ページ 6 | 今日もだらだら、読書日記。

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私と陛下の後宮生存戦略 ‐不幸な妃は巻き戻れない‐

 

すぐ死ぬ少女と不憫な最強陛下の、【死に戻り禁止】の後宮攻略ストーリー!
若き賢帝の唯一の妃『最愛』を決めるため、後宮に集められた妃達。 その中で最も格下の、五十番目の妃ソーニャには秘密があった。 それは【死に繋がる不幸を招く呪い】と【死ぬと時間が戻る祝福】を持つこと。 玉の輿を狙う妃達により魔境と化した後宮で、彼女は毎日『死に戻り』続けていたのだ。 (早く『最愛』を決めてくれないかな。そして家に帰りたい) そう願うソーニャだったが―― 「貴様を私の『最愛』にする!」 皇帝エルクウェッドが指名したのはソーニャ。 その上『最愛』のはずなのに陛下は大層お怒りのご様子で……!?

リィーリム皇国の人々はそれぞれが相関する『祝福』『呪い』という2つの力を持っている。「自然死以外の理由で死亡した場合1日前に時間が巻き戻る」という祝福と「死につながる不幸を招き寄せる」という呪いを持つソーニャは幼い頃からこの力のせいで死んでは巻き戻る日々を送っていたが、皇帝陛下の50番目の妃として選ばれて後宮に入れられて以降は他の49人の妃から命を狙われまくり、これまで以上に命を落としまくる日々を送っていた。この日も皇帝陛下の前で死んで1日前に戻って来る羽目になったが、何故か直後に自分の部屋を皇帝陛下が訪れて……!?

絶対にシリアスになれないデスループ365日

死ぬと1日前に時間を巻き戻す「祝福」を持つソーニャと彼女が引き起こすループを感知できる皇帝エルクウェッドが次々と襲いくる「死を呼ぶ苦難」を乗り越えて暗殺者だらけの後宮からの脱出を図る、というお話。

世界観設定の根幹・キャラクターたちの境遇を知るともう本当にシリアスで重いお話を想像してしまうんですが、これが意外なことにめちゃくちゃ「笑える」お話でした!!ループに巻き込まれてはキレ散らかし、キレ散らかすついでに自分に降りかかる苦難を全て吸収して自分のものにしていった結果望まずして「なんでもこなせる超人」になってしまった皇帝陛下が死ぬとループを引き起こすのに自ら死を呼ぶ不運を招き寄せる体質のヒロインと運命の出会い(※10年以上探してた)をし、なにがなんでもこれ以上ループさせてなるものかと彼女に降りかかる苦難を全部ループ中に得た妙技の数々で物理的に突破していくの強過ぎて腹が痛い。

剣の腕や知力でも超人的な能力を発揮する賢帝エルクウェッドですが、基本的に状況突破のカギとなるのは「女装姿で妃教育を受けた経験」だったり「自国を訪れた有名サーカス団に入門して曲芸を極めた経験」だったりするのでどこまでもシリアスになりきれない。ヒロイン・ソーニャが自分を守ってくれるエルクウェッドにときめきながらも内心めちゃくちゃ辛辣にツッコミ入れまくってるのも面白すぎる。国一番の権力を持っているはずの彼が自国民であるソーニャをみつけられない原因が彼自身の持つ『呪い』のせいというのがまた上手かった。

いつ起きるかわからないループで精神が摩耗していくのを防ぐため必死にキレ散らかしながら遭遇する苦難の数々を「趣味・特技」として吸収していくしかなかったエルクウェッドって冷静に考えると大分普通にキツい設定だし、なにより死に戻りしすぎて能力発現してから3日以上生きられたことのない・死を「日常」として受け入れて自死すらも淡々とこなしていく主人公の精神性があまりにも人間の枠を逸脱していてヤバい(というかこれはもう完全にニンゲンとは別のイキモノなんだよなあ……)んだけど、そういう物語の根幹に眠る本質的なヤバさを皇帝陛下のオモシロ妙技で吹き飛ばしていくの最高すぎて続きが読みたい。今季一番笑った。その他にも「仕事中はお肌がシワシワ将軍」「女性におもしれえ女と言わないとハゲる宰相」など個性豊かな能力を持つキャラクターが多すぎてとにかくどこまでも楽しかった。選ばれなかったお妃組にもなかなかのオモシロ人材が揃っていて、再登場してほしいキャラが多すぎる。

良い笑いをありがとうございました!!!綺麗に1冊でまとまってはいるけど続きが読みたい……!!!

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VTuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた7

 

待望の五期生が登場するVTuberコメディ第7巻!
星乃マナちゃんの卒業配信を無事終えた淡雪。しんみりする間もなく遂に待望の五期生がデビューすることに!ワクワクしていた彼女の前に現れたのは相変わらずどころか"今まで以上にライブオン"なライバーたちで!?

奇人変人が集うVtuber事務所「ライブオン」に新人の季節がやってきた!配信切り忘れをきっかけに覚醒して今では事務所のエースとも呼べる存在になった淡雪はライブオンの既存ライバー達と共にデビュー配信を見守ることに。今回は3人の新人を1ヶ月置きに順次デビューさせていく──とのことなのだが……!?

5期生デビューに的を絞ったシリーズ最新刊

4期生まででも十分限界まで砂糖を溶かした飽和水溶液みたいな箱なのに新人デビューしたらどうなるの!?と思っていましたが、初っ端から「アンチ・ライブオン」を標榜する宮内匡が登場して下品なシモネタばかりのライブオンを浄化する!と自らを殴りに行くパンチの高い展開で凄かった。これは色々な意味で大丈夫か!?とおもったのですが割と普通に「いつものライブオン」で安心した。そんな気はした。やはりこの作品の掛け合いは安定して楽しいなあ。

エッ◯なのはいけないと思いますといいながら豊かな想像力で妄想を育んでしまう宮内、自称厨ニだが自分の設定がよく行方不明になる可愛い担当(本人不本意)ダガーちゃん、そして人間不信とディープな物カプ語りが売りのチュリリ先生。それぞれ単体で見ると色々な意味で危なっかしい部分があるのですが、そんな三人が合わさったときの相乗効果・安定感ときたら。事務所側、完全にセット売りするつもりでデビューさせてるとおもうんですけど、最初から三人一緒でお出ししてくるのではなくまずはバラバラにデビューさせることで彼女ら自身の強烈な個性を見せつけておいて、先は他の先輩達と絡ませて、そこから最後の最後で5期生でコラボさせる……という流れにしていてめちゃくちゃに売り出し方が上手い。これ最初に三人セットでお出ししてたら同じ物を見たとしても内輪ノリすぎてキツかったのでは……とも思うし、最初の印象→配信を実際にやってみたときの印象→三人で組ませたときで何度もどんでん返ししてくるの本当に面白かった。

ただ、この作品だからこそ荒れてないのであって現実でこのキャラお出しされたら誰かひとりは炎上するんじゃまいかとは……個人的にはチュリリ先生の物カプ語りとか割とギリギリ感が凄いな……と思ったのですが、そこからよく考えるとシュワちゃんのスト◯◯も大概でしたねとお返ししてくる流れには笑ってしまった。そもそも彼女がライブオンを志すことになったきっかけの配信(ちなみに検索したら3巻でした)も読み直すと結構ギリギリだな……チュリリ先生の受け止め方と影響力によっては炎上しかねなかった(シュワちゃんが)やつ。ところで教育用の映像が一番理解できないのちょっと笑う。

今回は本当に5期生デビューに的を絞った展開でコラボとかも最小限だったので、これからコラボとかで既存のライバー達と絡んでいくの楽しみですね。

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ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編9.5

 

「メリークリスマス。サンタの登場ですよ」
高度育成高校での二度目の冬休みがやってきた。軽井沢とクリスマスのプレゼントを買いに行くという約束は、軽井沢のインフルエンザにより崩れ、綾小路はイブからの数日を1人で過ごすことになった。 そんな中『えっと、今日、綾小路くんの昼間の予定ってどうなってるかな』、『それは会ってからのお楽しみにいたしましょう。お部屋にお伺いしても?』『この後ちょっと顔を貸せ。30分後にケヤキモールの北口だ』、各クラスリーダーからの電話が絶えない状況となっていた。 一方「綾小路くんってただ暗めなクラスメイト……じゃないでしょ。隠し事があるっていうか」クラスメイトの間で綾小路に関する議論が行われ始め――!?

クリスマスに一緒に過ごす約束をしていた軽井沢がインフルエンザで倒れてしまい、デートの予定が流れてしまった綾小路。ひとりで学園内を散策していると様々な人と出会ったり、呼び出されたりする羽目に。一方その頃、堀北クラスの面々は内密に会合を開いており……。

綾小路自身の変化が印象的な冬休み編(情緒の芽生え方が不穏)

綾小路と他キャラ達のやりとりを通して2学期の振り返りと今後の展開匂わせ(例によって不穏)をやっていく冬休み編。今回も小数点を冠した本編。綾小路の存在を勘繰り始める同級生たち、様々な動きを見せるAクラスの面々と板柳に闘志を燃やす龍園。不穏すぎる軽井沢さんまわりのやりとり…と今後の展開を匂わせつつ、2学期に登場した新キャラたちの掘り下げを進めつつすかさず新キャラも出していく姿勢面白かったです。山村さん大躍進すぎんか。軽井沢さん完全に捨てるタイミング見測られてる感じで不穏すぎるし、一之瀬との逢瀬がどんどん浮気現場みたいになっていくの危険が危ない。そして他ヒロイン達に混じってしっかり龍園(+葛城)で単独パート取られてて、もうあいつヒロインでいいんじゃないかな??ってなる。(いやでも龍園と葛城の間にある対等な主従関係もメチャクチャに好きなんですわ……)

今回は何よりも綾小路自身の心境の変化が印象的でした。「卒業後にホワイトルームに戻らない自分」を想像してみたり、物や人間に執着を覗かせたり……良くも悪くも無機的で感情がなかった綾小路にしては妙に人間ぽい反応が多かったけど、今のところ一番執着してるのがヨーグルトメーカーってそれでいいのか。歳末大セールを巡る一連の流れが面白すぎるしコミケの朝シャッター前大手の列が外に逃されてるのも知らずにスペースの周りをうろちょろしてるオタクみたいなことになってるしこんなことで生まれて初めての「悔しい」という人間らしい感情を芽生えさせるんじゃない。色々と今後が楽しみなんだけど、そこはかとなく対人周りの情緒の芽生え方が不穏なんだよなあ!!これで愉悦キャラになった日には手に負えないじゃん……どちらかというと強者と戦うためなら手段を選ばない系の情緒にも思えるけどそれはそれで手段を選ばなさすぎて迷惑というか……。

そして次巻から突入する2年生の3学期。待ち受けているのは「ほぼ確実に退学者が出る」といわれる難易度の高い試験。よう実の「退学者」って今まで全員作中で何らかの活躍をした人物だったので今回突然目立ってきたモブレベルキャラとか危ない気がするんだよな……というか一之瀬クラスは流石に次で退学者出すと思うんですよね……逆に切らないことで綾小路の考えるものとは違う「強さ」を見せていく展開だったらアツいけど……。

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私はご都合主義な解決担当の王女である 6

 

政略結婚回避のための“偽の恋人”ついに決定!!(だからキスは振りでお願いします)
兄セリウスの腹心の部下ヒューが起こした事件で弱ったところ、護衛の騎士クリフォードに慰められて元気を取り戻した私、オクタヴィア。 ヒューの問題はひとまず落ち着いたものの……恋人お披露目の日はもう目前!! ことごとく候補が空振りした結果、偽の恋人役をお願いするならやっぱり――貴方しかいないよね!? 政略結婚回避ラブコメ恋人探し編、堂々クライマックス!!

兄の腹心の部下・ヒューが起こした事件を追って、父王の元を訪れたオクタヴィア。そこで自分に政略結婚の話が持ち上がっていると聞かされる。護送されたヒューの行方を知るには──そして政略結婚を回避するには、口から出任せで兄に言った「恋人」の存在を本当に証明するしかない!?空振りしまくってきた偽恋人探し、ついに決着!?

もうクリフォードにしちゃいなよ!!!……とはいったものの

混迷を極めた偽恋人探し、ついに決着。いやこれはネタバレしないほうが楽しい話とおもうのでぼかすんですけど本当に最後の最後まで混迷を極めたし、予想外に予想外を重ねて結局そこに落ち着くとは思ってもいなかったんだよなぁーー!!!!(色んな意味で)という展開でした。いやもうほんとうに最初からずっと「もうクリフォードにしちゃいなよ」状態だったんですけど結局……うん。

兄セリウスの記憶、不穏な動きを見せる弟アレクシス、仲が良いはずだったのになんかギスギスしてる父王イーノックとその王配エドガー、それらの影で蠢く「例の人」。更に突然生えてきた政略結婚の話、他国の影も見え隠れしはじめて……これまでの伏線が詰まった盛り盛りの一冊でした。第一部クライマックスという触れ込みだったしセリウスの記憶の件も明らかになっていたので、ある程度しっかり落ち着くところに落ち着くのかと思ったんですが……そこから今巻のどんでん返しにつぐどんでん返しで先が見えないままとりあえず偽恋人探しが一件落着したところで幕引き、という感じに。

そして偽恋人はなんとか決まったものの、この流れだと逆に今後「両思い」になるまでの障害にもなりそうな展開だったなあ……『命令』に対する認識がお互いにすれ違ってそうな気がするんだよなあ……。とはいえ、色々な意味でこのくらいの土壇場じゃないと「彼」には決まらなかった気もするというのもあり。ふたりの前後を含めて物語がどう続いていくのか、とても楽しみです。

それにしても、推しカプを眺めるオタクのような顔のシル様笑ってしまった。この人地味に癒やし枠だなあ〜!!

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陰陽師と天狗眼 ─巴市役所もののけトラブル係─

 

訳ありイケメン陰陽師&山伏が怪異を解決。 ただし、お役所仕事として。 広島を舞台に、異色バディがお届けする「もののけ」ファンタジー!
古より怪異と隣り合わせの町・広島県巴市。 巴市役所の「危機管理課特自災害係(通称もののけトラブル係)」に採用された、 出雲の高名な陰陽師一族出身ながら、少し訳ありの黒髪美青年・宮澤美郷と、 幼い頃に在野の天狗を名乗る男に拾われ、フリーの山伏となった 金髪・緑銀眼の熱血系イケメン・狩野怜路。 いきなり同居することになった異色のふたりが、 現代に起こる怪異を華麗に、そしてお役所仕事に追われながら解決していくことに――。

広島県巴市の市役所の通称「もののけトラブル係」に配属されたフリーの陰陽師・宮澤美郷は、不動産屋の手違いで着任早々宿無しになってしまった。そんなところに自称・拝み屋の金髪ピアスのヤンキー・狩野怜路から声を掛けられ、彼の家に居候させてもらうことに……。

黒髪イケメン&金髪ヤンキーが怪異を祓う、お仕事系バディ物

片やエリート陰陽師一族の生まれだが身の内に「異形」を飼う男、片や「天狗」を名乗る存在に拾われて呪術師として育てられそれ以前の幼い頃の記憶が無い男。生まれも育ちも違えどそれぞれ人には言えない秘密を抱えた2人が広島の古い屋敷で共に暮らしながら少しずつお互いに心の距離を縮めていく、お仕事&あやかし退治系のバディ物。

儚げ美青年に見えてなんだかんだで生きることに執着するし笑顔の仮面を剥ぎ取ればなかなかどうして図太い性格している美郷と義理人情に厚く頼れる兄貴のように見えて自分の命を軽率に「対価」として差し出せてしまう見た目はヤンキーなのになんか桜に攫われそうな男・怜路…という二人の対比が印象的でした。見た目はどうみても桜に攫われそうなの美郷さんなんだけど、本編読んでみたら桜に攫われるのどう考えても怜路なんだよな……。

そして主役2人の関係性とその変化も楽しいのだけど、個人的に美郷が自分の身の内に巣食う白蛇精と折り合いを付けていく展開も大変良い。自分を脅かす存在であり現在も完全に支配下に置いているわけではなく「それ」に対して複雑な思いを抱えていた美郷が相棒の危機を救うためにその力を借りる決意をする展開がアツいし、喋らないのに謎の愛嬌……というか個性がある白蛇精さんだんだん可愛く思えてくるし、というか怜路も作中で言ってるけど「白太さん」はズルかった。名前の時点で可愛い。名付けの妙を感じる。

今回は主役2人がそれぞれの身の内に抱える問題に折り合いをつけるまでという感じでバディ物として協力して妖怪退治する展開はあまりなかったんだけど、同時収録の短編で出会う前の二人がそれぞれもののけトラブルに対処するお話が描かれていて、このふたりが今後色々と協力する間柄になっていくのが楽しみになりました。

それにしても終盤に色々余裕なくなってきて体面かなぐり捨てて職場の嫌味な上役にクソ塩対応する美郷さんめっちゃ好きだな。そして市役所の同僚にして元同級生の広瀬くんがどうかんがえても美郷さん拗らせてるのも良き。

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はたらけ!おじさんの森4

 

最高のおつまみが決定!? 大人気ゲームの世界にトリップしたおじさん達の無人島ライフはますますハッピーに!
ライオン族のあにまる、ライオネスが島リーダーを務める完全武闘派の異色島、ぶどう島と友好関係を築いた、サラリーマン森進率いるおじさん島。今まさに、島ランキング一位と二位の島との同盟締結式が行われようとしていた。そこに集まったのはふどう島の傘下島のおじさん達。(中略) 進司会の下、開催される第一回おじさん超会議!「最高のおつまみはなんだ?」という永遠の命題に、おじさん達が大激論を繰り広げる!!!そんなテンションにあにまるの子供達は、ついていけるのかッッッ!!??そして、ネコミ達はフラワー島に子供達だけでお泊まり。ワクワク気分の子供達を見送るおじさん達は寂しさと心配に満ちた表情で、まるでお通夜のよう。子供達のいなくなった島の夜を、おじさん達は耐えられるのかッッッ!!??更には借金システム導入に木林のプログラミング授業の他、不思議な島の謎に名探偵ネコミちゃんが挑む!?おじさんとあにまるが織り成す、のんびり無人島ライフ第4巻、ここに開幕!

前巻で対決した「ぶどう島」及びその傘下の島々との同盟締結からはじまる新展開の4巻。(公式のあらすじが中略しても長すぎるのでここでのあらすじ紹介は極力削りました)

同盟島の面々を加えて「おじさん島」はますます賑やかに!

基本的にはこれまで通りのスローライフを送りつつ、これまで以上に同盟島の面々が絡んでくる展開が楽しかった!すっかりお馴染みとなった初めての同盟島・フラワー島に子どもたちがお泊まりに出かける回で総親バカ化するおじさん島の面々が微笑ましすぎる。これは見守られるあにまるたちもドン引きするし、フラワー島のおじさんたちにもしっかりムーブが見抜かれているのに笑ってしまった。色々な意味でこれ、最終的に子離れ出来るのか気になりすぎるな……。

今回同盟島となった新たな面々の掘り下げも少しずつ。ぶどう島のポイント獲得全振りQOL全無視スタイルには笑ってしまったし、公務員島だと思われていたGANMA島の業の深さもヤバい。何のこととは申しませんが4人目のおじさんに対するリスペクトと気遣いを欠かさないが内心で全力で続きマダーしたい他のおじさん達という微妙すぎる関係の間に外部からやってきた秋良が欲望のまま全力でカチ込んでいくの笑ってしまった。他の同盟島の面々はまだ顔見せレベルという感じだったけど、どこの島もなかなかに濃厚な雰囲気を漂わせていて今後絡んでくるのが楽しみだなあ。

そんな楽しいお話の合間にも、少しずつ世界観そのものへの考察・掘り下げが進んでいく気配。1巻から結構な世界観のどんでん返しがあった本作だけど、これまで以上にただの「ゲーム世界への転移」じゃなさそうな気配が匂わせされてきて、どう進んでいくのか気になる。果たして、「あにまるわーるど」と現実世界の関係はいかに?そろそろ大きく話が動きそうで、楽しみです。

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アラサーがVTuberになった話。3

 

祝、新衣装お披露目!
私が神坂怜としてVTuberデビューして早4ヶ月。最近はmikuriママからもらった新衣装をお披露目したり、先輩たちとFPSの大会に出たりと楽しいVライフを送っていた。そんなある日『あんだーらいぶ』から二人の新人がデビューすることに。男女ユニットということもあり二人が炎上しないよう陰ながら支えるつもりだったのだが、なぜか生配信中に新人女子の東雲愛梨嬢と突発通話をすることになってしまった!? さらに彼女が相方の前世をポロリしてしまってもう大変! 案の定燃え始めた後輩たちを守るため、私は慌てて鎮火作戦を練るのだが――!?

Vtuber企業「あんだーらいぶ」所属の男性Vtuberとしてデビューし、以来炎上を繰り返してきた元アラサー社畜の神坂怜は、同じ箱の朝比奈あさひ先輩に誘われて男性V3人でFPSの公式大会に出ることに。アウェー感もなんのその、訓練場で数百時間、独り訓練し続けた成果が今試される──!?そして同じ頃、「あんだーらいぶ」に新人が入る事になったのだが……!?

箱内でのわちゃわちゃが本当にてぇてぇ……

男性組のFPS大会・新人V加入を軸に一万人突破配信や新衣装お披露目などイベントごと盛りだくさんのシリーズ3巻。そして我らが神坂はFPSでバグを発見したり、訓練所で数百時間独り練習してたせいでチートを疑われたり、ソシャゲの案件配信で企業攻略サイトよりも詳しい攻略パワポ作ってきたり……と相変わらず変な方に才能を活かしていて笑ってしまった。裏でもマイクラのサーバーでインフラを整備したり、「あんだーらいぶ」の新人V用に配信機材のマニュアル作ってたり……本当にこの人、「面白い配信以外ならなんでも出来る」がマジで笑い事じゃない。なんでこんな有能な人がブラック企業で燻ってたんだ世の中ままならないなあ……。

余談ですが神坂製マイナーソシャゲの攻略パワポが欲しすぎる。本当に作るだけ作って数週間で更新止まったみたいなクソみたいな企業攻略サイトが多すぎてつらいので私がやってるマイナーソシャゲのところにも神坂が案件で来て欲しい。

そして今回の目玉の一つであるサバゲー大会にまつわる一連のお話が最高に楽しかった。Vtuberという時点で侮られるアウェーすぎるな舞台でいつもの通り何かとヘイトを自分に集めようとする神坂とそれをなんとなく制して「泥をかぶるなら3人で」といってくれる先輩2人、最初から勝ち目のない戦いの中で「楽しんだ者が勝ち」と言ってのびのびと無茶やれる、その無茶に自然と神坂を引きずり込んでいく二人の頼もしさに胸がアツくなってしまった。いいとこなしの所から一念発起してリスナーから伝授された秘策を手にジャイアントキリング狙いにいく神坂の姿がめちゃくちゃカッコいいし、今回の男子3人カラー口絵がめちゃくちゃいいんですよね!!!そこからの戦勝会兼柊先輩の家でオフコラボの回は完全に神坂が畳の世話女房になってるの笑ってしまった。薄い本が厚くなるな!!!!!!……それで酢昆布ネキの書いた三人本の通販はまだですか!!!!??

今回はいい加減に炎上ネタも(表面的には)ネタに昇華されてしまった感でもはや周囲がそれ逆手に取って弄っていくスタイルが定着してきて、あんだーらいぶの箱内でわちゃわちゃしてる話が多く大変に良かったです。これがてぇてぇという感情か……。あと一万人突破記念凸待ち配信で念願のスパチャ解禁されて推しに課金しまくる常連リスナーにニヤニヤしちゃう。しかし神坂、トップユーザーの高額課金だけで採算取ってるマイナーソシャゲみたいなことになってるな……。

ガチ恋ネキの閑話が卑怯!!!

そんな仲良し「あんだーらいぶ」に配信者経験がある男女ペア売りの新人が投入されるが、デビュー前からその正体を巡って憶測が飛び交い、更に事故配信が重なってきな臭い雰囲気になっていく。配信を盛り上げよう、箱推しに認めてもらおう……と必死な後輩ふたりを影に日向にフォローしつつ隙あらば自らヘイトを集めようとする神坂にそうはさせまいと更にフォローする先輩達……という流れにまたニヤニヤしてしまった。いや、今回本当に畳がいい先輩すぎて……あとミカァ!が期待の新人(神坂先輩になついてるわんこ系後輩男子)すぎてまた薄い本が厚くなってしまう。

炎上が表面上ネタとして昇華されつつある中で、神坂が抱える歪み・異常性に焦点が当たることが多かった気がする。そして後輩コンビの件といい、実家のご近所さんであり案件エロゲに出演していた新人声優さんの件といい、閑話のガチ恋ネキの件といい……多かれ少なかれ心に似たような傷・歪みを持つ人達が彼の存在に惹かれ、集まってくるという展開が印象的でした。

でも、硬かった表情が少しずつ柔らかくなって、少しずつでも周囲を頼れるようになって……ただ心の傷を抱えているだけではなくて本当に少しずつだけど前に進もうとする姿が見て取れて、胸熱な巻でもあるんですよね。過去のトラウマの話も徐々に明らかになってきていて気になるし、今後本編で対峙するような展開があるのかな。続きが気になる。次の転職までの腰掛け・替えの利く「仕事」だと思って始めたはずのVtuberの配信ができなくて、義務感とかそういうのを抜きにして「やりたかったんだ」と独りごちる体調不良回が本当に良かったです。

そしてラストのガチ恋ネキの閑話があまりにも卑怯。1巻を読み返したくなりました。
ところでガチ恋ネキの正体もなかなか衝撃的でしたが駄馬の正体ってひょっとしてそういうコト……?(※といいながらWEB版で該当のネタバレ見ましたそうだったのか〜〜……)

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バズれアリス 1 【追放聖女】応援(いいね)や祈り(スパチャ)が力になるので動画配信やってみます!【異世界⇒日本】

 

『聖女アリスの生配信』、異世界より配信中!
人々からの想いを力に変える権能で戦い続け、魔王を打ち倒した聖女アリス。しかし彼女は無実の罪を着せられ、強大な魔物が溢れる難攻不落の迷宮へと追放されてしまう。絶体絶命のアリスだったが、迷宮の中で「異世界と繋がる鏡」を発見。生き物以外は行き来可能な鏡を通して、異世界――現代日本でレストランを営む青年・誠に美味しいご飯をもらったり現代の娯楽を教えてもらったりと交流を深めていく。そして助けてもらったお礼のため動画配信で収益化を目指すことになるが、動画がバズった途端に莫大な力がアリスに流れ込んできて……!? 「聖女」兼「配信者」のアリスがバズって戦う異文化交流コメディ、配信開始!

魔王を倒したが仲間に裏切られ、難攻不落の迷宮に追放された聖女アリス。迷宮の中で不思議な鏡をみつけるが、なんとその鏡が見知らぬ風景を映し出して……!?一方、死んだ両親から受け継いだレストランがコロナ禍の煽りを受けて経営難に陥っていた誠は配信している料理動画が伸びないことに悩んでいた。新作動画の撮影中にレストランの中にある鏡を見ると、半裸の美少女が映し出されていて……!?

異世界聖女(パワー系)のアリスさんがとても可愛い

面白かった〜!!配信閲覧数やいいねやチャンネル登録者数が強さになる設定や人間を除くほぼ全ての物品をやりとりすることができる鏡の設定も面白いけど、それ以上に仲間に裏切られて故郷を追放されたせいでちょっぴりやさぐれ気味な物理で殴る系庶民派聖女・アリスのキャラが大変よかった。普通に考えたらめちゃくちゃに重たい彼女のバックグラウンドが、最終的に居酒屋で友人の会社の愚痴を聞かされてるような軽いノリにまで昇華されてるのが色々な意味で凄いし、変に「ざまあ」的な展開には発展しないのも良かった。戦闘中に繰り出される彼女の悪態が「ファッ◯ンエヴァーンしぐさ」とかいわれてるの、実際にありそうで笑ってしまったし、視聴者達からパワー系の扱いを受けてることに不満そうなアリスがまたかわいい。

アリスの出自が重いからこそ、他の登場人物たちの暖かさが身にしみるというのも多分あった気がする。動画としての撮れ高重視でアリスに無茶ぶりをしつつカメラの回っていないところではアフターケアやフォローを欠かさない主人公の誠のキャラが大変良いし、大人の財力と高いテンションでふたりを支援してくれる誠の姉貴分・翔子さんの影からのサポートも忘れてはならないし、さらには迷宮で出会った守護精霊たちが普通に彼女の境遇に共感してくれるのに笑ってしまった。異世界の住民である誠や翔子はともかく、フ◯ッキンエヴァーンの偉い人たちよりも敵であるはずの魔物達のほうが暖かいの、昨今のなろう小説だとよくある事例だけど冷静に考えるとだいぶおかしいんだよな。

そんな彼らが力を併せてアリスを「人気動画配信者」として押し上げていき、その動画配信によって得られた応援(いいね)や祈り(スパチャ)が現実世界での資金とアリスの潜在能力両方の糧になる。一挙両得の設定にニッコリしてしまうし、すっかり現代のネット文化に染まって迷宮の一室を拠点としてそこに現実世界から送られてきた家具を運び込み、自分の色に染め上げていくアリスのふてぶてしさに笑うし、迷宮に(鏡経由ではあるけど)Wi-Fiまで通ってるの準備が良すぎてもう一回笑ってしまう。

とにかく物語の全体を通して、気軽なノリで楽しく読める物語になっているのがとても良かったです!なろうの原作を見ると次巻くらいで完結しそうなボリュームだし、次巻は彼女を追放したエヴァーン周りの話も入ってきそうなのでどうなっていくのか気になる。

コロナ禍の使い方が印象的で面白かった

物語に早くも「コロナ禍」という概念がでてきて、おぉ…となったんけど、レストラン経営者でもある主人公がアリスの動画配信の対応に一日中かかりきりになれる(飲食業なので仕事があるが仕事がない)という設定に上手く利用されていてそういう意味でも興味深かった。料理が上手い設定なのに配信にかかりきりになれるくらい一日中暇なの、普通に考えたら違和感あるもんな。後半の生放送後の打ち上げシーンで、会食の人数や飛沫感染を気にする描写もコロナ禍ならではで面白い。

コロナ禍の緊急事態制限下での生活描写については良い意味でも悪い意味でも2023年の今を生きる我々だからこそ実感出来る描写かもしれなくて、でもこの「ライブ感」こそがなろう原作小説の強みだなあとおもいました。プロローグを読むともうアリスのスパチャだけで全然生活できそうな雰囲気だけど、最終的には主人公の料理配信やレストランの売上の方にも繋がっていくといいよね……。旦那(違)の存在はバレてるわけだし、もう全面的にバックアップしてますの顔でついでにレストランの宣伝してもらえば……それもちょっとアレか……オタクはそういう宣伝に対して厳しいからな……。

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どうぞ愛をお叫びください

 

ユーチューバーやろうぜ! 幼馴染の織田にそう誘われた高校一年生の松尾。バスケ部の坂上と、一年先輩で軽音部のイケメン、夏目も仲間に加えてゲーム実況動画を配信することになった。再生数が伸びず試行錯誤をつづける四人だったが、ある動画がバズったことをきっかけに一躍大人気に。だが有名実況者としての様々な試練が彼らの友情にヒビを入れる!? 今を切り取る最旬青春小説。

映像編集が趣味の高校生・松尾は高校に入って以来疎遠になっていた幼馴染の織田から「ユーチューバーやろうぜ」と誘われる。一攫千金を夢見る織田に対して松尾は「男子高校生4人のゲーム実況ユニット」を提案し、織田と同じバスケ部の坂上、軽音部に所属する先輩・夏目を仲間に加えて実況ユニット『どうぞ愛をお叫びください(愛ダサ)』を結成する。再生数が伸びないことに頭を悩ませながらも松尾の家に集まり4人でゲームをやる日常は予想外に楽しかったのだが、投稿した動画がバズってしまったことをきっかけに4人の関係に亀裂が生じはじめて……!?

「仲良し男子高校生ゲーム実況ユニット」のウラオモテ

有名実況者となってしまった男子高校生4人のお話。実況者という今どきの題材を扱っているから当たり前なんですけど、テレビやニュースに対する感覚が本当にイマドキでジェネレーションギャップを感じざるを得なかった。える知ってるか、今をリアルタイムに生きる男子高校生はみんな21世紀生まれなんだぜ……。

元々別に4人で仲良しという関係性ではなかった彼らが実況ユニットを組むために「仲良し4人組」という関係性を恣意的に構築していくというのが印象的な物語でした。幼馴染の織田と松尾、同じ部活で付き合いのあった織田と坂上、松尾に興味を持ってメンバーに加わった夏目。一部が微妙に知り合いという元々が難しい関係性の上に松尾に執着する織田、同じく松尾に興味を抱く夏目、人気と華のある織田・夏目の人気に嫉妬する坂上……という要素が加わって仲良くしていてもどこかから聞こえてくる関係性が軋む音にビクビクしてしまう。

そんな中でとある動画がバズって彼らは有名実況者となってしまう。「収益化」によって発生したお金の分配を巡ってひと悶着あり、彼らに惹かれて集まったはずのリスナー達からの無邪気な評価が突き刺ささり……それによって彼ら4人の間でもこれまで可視化されていなかった様々な歪みが剥き出しになっていって……全体的に男子高校生の無邪気なイチャイチャを楽しむというより、「仲良し男子高校生4人組」として「消費」されていく彼らのそれぞれの心情が胸に刺さりました。ナマモノジャンル、難しいね……(最悪コメント)

金銭問題・女性問題・ステマ・炎上・彼女バレ・リアルバレ……と、実況者関係で思いつく地雷全部踏みました!!な展開から業火の中でのクライマックス。色々あったけどやっぱり「この4人」だからいいんだと今にも置いていかれそうなメンバーに残り3人で手を伸ばしていく姿が印象的でした。最後までどこかシリアスになりきれない彼らのわちゃわちゃが大変可愛くてこれは人気も出ますよねと。Youtubeで配信者になるために作り上げられたハリボテのような関係だったとしても、様々な紆余曲折があったとしてもちゃんと後から「中身」が入っていってたんだなあとじんわりしました。

4人だけでは完結しない関係性がとても良かった

メインは「愛ダサ」の4人なんだけど、4人の周囲に様々な人々が居て、彼ら彼女らが物語に少しずつ影響を与えていくのもとてもよかった。個人的にはヒロイン・彼女アリな男同士の巨大感情が性癖なので、織田と夏目にそれぞれ彼女がいて松尾にも恋愛ではないかもしれないけど「想い人」が居て……という構図には大変興奮する。生放送の真ん中で「モテたい!!!」と叫んでいた坂上は強く生きて欲しい。

「愛ダサ」の活動とともに語られていく、松尾が中学時代に経験した甘酸っぱい物語。それがただの過去話・きっかけ作りとして語られるのではなくて現在の物語にも変化と影響を与えていくのがとてもよかったです。彼女が実はコメント欄にいることには思わずニヤニヤしてしまうし、行き詰まったときに彼女と交わした言葉が実感を伴って蘇ってくるのも、愛ダサでの活動が最終的に彼女と再び巡り合うための道標となっていくのも好き。(愛ダサの活動によって遠回りしてしまったようにも見えるけど、あの活動がなかったらあのPVいつまでも完成しなかった気がするんですよね……)

それはそれとしてここまでの関係性を前提にして、織田が松尾に向けるクソデカ執着が大変美味いという話をついしたくなってしまう……個人的に本編での彼らの関係性には安易にそういう言葉で消費してはいけないような触れたら壊れそうなセンシティブな雰囲気があってそっとしておきたい気持ちなんですけど、エピローグでイチャイチャしすぎて桜田さんに「イチャイチャするな」って言われる織田・松尾と松尾の反撃で不意打ち喰らって頬染める織田はあまりにも可愛かったのでダメだとおもいます。あれはダメだよ!!!!(好き)

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囚人諸君、反撃の時間だ

 

ファンタジア大賞〈金賞〉監獄から始まる下克上学園ファンタジー!
「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」羊太郎、 「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」細音啓 絶賛!!! 魔術犯罪者を幽閉し、才能ある者を矯正する『アインズバーグ監獄学院』。 皇帝候補の少年・ライアンは冤罪によりこの地に送られ、 さらには魔力ゼロとして蔑まれる『絶唱者』と暴露されてしまう。 「出てやるっ! こんな場所、すぐに! 一瞬でッ!」 失意の中、同室になったのは魔族姫・ルナーラ。 魔族を憎むライアンだが、彼女の心を知り、ともに「反撃」を企てる協力関係に。 そのための秘策、ライアンだけが使える魔術の発動条件は―― 「……わ、私をもっと貴方に惚れさせなさい」 ――2人の仲が親密になることだった……!? 2人の絆が深まるにつれ、ライアンの魔力は強大になり、 学院内でその強さを轟かせ始める。 堕ちた英雄と、人類の敵・魔族姫。 監獄の最下層から、世界への反撃が始まる!

魔術の強さが全ての世界で魔術が使えない「絶唱者」であることを隠して生きてきた英雄の息子にして皇帝候補の少年ライアン。ところがある日、自分の正体を晒された挙げ句に貴族殺しの罪を着せられ、処刑は免れたものの『アインズバーグ監獄学院』に送られてしまう。絶望の淵に沈んだ彼が牢獄で出会ったのは、憎んでいたはずの魔族の姫・ルナーラで……!?

絶望の淵ではじまる英雄の倅×魔族の姫の王道ボーイミーツガール

魔力を持たない「絶唱者」と蔑まれる存在だった主人公のライアンだけが監獄学園でも魔力の制御を必要とせず、それゆえに制限なしで「魔術を使える」……という逆転の発想が面白かった!魔族と英雄──相容れぬはずの二人の絆の深さこそが難局を突破する魔術発動の鍵となる設定も面白いし、魔術の完成のため絆を深めるうちにルナーラに惹かれていって、内心で家族を殺した「魔族」という存在に好意的な印象を抱いている自分の姿に葛藤するライアンの姿が印象的だし、その横で魔術のためと嘯きつつも自分の好意ばかりが一方的に強まっていくことにもどかしい気持ちを抑えられないルナーラちゃんとの温度差がまた良かった。割とシリアス重視な展開の中でルナーラがひとりでラブコメやってるの、なんともいえず可愛いな。

監獄学園を舞台に繰り広げられる様々なトラブル、監獄を支配するライバルとの対峙、不本意で投獄されてしまったけど辛いことばかりではなく……監獄での出会いを力に変えて、憎んでいたはずの魔族の少女に背中を預けて……自らを陥れた本当の敵と戦うクライマックスがまた良かった。正統派なボーイミーツガール+下剋上+王道バトル展開が読めて大変気持ち良い物語でした。

ただ、個人的にはエピローグちょっと色んな伏線回収するために強引に流してしまった感じあって、ちょっと残念だったかも。タイトルの伏線を回収するためとはいえ、正統派ボーイミーツガールでほぼ主人公とヒロインの二人の世界で物語が進んできて、突然最後で「全体」の話をしはじめるの違和感あったんだよな……だって主人公、ほぼほぼ監獄学園内でヒロインとサブヒロインと宿敵以外と交流深めてないし……ライアンとルナーラ、ふたりとも冤罪だったのにヒロインだけが出獄できない理由もよくわからなかったし、ヒロインを監獄学園から助け出すために残ります、でもよかったような気がしたので。

個人的に主人公にボコボコにされてそれまでのダーティーな監獄の王様の皮を脱ぎ捨ててサシでの決着を望むアーサーくんがメチャクチャ好きだったので、もうちょっと絡んできても良かったと思うんですよと思うんですが絶妙にこう、蚊帳の外だったので残念だよね……クライマックスでなんだかんだいいながら背中を預けて戦うみたいな展開あっても良かったと思うんですが!!!

最後の最後で綺麗に落ちてないなあ……という感じなので、続刊が出たらぜひともそのへんのフォローはそれとなくしてほしい。今回のクライマックスって魔術が使えないと思わせているからこそ魔術の制御をされていない、バレたら一発で終わる隠し玉みたいなものだったので、色々バレた上で監獄に戻るならそのへんがどうなるのかも気になります。いや自分から戻るとはいえその状況だと主人公も魔術の制御を受けることになるんじゃないの?という。主人公ヒロインの関係性すごく良かったしその他のキャラクター達も魅力的だったので、続きが出るといいなあ。

ところで、あとがきで原題が跡形もないです!!みたいなこといっててどんなだったんだ……とおもいながら確認したら『魔王様は末代まで呪いたい! 元魔王と英雄の倅の人魔再統一物語』というのが出てきて思わず笑った本当に跡形もないな!!!今のタイトルのほうが全然かっこいいとおもうので改題して正解だとおもう反面前のタイトルも直球で嫌いじゃないけど、末代まで呪〜のあたり結構展開違いそうで、元がどうだったのかはちょっと気になりますね。

◆6/19追記
第35回ファンタジア大賞のサイトに原題とあらすじが載っていた。

英雄の息子にもかかわらず魔力ゼロの“絶唱者”である少年・ライアン。ある日、彼は父に倒された淫靡な魔王・ルナーラの封印を解き、深く交わった他者から魔力を借りる“共有魔術”を授けられる。「 ──乗ってやるよ、魔王」魔力と子孫繁栄のため、学園の少女たちと絆を深めるべく奔走することに。「魔族に伝わる昔ながらのナンパ術だ」「……それ、本当に使えるのか?」ルナーラの的外れな恋愛指南に振り回される内に、ライアンは劣等生から這い上がっていく。そして、一目惚れしたとある少女の因縁に巻き込まれ、彼は危機に陥る学園の命運を担うことになる……。英雄の息子&元魔王のヒロイン攻略バトルファンタジー!


あとがきで相当別物になったみたいな話があったけど、このあらすじ読むとルナーラが協力者ポジションで他のヒロインを落としまくる学園ハーレムファンタジーっぽい雰囲気?……別モノでは!?(講評を読む限りルナーラがメインヒロインである部分が変わるわけではないようだけど)

そっちの設定それはそれで面白そうで読みたかったなって少し残念に思うのと、エピローグを読んで感じた謎の違和感は内容を大幅に変更した故に生まれた歪みだったのか……となんだか納得。これだとモブレベルなことに変わりがないとしても学園内の色んなキャラクターと絡むことになっただろうし、その上で「囚人諸君〜」なら違和感薄かったかもしれない。

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