うららの記事一覧 | 今日もだらだら、読書日記。

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【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう 5

 

ジェノサイドお嬢様、爆誕!?
深層ソロ攻略を果たし、ついに“深淵”に足を踏み入れたカリン。 ザコモンスターのように沸いて出る深層ボスたちを蹴散らしながら奧へと進む。 一方、お祈りモードだったブラックタイガー黒井もついに決断をくだす。 「今ここで、山田カリンを全力で潰すぞ!」  かくして、日本最強級クランの精鋭十八人が奥多摩ダンジョンに潜り込む。 モンスターと人間、それぞれの脅威にさらされるカリンは、気づいてもいなかった。 騒動の先、思いもよらぬ出会いと新たな“バズ”が待ち受けていることに――。 大人気ダンジョン無双バズ、第5弾!

深層ソロ配信を達成し、自作自演の疑惑も晴らして一件落着と思いきや、疑惑を完全に晴らしたいと思ったカリンはそのままもう一つ下の“深淵”攻略に挑むと言いはじめる。止めるまもなく踏み入った深淵で襲い来るのは、これまでの階層でボスとして君臨してきたモンスター達。そして1階のボスとして待ち構えていたのは思いもよらぬ「撮れ高」の相手で……!?

【悲報】前巻から引っ張った深淵ソロ配信、前座だった

深淵配信、前座というかお茶うけというか……あくまでそこは導入にすぎなくて今回のメインはブラックタイガーの最期とその後の狂騒でしたよね。戦闘力も配信者としての数値も再現なくインフレしていくの本当に笑うんだけど、ここまで突き抜けていくと数字の現実感のなさすらも面白くなってしまって凄かった。トンチキレベルの実力を遺憾無く見せつけた結果、一周回って世界が平和になるのもう笑うしかないだろ。

この国の裏で蠢く闇のギルドが総力を結集して一人のいたいけな少女の生命を全力で狙ってるの普通にヤバすぎるんですけど、闇討ちシーンが彼女の圧倒的な技量と盲目的な善意によってただのギャグになってるの面白すぎる。ホラー画角で懲らしめ生中継(※お嬢様は100%善意の行動)されてしまうブラックタイガーの皆さんは本当にご愁傷さまでした。いや、深淵配信もブラックタイガー退治もお嬢様なら問題なくやってくれるだろと思ってはいましたが!もうひとり無双がすぎてともすればマンネリになりそうまであるところ、実況しているリスナーの悲鳴で違いを出してくるの笑ってしまう。いつものように持ち帰れないレア素材をポイしようとするカリンお嬢様を必死に止めようとして膝から崩れ落ちるお偉いさんの姿で飯がうまい!!(上手いことなんかやって早いとこカリンがダンジョンの素材の換金出来るようにしてあげてください!)

お嬢様もヤバいけど周囲もヤバいしまたヤバい人が集まってきそうな次巻

深淵ソロ配信の後日談的なアレコレがヤバすぎて全部笑えるのがまたバグなんだよな〜……特に内閣コラボもとい勲章授与まわりの話のスケールがあらゆる方向でヤバすぎるんですが、それでさえアニメと現実の区別がついてない女児に「それ」は駄目でしょうが……もうこれ一生アニメと現実の区別がつかない女児のまま生きていくしかないんじゃないかカリンお嬢様。そして作者であるもちもちたまご先生のコメントが、あまりにもクリエイターとして正しく狂ってて好きです。結果はわかっていても譲れない解釈、あるよね!!!

そんなこんなで最初からずっと続いていたブラックタイガーとの対決がついに決着して、次巻からは新展開──なんでしょうか。お嬢様いよいよ海外に飛び出すのか!?日本では敵なしだったカリンお嬢様に世界レベルの強敵が出現しそうな感じの引きで、いよいよひとり無双状態が終了してしまうのか!?どうなっていくのかとても楽しみです。


稼ぎの少ないオカルト事務所所長、VTuberになる 1

 
夕子

コミュ難・無職・厨二病の成人男性(26)、血迷う。
「VTuberになれば稼げるんじゃないか!?」 怪奇現象や霊能事件を専門にするオカルト事務所『オフィス失楽園』は常に閑古鳥が鳴く。 そんな事務所の所長、佐藤たけしは絞り尽くした浅知恵のもとVTuberデビュー。 相棒の幽霊少女、赤羽満と共に、大手VTuber事務所『project:eden』のライバー、ミッドナイト・サイコナイトとして配信活動に励み始めるのだが。……幽霊の存在など 信じてもらえるはずもなく、更には初配信で身内にも配信バレして早々にポンコツが露呈。 《【朗報】芸人枠の新人獲得》 《いいおもちゃにはなりそう》 それでも、2人の同期ライバーには何かと助けられ、常軌を逸した一期生たちにはなぜか気に入られ。佐藤は七転八倒し、周りの人に手を引かれながらも登録者数を増やしていき……!? コミュ障を拗らせた厨二病の成人男性(26)が、みんなのおもちゃにされながら奮闘する新感覚Vコメディ開幕!

オカルト専門探偵事務所の所長・佐藤たけしは傾きまくっている事務所の運営資金を稼ぐため、相棒の幽霊少女・赤羽満を連れて大手VTuber事務所『project:eden』のVtuberミッドナイト・サイコナイト(愛称:ニコ)として鮮烈(?)デビューを果たす!ところが本人の思惑とは裏腹に初回からリスナー達に弄られまくった上に身内に配信者デビューを見抜かれてしまい……でもそのポンコツ厨二病ぶりが逆にウケて、少しずつ人気ライバーへの道を歩んでいくことに!!

「面白ければ何でもあり」だからこその懐の深さ、あったけえ

厨二病だけどコミュ障、しかも自分に憑依している幽霊の少女と会話出来るといういろいろな意味で現代社会で「普通に」生きていくのにハードルがありすぎる主人公が同期やリスナー達や先輩たちから受け入れられてVtuberやりながら楽しい毎日を過ごしていくという展開がすごく楽しかったです!いや、この設定で存在してても面白ければ「個性」として受け入れられちゃうVtuber業界の土壌、懐が深くて面白いな。おそらくこれまで親友ふたり以外から殆ど受け入れられずに引きこもりになっていた主人公がこういう形で「幽霊が見える」という特徴を隠さずに世間に「そういうVtuber」として受け入れられていく展開、あったけえ……。

彼の存在がこのように自然と受け入れられたのは面白ければ何でもアリな界隈の土壌もあるだろうけどそれ以上に同期のふたりがフラットに接してくれたというのも大きく……そして時には主人公をからかいながらも暖かく見守ってくれるリアル親友組の存在がまたいい味を出している。全体的に優しい世界というか周囲の人々のあったかさが身にしみる物語でした。それはそれとして主人公の親友(男)が主人公のこと好きすぎるので100点加点したい。いやお前マジでニコのこと好きすぎんか!?

楽しい日常会話劇の中に垣間見える「非日常」の気配が気になる

男性Vtuberモノとしては割と珍しい気がする女性Vtuberとガッツリ絡んでかつカプ売りでもなく大きな炎上もないという優しい世界のお話だったんだけど、主人公のニコがあまりにもポンコツすぎて恋愛的なアレコレに結びつけづらい感じなの上手いと思った。良い意味で女性同士の会話で「良い人だけど……」と言われて恋愛対象にならない感じの人物像なんだよな。主人公も親友組も幽霊少女も同期もリスナー達も「イイ奴」なので安心できるし、主人公はただポンコツなだけじゃなくていざというときはちゃんとかっこいいところを見せられるタイプのキャラクターなのがまたポイント高い。

幽霊が見えるという「異能」をかたわらにおきながらも剣呑とした雰囲気は一切ない日常会話劇がとにかく楽しいその裏で、「非日常」がそれとなくチラ見せされる終盤が印象的で、この辺の要素が今後どう絡んでいくのか気になります。並行世界を観測できるというマリーを中心に先輩組はみんななんかしら一物持ってそうなんだけど、同期のアザミの方もちょっと普通じゃない雰囲気感じるんだよね……。


バズれアリス 4 【追放聖女】応援(いいね)や祈り(スパチャ)が力になるので動画配信やってみます!【異世界⇒日本】

 

「聖女アリスの生配信」迷惑系邪神をバズって倒せ!
追放先の迷宮で現代日本に繋がる鏡を発見し、レストランを営む青年・誠の協力で配信者となってバズった聖女アリス。彼女は魔王の体を奪った邪神と対峙する最中、ランダに権能を奪われてしまう。それはランダが自ら邪神と決着をつけるための策だったが、彼女の決死の覚悟も虚しく邪神は地球へと渡って暗躍を開始する。アリス達が地球へ行くために幽神霊廟の攻略を急ぐ中、一足先に地球へ戻って翔子達と共に邪神との決戦に備える誠。しかし邪神に目をつけられたことで、その眷属となった配信者や茨城ヤンキー達に襲撃され……!? 「聖女」兼「配信者」がバズって戦う異文化交流コメディ、堂々の卒業配信!?

ランダの孤軍奮闘も虚しく、復活した邪神は魔王の身体と「人」の権能を得て地球へ逃走してしまった!邪神を討つため──そして鏡の向こうに広がる誠の世界に行くために幽神霊廟の最深部へと急ぐアリス。一方、地球に戻った誠は邪神から「人」の権能を与えられた人気配信者達から狙われる羽目に……!?

配信物としてもファンタジーとしても最高に面白かった!

配信者としての力が戦闘力になる異世界の聖女アリスと鏡を通して繋がってしまったレストランのシェフ・誠が織りなす異世界ファンタジー×動画配信モノ、完結編。

ラスボスである邪神との戦いが最終的にフォロワー数対決になるの、いかにもこのシリーズらしい展開でとても良かった〜!相手を炎上させることでフォロワー数を減して相手の力を削ごうとする展開面白かったし、邪神の眷属となった敵の配信者が眷属になったことを隠して水面下でフォロワー数を増やすために撮り溜めていた動画を次々とプレミアム公開して話題作りをしようとするのとか小技が聞いててクスリとしてしまった。それへのこちら側の返しが「やはり生放送のリアルな熱には叶わない」になるのも本当にこの作品ならではの結論という感じ。ファンタジーの世界からやってきた邪神を相手に、ちゃんと「配信」で戦ってるのポイント高い。

その一方でファンタジーというか少年漫画のバトルものとしてもめちゃくちゃ王道な展開やってて、復活した邪神を倒すためにすべての聖女が今回だけはと団結してアリスに「力」を託していく……という展開が最高にアツかった。まさか本編内であれほどファッ◯ン・エヴァーン王国とかいわれて罵倒されてきた彼らが最後の鍵になるなんて……聖女ディオーネとダモス王、ざまぁと言うほど酷くはないが適度に痛い目を見てラスボス戦では間接的な共闘展開も挟みつつそれでも別に和解するわけでもなくエピローグにも出番無し……くらいの距離感で収まったの絶妙で良かったなと思います。あんまり痛い目を見てもこの作品らしくなかったと思うし、かといってただ和解するのはもんやりしそう。

全然進んでいなかった幽神霊廟の試練が一足飛びに終わってしまったのはちょっとこう大人の事情を感じてしまいますが、このシリーズでその部分をあまり引っ張ってもしょうがなかった気もするしちょうどよい塩梅だったのかも。

シェフ・ラビットちゃんよ永遠に

そんなこんなで最高に盛り上がった最終決戦を乗り越えてたどり着いたエピローグ。感染症対策で野外ライブに変更のくだりでそういえばこれコロナ禍中の話だったわとしみじみしつつ、後始末もありつつ全てが落ちるところに綺麗に落ちついて配信者引退してイチャイチャしてる主人公カップルをはじめとして、予想外な進路の多すぎる周囲の人々のその後にニヤニヤしてしまいました。

そして人気配信者のヒロインたちよりガチ恋勢が多いシェフ・ラビットちゃん(引退済)の人気ぶりに笑ってしまう。いやほんと彼女(笑)は上手いことアニメ化できたら1時代を築いてしまう可能性があったとおもうんですよね……このラノ2026でキャラクター部門残ってたら間違いなく投票してたんですが、今年はなくて少し残念。いやでも映像化の難しそうなタイプではあるから本当にうまくやらないとコケそうではあるけど……。

シェフ・ラビットちゃんのアイドル姿とウェディングドレスの挿絵がみつからないんですけど、乱丁ですかね?


組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い4

 

元・宿敵夫婦の甘々ホームコメディ、おうちを飛び出て旅情編!
「今年も――すっごく楽しい一年になりそう!」 「そうだな。目のキラキラがすごいぞ、律花……」  元宿敵同士で、今はラブラブ夫婦の狼士と律花。年の瀬に、ついに身も心も一つとなった二人。以前にも増してイチャあま全開夫婦の冬はイベントが盛りだくさん! 芳乃と鹿山の関係が気になる初詣。パートナーのことを想うバレンタインデー。そしてついに我が家を飛び出して、奇妙奇天烈な狼士の同僚たちとの社員旅行にも参加! 二人を取り巻く友人や同僚との日常はちょっとずつ変化をしていくけど――そこにはいつも、変わらぬ夫婦の愛がある。  アフター異能力バトルを描く新米夫婦の愛の物語、身も心も温まる第4弾!

すったもんだの末、無事に律花との初めての夜を迎えることができた狼士。張り切りすぎて年始早々「おあずけ」を食らってしまう微笑ましい一件(?)も交えつつ、初詣やバレンタインなどの楽しいイベントをこなしていく。周囲の人間関係も少しずつ変化していく中、ひょんなこと(義兄の策略?)からこれまでスルーしてきた狼士の会社の社員旅行に夫婦で参加することになり……!?

次巻ありきのイチャコラ中心回(今後の伏線っぽいのもあるよ!)

シリアス過去編から突然の◯道カ◯ーテルからの年明け合体祭り──急転直下激しすぎてジェットコースターも床が抜ける本編への繋ぎで相変わらずのキレ味を見せつけつつ、その後は3巻のあの大波乱・大団円を受けてシリアスも下ネタも控えめで平和ないちゃいちゃ展開のまま穏やかに終わる一冊でした。

社員旅行回ということで、狼士を巡る女同士のバチバチがひたすら楽しかったです。最初は触らぬ神になんとやら状態だったふたりが幾多の衝突を通してなんだかんだでお互いに恋のライバルとして認め合っていく展開がすごく良かったし、狼士の前では出さない後輩ちゃんの「素」の姿がすごく印象的でした。後輩ちゃん正直1巻のころからあまり得意なキャラではなかったんだけど、今回の律花との本音を隠さないやりとりがめちゃくちゃ好みで一気に好きになりました。ぶりっ子というより図太いというか、良い意味でふてぶてしいキャラでいいじゃん、後輩ちゃん。

あと、何より鹿山と芳乃のふたりの関係性にも変化の兆しがあって、気になる……!!いつのまにやら素直になれない期を通り過ぎて両片思い状態になってたのびっくりなんですが、今後二人の関係がどうなっていくのか楽しみすぎる。いや、なんかもう鹿山って絶対にこの流れで踏んじゃいけない地雷踏んで死にかける(もしくは死ぬ)タイプのキャラだと思うんでそこは不安ではあるんですが……!!

個人的にはやはりシリアスとイチャイチャの温度差ありきの本作だと思っているのでシリアス比重の低さ(なかったわけではないが)に少し物足りない気持ちもあったのですが、それはまあいろいろな意味で3巻が激動すぎた所はあったよね。そして一見平和な社員旅行の裏で様々な新事実が明かされていたり、「機関」側の新キャラが続々と登場したり、今後への匂わせ展開があったり……前巻以上に伏線や匂わせを盛り込みまくった「次巻ありき」の展開をやってるのはめちゃくちゃアツかったです。いやほんとうに良くも悪くも5巻ありきの展開だったな今回。楽しみだなー。

ところで本編が割と普通にイチャイチャしてた反動なのかBook☆Walkerの特典SSがいろいろな意味でギャグ全開すぎてクソ笑った。好き。


組織の宿敵と結婚したらめちゃ甘い3

 

新米異能夫婦の甘々ホームコメディ夜の営みお悩み編!?
「ヤろう、律花! 今年中に! 最後まで!」「や……やろう! 最後まで!」「「愛してる!!」」 『イカレた会話にゃ……』 元宿敵同士で、今はラブラブ夫婦の狼士と律花。互いの秘密を打ち明け、悲願の同衾が叶った二人の次のお悩みは、もちろん『夜の営み』について。 全然うまくいかない二人だが、新たなる凸凹カップルの登場や愛猫にゃん吉の通院、狼士の後輩・生駒さんの自宅来訪など、彼らの日常は加速していく! そして迫る十二月の聖夜、いまだ未経験な二人は『幸せな夜』を勝ち取れるのか? 愛しているから一つになりたい。心はとっくに。だから後は身体の方だけ、どうにかして。これは異能力バトルの後の、初恋の後の、ゴールインの後の──新米夫婦が勇気を出してもう一歩を踏み出すための物語。

様々な過去のしがらみを乗り越えて、遂に同衾を果たすことができた狼士と律花。あとは初めての夜を過ごすだけ!と思ったのに、狼士の狼士がデカすぎてはいらないというトラブルが発生!!?心は通じ合っているのになかなか進展しない状況にもどかしい想いを抱える中、律花は会社でカウンセラーをしている女性と彼女のパートナーの男性と知り合うことになり……。

何が何でもチ◯コの話に繋げてくる

今回、とにかく現代軸のメインが「主人公の主人公がデカすぎて合体できない!」だったのでいつもの三倍増し下ネタでスゴかった。もう現代パートではどんな真面目な話してても巧みに◯ンコに繋いでくるので本当に腹筋がツラい。いやこれもう本人たちにとっては本気の悩みなんでしょうけど!でも!!!

偶然知り合った異能力者と無能力者のワケありカップルとの関係、狼士と律花の初体験が無事完遂できるのかを主題にこれまでの展開に大枠でも一区切りつくお話で、過去編やクライマックスの異能バトルパートでは普段と比較してもかなりシリアスな話やってるんですよね。

それだけに 温度差 が 凄い

ここからの新展開が楽しみ

あとがきによると4巻の発売がほぼ確定しているということで、今回の巻では律花の生命を狙う「敵」の存在がチラ見せされたり、匂わせだけだった「あのキャラ」の事情が少しだけ明かされたり……と、これまで単巻でまとまっていた話に明確な「今後の伏線」みたいなのが挿入されはじめたのを感じて、1巻の頃から好きだった作品がここまで続いてくれたことがとても感慨深かったです。いやほんと有象先生の作品が2巻くらいで終わるのをいくつか見届けてきたのもあるけど、最近3巻まで続く原作なろうじゃないシリーズってラノベ界全体で見ても本当に希少な気がしてきたので……。

そしてこの記事は4巻を読み終わった状態で書いてるんですけど、この3巻エピローグから4巻のプロローグの温度差で時間差で腹筋に大ダメージ受けてる。いやロングパスにも程があるでしょ!!ここから先どうなっていくのかとても楽しみです!!!


堕天の狗神 -SLASHDOG- 3 ハイスクールD×D Universe

 

悲しみを生む姫島の業。朱雀の想いが、その刃を研ぎ澄ます!
五大宗家との会談に臨む悪魔・メフィストフェレスの護衛を務めることになった刃狗。しかし、エクソシストの少年・フリードや、日本妖怪たちが襲来。事態打開のため、鳶雄は自身に眠る力を朱雀に教わることとなり……

アザゼル総督からの依頼で、ラヴィニアが所属する魔法使いの組織の理事メフィスト・フェレスの護衛についた鳶雄たち。一連の事件について五大宗家と話し合うのが目的ということで、共に五大宗家の本拠地のひとつ『奥の院』に向かう。ところが、その話し合いを妨害しようとするエクソシストたち、そして五大宗家に恨みを持つ妖怪の大群の襲撃を次々と受けることに。その裏にはやはり『オズ』の魔法使い達の影が……。

敵味方入り乱れての総力戦!(バトルが多い…!!)

五大宗家の拠点を舞台に様々な勢力入り乱れて繰り広げられる大バトル回。五大宗家に堕天使に魔術師に悪魔にエクソシスト、それに妖怪の思惑が交錯し、そこかしこで激しいバトルが巻き起こる展開がアツかったんだけどいやほんとに最初から最後までバトル多いなぁ……!!(あとがきでも「バトルが多い」って言われてて笑った)四神+黄龍が勢揃い、ずっと顔見せだけしていた教会のふたりが本格的に登場、そして本編にも登場する悪魔達の名前もぼちぼち登場してこれまで以上に勢力図が複雑になってきた。

そんな中で1巻からちょくちょく登場してはいた姫島朱雀が本格的に登場、姫島家の事情や鳶雄自身のルーツが垣間見えてきて、鳶雄が新たな力を得るためにそれらと向き合って新たな力を得る展開がアツい!!……んだけど、合間合間に挿入されるちょっぴり無自覚えっちな朱雀お姉さんに翻弄されて紗枝や夏海に挟まれて否応なくラブコメやってる鳶雄くんが大変な癒やしでした。いや本編の展開が全体的に重いだけにこういう年齢相応なお色気展開に翻弄される鳶雄くんの姿、とても安心するよね。そしてラストしっかりヒロインが増える(というか元々フラグは見えてた彼女が本格参戦してきそうな)ラストに笑ってしまった。いや、紗枝との仲もきっちり進展してるから最終的にはそこに落ち着くと思うんだけど!本人望んでないのにどんどんハーレム構図になっていくの笑ってしまう。一方ヴァーリは新キャラの玄武ちゃんとコテコテなラブコメのフラグを立てていて微笑ましい。こっちも今後どうなっていくのか気になるところ。

そして師匠と一緒に登場のフリード神父、ファンリビユーザー的には「お噂はかねがね」のやつ。いや、半端にファンリビでネタバレ聞いてるだけに「ハイスクールD×D」本編数年前の姿であるところの彼がここからどうなっていくのかが──どうかんがえても近い未来に地獄が待ってるんだよなあ──なのですが、続きでてないのかそうか……。

新たな力を得たと言っても鳶雄の能力も成長途中の雰囲気だし、他の仲間たちもまだまだパワーアップイベントが残されてそうな気配、紗枝の中に眠る力はどうなってしまうのか、五大宗家との関係は、そして彼らを狙う他勢力はどう立ち回る?と、動きは多かったけどそれ以上に謎が増えた感じもあるお話でありました。ハイスクールD×Dの外伝的なお話なのは知っていたけどエピローグを読むと著者のもう一つのシリーズ「電蜂」の方の話も絡んでくる?かなり続きが気になる所で終わってしまったな……。

4巻書いてるみたいな話はツイッターで見たので続きが近い内に来ることを楽しみにしてたいです。


僕らは彼女を王にする!〜クセすご最強パーティーは元リーダーのために暗躍します〜

 

元リーダーのため、最強のバカ達が大暴れ!
小国で有名なSSランク冒険者パーティー『アルカナ』。 超強大な魔法ばかり扱う魔法士、ただの拳で地面を割るほどの戦士、空間を操作して後方を支援する補助職、ほとんどすべての外傷を癒してしまえる回復士、どんな相手でも一撃で仕留めることのできる暗殺者。 そんな凄腕達で結成されたパーティーが、ついに解散となってしまう。 その理由は── 「じ、実は私……エレリア国の第四王女なんですっ!」 パーティーリーダーのアイリスが、実は大陸一の国家の王女だったのだ。彼女は、再び貴族社会にもどってしまうことに。しかし、それぞれアイリスに恩を感じているメンバーはあることを考えた。 「そうだ! アイリスを王にするために僕達が陰で支えてあげればいいんだ!」 恩を返すために、こっそり気づかれないように支える。だが、『アルカナ』の面々はそれぞれクセが強い。 纏め役のアイリスがいなくなった今、“こっそり”などできるわけもなく── 「ねぇ、さっきから視線が凄くないかしら?」 「それって横にいる誰かさんブーメランパンツ一丁で歩いてるからだよね、きっと」

最強のSSランク冒険者ばかりが集う特異なパーティー『アルカナ』。クセつよメンバーばかりだが、ランクが示す通り最強の集まり──そんな彼らを影に日向に支えてきたリーダー・アイリスが自国の跡継ぎ争いに参加するため、パーティーを解散しようと提案して活動拠点としていた小国をでていってしまう。日頃から彼女の存在に様々な面で救われてきたパーティーの面々はアイリスに気づかれないように跡継ぎ争いを支援すると心に決めて彼女の故郷・エレリア国に乗り込むが、パワーもクセもつよつよな彼らが目立たないわけがなく……!?

重めの世界観、軽快なコメディ、爽快な無双が全部両立する展開が気持ちよかった!

主人公パーティのわちゃわちゃが見ていて楽しいお話でした!主人公であるユリスとヒロイン・アイリスの一向に進展しないもどかしい関係性がとにかく微笑ましく、普段はユリスと口喧嘩ばかりしているのに内心ではユリスとアイリスの行く末を見守る態勢のパーティーメンバー達がふたりのもどかしい姿にやきもきしているのに読者の私がニヤニヤする。そうなんだ私はこういうどうみても両想いなのに全く進展しないもどかしいラブコメ、主人公がヒロインを助けるために周囲を巻き込み自分の全てを使って頑張る物語が大好きなんだ……。

でも、彼らがそんなふうにバカばっかやりながらも必要とあらば「SSランク冒険者」らしい強力無比な戦いを見せつけてくるのが爽快で、めちゃくちゃ良かった。どちらかというと世界観や登場人物たちを取り巻く出自は重ためだし、アイリスが参戦したエレリア国での跡目争いもかなり過酷な展開の連続なんだけど、でもそんなクソッタレな世界だからこそ彼らの絆やコメディでバカばっかやってる姿が光るんだろうなと。弱肉強食の世界でバカやって笑い合うためにはそれを為すだけの力が必要なんですよね……。

ほかにもコメディ強めの見開き口絵から口絵最終ページのシリアスなユリスのイラストが入るのめっちゃよくて本編の内容をネタバレしない形で巧みに中身で主人公がただバカやってくだけの話じゃないよ、かっこいい活躍もあるよと期待を持たせる構成が最高で、その口絵からの期待に期待以上に応えていく本編クライマックスの盛り上がりが本当に最高の高でした。全体的にコメディとシリアスのギャップがしっかりしていて、コメディとしてもファンタジーとしても大変美味しゅうございました。それにしてもあとがきキャラ対談、(スレイヤーズ以外で)久しぶりに見たな。

ぶっちゃけ「帯買い」だったことは否定できない

私がなんでこの本購入したかというのはこのブログを以前から追ってくれているかたには帯を見ていただければ理解るのではないかと思うのですが(この記事に貼ってある現在のamazonの書影にはついてる)、なんというか帯にこれを宛ててきたのも納得というかバカテス好きな人──というか吉井明久というキャラクターのヒーロー性や明久と姫路さんのもどかしいカップル具合とか、あと「クセつよ」なメンバーが仲良く大暴れする物語が好きな読者にはかなり刺さるお話なんじゃないかなと感じました。あくまで個人の感想です。

ただ、それだけに結構文章とかが露骨に当該作の影響を受けてる感じなのは個人的には少しノイズだなと……。いやギャグのテンポとか掛け合いのテンポとかキャラクターの口調の記号性とかにかなりの影響を感じたっていうか……いやこれでバカテス未読で帯は編集の采配で当該作の影響を受けた別の作者の影響ですとかだったらほんとすいませんが……。


堕天の狗神 -SLASHDOG- 2 ハイスクールD×D Universe

 

あの人を守るためーー白龍は目覚め、黒狗が斬り裂くは東の魔女
自らが持つ力を磨くため、鳶雄たちは堕天使の学校「ネフィリム」に通うことになった。彼らの元に現れた教師バラキエルの血縁者・姫島朱雀。ラヴィニアが追う「オズ」の魔女たちの陰。黒狗の刃が新たな戦場を駆ける!

『虚蝉機関』との戦いを乗り越えた鳶雄たちは自らの能力を磨きながら堕天使の学校「ネフィリム」に通うことに。新たな生活を送り始めた彼らの元に、残りの『四凶』となった元同級生達の情報が入ってくる。急ぎ彼らを救うために動き始めるが、そこにはラヴィニアが追っていた魔女達の組織『オズ』の影が見え隠れしていて……。

少年ヴァーリ可愛いかよ……。

ヒロインのひとりラヴィニアの出自を巡る物語が中心となる第2巻。1巻に引き続き「ハイスクールD×D」に繋がるあれこれを匂わせつつ、こちらのみで読んでも楽しめる物語となっていて楽しかったです。

今回は鳶雄たちの成長とか新キャラ達の大暴れとか「ハイスクールD×D」本編にも関わってそうな匂わせとか色々あったんですけどそれはともかくとしてとりあえず少年ヴァーリが可愛かったですね……普段は生意気盛りの素直になれない俺様ショタな彼がなんだかんだといいつつ仲間たちを放っておけなかったり自信満々なようで自らの不足を誰よりも自覚していたり、何よりラヴィニアを護るため「優しい人」を失わせないために戦うという決意がとにかく健気で良かった。良いオネショタだった……(台無し)

ヴァーリの話は一旦置いておいてそれ以外の話すると、とりあえず全員揃ったものの色々と不安が残る感じの『四凶』、救い出した紗枝の内に眠る能力がどうなるのか、堕天使達の内紛、五大宗家、そして今回メインとなった『オズ』の魔法使い、毎回終盤で存在を匂わせてくる教会。とにかく今にも動き出しそうな伏線だらけで次の巻どうなっていくのかますます気になる。1巻がそこそこ綺麗に終わった後の今後の展開を見据えた種まきみたいな回だったと思うんだけど、それだけにとどまらず紗枝を救い出した後の鳶雄が新たに戦う力を得るまでの成長やラヴィニアと『オズ』の因縁、ヴァーリの戦う理由なども含めて戦闘も因縁も盛り盛りの巻でした。そしてヴァーリがほんと可愛いんだけどすかさず彼のまだ見ぬライバルである「赤龍帝」の方の話に引っ張っていくのほんとズルい演出でニヤニヤしちゃう。本編の方はアニメ知識しかないんですけどええ。

予想以上にシビアな展開の中、シグネちゃんとポッくんのコンビが唯一の癒やし枠だった気がします。いやこういうキャラ好きなんだよな……なんだかんだいいところで台風の目としてひっくり返してきそうな感じも含めて……。


イヴと偽りの天使たち ロクでなし魔術講師と禁忌教典【正典】

 

イヴが天使の少女たちの「先生」に!? 新たな「ロクアカ」物語
「いきなりクビなんて……一体、私が何したって言うのよぉ!?」  イヴ=イグナイト。アルザーノ帝国の英雄にして、炎を操る最強の魔術師──彼女が突然の全役職剥奪&国外追放!?  理由も分からず飲んだくれるイヴに“女王権令《オーダー01》”が届く──それは極秘任務の始まりだった。  潜入した異国でイヴが出会ったのは黒い翼を持つ天使の少女。  無垢な残虐性を持つグラム。  引っ込み思案で盲信的なマティア。  そして自らを失敗作と語り炎を異様に恐れているカノン。  任務のためカノンらの教官となったイヴは主張の強すぎる彼女たちに手を焼きつつも、再び“戦場”へと挑む──

第二次魔導大戦から1年後、特務分室の室長に復帰していたイヴ=イグナイトはある日突然全権を剥奪され、隣国レザリア王国で極秘任務に当たることに。その任務とは、偽りの黒翼を持つ三人の少女たちの「教官」になることで……!?

かっこいいけどポンコツ可愛いイヴさんが本当に良き!!

「ロクアカ」世界のその後、レザリア王国のとある部隊の教官として派遣されたイヴの活躍を描く後日談。面白かった〜!!ロクアカ本編と同じく本当の才能を知らずに燻っている少女たちをワケアリ教師がほかとは違った授業で教え導いていく教官物であると同時に、主人公が変わったことで同じ世界感・ジャンルでも全く味の違う物語になってるのが印象的でした。なんというか、グレンはやっぱり座学が面白かったけどイヴは完全に実戦寄りだよね。初手走り込みからはいる所とか軍隊出身ぽさが凄い。

ワケアリ&クセつよな教え子たちとの共同生活を送る中で少しでも心を開いてもらおうと奮闘するものの、いろいろな意味でから回ってるイヴさんの絶妙なポンコツぶりが微笑ましかった。アルザーノのときと比べて生徒数も少ないし距離感も近い分、本編ではなんだかんだで隠し通せてたポンコツぶりが表面化してる感じなんですよね。一番最初の全権剥奪されてノンアルコールで飲んだくれて特務分室の面々に慰められるイヴ=サンも可愛い。余談ですが福音後記でも思ったけどなんだかんだでイヴの世話女房もとい副官やってるイリアがめちゃくちゃ好きだ。

そんな普段はちょっとポンコツ気味なイヴがクソッタレな世の中で大人たちに虐げられていいように利用されてきた少女達を教え導き、自身の生命を賭けてでも守ろうとする姿があまりにもヒーローみたいにかっこ良かった!レザリア王国でほぼ周囲に敵しか居ない状態だったせいか、変に肩肘張らずに自然体で敵を打倒していく姿があまりにも良かったです。いやでも、レザリア王国に対して払う敬意がないからかもしれないんですけど、色々偉い人との交渉が雑……というか結構グレンの影響受けちゃってませんかね?

ロクアカ本編でイヴが好きな人は絶対に読んだほうが良いし、イヴがそこまで好きじゃなくてもイヴが更に好きになるお話になっていたので凄く良かったです!!ロクアカ読んでない人は……案外ここから入っても問題ないお話だったとは思うんですがどうでしょうね?かっこいい女の子が女の子を守って戦う話が好きな人は読んで後悔しないと思う。

正しく「正当続編」を感じさせる世界観設定良かった

良い意味で、もしもの分岐世界のお話として描かれていた「福音後記」とは違う、正当続編感が強かったのも良かったです。イヴが新たに覚えた魔術の話が出てきたりするのもその後のお話感強かったし、いまだ最終決戦の爪痕が残るレザリアが舞台……というのもまた、本編から地続きの感じで良かった。

そしてなぜこの任務にあたってイヴが追放される必要があったのかが明かされるクライマックス。確かにあんな魔術ドッカンドッカン使いまくられたら各国のパワーバランス崩れちゃうよな〜!!と思いつつ、自分が持ってしまった力を持つ責任を自覚しながらも必要になれば自分の信じるものを守るためにその力を使うことを躊躇わないイヴが本当にかっこよくて。いやでもこれ、他の面々がどうやって暮らしてるのか改めて気になりました。この文脈だと今後もグレンの登場はなさそうな気がするけど、まだ特務分室に居るのではないかと思われるリィエルや一応王族の一人であるルミアはワンチャンあるんじゃないですかね!?いやでも、最終的にグレンの本当の「本命」が見れる可能性にも期待しちゃうよな(福音後記はあくまでもしもの奇跡だと思っているので……いやでもなんだかんだ一人身のままなグレン先生でも良き……)

続編の連載も早くも始まっているということで、しかも続編の舞台は懐かしのアルザーノということで……続きも楽しみ!!


声優ラジオのウラオモテ #13 夕陽とやすみは道を選びたい?

 

主役への道は演技力だけじゃない!? 次代を担う新星声優も登場の13巻!
「新しい時代の桜並木さんが現れた、って言えば伝わるかな」 『主役』への拘りが強くなったものの、もらえるのは悪役のオファーばかり。悩む由美子が次に共演するのは、千佳すらも唸るほど顔が可愛い、後輩アイドル声優の綿菓子モコで――。 「わたし、キャストは純粋な実力で決まるとは思ってないですよ」 新人なのに主役の経験を持つ彼女。ただ、売れているのは演技がすごいからじゃなくて、事務所のプッシュのおかげらしくて? そんな時に声をかけてきたのは、モコのマネージャーの南雲だった。 「歌種やすみさん。カラメル・プロモーションに移籍しませんか?」 夢を追うからこそ悩み迷う、青春声優ストーリー・第13弾!

声優としての仕事が安定してきて一安心もつかの間、今度は悪役オファーばかりで主役を穫れないことを気に病む由美子。相方である渡辺千佳は夕暮夕陽としてアーティストデビューを果たし、彼女の変化を好ましく感じると同時にますます複雑な想いを抱えることに。そんな中、由美子が共演することになったのはカラメル・プロモーションの新人で次代の桜並木乙女とも噂される声優・綿菓子モコだった。自分を慕ってくれるものの時々棘のある彼女の発言に複雑な想いを抱えていた所、彼女の所属する事務所から引き抜きの誘いが来て……!?

夕暮夕陽さんの相方マウントが最高でした(知らぬは本人ばかりなり)

「声優ラジオのウラオモテ DJCD」を読んだときから来そうな気がしてた、カラメル・プロモーションからの引き抜きの話。いや来ると思ってたけどこのタイミングでくるのか……プリティアの件もまだまだ記憶に新しいこのタイミングで……この話、どう頑張っても南雲先輩が歌種やすみを見てないの丸わかりでキツいのよ……。

誰一人として所属声優を見捨てないというカラメルプロのやりかた、DJCDを読んだときは結構賛否両論になる話だな……と思っていたんですけど、実際に本編に来ると思ったより駄目だった。いや、抱いた理念は素晴らしいものなんだけど実際に事務所パワーでゴリ押しされてる綿菓子モコ、どう考えても幸せになれてないしなんなら育成失敗してるし……声優としての素養は高いのに事務所が彼女の良さをちゃんと伸ばしてあげられてないというか、彼女自身が自分の才能を一番信じてないの、読んでてしんどいわ……。

事務所を移籍したら事務所の力で主役のオファーも獲ってもらえる、逆に今のままでは永遠に主役は穫れない……と言われてしまって心揺さぶられる由美子。そんな由美子とは対称的に、千佳は綿菓子モコに対抗心をむき出しにして……というかこの声優の相方マウントがすごい2025。いやぁ良いバチバチ感でした……いやほんと千佳ちゃんって由美子の事好きすぎでしょ……知らぬは本人ばかりなりなんだよな……。

そして、圧倒的なカリスマ性を持つ綿菓子モコに対して歌種やすみが相方である夕暮夕陽と共に「アイドル声優」として真っ向から立ち向かっていく展開が熱かった。ゲームじゃあるまいしライブでバトルというのもおかしな話ではあるんだけど、お互いに譲れない信念を掛けた戦い、しかも圧倒的に不利な状態からはじまる対決なんてアツくならないわけがないよね。そしてアイドルとしての可愛さ、歌手としての歌唱力で天性の才能を持つモコに叶わないとしても「作品のライブ」であれば「声優」としての演技力でそれを補い、彼女に対抗することが出来る。由美子が千佳からの無茶振りに困惑しつつも最終的にはきっちりと彼女からのリクエストに応えてくれる姿にニヤリとしてしまいました。

それにしても、負けっぱなしのところから最後の最後で「憑依型アイドル声優・歌種やすみ」がいつかのオリオンvsアルフェッカのライブばりの演技力でライブ会場の全部を持って行くクライマックスがあまりにも最高だったんですけど、そこから更に圧倒的なパワーと運命力で遅れてやってきた桜並木乙女が全部をかっさらっていくのズルすぎた。こ、これだから乙女姉さんはさぁ!!(でも最近の話の、殺意高すぎるパワータイプの現役カリスマ声優・桜並木乙女さんが強キャラすぎて好き)