか?
だれと行ったっけ?
だれが発案して、だれが大騒ぎを起こしたんだっけ?


フルメタル・パニック! つどうメイク・マイ・デイ

 

大切な人、心を許せる仲間、帰るべき場所―相良宗介はすべてを失った。“ミスリル”壊滅後も、執拗な追跡を続けるテロ組織“アマルガム”。その魔手はテッサをはじめ、重傷の宗介にも伸びようとしていた。一方、幽閉中のかなめの心に、ある決意が芽生えはじめる。レモンたちの協力を得てかなめ奪還に向かった宗介は、奇しくもテッサたちとの再会を果たす。かなめに導かれるようにつどう“ミスリル”のメンバーだったが、敵の圧倒的な戦力と、正体を現した裏切り者に苦戦を強いられるのだった。ついに、新型AS ARX‐8“レーバテイン”が登場!!反撃開始だ!!かかってこい。 (「BOOK」データベースより)

個人的お気に入り度数

もうなんていうか、熱すぎる。
レモンとの共闘、ミスリルの再集結、ARX-8、そして宗介&かなめの葛藤…

なにもかもが言葉に出来ない程燃え。

お馴染みのメンツだけではなく、もう様々な伏線が絡み合い、あまりにも意外な人々が宗介達を影から、表から支えます。まさかあの短編「老兵達のフーガ」が、今回の伏線になってたなんて!!(ところで今回宗介を助けてくれる「彼」は前回登場時、例の口癖に全て伏字が入ってましたが、今回は 伏 せ な い ん で す ね 。色々な意味で賀東先生と富士見ファンタジアの本気を見ました(笑)いや、確かに今回はテッサたんも…それにしてもあのテッサたんはもう犯罪級に可愛すぎだ!!(脱線)

そして特に嬉しかった登場人物はラストの「あの子」。確かに宗介は多くの人を殺してきたかもしれないけど、彼が<ミスリル>で行った活動に心から感謝して、知らない所からでも応援してくれてる人が居るって言うのが凄く今までの展開の救いになったというか…もうほんとに、泣けた。他人事ながら、何か救われたようで、凄く嬉しい。

ウルズ3人再集結とか、最後の最後で現れるARX-8とか、もうある程度予測はしていたけど実際に再び彼らのやりとりが拝めた事が嬉しくてしょうがないです。もう本当に今までの鬱屈した展開を全部ぶっぱなすような今回。もうほんとたまりません。熱すぎる!!

そして最後の最後、かなめと宗介がかわした約束がもう………!!!すいません、最高傑作きゅ(強制終了)ていうかうわーーーもう!!ほんとにもう!!!言葉に出来ない燃えが(2回目)



しかし、レーバテインの大暴れっぷりを見て、レーバテインをスパロボに出すために早くアニメ第三(4?)期を京アニさん!!早く早く!!とか思ってしまった私が居ます。いやーほんと楽しみだよねアニメ続編(まだ決定すらしてません)。スパロボWの隠し機体で出ませんかねレーバテイン…元々アーバレストが鬼強いので、これで長距離砲までついたら猛烈にバランスブレイカーなスペックになっちゃいそうですけど。

次巻は書き下ろしで年内の発売を予定だそうで、凄く楽しみ。早く続きが読みた?い!!


ところで、この本を読みながら物凄いゾクゾクしてました。
もう電車の中で読みながら全身鳥肌立ちまくり。
やっぱこのシリーズ凄すぎる。



帰ってきて熱測ってみた。熱あった。
…おあとがよろしーようでー…。


【以下、殿方に殺されそうなベーコンレタスな話題(反転)








いやーなんていうか、今回、宗介が萌えすぎなんですがどうしましょう。
病院に収容されてレモン達から拘束だの尋問だの薬だの手錠だの言われた時には、
うっかり色々と妄想してしまいました。
まだ身動きも取れないような時に敵に寝込みを襲われたり、下卑な目で見られたりと、
今回は恐ろしいほど萌えポイントが…が…なんだこの言葉に出来ない萌え!!!



色々な意味でほんとごめんなさいうまれてきてごめんなさい。


フルメタルパニック!サイドアームズ2 極北からの声

オンライン書店ビーケーワン:極北からの声極北からの声

発売:2006.7
発行:富士見書房
[著]賀東 招二 [絵]四季 童子
カリーニンが語る宗介の過去と、マデューカスが語る<ミスリル>誕生秘話。

今までの軽い話が中心の外伝シリーズからすると物凄く重い話になってますが、
「燃えるワン・マン・フォース」で宗介が一瞬回想したシーンがここに繋がるんだな
とか考えるとなかなか感慨深いです。
カリーニンとマデューカスっていう語り部の使い方もうまい。つか渋い(笑)

日本国籍でアフガンゲリラだったりと考えてみると色々謎の多い宗介でしたが、
ここにきて漸くその過去がクローズアップされます。
冒頭の宗介の両親の話なんか、しょっぱなから泣かされました。
四季さんの挿絵が更にいい味出してる。

とまあここまでマジメに感想書いてみましたが、
元々主人公の暗い過去とか小さい頃は可愛かったとか要人暗殺とか
子供ばかり集められた養成機関とか生意気系ツンデレショタ少年とか(あれ?)
兎に角いい年こいてそっち関係のネタが大好きな私としては

回避不能の萌え(燃え)だらけでもうどうしようかと。


カシムかわいいよカシム。



所でスパロボJ以来すっかりスパロボに骨抜きにされている私としては、後書きの新AS設定に激しくときめいた訳なんですけど。
宗介の機体で移動後遠距離攻撃とMAP兵器ついて攻撃力5000台の攻撃があったらゼオライマー、フリーダム、ジャスティスに並べるほど鬼ユニットになりそうで素敵!EN消費が殆ど無いから元々使いやすい機体だしね。
ボン太くんもいいけど、技能上げまくって初期気力いじくったアーバレストって大分最強ですから!!


フルメタル・パニック! 燃えるワン・マン・フォース

オンライン書店ビーケーワン:燃えるワン・マン・フォース燃えるワン・マン・フォース

発売:2006.1
発行:富士見書房
[著]賀東 招二 [絵]四季 童子
久しぶりのフルメタ新作。

ミスリルが壊滅状態になり(というかそう思い込んでるというか…)、かなめを攫われ再び一人になった宗介が日本を遠く離れた紛争地帯で敵対する「アマルガム」の情報を得る為孤軍奮闘する姿を描く。
…というストーリーのあらすじからも想像されるとおり、前作を超える重さを引きずってます。
この他にもゲストヒロインが可哀想な目に遭ったり、宗介の過去が暗示的に出てきたりします。

しかし、それにもかかわらずこの作品は熱い。
タイトルの通り「燃える」作品に仕上がってます。

前回で壊されてしまったミスリルの最新鋭兵器「RX-7アーバレスト」に変わり宗介の愛機として登場するのはオンボロのソ連製AS「サベージ」。
今までは最新鋭機VS最新鋭機の超能力バトルっぽい所があったんですがその最新鋭機をオンボロサベージがパイロットの機転と実力で打ち破っていく姿は非常に熱い展開でした。

しかし、その中でもこのオンボロサベージの名前(クロスボウ)を宗介がほめたり、AIに「アル2号」と名づけたり勝手にアーバレストカラーにしちゃうあたり、かなり胸がキュンとなりました。
本来の自分の居場所に身を置いたからこそ、かなめたちと過ごして自分がどれだけ変わったか気づいてしまい戸惑う(傭兵としての)宗介の姿が印象的。逆に、傭兵の性なのか少し離れただけなのにかなめの記憶が曖昧になっていくことに戸惑う(ただの高校生としての)宗介の姿がなんとも哀しい。

「俺はもう傭兵ではない、ただの男だ」という言葉が胸に響きます。

最後のクラマとの戦いはもう痛々しいわ哀しいわで本当に胸がしめつけられるんですが、続編が久しぶりすぎて「クラマって誰?」という気分になったのも否めないのですが…次はぜひとも内容忘れないうちに続編出してくださいorz

ラストで遠ざかる意識の中必至にかなめの名前を呼ぶ宗介が痛ましいのでとっとと出してくれないと暴れます(待て)
正直短編シリーズとか落ち着くまでお休みでいいから本編をどんどん出して欲しいです。
短編シリーズは今の状態で出されても本編がああなってしまった以上切なくなるだけで…。

しかし、Wikipediaで宗介の幼少時設定のネタバレ読んじゃったんですがなんですか、萌えポイントにジャストヒットでどうしようかとおもっt(強制終了)