ど う し て こ う な っ た 。
「表紙詐欺」「あらすじ詐欺」と噂には聞いていたけどこれは酷い(褒めてる)。空を駆け“空獣”と呼ばれる怪物を己の体術で狩る女騎士・鷹崎駆真が最愛の姪・在紗の授業参観に駆けつけるためにあれやこれやというお話。強力無比な力を持つ若き騎士だがどこまでも鉄面皮な彼女が、在紗が絡むとただの叔母バカになってしまうのが微笑ましすぎる。そして次の展開が読めないにも程がある。
姪がからんだときのカルマのむちゃくちゃっぷりには、富士見ファンタジア全盛期の「スレイヤーズ」みたいな勢いを感じて、なんというか懐かしかったです。しかしそれは置いておいてはるか彼方の方にぶっとんでいくストーリー展開が凄まじかった。表紙から見たイメージで内容を想像すると裏切られること請け合いです。これはやばい。
最後のほうでさりげなく今後へのフラグ立てみたいな展開もあったけど、これは色々な意味でこのままの雰囲気でどこまでも突っ走って欲しいシリーズだなあ。続編もそのうち読みたいです。楽しかった!
蒼穹のカルマ1
著
橘 公司絵
森沢 晴行蒼穹園上空、高度二千メートル。抜けるような青さ、絨毯のように敷き詰められた層積雲が広がる空に突如現れた不純物―空獣。その不純物を駆逐し、飛空するひとつの騎影。長い漆黒の髪を踊らせ、空を舞う鎧を身にまとい、空獣の血で空を彩る騎士・鷹崎駆真。「任務完了だ」落ち着き払った声を発し、いかなるときにも狼狽えることのない彼女の鉄仮面。ある日、彼女に空獣警戒の緊急任務が言い渡される。蒼穹園の空を護る彼女の返答はもちろん…、即座に拒否!?えっ、ええ!!その日、駆真には任務よりも大事なことがあった!!第20回ファンタジア長編小説大賞準入選作、暴走し、駆ける。 (「BOOK」データベースより)