今日もだらだら、読書日記。

読み放題が来た今こそ読みたい「ちょっと古め」のラノベ20選。

先週末からBOOK☆WALKERで角川文庫・ライトノベル 読み放題というサービスがはじまりました。
しかも、2020年の1/31までは無料で読み放題になるそうです。

というわけで、対象作品の中で私が完結(最新巻)まで読んでいるタイトルの中からちょっと古め(2000年代中心)完結済(多分)作品のなかからおすすめラノベを20作品リストアップしました。なんで「ちょっと古め」の「完結作品」なのかと申しますとそういうやつはリアルタイムで巻数が増えないため後回しにされがちだと思うからです。私がそうです。新作は多分他にまとめる人がいると思うのでそっちで探してください(「錆喰いビスコ」と「ファイフステル・サーガ」が個人的におすすめです)

何か気に入ったものがあれば手を出してみていただけると比較的古産なラノベ読みとしては冥利に尽きます。

※なお、この記事は書影を引っ張るためにKindleへのリンクを併用しています。Kindleの方の読み放題タイトルではありませんのでご注意ください。

1巻完結 / 3〜5巻 / 6巻以上

1巻完結

入間人間「多摩湖さんと黄鶏くん」→感想
バカップルがイチャイチャとゲームするだけの小説。
ゲームの内容がいちいちフェチくて二次創作心をくすぐる。みんな頼むから読んで推しカプで「キスババ抜き」やってくれ!!!
うえお久光「紫色のクオリア」→感想
愛する少女と共に在る未来を目指し、少女は時空を駆ける。
女の子三人がイチャイチャするほのあたたかい序章と、ハードな時空改変SFである本編に圧倒される。

3〜5巻

岩井恭平「消閑の挑戦者(1巻まで)」→感想
『天才』達が挑む、究極の超能力×頭脳ゲーム!!
既刊3巻。主人公・小槙と彼女のパートナーである祥が常にすれ違いながら様々な天才達に挑んでいく。「超飛躍」という頭脳を活性化させる異能を用いて行われるハイレベルな頭脳バトルがたまらない。
土橋真二郎「扉の外(全3巻)」
閉鎖空間で熟成されていく「人間の悪意」にゾクゾクが止まらない。
とにかく薄気味悪い人間関係と、どこまでも後味の悪い展開で初読時は本当に「これは無理!!」と思ったのですが未だに不思議と惹きつけられてやまない作品。色んな意味で煮凝りのような濃さを感じるデビュー作。
杉井光「火目の巫女(全3巻)」→感想
異形と戦う少女達の、儚くも悲しい宿命の物語。
過酷な宿命の中で様々な少女たちとの出会いと別れを繰り返しながらひとり残されていく主人公・伊月の姿が、悲しくも美しい。長い時を生きる帝・豊月との関係も良かった。
平坂読「ラノベ部(全3巻)」→感想
「ラノベ」にまつわる高校生たちの楽しい日常。
軽妙な会話劇が楽しい文系部活ラノベ。全3巻なので手軽に読める。個人的にいちばん好きなのはリレー小説ですよろしくおねがいします。
水瀬葉月「ぼくと魔女式アポカリプス(全4巻)」→感想
喪われた魔術種達の生存競争に巻き込まれたヒトたちの物語。
絶望的な戦いの中で、己を削りながらも手を取り合って生きようとする少年少女の姿が印象的。自傷、トランスセクシャル、同性愛と性癖てんこ盛りな展開も好きです。FGOのアガルタやセイレムが好きなら是非…。
秋山瑞人「イリヤの空、UFOの夏(全4巻)」→感想
不思議な少女と過ごす忘れられない夏の想い出。
過酷な宿命を背負った少女・伊里野と普通の少年・浅羽。二人を待つ過酷な運命と、あっさりと終わっていく二人の「UFOの夏」にしんみり。読んだら6月24日に「おっくれってるー!!」って言いたくなる。
柳実冬貴「Re:バカは世界を救えるか?(全5巻)」→感想
微妙な異能を手に入れた中二病の少年の、世界を救うための戦い。
非日常を求めてやまない中二病の少年が本物の異能と非日常の世界に巻き込まれていく。終盤に行くに連れインフレしていく世界観と、そんな戦いの中で本物のヒーローになっていく主人公の姿がアツかった。ヒロインたちとのやりとりも可愛いですが男の友情もあります!!!
三上延「シャドウテイカー(全5巻)」
未知の存在からの侵蝕に抗う少年少女を描くホラー系異能バトル。
背筋を這うようなホラー展開と、徐々に記憶を失っていく幼馴染の少女を救うため奔走する主人公の姿が印象的。というか三上先生の異能バトルはだいたい幼馴染大勝利ラノベなので幼馴染ストはこの機会に読んでほしい。
林トモアキ「戦闘城塞マスラヲ(全5巻)」→感想
これは長い物語(サーガ)の “はじまり”。
引きこもりの青年が、目付きの悪さとハッタリだけを武器にしてツワモノ揃いのバトルロイヤルを勝ち抜いていく。少しずつ人間として成長していくヒデオの姿に胸が熱くなる。林トモアキ作品は全著作に濃厚なリンクがあるので薦めるの難しいんですけど、個人的に入門編として推したいのはこれか「お・り・が・み」かなと思います。
神坂一「ロストユニバース(全5巻)」→感想
「スレイヤーズ」の著者が贈る過去の遺産技術を巡るスペースオペラ。
もうまず主人公がキメキメでライトセ●バーとマント構えて出てくる所から大好きすぎるんですけど、テンポの良い掛け合いと意外に重たい展開がいかにも神坂作品という感じで好き。なにかとスレイヤーズとのリンクを思わせる(が特に直接的なリンクはない)用語の数々にもニヤリとしちゃう。

6巻以上

風見周「殺×愛-きるらぶ-(全8巻)」
最後の人類になる少年と彼を殺しに来た少女の、世界を賭けた恋。
世界を救うため×騙して利用するために偽りの「恋人ごっこ」をしていたはずが、お互い本気で好きになって…という王道展開と、ご都合主義とも思えるハッピーエンド展開がたまらなく好き。主人公の行動にモヤッとする部分もあったけれど、自分勝手と自覚しながら足掻き続ける終盤がやっぱり好みでした。
藤原祐「レジンキャストミルク(全8+2巻)」→感想
心に“欠落”を抱えた少年と心を持たされた“人形”の少女の物語。
明るく楽しく描かれる「日常」の学園生活と、欠落の代わりに異能を得た少年少女が傷つけ合う「非日常」の戦闘パートの落差がたまらない。もうほんとうにこの漢字やら英語のルビを振りまくった文章とバトル展開が好きすぎて。殊子先輩が好きです…………。
中村恵里加「ダブルブリッド(全11巻)」→感想
『二重雑種』の女と無骨な青年が織りなす「ちとにくとほねのものがたり」。
お酒が大好きでちょっと不思議なアヤカシのおねえさんと石頭系武骨な警察男子がアヤカシ対策専門部署という閑職でほのぼのする話かと思ったら互いを傷つけあわずにはいられない人間とアヤカシが織りなすちとにくとほねの物語です(ツイッターの自分のつぶやきが上手いこと言ってたのでそのまま転載)
葵せきな「生徒会の一存(2巻まで)」
ハーレム願望の主人公+ヒロインたちの軽妙なやりとりが秀逸。
とにかく生徒会室で軽い会話をしてるだけのお話なんだけど、気軽に読めてぷっと笑える短編ラノベならコレという気持ち。「全員を幸せにするために」ハーレムを目指す杉崎の姿も個人的には好感度高く、そんな彼が大きな壁にぶつかる「新生徒会の一存」もおすすめ。
あかほりさとる「セイバーマリオネットJ(全12巻)」→感想
心を持ったマリオネットと少年の、人類の未来を賭けた恋。
ハーレムラブコメではあるんだけど、その一方で“人間の女性が居ない”歪んだ世界の姿と、女性を復活させるために“人間の心を持った機械”を愛すことが出来るかを試され続ける主人公・小樽の姿が衝撃的。どこか物悲しいエピローグが忘れられなくて、定期的に読み返してしまうシリーズの一つ。
田尾典丈「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(全8巻+外伝4巻)」→感想
全員が幸せになれるルートを、地道に模索していく姿が印象的。
ヒロイン全員と幸せになるためハーレムルートを目指す!という展開と、それを実現するために問題点を洗い出して割と地道な努力を重ねていく展開が熱かった。現実産ヒロインの高橋愛子さん推しなんですけどそれはそれとしてゲームの真主人公との男の友情も大変美味しかった…。
椎野美由貴「バイトでウィザード(全14巻)」
現代魔法使い「ブラック家業怖い」ラノベ。
魔術師の一族に生まれて大きな力を持ってしまった主人公が、一族の長にいいように使われて使い潰されていくのがマジブラック企業怖いなんですけど!敵の尖兵となってしまった恋人を救うため、自らの生命を掛けて戦いに挑む主人公の姿も印象的でしたがやっぱり「ブラック家業ラノベ」のインパクトが強い。
田口仙年堂「吉永さん家のガーゴイル(2巻まで)」
最終巻でのタイトル伏線回収がアツすぎる。
ふくびきの景品として吉永さんの家にやってきたしゃべる石像・ガーゴイル。最初は杓子定規に家族に近寄るものを攻撃していた彼が、少しずつ人間の機微を学び、様々な体験を経て心を得て成長していく。最後に吉永家の一員となった彼の少しだけ変化した『名乗り』にホロリとしてしまう。読み放題は2巻までなんですけどなんとかして最後まで読んでください全15巻+外伝3巻です。


性春デイズ 〜男子高校生の性の心理戦〜

 

私立花ノ宮学園は、古くからある由緒正しい全寮制の男子高校。そんなむさ苦しい空間の中で、俺達腐れ縁の五人組は日々生活をしている。そして、男子高校生の心理戦は――いつも突然始まる。「なあ、この中だと、誰が一番デカいと思う」 雄の象徴。そのサイズや形状は思春期男子にとっては極めて重要な問題であり、時として人間関係を壊す爆弾にもなり得るのである。――これはいかに自分の手札を隠したまま相手の手札を暴くかという、思春期ピュア男子の心理戦(という名の日常)を描いた物語である。

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見栄をはりがちな主人公の桜井、陽気でおバカなルームメイトの菊市、コワモテだが料理が得意で心は乙女の先輩・藤川、爽やかだが性の探求に余念のない先輩・蓮見、童顔でピュアな後輩・椿木。幼い頃からの“腐れ縁”である5人が全寮制の男子校で偶然再会し、一緒に食事を取ったりしながらシモネタで盛り上がる。男子高校生達のゆる〜い日常のお話。

ほぼ100%「シモネタ」でできた小説です
読み終わって振り返ると最初から最後まで本当にシモの話しかしてなかった。舞台も男子寮から全く動かないし、ヒロインはおろか彼ら5人以外のキャラは一切出てこない。一時期流行った会話劇主体の謎部活ラノベの男子校バージョンという雰囲気だけど、なんていうかここまで徹底的にシモネタに振り切ってしまってるのはなかなか凄い。

「思春期」って面倒くさい。
自分のチ●コが一番大きいと思わせようとして必死になったり、自己発電の回数でお互いを牽制しあったり、お互いの性癖を探り合ったり…性欲を持て余した彼らが繰り広げる、面倒くさいプライドと見栄の張り合いと、そこから始まる駆け引きがどこまでもバカバカしくて楽しい。

ただ無邪気にシモの話題で盛り上がっていればよかった子供時代を少しだけ通り過ぎた彼らが、必死に大人の男ぶろうと友人たちに対して見栄を張ろうとする。「普通」の面白くないヤツだとは思われたくないけど、一方あまりそこから大幅に逸脱はしたくないという彼らの駆け引きが微笑ましかった。それにしても男子高校生って思ったよりも面倒くさいな!?

面白かったけど好き嫌いは分かれそう。
会話文主体の軽い話が3本収録されていて、中だるみせずサクッと読めるボリュームも丁度良く、楽しく読めました。これもうちょっとボリュームがあったら胸灼けしてたと思うのでそういう意味でもちょうどよいかと。

表紙イラストや装丁は女の子向けを意識したデザインになっているような気がするのですが、割とこれ女子が好きかどうかといわれると好き嫌いが分かれる気がする。いろいろな意味でシモネタ会話が生々しく、男子高校生5人のキャッキャウフフや濃厚な絡みに萌えるというよりは弟の自家発電の一部始終を部屋の扉の前で聞いてしまったお姉ちゃんの気持ちになれる一冊でした。そういう意味で望先生の最近の十八番である「年の離れたお姉さん(の気持ちを味わえる)ラノベ」ではあるのかもしれない……(誤解)。

個人的には男子高校生にもう少し夢を見ていたいという自分の気持ちを否定はできない。


アルバート家の令嬢は没落をご所望です

さき
 

大貴族の令嬢メアリは思い出す。ここが前世でプレイしていた乙女ゲームの世界で、自分はヒロインの恋を邪魔する悪役令嬢だということを……だったら目指せ没落!とはりきるけれど、なぜかヒロインになつかれて!?

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アルバート家の令嬢メアリはある日突然前世の記憶を思い出した。しかもここは乙女ゲームの世界で、悪役令嬢である自分の失敗によって実家は没落し、メアリは僻地に追放されることになるということも。「それなら派手に没落してやるわ!」とゲームのヒロイン・アリシアにつっかかりはじめるが、いつも失敗してしまい…。

破天荒だが思慮深くて気高い主人公がめちゃくちゃかっこいい!
主人公のメアリが思い出した「前世の記憶」を元に乙女ゲームの展開をなぞりながら実家を没落させようとするけど、ヒロインから嫌われるどころかどんどん好感度が上がっていってしまうのがあまりにも楽しいラブコメ。とにかく他人が不幸になるようなことを望まないメアリの行動は原作通りの悪……どころか完全にただのいい人だし、悪役になれないことを自覚しながらもひたすら没落道を突っ走ろうとする姿が微笑ましい。

一見破天荒な残念キャラのように見える彼女だけど、実際は貴族としての本当の気高さと大局を見極めることが出来る視点を持っている。貴族らしくないといわれる行動も家族や友人を慮った結果であることが多いし、没落したいという願いも彼女なりに実家のことを考えた上でそれが家のためになると判断しての行動であったりする。マイペースでありながらも自己の信念に基づいて行動する彼女の芯の強さが印象的でとにかくかっこいよかった。ノブレス・オブリージュの化身か。

二重に展開される、身分違いの恋に胸キュン。
主人であるメアリに不遜な態度を取りながらも影に日向に支える従者アディとの関係性も良かった!お互いに遠慮のないテンポの良い主従の掛け合いを見ているだけでもニヤニヤしちゃうんだけど、そんなアディが誰よりもメアリのことを大切に思い、身分違いの報われぬ恋心を抱いているというのがたまらない。そんな彼が庶民出のアリシアと生徒会長のパトリックの身分違いの恋にやたらと入れ込んでしまうのには甘酸っぱいものを感じてしまう。

アディのいない未来を想像した途端、いつもの自信満々な態度はどこへやら不安にかられてしまうメアリの姿が最高に可愛いし、本当の思いを伝えることが出来ないアディが「どんなことがあっても一緒にいる」と言い続ける姿に胸が熱くなりました。

「ゲーム」の記憶と現実世界との関係は…
ゲームでの「イベント」をなぞりつつ、しかして微妙に全く同じというわけではない展開が印象的。

何度真っ直ぐにしようとしても戻ってしまうメアリの縦ロール、経緯が多少違っていても絶対に発生するゲームと同じシチュエーションのイベントなど、世界に強制力が働いているような気がして。それでいて本来のゲームとは違う部分もかなり多いというか、まずメアリの人格が全くの別人なわけですが……(前世の記憶は一切元の人格に影響を及ぼしていないため)。

このへんは1巻では明かされなかったけど、今後明かされていくのかな。楽しみです。


転生先が少女漫画の白豚令嬢だった 4

 

ようやくリカルドとの婚約を認められ、心も体重も安定してきたブリトニー。これで白豚令嬢の汚名返上かと思った矢先、亡命中の北の王女と遭遇する。自ら「転生者」を名乗る彼女は、前世でブリトニーが読んだ少女漫画には続編があり、このままでは北の国との全面戦争は避けられないと忠告してきて!? ダイエットは成功したけど、まだまだ前途多難みたいです!?

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最大の懸案事項だった処刑フラグを回避したブリトニー。リカルドとは婚約関係に戻ったし、心のバランスとともに体重も落ち着いてきて一安心、と思ったのもつかの間、その裏ではふたたび北の国の陰謀が動き始めていた。久しぶりに王都にやってきたブリトニーを待ちうけていたのは、嫁ぎ先で不遇な扱いを受けているノーラと、「転生者」を名乗る北の王女ヴィーカで……。

ツンツンだったリカルドがこんなにイケメンになって…(ホロリ)
リカルドからのイケイケ攻勢にタジタジなブリトニーが可愛い。リュゼをはじめとした恋敵にヤキモチを焼く姿は微笑ましいものの、物語開始初期のツンデレ…というかツンツンだった頃を思い出すと見違えるように大人な貴族の好青年へと成長して、感慨深さもひとしおでした。というか作中ではブリトニー12歳から始まっていてそこから5年も経っているんですね。男子の成長がすごい……。

素直になれないアンジェラ王女とそんな彼女を理解して受け止めてくれるエミーリャ王子が少しずつ想いを寄せ合っていく姿も印象深い。唯一の懸案事項だったノーラの周辺もある意味上手いこと膿出しができたというか、実家や嫁ぎ先でのトラブルを経て一つ前向きになった彼女の姿が印象的でした。開き直って独りででも生きていく覚悟を決めた彼女だからこそ、幸せになってほしい。

北の国の王女の正体とは──いよいよ明かされる世界の謎。
ノーラの嫁ぎ先での問題、北の国の王女ヴィーカとの出会いにより浮かび上がってくる、この世界の未来たる少女漫画の「第二部」以降の話と世界の成立にまつわる謎。阿片の流行や武器の輸出など、国全体が不穏な気配に少しずつ蝕まれていくような展開が不気味で重苦しい。今巻は特に誰が味方で誰が敵なのかわからない展開が多くてハラハラしっぱなし。

自らの境遇を嘆いて奪い取ろうと足掻くヴィーカと、自らの境遇を少しずつ受け入れ共存することで新たな未来を切り開いていったブリトニーの対比が印象的でしたが、それにしても序盤の繊維談義といい中盤以降の阿片の話といいブリトニーの前世知識が普通に専門的すぎて戸惑う。やはり転生令嬢たるもの専門知識の2つや3つ趣味で持っててなんぼなんでしょうか…繊維の知識とか明らかにちょっとお洋服が好きですくらいでなんとかなるレベルじゃないと思うのですが。

チキチキ!手に汗握る体重リバウンドレース!
王の不在によって揺れる中央の国、姿を消したアンジェラ王女と彼女に全ての罪を着せようとする内通者の存在。裏切り者を牽制し、内通者を抑え、アンジェラを奪還するために実行犯を抑える──という、一連の手に汗握る展開の合間に流れるように挿入される高カロリーの姿とそれが自然に(ブリトニーの胃袋の中に)消えていく流れが秀逸すぎて全く別の意味でも手に汗握らされる。いやもうほんと自然に混入しすぎでは!?無意識ってこえーな!!

前半のエレフィス嬢のダイエットを手伝う話でもありましたが、ブリトニーはストレスを感じると無意識に暴食してしまうタイプであり、どちらかというとエレフィスのような「食べることが大好きなので太ってしまった」タイプではないんですよね。終盤ではそんな彼女の悪癖が存分に発揮されるというか、これは確かに良いこと無いし身体にも心にも良くなくてちゃんと痩せたほうが良い……。

割とこれまで肥満=悪くらいの勢いだった本作ですが、今回は食べるのが大好きなエレフィスとストレス太りのブリトニーを比較した上で「エレフィスのような人を無理に痩せさせる必要はない」という結論に持っていくのが好感度高かったです。いや、エレフィスのタイプだってやっぱその体重は明らかに健康には良くないから長い目でみたら絶対に痩せたほうが良いのだけど…。

それにしても、一度限りのネタになるのでは…と危惧していたダイエットネタがリバウンドを交えつつこんな終盤まで物語にしっかりと絡んでくるの楽しい。色々駆け込み気味の終わり方で完結編なのか?と思いましたがなろうの原作を見たらまだまだ続くようなので、続きを楽しみにしてます。


マリエル・クララックの婚約

 
まろ

地味で目立たない子爵家令嬢マリエルに持ち込まれた縁談の相手は、令嬢たちの憧れの的である近衛騎士団副団長のシメオンだった!? 伯爵家嫡男で出世株の筆頭、文武両道の完璧美青年が、なぜ平凡令嬢の婚約者に? ねたみと嘲笑を浴びつつも、マリエルは幸せです。だって彼は私の大好物、見た目穏やかな腹黒系眼鏡美青年なのだから! 婚約者とその周りにひそかに萌える令嬢の物語。WEB掲載作を加筆修正&書き下ろしを加え書籍化!!

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令嬢たちのあこがれの的である近衛騎士団副団長・シメオン様と婚約することになった令嬢マリエル。平凡で目立たない令嬢の彼女には、とんでもない秘密があった。他の令嬢達からの嫌がらせにも全く動じない彼女だが、当のシメオン様は何か勘づいているようで…!?

妄想たくましい女流ロマンス作家×イケメン眼鏡のロマンス
三度の飯よりも小説書くのが好き!!というマリエルが婚約者となったシメオン様をオカズ(おい)にするだけでなくライバル令嬢達からの嫌がらせすら「小説のネタ」として大喜びで頂いてしまう様子が楽しい。

キレ者なのにマリエルのことになると惚れた弱みで残念になりがちなシメオン様、ことあるごとにマリエルの脳内で鞭を持たされ、更に隙あらばその妄想をそのまま匿名で出版されてしまうので強く生きてほしい。恋人に自分が主役のBL小説書かれてしまうシメオン様は本当に強く生きてほしい。

往年の少女小説を思い起こさせる、ラブコメ×ミステリー。
そんなふたりがとある貴族の家督争いに端を発した事件に巻き込まれる後半。好意と好奇心で事件を解決を捜査しはじめるマリエルだが、その一方でシメオンと衝突してしまい…という展開がなんというか、往年のコバルト文庫とかを思い出して懐かしい気持ちにさせられる。

様々なすれ違いを経て、マリエルの方にも着々とシメオンへの恋心が育っていくのが印象的でした。嫌がらせにもめげない鋼のメンタルを持っているようで自己評価が低くて自身の恋愛には疎い彼女が無自覚に芽生えた恋心を制御しきれない様子が可愛いし、あらぬ方向に(被害)妄想を繰り広げてしまうのにはプッと笑ってしまう。気がつけばしっかりと両思いになっているのに、勘違いや先入観でなかなか噛み合わず、逆にシメオンに振り回されてすらいるのが微笑ましい。

すごく…眼鏡です。
文武両道イケメン眼鏡×マイペースで妄想過多な文学系眼鏡っ娘という、眼鏡好きにそっとおすすめしたいラブコメ。

最後に眼鏡を外す描写はツイッターの眼鏡属性議論とか見てると好き嫌いが分かれるのか!?と思ってしまうのですが、「(ド近眼のマリエルが)眼鏡を外しても相手の顔がはっきり見えるくらいの至近距離」という表現には思わずニヤリとしてしまいました。


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。14

 

季節はまた春を迎えようとしていた。 同じ日々を繰り返しても、常に今日は新しい。悩み、答えに窮し、間違えを繰り返しても、常に飽きもせず問い直すしかない――新しい答えを知るために。 言葉にしなければ伝わらないのに、言葉では足りなくて。いつだって出した答えはまちがっていて、取り返しがつかないほど歪んでしまった関係は、どうしようもない偽物で。 ――だからせめて、この模造品に、壊れるほどの傷をつけ、たった一つの本物に。故意にまちがう俺の青春を、終わらせるのだ――。 過ぎ去った季節と、これから来る新しい季節。 まちがい続ける物語が終わり……そしてきっとまだ青春は続いていく。シリーズ完結巻。

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春の季節に始まった八幡と雪乃の「勝負」は決着を迎えた。どこかお互いに割り切れないまま卒業式が、そして無事開催される運びとなったプロムが開催される。成功したプロムの終わりに、自らの母親に自らの「やりたいこと」を伝える雪乃。陽乃だけが不満げな顔を隠さずにいて……。

この陽乃さんのラスボス感がすごい。
序盤とにかく前巻から続く迷走感がひどくてしんどい。結衣との甘酸っぱいエピソードにはやっぱりニヤニヤしてしまうのだけど、勝負に決着が着いても雪乃との距離感が戻ることはなく、どことなくぎこちないやりとりにハラハラが止まらなかった。雪乃と仕事の話するときだけは会話が進むとか、割とリアルで人間関係でトラブル起こして疎遠になる直前の人とのあるあるすぎて余計なトラウマ刺激されるんですけど!!!いちいち彼らの関係性の終わりを匂わせる演出が多くてふとした事で胸を締め付けられてしまう。

今にも壊れそうな三人の関係性に容赦なく一石を投じてくる陽乃さんがマジラスボスの貫禄なんだけど、同時に彼女自身もまた八幡達の関係性に『本物』を求めずにいられないのだと気づいてしまって、しんどくなる。

八幡が覚悟を決めてからの、カタルシスが最高でした。
陽乃からの叱責や平塚先生の教え、結衣からの支えを受けて不格好でもこれまでの関係を壊してでもなんとか前に進むことを決めた八幡が、覚悟を決めて動き出してからが最高に面白い。その前に進むための「手段」があまりにも傍迷惑で笑ってしまうけど、なんていうかこれこそが比企谷八幡なんだよなあ。宙ぶらりんのままだった雪乃・結衣との関係性の決着、そして独りで去っていこうとしていた平塚先生の離任騒動まで含めて、未消化だった部分を完璧に払拭する展開が最高に楽しかった。

あまりにも八幡らしい不器用で独り善がりな計画に、これまで関わった人たち全てが力を貸してくれる展開が熱すぎてヤバい。少年マンガの最終回かよ……このまま元気玉撃てそうまである。今回はいろいろな意味で周囲の人々の行動にいちいち胸が熱くなってしまったんだけど、特に結衣のことを心配して何かと不器用に声をかけてくれる三浦さんがマジいい人すぎて幸せになってほしさがすごかった……いや三浦さんが良い人なのは知ってたけど本当に良い人すぎる。平塚先生はもうこの人真ヒロインでよくない!?ってレベルの大活躍だし、あとカラオケボックスといいサウナといい卒業式といい、今回葉山さんが八幡と仲良すぎてひっくり返るんですが、あいつらなんなの。サウナで戸部にまで空気を読まれて二人きりにされてしまうの無限に笑うわ。八幡に対してのぞんざいな態度を人前で隠そうともしなくなった葉山さん、最高かよ……。

それよりなにより──夢だけを積み重ねたはずだった偽りの「ダミープロム」が、彼らの手によって現実的な妥協点と折り合いを見つけられて、ほぼ完璧な形で顕現されてしまうの、あまりにも最高すぎない!?あと、ダミープロムの企画やってる間の雪乃がデレデレすぎて可愛さがヤバかった。特に語彙力を喪失するデレのん可愛いすぎる。

そして一つの「青春」が終わり、新しい「青春」が続いていく。
奉仕部という三人で築き上げられた不安定ででも温かかった関係を壊してでも「彼女」と関わり続けることを望んだ八幡の手によって一つの物語が終わり、そして新しい季節が始まる。もうとにかく匂わされる終わりの気配に震えてしまっていたんだけど、彼らはまだ高校「2」年生なんですよね。卒業式を見た八幡が感じた通り、このエピローグですら人生での終わりの予行演習でしかなくて、乗り越えてみれば少しだけ新しくなった人間関係とともに、新しい物語が始まるんだなと。「こいつら重い!!」「面倒くさい!!」といいたくなる中盤の告白シーンもさることながら、新しい物語を感じさせる最後のエピローグが最高に良かったです。

それにしても、最後のピースを後押ししてくれるいろはちゃんと高校生となった小町の小悪魔年下コンビが可愛すぎて死ぬ。あと三年生のクラス分けが最高にヒドいんですけど三年生になった比企谷八幡のクラスでの日常で一本書いて欲しいです。短編集もアンソロジーも楽しみだ。


世界の闇と戦う秘密結社が無いから作った(半ギレ) 2

 

平和すぎる日常に逆ギレし、世界の闇と戦う秘密結社・天照を作った佐護杵光。東京を救う自作自演イベントを終えた佐護のもとに異世界からの刺客が現れる。彼女はロナリア・リナリア・ババァニャン(905歳)。魔王が絶滅危惧種になり、手厚い保護を受けるほのぼの世界から、胸躍る巨悪との戦いを求めやってきた。ところが佐護の世界にも巨悪は存在せず、巻き起こる「世界の闇」と秘密結社の戦いは全て自作自演。世界が違っても平和すぎる日常は何一つ変わらなかった。そこでババァニャンは、秘密結社の根本を揺るがす、ある極秘計画を企て…?最強の超能力者が紡ぐ、圧倒的マッチポンプギャグコメディ、第2幕!! (「BOOK」データベースより)

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「超水球事件」をきっかけに、東京ににわか超能力ブームが巻き起こっていた頃、秘密結社「天照」の元にひとりのロリババアが現れる。彼女は、血湧き肉躍る戦いを求め、身一つでやってきた異世界の存在だったが、やはりこの世界にもそんな非日常は存在せず……。

「日常」さんの強度が強すぎる。
2巻で早速本物の非日常やってきちゃったじゃん!!と思ったらそんなことはまったくなかった。いや異世界人という時点で非日常といえば非日常なのでは?と思わなくはないんですけど、異世界人がまざろうが警察が嗅ぎ回ろうが気にせずマッチポンプな非日常が続いていくのが面白かった。というか、超能力者、秘密組織、CIA、そして異世界人…とここまでそろった非日常要素をすべてひっくるめて包み込んで無効化しまう「日常」さん、ちょっと強すぎません?そりゃあ涼○ハルヒも内なる世界で暴れるよね(風評被害)

『裏切りイベント』の裏で水面下で進行する──!?
わりとちまちま非日常イベントを演出していた1巻とは打って変わって、前回の「超水球事件」に湧き上がる周囲の目から逃れつつ進行する、ババアニャンを主人公にした『長編・裏切りイベント』ににまにましてしまうんだけど、その裏では仲間になったと思われていたババアニャンが実は…!?という、二重に展開される物語が楽しかった。どこまでが本気か、それとも全てがマッチポンプなのか。先が見えそうで絶妙に先が見えない展開にハラハラしました。それにしても熊野警部はいろいろな意味で「適正」があったとはいえそれでお仕事を辞めてしまわれて大丈夫だったのでしょうか。

安定して面白かった……んですけど!?
2巻打ち切りってマジで!!!!??????(ソースは作者さんの日記

なろう版が今7巻目分くらいまで進んでいるし近いうちに完結予定のようなのでまあそっちで読めばいいんですけど……商業版で読み始めたなろう小説はやっぱり商業版で最後まで読みたいみたいなのあるじゃないですか。とても悲しい。各レーベルさんはもうちょっと拾ったなろう小説を責任持って育てて!!って思うけど、それ以上にWeb原作じゃない小説も責任持って育てて欲しいので難しい……。

ところで同作者の「婚活ダンジョンちゃん、東京に巣食う」が超面白かったです。36話まで読んだんですけど今確認したら完結していたので近いうちに読む。


悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました6

 

クロードが竜化し魔王として覚醒、破滅ルートが解放された。世界は“正ヒロイン”アメリアの言う、「正しい運命」に向かい動き始める。味方は傷つき絶望的な状況で、それでもアイリーンはクロードを取り戻したかった。悪役令嬢やラスボス、割り当てられた役割とは関係なく、諦められないくらいただ貴方を愛しているから。―だから持てる全てで足掻くしかない。WEB発・運命ではない恋物語、愛で一発逆転の最高潮へ!! (「BOOK」データベースより)

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ハウゼル女王国の女王候補の手によって魔物堕ちしてしまったクロード。聖剣の乙女としての力を振るうヒロイン・アメリアに対して聖剣を失ったアイリーンは圧倒的に不利な戦いを迫られる。果たして、無事クロードを取り戻し、ハッピーエンドを迎えることが出来るのか。

オールスター状態の最終決戦が楽しい!!
これまで登場した歴代ゲームのヒーロー・ヒロイン達が勢揃いで繰り広げる、バトル主体の展開がとにかく楽しい!中盤から物語に大きく関わってきたセレナやレイチェルはもちろん、引っ込み思案というか保身第一だったサーラの活躍に思わずニヤリとしてしまう。

リリアが「プレイヤー」から「ヒロイン」になるまで
アイリーンがクロードと愛を貫くための物語であると同時に、「プレイヤー」として物語を一つ上のレイヤーから俯瞰し続けたリリアが愛の力で真のヒロインになるまでの物語だったなと。彼女が少しずつセドリックに心奪われていく様子はそれとなく描かれていましたが、その彼女の想いが「聖剣の強さ」という形で昇華されていくのは胸が熱くなる思いでした。

自らがプレイヤーであると嘯きながら、大切な「ヒロイン」達を──「一番推せるヒロイン」であるアイリーンを守るために彼女が、自らの「愛」を武器に敵に立ち向かう姿は文句なしの「ヒロイン」で、もう本当に涙なしには見られないんですけど!!あと電子書籍版の特典SSずるいんですけど!!!???(めちゃくちゃ泣いた)

個人的にリリア様の株は1巻の空気ヒロインからプレイヤーとして覚醒し、後半に行くにつれ爆上げ状態だったんだけど今回は特に本当に最高すぎてもうね……もう……。

「乙女ゲーム」であることに拘った展開も良かった
「ヒロイン」としてのリリア様の話をした直後に言及するのもアレなんですが、なんというかクライマックスを打開する鍵になるのが「プレイヤー」としてのリリア様の考察厨としての一面だというのがまた最高なんですよね。一連の出来事を紐解き、理論的に解法を導き出すのはまさしく「プレイヤー」である彼女にしかできなかったでしょうし。最後は乙女ゲームの世界らしく「愛」が鍵となり現実を覆していく展開が大変に胸アツでした。

最高に熱いクライマックスから念願の年齢制限フィルタ突破な幸せいっぱいのラストシーンまで、全部盛り感が本当に楽しかったです。本編はここで完結なのかな?なろうの方にそれとなく短編とかもあるようなので、もう一冊くらい短編集が出てもいいのになと思ってみたり。

ところでリリア様の結婚式では新婦の希望通りにアイリーンがリリア様の手をとってあげて欲しい。超みたい。


得体のしれない不安感が消せなくてしんどい。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。13

 

暦は雪解けの季節を迎えるが、新しい希望の芽吹きはまだ遠く感じられる3月。それぞれの想いを言葉にし、行動しようとする雪乃、結衣、八幡。そして、それは今のままの関係でいることを終わらせることでもあって―。雪ノ下雪乃は、最後まで見届けて欲しいと願った。由比ヶ浜結衣は、このままずっと一緒にいられたらと祈った。美しい夕日に時が止まればと願っても、落日を迎えなければ新しい日はやってこない。前に進むために諦めること、終止符を打つこと。悩む間もなく、巻き戻すことも出来ず、エンドロールは流れ始める…。 (「BOOK」データベースより)

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たとえ望まれていなかったとしても。PTAからの要請によって窮地に陥ったプロムを成功に導くため、雪乃とは違う形で動くことを決意した八幡。当て馬目的で別のプロム企画を立ち上げ、わざとPTA側の目に留めさせ危険視させることで本命のプロム中止を食い止めようと画策するが……。

終わりを感じさせる展開に、しんみりしてしまう
様々な意味で懐かしい人達が登場し、そこに終わりを感じさせられてしまうラスト直前の巻。玉縄・折本はもちろんだけど、地文でそれとなく差し込まれる相模や鶴見の名前、腐女子キャラをかぶっていない海老名さんの登場で自然とこれまでのエピソードを思い出させていくのはなんていうか凄く物語の構成が上手いなあと……割と13巻を読むまでにブランクがあったので、自然とエピソードを思い出せることにびっくりしました。

ところで久しぶりに濃厚な葉山と八幡の絡み愛(海老名さん的視点)を目の当たりにした気がしますが、他の人の目のあるところで厭味の応酬する葉山と八幡なんだこれ完全にただイチャついてるだけじゃない???あとわたりんは過去に深い傷を持つ優等生タイプに巨大感情持たせるの好きすぎじゃない???(クオリディアの方を見ながら) 葉山くんの理解度で八幡と張り合っちゃう戸部が可愛い。

それは果たして「成長」か「間違い」か。
危なっかしい部分は感じながらも周囲の「協力」を仰ぎながら展開される八幡の作戦が新鮮。その彼の行動は確かにこの1年で得た「成長」といっていいはずなんだけど、周りがことごとく描いた絵面のようには動いてくれなかったりと不安要素は多く、これを素直に「正解」と捉えてしまって良いのか不安な気持ちにさせられる。ぶっちゃけこれまで通り八幡が一人で抱え込んで突っ走っていたら、周囲に様々な禍根を残しつつもダミープロムの計画は滞りなく目的を完遂していたと思うんですよね。致命的な間違いをどこかで見落としているような、そんな気持ちが消せない。それはそうとダミープロム企画が正直楽しそうすぎて全くそういう状況ではないんだけどワクワクしてしまった。いやもう頓挫するところまで想定内で、好き勝手に夢ドカ盛りした架空の企画作るの絶対楽しいやつじゃないですか!!!巻き込まれた遊戯研が割と文句言いながらもノリノリなのわかりすぎる。

泣いても笑ってもあと1冊!!
まちがった関係を正して関係性の決着を望む雪乃とこのままでいたいと願う結衣、思い悩む八幡がそれぞれにすれ違う姿が印象的。今回はほぼずっと一緒に居た八幡と結衣も正直なにか噛み合ってない感じがして、それがまた不安を想起させる。八幡と雪乃の勝負には一応の決着が着いたけどいろいろな意味でこのまま終わるとは思えない。雪乃からバトンを託された結衣がどう動くのか、本当にあと1冊でどう決着をつけるのか、楽しみなような怖いような……。

というか11巻の序盤読んでた頃はこんな終わりの間際になってこんなしんどい話をぶちこまれるとはちょっと思ってなかったですよね!!シリーズ中盤で八幡が一人で突っ走って奉仕部内がギスギスしてた頃はしんどくてもまだ彼らが再び手を取り合う日を信じて読めたんですけど、今回はそこかしこで奉仕部の終わりを見せつけられていくので、別種のしんどさがある。本当に最後これどうなってしまうんだ……。


コルネリウスとヘンリエッテの関係がとても良かった…!!

ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女

 

灰エルフの軍勢を退け、一時の休戦状態へ持ち込んだカレルに、息つく暇もなく“狂嗤の団”切り込み隊長コルネリウスへの婚約話という難題が降りかかる。コルネリウスとともに内乱中のヴィエレヒト司教領を訪れたカレルは婚約者の少女ヘンリエッテと出会う。「当面は婚約者としてお力をお貸しいただきたいのです」わずか十一歳という年齢ながら、殺された父の無念を晴らすべく国を統べる大司教になりたいという彼女の力になるため、カレルたちは内乱鎮圧へと動き出すことに…。英雄は少女を王国の救い手として導けるのか! (「BOOK」データベースより)

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ヴィエレヒト司教領で勃発した次期大司教の座を掛けた争い。殺された元大司教の娘・ヘンリエッテは父の無念を晴らすため次期大司教を目指す事を決意する。だが、その道には多くの困難が待ち構えていた。カレルは、彼女との縁談を持ちかけられたコルネリウスを伴い内乱を鎮圧するためヴィエレヒト司教領に向かう。

コルネリウスとヘンリエッテの関係性がめちゃくちゃ好き!!子供らしからぬ態度で大司教の座を望む彼女と、そんな彼女を不器用ながらも年相応の少女として扱い、護ろうとするコルネリウスが不器用ながら少しずつ距離を縮めていくさまが最高に良かった。幼くして大人の世界に足を踏み入れなければならないヘンリエッテにとって、コルネリウスが唯一本音を見せられる存在になっていくのがとても良い。

今回はカレルとヴェッセル、二人の立場の微妙な違いが透けて見えるのも楽しかったです。味方同士でありながらもどこか腹の探り合いをしているというか、今はただ「思惑が一致しているから共闘している」にすぎないんだよなあと。ひたむきに魔王が襲来するという未来に備えて五芒国の平定に突き進もうとするカレルと、ちょっと引いた立場で魔王を倒した「その後」の各国のパワーバランスまで計算しているヴェッセルの動きが印象的でした。それにしてもラストのヴェッセル挿絵のこの会心のドヤ顔最高かな?

それにしても、無事に4巻が出てよかった。明らかに妊娠フラグを感じるセシリアや側室フラグ立ってるミーリエルやら女性陣の今後の動きも気になる所。というわけで、富士見書房様におかれましては5巻もよろしくお願いします……。