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劇場版「Lost Small World ~檻の向こうに~」見てきた


劇場版Kがロスモワの番だと知ってあと人の感想を見て「これは絶対に好きなやつだ」と思ったので身体に鞭打って見てきました。

今やってる劇場版K、なんだかんだでこれまでの1個も見れて無くて今回やっと見れた感じなんですけど、突然アイドルが始まったり途中で一度エンディング入ってすぐさまオープニングが始まったりしてフリーダムでした。約30分×2本構成?このまま一通りやった後に地上波でそのまま流せるやつでは……とか思った。

それで期待したとおりめちゃくちゃおもしろかったです。男子中学生がキラキラしてて眩しい。八田がめちゃくちゃ伏見のこと憧れの目で見てくるし、いちいち距離が近いし、その八田に少しずつほだされていった伏見の表情が少しずつ柔らかくなっていくのが最高に良いし、アヤちゃんを交えた飛行船を自転車で追いかける話の尊み無限大だったり、伏見の鬱屈した家庭の描写から垢抜けに楽しそうなアジトでの二人の様子まで。全てがひたすらにまぶしい。

ふたりが吠舞羅に加入するところで終わるので、原作後半の八田が尊さんに信仰先を変えていって伏見が八田に対して鬱屈していくところがバッサリないのでおおよそ八田と伏見の関係に関してだけいえば本当に100%の純度でキラキラしていた。壁井ユカコ作品のうすぐらい感じから闇だけを吸い取ってしまったような刹那の青春の光が凄くて……なんか徹底した「光のユカコ」みたいななにかを感じた……。いや彼らの関係性はやっぱり原作読んだときと同じくなんというか不健全な依存関係だなって思うし、なんというか光に向かって堕ちていくような物語だなと思うんだけど、そういう甘い背徳感というか薄暗さを吹き飛ばすような圧倒的な「光」。

そんなロスモワで闇を背負って立つ阿耶が、また動くとめちゃくちゃかわいい。最初のちょっと気持ち悪いくらいの媚びっぷりから少しずつ本当の姿が見えてきて、八田に伏見を取られて八つ当たりしたら伏見にはノロケられるし、最後の最後でめちゃくちゃ直感的に本人が気づいていなかった本心を刺してくる八田にボロボロに泣きながら自分の感情を吐露する姿がめちゃくちゃしんどくて、最初から最後までひたすら可愛い。仁希は声優さんすごい枠というか、事前に人の感想で見てたから注目してたのはあるんですけど、喋り方が本当にK初期の(八田にウザ絡みしてた頃の)伏見にそっくりで、えっ宮野さんのダブルキャストか!?って思った。みきしんでした。声優さんて改めてすごい。

ロスモワ原作で二人がアジトでjungleへのハッキングを計画している際に伏見が死ぬ(破滅する?)みたいな意味で「失敗したら宇宙にでも行くか」って言うんですけど、それに八田が伏見のことだからカッコイイ宇宙船作って宇宙旅行につれてってくれるみたいな勘違いをしてる感じで返事してくるシーンの、一番意気投合してる時期なのに致命的にすれ違っている二人の会話が最高に好きなんですけど、アニメでは伏見が「失敗したら宇宙にでも行くか」って返すだけで終わるので、そこが少しだけ残念だったんですけど、そこを切ったことによって原作知らないとひたすらに男子中学生のキラキラした依存関係しかみえてこなくてもはや目が開けられないほどの眩しさだったので全部見終わったら「これわざと切ったんだろうな」って気がしました。その前に屋根が開いて屋上から宇宙ロケットが飛び出す秘密基地みたいな話してたから余計光度が高い会話になってしまった。光のユカコ……。

しかし、アニメ2期最後まで見た上で改めてこの物語を見直すとロスモワ最後からKのアニメ本編に至る八田と伏見の離別・対立時期ってやっぱり関係を正常化するために必要だったんだよってしみじみ思うな……中学時代の蜜月はやっぱどこかお互いに依存が見え隠れしてて健全な関係性とはいえないもんな……。

あとほんと、アニメ2期最後のお互いが別のクランのメンバーだと受け入れた上で関係を再構築し直した八田と伏見がめちゃくちゃ好きなんですよね……お互いに別の帰る場所がある、最高の親友って関係が好きなんだ……。

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