今日もだらだら、読書日記。

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テスターですけど、このネトゲ学園が難しすぎるとか言うのやめれる? 「これ絶対クリアできないんですけど、責任とれそ?」

 
Bcoca

あなたのせいで、このゲーム(学園)は壊れてるんです!
VRオンラインゲームの中に設立された世界初の高校・オーバーカム学園。その創立初の新入生として入学することにワクワクしながら、とある非公開ゲームのテスターを完全クリアした千葉王我(HN:ラグ)だったが、実はそのゲームこそがオーバーカム学園だったと知らされ!? 「俺、これから通う学校を完全攻略しちゃったの!?」ネタバレどころか実績までフルコンプしてしまったラグは泣く泣く全てをテスターとして知る学園に入学するのだが、そこで同じく新入生の美少女ゲーマーのリアと出会い──。 「この学園は、ラグ君を基準に作ったせいで難易度が壊れてます!」 俺、テスターだけどこの神ゲー学園、そんなに難しくなかったよな……? 「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」の聴猫芝居が贈る、新たなラブコメ×ネトゲライフ in ハイスクール!

叔母さんが開発スタッフをしているVRゲームのテストプレイヤーをしながら、世界初のオンラインゲーム上に設立される学校・オーバーカム学園に入学するのを楽しみにしていた千葉王我(HN:ラグ)。ところが入学直前に、自分がテストプレイをしていたゲームこそがオーバー学園であったと知らされてしまう!テスト時にゲームの実績はフルコンプ済、ゲームの全てを知り尽くした状態で学園生活を送ることになってしまうのだが、同級生でオーバーカム学園のコンプを目指す美少女・リアに目をつけられてしまい……!?

どんな状況でもゲームを楽しもうとする生徒達の姿が良き!

「学園」というゲームをテストプレイ時に実績フルコンプ済の主人公が自分のプレイヤースキルに一切気づかず「俺なんかやっちゃいました?」する。ジャンル的には無自覚無双……というより、自分の実力に気づいてない主人公が無自覚でゲームのレベルをクソゲーレベルまで引き上げてしまう──というお話なんだけど、主人公が終始「自分が好きなゲームをみんなも好きになってほしい!」の気持ちで純粋にゲームが好きな気持ちで邁進していくのと他生徒たちがゲームとしての難易度の高さに困惑しつつ「それでも自分のできることを全力で楽しむぞ!!」と受け止めていくのがとてもよかった!

主人公が無双してようがなにしようが学年全体で楽しもうという気配を感じるのが良い。圧倒的な力を持つ誰かの気配を感じ取りつつも折れないモブ生徒達が後進なりにゲームを楽しんでるのが伝わってくるのが小気味良かったです。主人公が危惧していた通り、一部が無双することで後進がギスギスするとかそういう展開あるんじゃないかというの不安だったんですよね。

個人的に好きなのが一番最初のクラスクエストがクリアできてない面々が、クエスト入口近くに集まってバフ掛けたり回復アイテム売ったり、先行クリア勢も便乗して情報を扱う商売始めたりする所。な、懐かしのMMORPGで新ダンジョンが追加された後にダンジョン入口がこうなるやつだ!!!と懐かしい気持ちになりました。真っ先にクエストをクリアしてしまった主人公が自分が早く進めすぎたせいでその「祭」に乗れなくて悔しがる所とか本当にニヤニヤする。

それにしても主人公がテスターだったことに関しては事前に高校の事把握できなかったんかというのは置いておくとしてもこれだけの巨大プロジェクトでテストプレイヤー1人しかいなんか!?は壮絶に気になりました。確かにバグは潰せてるかもしれないけどそのせいでゲームバランスおかしくなってるんだよなあ!!常にラグとリアに語りかけてくる天の声(開発者の皆さんのチャットコメント)が無責任すぎるというかそこはちゃんとラグのためにも調整してあげてよぉ!!!

コンプ勢ヒロインとの相棒関係・ラブコメがめちゃくちゃよかった!

ゲームを愛するあまりに過剰なほどに「ネタバレ」を気にするオタクの主人公がテストプレイヤーである自分が知っているゲームの情報を知らせてはいけない……と苦慮する中で、そんな主人公をあの手この手で無理やり前面に引っ張り出して(自分の実績コンプのために)活躍させようとするコンプ勢ヒロイン・リアとの関係がまた良かった。

新鮮なゲーム体験を重視するラグとネタバレ上等で全てを駆使して実績を取りに行くリアにはあまりにもゲームの楽しみ方が違うわけなんですが、それが正反対なのが逆に良かったんじゃないかな。色々な意味で空気を読めず暴走することも多い人物ですが、彼女がいなかったらラグはネタバレ配慮し過ぎで実力を微塵も発揮できず、このゲームを全く楽しめなくなってしまった可能性があったと思うんですよね……。相性が良いというか、このくらい押しの強い子が相棒じゃなければダメだったと思う。

男女バディとしての相性の良さもあるけど、それ以上にリアのアバターが虚構の美少女じゃなくてリアルでも普通に顔が良い美少女であることを主人公だけが知っていて……という状況が大変美味しかった。基本リモート環境の中でリアルで機材並べてログインしてるのヤバいし内緒話は全部リアルで話しかけてくるヒロインがあざとすぎる。可愛いは正義だから仕方ない。いやこれラブコメとしても面白いね……!!?

主人公の無双っぷり、主人公とヒロインのラブコメも含めてめちゃくちゃ楽しいお話でした。ゲームフルコンプ済とはいえ当然のようにひとりじゃ取れない実績が色々あるはずだし……期間限定イベントに見覚えありすぎるのはマジで開発陣は責任持って死ぬ気で新コンテンツの準備を頑張れ…………続きが読みたい!

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やぁ“登校”に挑めニンゲン2

 

「お前、その恋のために死ねるのか?」
四月末、迷宮を生成していたAIシディルは暴走により封印中。攻略もできない生徒会の面々は間もなく始まる新歓祭の準備に勤しんでいた。 そんなある日、絶賛一人二役生活中の羽零晴斗は、レイニのアバターのメンテナンス中に三年生・夜魅夢吊に見つかってしまう!正体バレたか!? と思いきや 「あなたもAIだったのね! AI同士、お友だちになりましょ」 なんと彼女は、ホログラムで肉体を得たAIだったのだ! いまさら真実(正体=晴斗)を言い出せないレイニは、嘘に嘘を重ねることに。 さらに、新歓祭のさなか、もう発生しないはずの迷宮が学園中を侵食しだし……ラブコメ×AI×迷宮攻略第二段!

春の新歓祭の準備に勤しむ生徒会メンバーたち。生徒会室で留守番をしていた晴斗は偶然教室に入ってきた夜魅夢吊先輩に「レイニ」のアバター調整を見られてしまう。万事休すかと思いきや、彼女はレイニのことを高性能なAIであると勘違い。しかも、自分も同じAIであると言い出して……!?

概ね男の悪友回だった(偏見に満ちた感想)

eスポーツ強者を集めた学校を舞台に、AIが生み出す迷宮を「攻略」しようとする生徒会の面々とその中で繰り広げられる性別行方不明なラブコメの第二弾。2巻は主人公の悪友・蓮司と蓮司に想いを寄せる(ちょっと愛が重い)幼馴染の先輩・夜魅夢吊の関係性を巡る物語でした。いや、1巻の時点で次はこのカップルの話になるんだろうなと予想してたんですけど、それ以上に予想を遥かに超えて晴斗と蓮司の男の友情に焦点が当たっていて私は……わたしは(語彙力喪失)

もう初手から仲良くオーバークッ……もといサバイバル料理ゲーで仲良く殴り合ってる姿(曲解)がでてきてひゃっほうしてたんですけど、そこからの予想外の迷宮生成、始めての男だけ(前巻にはアキくんが居たからね!!)の迷宮探索……と個人的に美味しい展開が目白押しでした。

何より、1巻で恋愛のためなら死ねる!!を身を以て実践した主人公・晴斗が悪友である蓮司にも同じ覚悟を求めてきて、その上で蓮司が覚悟完了した途端に「じゃあ僕のためにしね」するの最高じゃないですか!!!???いや待って!?ってなった!!!しかもそれに即答する蓮司も蓮司だし強いこといいつつ覚悟が揺らぎそうになった晴斗を死地にある蓮司のほうが自ら背中を押すのが更に最高すぎる。ほんと待ってほしい。

自分の恋愛のために命を懸けれる覚悟、そして互いの悪友に絶対の信頼を置かなければ達成できなかった今回のミッション。こんな濃厚な男クソデカ感情を見せつけられるなんて聞いてないです。蓮司→晴斗への信頼が強すぎるし、その命懸けの信頼に全力で応えて成果を出してみせる晴斗最高すぎるんですがーーー!?いやほんとに、ラブコメパートではあんなにオタオタしている晴斗がバトルパートになると絶対強者のオーラ出してくるのほんと最高なんだよな……。

見れたらいいなあと1巻を読んだ時点から全力で期待していた話を真正面から火の玉ストレートでぶつけられて無事昇天しましたありがとうございます。

ラブコメ模様も迷宮探索もキナ臭くなってきた

感想の7割が晴斗と蓮司の話で埋まってしまうのはもうマジで許してほしいんですが、それはそれとして感情を追求する上級AIだった夜魅先輩と蓮司の幼い頃の想い出がめちゃくちゃ良かったです。作中では明確には語られないですけど、彼女が感情を追い求める理由。生まれたばかりのAIが感情の摩耗した子供と出会って……と考えたらもう明白ですよね。ヤンデレだなんておもってすまなかった。

そんなこんなで夜魅先輩と蓮司の関係性はいい感じに綺麗にまとまったわけですが(多分)、晴斗の恋路は無関係だったはずの夜魅先輩が加わって(三角関係的な意味ではなく)どうかんがえても今以上に前途多難になってしまった感じが否めない。お前直前まであんなにかっこよかったのになんで自ら墓穴掘っていくんだよぉ!!それ絶対協力者じゃなくて墓穴だよぉ!!!

そして復活したシディルと予想以上に危険な匂いを放ち始めた迷宮……というか「異世界」のアレコレ。色々な意味でシディルが上手いこと間に挟まってくれていたんだということを匂わせる今回のストーリーが印象的でした。どうかんがえても今後これまで以上にキナ臭くなる予感しかしなくて、続きが楽しみです!!

それにしても相変わらずあとがきがキレッキレすぎる……。

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異世界転生ダンジョンマスター 温泉ダンジョンを作る

天原
 

『異種族レビュアーズ』天原が贈る、現代温泉知識で反則級のダンジョン経営
「あなたは、ウチのダンジョンマスターとして転生したのです」 異世界に転生し、ダンジョン経営を任された俺。 ダンジョンを大きくするのに必要なのは貴重な宝物? 強いモンスター? なんだか違うな。要は大勢の客が駆けつけてくればいいんだろ。 「よし……温泉ダンジョンを作るぞ」 美肌の湯に若返りの湯。日本の温泉文化にかかればホスピタリティも完璧だ。 温泉ダンジョンはすぐに噂を呼び、美容を求めて女騎士や貴族令嬢が殺到。 女王様までもが目の色を変えて飛び込んでくる。 さらに、国家レベルの経済や外交に至るまで、温泉ダンジョンは異世界に予想外の大変革をもたらし――!? 書籍化にあたり、アウフお嬢様がダンジョンに初めて挑戦する、書き下ろしエピソードも収録!

不治の病で亡くなった主人公は死ぬ前に交わされた契約にもとづき、異世界に転生。ダンジョンコアから委託されてダンジョンを経営するダンジョンマスターとなる。ダンジョンに人を集めて力を集め、大きくしていくという目的を聞いて彼が思いついたのは「温泉ダンジョン」を作るということで……!?

「温泉ダンジョン」を作るための理論武装が完璧すぎる。

面白かった〜!!ジャンルが完全に「経営シム」で、割と小難しそうな経営の話しててもテンポ良くすいすい読めてしまうのがまた凄い。運営側である主人公とダンジョンコアちゃんの掛け合いも、彼らと上司(女王様)の間で踊らされる女騎士の皆さんの視点も楽しかった。

はじめは1階の湯の効能に取り憑かれた女騎士達、次第に話を聞いたやんごとなき身分の女性達が護衛を引き連れてダンジョンに殺到!!という展開があまりにも主人公の掌の上すぎて面白く、一見トンチキにしか見えない「温泉ダンジョン」というアイデアがめちゃくちゃ状況にハマってしまっているのが凄かったです。いや、理論武装が完璧すぎない!?アスレの奥にある温泉に入るためにご令嬢たちが必死で体力づくりとアスレの練習してるの面白すぎる。

強い敵やレアドロップで人間を引き入れるのが定番の中、あくまで人間が死なない形でダンジョンの奥深くに入りこませていく展開も上手かった。とはいっても争いや人死にを嫌う……というよりもあくまで家畜をどうやって増やして肥え太らせて美味しい乳牛出させるか……みたいな発想になってるんですよね。どこにでもいる男のような主人公が時折見せる人外としての顔が印象的でした。

自然に挿入されてくる下ネタ(いやらしくない)も良かった

時折挟まれる下ネタが絶妙にまたいやらしくなく面白かった!健全エロとしかいいようのない塩梅が凄いな〜!と思ってたんだけど「異世界レビュアーズ」の作者さんと知り納得。あれも健全でいやらしくなくて下ネタで面白かったもんな……。

温泉ダンジョンの効能に惹かれるのが基本的に女性で、しかもダンジョンの機能的に男湯と女湯を分けるのが不可能だから主人公の思惑通りに一部の湯を除いて基本的に女性しか入らない!ということで、お色気シーンひとつにもしっかり理論武装されてる!!すごい!!とニヤニヤしてしまった。

人間の三大欲求からは解放されているはずなのにダンジョンコアちゃんの知らない所でこっそりアレコレしている主人公の姿も面白かったですがダンジョンマスターのやってることはコアちゃんも覚えてしまう……ということで、そのうちダンジョンコアちゃんが下ネタを刷り込まれて無意識に触手モンスターとか生んじゃったりしないか今から楽しm心配です。

いやでも温泉ダンジョンと言ったら皆も期待するよね触手モンスター!!3巻とか4巻くらいで来るの楽しみにしてるよ触手モンスター!!!

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異世界、一日千円で生き抜きます

 
KACHIN

一日千円で異世界を生き抜くなんて無理……ん?実はヤバい能力だったり!?
一日千円で買えるものって何!? 氷河期世代、薄給勤務の私、サキが異世界転移で手に入れたのは 【一日千円分、「今まで自分が買ったことがあるもの」を出すことができる】能力。 最低限の水と食料を買ったらほとんど残らない。つらい。 買えたとしても異世界で売れるもの、売っていいものってなんだろう? どうしたら異世界で一日千円でやっていけるのか、ほんと悩ましいんですけど! と、最初は微妙だと思っていた能力、試行錯誤して気付いたけど、これ実はなんだかヤバいスキルなのでは……!? ほら、ハンバーガーって昔、安かった、よね? 59円で買えちゃう!? えっ、こんな使い方もしていいんです? できるってことは仕様ですよね! 巻き込まれで異世界転移したけど、ギルドの依頼を受けたり、獣人の友人もできたり、意外と充実した生活なのかも? 一日千円でなんとか生き抜く、やりくり異世界スローライフスタート!【電子限定!書き下ろし特典つき】

勇者の異世界召喚に巻き込まれて異世界に転生してしまったサキ(氷河期世代の薄給OL)は、リソース残り少ない神からなけなしのスキル──「前世で購入したことのある物を1日1000円分まで取り寄せられる」を授かることに。1000円なんて大したことない、と思っていたが過去の最安値で買い物出来ることに加えて予想以上に小回りの効くスキルのようで……?

「お取り寄せ」系スキルの使い方が上手すぎる

あらすじに書いてあった「ハンバーガー1個59円」の文言が懐かしすぎて、20年前の物価の違い擦っていくジェネレーションギャップ系のストーリーを想像していたのですが、どちらかというと仕様の裏をかいていくスタイルのスキルの使い方が面白すぎて興奮した!!

前世で購入した経験のある物を1日1000円分だけ取り寄せられるというこのスキルを、1000円じゃ大したもの買えないよね→20年前の値段で買えば安くない?→むしろ小分けにして買えばいいんじゃない?→◯円分だけ出すとか出来ます??→あっ水道代ガス代も払ってましたよ私?…というノリで、ものすごい勢いでハックしておそろしく小回りの効くスキルに変貌してしまった。主人公の発想が天才すぎるし1000円縛りのおかげで使い方がキレッキレになってるの面白すぎる。

加えて「お金を使って購入したもの」の範囲が厳密すぎて外食で食べたものは出せるけど購入してないから器が出ないとか、ペットボトルを箱買いの量で買うともれなく段ボールがついてくるとか、当然電気やガスもそのまま出る!……とか、一見不便にも思える仕様を上手に使って想定以上のスキルとして活用していく展開がめちゃくちゃ面白かったです。まだそんな使い方があるのかと。書き下ろしで神様が次々と無茶振りを繰り出す主人公の対応に頭抱えてる姿に笑ってしまったけどまあ自業自得だから仕方ないね。

次巻以降があるなら、ネット回線とかもパケ単位で買えたりしないかな。充電の問題で諦めていたけど昔は600円くらいで乾電池を刺すタイプの充電池安売りしてましたよね。あと面白そうなのはサブスク系とかは上手く使えば悪いこと出来そう。夢が広がるな……。

変に大きくなりすぎないスローライフ感が良かった

めちゃくちゃ使い勝手よくしたスキルを使っても変に話を大きくしすぎず、自分の身の丈にあった形で少しずつ生活基盤を整えていく展開がまた良かったです。戦闘スキルへの転用を考えるのもあくまで護衛目的だし、ギルドの依頼も100均グッズを活用できる清掃関係とか初手の収集止まりであとは農業とかそっちの方向に話が進んでいく。転生先世界の技術が適度に進んでいて、現代のアイテムを使っても劇的な変化を引き起こすようほどの展開にならない塩梅も良いな。

最初の清掃の仕事で出会ったおじいさんとずっと付き合いが続いていったり、徐々に深い付き合いになっていく猫族の兄妹とかとのやりとりも良かった。猫族の兄妹に関しては番外編で彼ら視点の物語が読めるのがまたよかったな。主人公が善意で接すれば同じだけの善意が帰ってきている感じ、それを元手に少しずつ足元を整えていく展開が心地良かった。1冊で綺麗にまとまっているとはいえ地盤を整えた所で終わっていて、主人公のスローライフはこれからだ!!という終わり方だったので続きが読めるのを楽しみにしております。

それはそうと当時の物価もそうだけど(これ30代以上とかじゃないと実感できない時代ですよね…改めて当時の価格頭おかしかったなと思う)、全体的に名前を伏せて出てくる作品がガチ目に古いので若者に通じるか勝手に心配になった。いや、就職氷河期生まれってことは確かにこの辺の作品群が直撃してる世代なので確かにこうなるとおもうし、そこスルーをしても全然面白いから余計なお世話なんですけども!!

消費税導入前の話が一瞬出てくるけど、これとか平成元年なんだな……おそろしや……(時の流れが)。

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脳筋聖女は、すべてを物理で解決する。

 

目指せ、聖女<冒険者!
救国の英雄を父に持つリリスは、前世記憶ありの転生者。でも、そんなこと関係なしに今世を精一杯満喫して、冒険者を目指している。 ところが持って生まれた聖属性のせいで、聖女扱いで貴族学園に通うことに。 事あるごとに「それは私のものだったのに!」を連発する義姉・ケイラや、「気を惹こうとしても無駄だ」と絡んでくる第一王子・アドリアン、その他もろもろ……もう、全部めんどくさい! 実力行使で、排除しちゃっていいね? ってゆーか、しちゃうから!! 退学上等!! 我が道爆走系ファンタジー!!

前世の記憶を持つリリスはひょんなことから希少属性である聖属性の魔法に目覚めて「聖女」候補として認定されてしまう。愛人の子なのに男爵家の令嬢として貴族教育を受ける羽目になり、冒険者になりたいのに貴族学校に通うことに。クラスメイト達はいい子ばかりだけど、リリスのことを毛嫌いしてあらぬ疑いをかけてくる義姉・ケイラや何度否定しても自分に色目を使っていると勘違いしてくる第一王子がよくわからない理由で自分に突っかかってくる。むしろ退学にしてほしいと思いながら撃退していたけれど……!?

女子校ノリの魔法学園展開が楽しい〜!!

転生者としての記憶を持ちながらもこの世界の人間として楽しく生きていこうとする主人公・リリスが冒険者を目指しながら貴族学園でクラスメイト達と楽しく魔法の勉強をする。そこに転生時の記憶に翻弄されて被害妄想にかられた転生者達が(こちらは何もしてないのに)妨害してくる……というお話。

英雄の娘・聖女候補としてのパワー(物理的にも権力的にも)を正しく使って逆境を跳ね除け、早く退学して冒険者になりた〜い!と言いつつクラスメイト達と楽しい魔法学園生活を送る展開がめちゃくちゃ楽しかった!!中級貴族ばかりのクラスなので身分にとらわれることがあまりなく、女子校みたいなノリ(※男子生徒も一応います)でわちゃわちゃ仲良くしてるのが微笑ましい。いや、女子生徒の中でイケメン枠が設定されてたりその中でカップリングとか始まるの絶妙に女子校ノリだなって……。

更に中盤以降は転校生である辺境伯令嬢・レイヴンが登場し、主人公であるリリスとの女女バディ関係が肝になってくるので更に楽しい。良くも悪くもリリスと渡り合えるキャラがいなかったところに対等な実力のキャラが投入されたらそりゃ面白くないわけないよな。

魔法学園パートは序盤から大変楽しかったですが、特に後半の野外演習の話がキレッキレでめちゃくちゃ楽しかったな。良い意味で気を張っている人間がおらず、ちょっと世知辛い魔法使いの立ち位置を愚痴ったり着いてきてくれた貴族の騎士のおぼっちゃんのなんの気の無い発言にその世知辛さを再認識したりしながらも全力で自分達の出来ることを楽しんでいる様子が良かった。魔法大会で1位になる予定の先輩に全力で忖度してみんなで雑な魔法を披露していく展開も面白い。

ざまぁあり異世界転生ファンタジー展開が、予想以上に重い

そんな学園生活パートがめちゃくちゃ楽しい反面、並行して他の転生者とその仲間たちが主人公に難癖をつけ、勝手に自滅していくざまぁ物的な異世界転生ファンタジー展開が進んでいく……んだけど、相手があまりにもとにかく話が通じないし嫌がらせが稚拙で見ていてツラかった。登場人物たちが容赦ないくらいにマトモな感性を持っているため誰も彼女達の味方をしてくれなくて……もう1ミリも同情の余地はないんだけど相手にされてなさすぎてかわいそうにすら思えてくる不思議。

前世の記憶にこだわらず現在の世界で自由奔放に生きようとするリリスと、自分の知っている前世の記憶と現実の違いを受け入れられずに徐々に被害妄想に囚われて意味不明な行動を繰り返してしまう他の転生者達という対比が浮き彫りになってくるとますますしんどさが増してしまう。転生周りの設定が予想以上に複雑そうというか人の心がなさそうで、これはこれでちょっとダークなざまぁ要素ありの異世界転生ファンタジーとしてはめちゃくちゃおもしろいんですよね。な〜んか多分これ第三者の介入みたいなのありそうだし、なんなら「異世界転生」という最初の設定自体がひっくり返される可能性すらありそうで先が読めない。

タイトルは原題のほうがしっくりくるかも

そんなわけで女子のわちゃわちゃ・女女バディが楽しい魔法学園展開とちょっとダークなざまぁ系異世界転生展開の2本柱で進む物語でどちらも最終的にはおもしろかったんだけどあまりにも2つの面白さが相反していて、特に序盤はざまぁパートきつくない!?思ってしまった。

中盤になって転生者達の認識のズレが見えてくると一気に面白くなるんですが、特に序盤はなんかもう義姉・ケイラのやることなすこと全部が裏目に出ていく展開を読んでいかなければならなかったのでキツかったし、いくらケイラの自業自得とはいえ……くらい周囲が塩対応なのかわいそうに思えてきてしまう。母親だけでもケイラの話ちゃんと聞いてあげたら変わってたんじゃないですかねこれ。まあ第三者の介入がありそうなので、どうにもならなかったかもしれないけど……。

「脳筋聖女」ってタイトルからもっと爽快に主人公が暴れまわる話を期待していたのもあるかもしれない。個人的には原題の『聖属性の魔法使いの私、ドアマットヒロインと悪役令嬢から難癖つけられるけど知ったことかと我が道をゆく』のほうがしっくりくる……この話、いうほど物理で解決してないよな……。

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VirtuaReality FighterZ ─空手王者がVR格ゲーに挑んだら?─

 
hncl

空手最強少女 × VR格ゲー = 天下無双!?
 時雨はかつて次世代型対戦格闘ゲームVRF(Virtual Reality Fighting)のプロシーンで頂点に君臨していた神童だったが、十年経った今は昔の話。成績はどん底まで低迷し、ゲームへの情熱を見失いかけていた。そんな彼の進退は、師弟タッグ型大会『MDC』の結果に託された。  負けたら即プロをクビ――命懸けの一戦だが、時雨は何と門外漢の空手王者・自称『地上最強の女子高生』纏火を弟子に迎えて挑むことに!?  誰もが無謀と笑うこの戦。しかし、世界は今に驚くはずだ。この異世界から来た破天荒な天才少女と魅せる、背水の逆転劇に! 「──暴れてやろうぜ、ぐれ兄。あたしと組めば最低でも優勝だッ!」  灼火繚乱のVR格闘ゲーム活劇、ROUND1──FIGHT!

かつてVR格闘ゲームで三連覇を成し遂げ神童と称されていた時雨。それから10年が経ち、成績の低迷を理由に崖っぷちに追い込まれた彼がゲームセンターで出会ったのはゲーム初心者の空手少女・纏火だった。プロゲーマーとしての進退を懸けた最後の大会を、彼女との師弟タッグマッチで挑むことになり……!?

ゲーセンのヤニの匂いを感じる、最新VRゲームの物語

ヒリつく勝負を求めて新たな世界にやってきた空手少女と自身のスタイルを見失って成績低迷する堕ちた元最強。そんなふたりが師弟としてVR格ゲーの頂点を再び目指す物語。暑苦しいくらいへの勝利への執着をバチクソにぶつけ合う展開、そして最新のVRゲームを題材にしながらもそこかしこから臭ってくる懐かしきゲーセンのヤニの匂い……新しいものと古いものが交錯する物語が超超楽しかった!!!

昔ながらのボタン入力で戦うオールド格ゲーマーと格ゲーを体感型ゲームとして遊ぶ新人類のお話になってるのがまずめちゃくちゃおもしろいんですよね。確かにVR格ゲー登場したとして、過渡期は絶対そうなりますわ……全然別ゲーになるし、ゲームに求められる適性も全く違ってしまうはずだし。

そして格ゲー初心者だけどリアル空手では最強な纏火がリアル空手スキルでVR格闘ゲームを無双する!!という単純な話でもない(そういう要素もある程度はある)。最初から物凄く下駄履けてはいるけど、現実にはない動きやボタン入力との両立で戸惑うことになる。これもわかるわ……リアル楽器やってる人ほど逆に同じ楽器を題材にした音ゲーなれるのに時間かかったりしますもんね……。

この主人公面倒臭え〜!!でもそれが良い!!!

かつてボタン操作の【G】タイプの方でVR格ゲー界を無双し、現在は体感入力を行う【P】タイプに転向したことで長いスランプに陥ってしまっている主人公の時雨。しんどくても醜く足搔き続けるのは今は遠い所に行ってしまったちいさなライバルとの再戦の「約束」のため。そして、【G】タイプではできない【P】タイプの可能性を目の当たりにしてしまったから。そんな時雨が纏火という少女との出会いを通して改めて自分の勝利への渇望と向き合い、格ゲーを始めた原初の気持ちを思い出していく……という展開がとにかくアツかった。

とにかく初手から時雨の勝負に対するこだわりが強すぎてこいつめんどくせ〜!!!ってなるんだけど、その面倒くささが良い。そして彼とコンビを組む纏火も同じような面倒くさいこだわりを持っているタイプの女子なので似た者同士な発言多くてニヤニヤしてしまう。この面倒くささはもう大好きなやつですわ〜!!となってしまう。

この時雨の面倒くさい拘りも、全ては格ゲーが大好きだから。自分がぽっと出のニューカマーにボッコボコにされようが成績低迷しようがゲームの新たな可能性を見つけたら目を輝かして喜んじゃってる姿にもう苦笑しかできないし(少なくてもプロゲーマーのありかたとしては正しくはないのよね……)、そんな彼が纏火と出会い、ライバル達との対峙を通して初心を思い出し、再び最強を目指して自身を取り戻すクライマックスがめちゃくちゃ良かった!!しかも、低迷していた間の経験すらも糧にして。こんなん嫌いなオタクいないでしょ……!!!

暑苦しいほどに熱い物語が最高に楽しかったです。1巻で綺麗にまとまってる感じはあるけどまだまだやれますよねえ!!というか纏火ちゃんの格ゲーマーとしての覚醒も見たいし、まだまだ本戦も残っているし……で見どころはまだまだありそう。続きが出るのを楽しみにしております。

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織田ブリュンヒルド信長は天下のナナメ上を征く

 

1543魔法伝来! 愛と勇気と時々えっちな戦国浪漫ギャグ!
 時は戦国。魔法指南役の青年・夜半が清洲の街で出会ったのは、金髪青眼の美少女・ブリュンヒルド。成り行きで借金を肩代わりしたことで、彼女は助手として魔法指南の旅についてくるようになり…… 「俺はお前に借金を返してもらうこと以外に興味はないよ」 「ヒドイです先生! 金がなくなったらポイっだなんて! 男の人っていつもそうですね…!」 「金がないどころかマイナスなんだよ! 早くゼロに戻してみろよ。ご自慢の屋台でさ!」 「……ところでなんだか懐かしくてエッチな匂いがする、電撃っぽくないラノベ「おい馬鹿やめろ!」  米に異常に執着する丹羽長秀、魔法を使うと全裸になる井伊直虎、あはれ(エッチ)を愛する千宗易、魔法少女になりたい今川義元(おっさん)を巻き込んだ大戦国ギャグ異聞譚が幕を開ける!

一部の少女達が「魔法」に目覚めて一騎当千の力を手にし、織田信長が桶狭間前に生命を落とした架空の戦国時代。魔法指南役として各地を放浪していた青年・夜半は清洲の町で金髪碧眼の少女・ブリュンヒルドと出会い、なぜか行動を共にすることに。ブリュンヒルドに振り回されながら続ける旅の先で出会う戦国武将たちは誰も彼もがちょっとおかしくて……!?

戦国時代×コメディ×魔法少女の混沌マリアージュ

事前の宣伝と初手で突然織田兄弟のサッカー対決が始まったもんだからもっとトンチキ全振りな話を想像してたんですけど、思った以上に真面目に仮想戦国時代やってて、アツいところではアツく、でも振り切れる所はめちゃくちゃに振り切れてくるのがとても楽しかった!

魔法に目覚めて「魔姫那」と呼ばれるようになった少女たちがこの戦国の世で「兵器」にならないよう導こうとする「魔法指南役」の主人公・夜半。そんな夜半の前で歌と踊りで争いを鎮めて一筋の希望を見せてくれたブリュンヒルデ。正反対のふたりがあらゆる所でドタバタ騒ぎを巻き起こしながらも同じ目的のため進んでいく姿がとても良かったです。ブリュンヒルデに関してはとにかく終盤で行われるタイトル伏線回収がアツいんですが、すかさずそれを自らネタにして笑いを取りに行くの、そういうとこ(好き)だよ!!

そして史実ネタが絶妙にわかるひとは知ってるくらいのネタ多くて嬉しい。当方学校の日本史の授業や大河ドラマで見たくらいの知識量ですが楽しく読めました。織田&豊臣周りは今年の大河でちょうどやってる所に近いのでタイミング良いし、井伊直虎の話なんかはいつかの大河見てたら割とゲキアツ展開なんだ……。

今川義元や日吉(豊臣秀吉)なんかは絶妙に懐かしのミーム感があって麻呂だったりサルだったりするんですが、義元がただの麻呂ではなく時代を読めるキレモノとして描かれてもいたり、日吉のオールラウンダーでかつ時折底のしれない感じ(ただし主君を裏切る方向ではない)も良かった。日吉は姫の代わりにあはれ(※エッチの意)担当なの笑ってしまいましたが……!!!

主人公達も史実キャラも含めて兎に角キャラクターが魅力的な作品で、ギャグと歴史と魔法バトルやりたい放題やりつつその塩梅が絶妙で、大変美味しい作品でございました。

それはそうと、本当にキャラクターに関しては誰も彼もが魅力的な作品だったのですが個人的には生前の織田信長と主人公の夜半のやりとりがあはれすぎるので今後もちょくちょく不意打ちで挿し込んできてほしい。いや私こういうぐいぐい来る感じでワイルドでちょっと脇が甘い感じの攻mもとい男が自分にはない物を持っている相手の真っ直ぐさに絆される展開が大好き侍と申す者でして……。

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ハズレ姫は意外と愛されている?〈下〉 〜前世は孤独な魔女でしたが、二度目の人生はちょっと周りが過保護なようです〜

gacchi
 

王配問題に隣国との開戦……最強愛され王女に史上最大の危機到来!?
九歳で前世を思い出すまで「ハズレ姫」として虐げられてきたソフィア。カイルやクリスとともに様々な問題を乗り越え王太子となった彼女は、学園の三年生に。 卒業まであと半年となったある日、級友のダグラスが突如学園に来なくなってしまう。心配したソフィアはダグラスを訪ねるが、なんとそこから王配問題に発展していき――? そして、隣国ココディアからまさかの宣戦布告!  誰もが開戦を覚悟するなかソフィアは起死回生の一手を打つが、それは秘密にしていた前世にまつわるもので――。 この難局を乗り越え、ソフィアは無事に戴冠式を迎えることができるのか?  虐げられ王女の痛快逆転物語、堂々完結!

「ハズレ姫」として虐げられてきたソフィアは「魔女」として生きた前世の記憶を取り戻したことをきっかけに様々な逆境を覆し、王太子に。護衛騎士のクリス&カイルをパートナーに選ぶ。女王として即位するためには彼らの他にもうひとり王配になってくれるパートナーを選ばなければならないが、クラスメイトのダグラスの悩みを聞いているうちに予想外のところから3人目の王配の話が飛び出してきて……!?

対外交渉メインの回で楽しかった〜!

前巻は身内の膿を出して地盤を固めるターンという感じで割とモヤつく展開もあったのだけど、今回は国家としての体制を固めて他国とやり合うターンに移行してめちゃくちゃ面白かった〜!

カイルの故郷であるアーレンス領の独立問題から始まりソフィアの母の実家である隣国ココディアとの対立、ココディアと対立する過程で関係を深めることとなったルジャイル……と、様々な問題に対してあの手この手で対処していく展開がとても楽しかったです。展開としては勢いのまま内乱・戦争状態に突入してもおかしくないような状況が何度もあったのに、これまで目を背けてきた前世の「魔女」としての自分にカイルとクリスと共に向き合い、前世知識を含めて使えるものは全て使いつつ基本は知略でなんとかしていく展開が良かった。

敵も前巻と比べてマイルドというか、前巻に引き続き常識が行方不明なヤバい人達は引き続きヤバいのですがどちらかというと彼らの近くで翻弄される良識がないわけではないが長いものには巻かれてしまう者達の視点が多くなったのが印象的でしたね。ココディア王替わりの話も面白かったけど、カイルのひとつ上の兄・クラウスが上の世代によって誤った認識を植え付けられて来たアーレンスの領民達の常識を壊し、それを受け入れられない者達は排除し、根本から立て直そうとする話がめちゃくちゃ好きです。

イライザをはじめとして前巻に登場した「ヤバいやつら」がおおむね自分の認識を変えられないまま悲惨な末路を迎えてしまう展開にはなんとも言えない気持ちになりました。そこを思うと最初から最後までずっと全ての火種であり続けながら物語には直接登場しないまま終わったソフィアの母親色々な意味ですげえな……彼女もココディアがたどった道を考えると幸せになれてはいない気がするんだけど、結局何を考えてそういう行動を取ったのかもわからないまま退場する感じ、一番の難敵だったような気がします。

ソフィアとクリスとカイル、「3人でひとり」の関係性が良かった

激動の時代の中でソフィアはついに3人目の王配を選び、女王即位のための準備を進めていく。3人目の彼、色んな意味でそこしかないよなという感じではあるのですが下手に絡ませたらクリスとカイルの所に割り込んでいくことになるのでどうなるんだろうと心配していたのですが……。既存の関係を一切壊さない形で「3人目の王配」として入ってくるの凄い。思い返せばクリスが恋愛抜きで王配に選ばれている展開が先にあってこそという感じもする。

ルールを逸脱せず3人の王配をきちんと選びながらも3人が全く別の感情・それぞれの理由でソフィアの隣にいる。あらゆる面で納得できる4人になっているのが印象的でした。

そして恋愛面ではカイルとソフィアの1対1の恋物語であることを貫きながらもその関係性を語る上で切り離せないほどクリスがずっと共にあり、ソフィアの前世の話とかも3人で乗り越えて、最終的に「3人でひとつ」の関係性を自覚していく展開がめちゃくちゃ良かったです。うまくいえないけど、「2+1」の関係性じゃなくてちゃんと「3」だったんだよなあ。

カイルの長期間の不在でソフィアだけでなくクリスまでが憔悴してしまう展開に至っては(それ以上に憔悴していたソフィアの治療で魔力を渡していた問題もあったとはいえ)仲良すぎて思わずニヤニヤしてしまった。

すべての役割を終えて今度こそなにものにもとらわれず、3人で幸せになってるエンディングが最高に良かったです。「王」として全てを擲って生きる事を早々に決意していたソフィアだけに、このラストの構図はどんなに見たくても見れないものなのだろうと思っていました。楽しかったです!

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ハズレ姫は意外と愛されている?〈上〉 〜前世は孤独な魔女でしたが、二度目の人生はちょっと周りが過保護なようです〜

gacchi
 

虐げられていた前世の記憶持ちの王女ですが、私……意外と愛されていた!?
ユーギニス国第一王女のソフィアは、九歳にして魔女の前世を思い出した。二百年前、孤独な生涯を終えるなか最期に願ったのは「次の人生は覚えた魔術を使って幸せに暮らす」こと。 でも、今の自分は「ハズレ姫」と呼ばれ、城の使用人からも虐げられて栄養失調状態。魔術は使えるし、祖父である国王陛下に訴えて、改善されなかったら王宮を出て行こうと思っていたけれど……あれ? 私、意外と愛されている? 孫が大好きな国王やちょっと過保護な美麗騎士たちと紡ぐ、虐げられ王女の痛快逆転物語、開幕!

国を守る結界の礎となり、ひとり孤独に死んだ魔女。転生後9歳になって前世の記憶を取り戻すが、今生では王太子の座を狙う叔父一家から「ハズレ姫」・ソフィアとして虐げられる孤独な生活を送っていた。ダメ元で国王である祖父に境遇を訴えてみたところ、すぐさま動いてくれることになり……!?

家族から愛情を貰えなかった子供達のものがたり

転生先で虐待を受けていた王女が前世の記憶を思い出し、自分を愛してくれる祖父や護衛騎士の少年たちと共に逆境を跳ね返して幸せになっていく物語。コミカライズで序盤だけ読んで転生チート要素ありのざまぁ……?と思いながら手に取りましたが、主人公が前世ボーナスに胡座をかくこと無くたゆまぬ努力と民を思いやる心で立派な王太子になっていくのが凄く良かったです。そして彼女と同じように問題のある家庭で育った護衛騎士のふたり・クリスとカイルが時にはお互いの傷を癒やしながら支え合っていこうとする姿に胸が熱くなりました。どちらかというと家族からまっすぐな愛情を受けられずに育った子供達のひたむきな努力が報われていくというお話でした。

国に女王が立つ場合トラブル防止のため王配を3人選ぶ……というともすれば逆ハーレムにもなりそうな展開にびっくりしたのですが、王配候補であるふたりが明確にそれぞれ違う名前のクソデカ感情をソフィアに向けているの良かった。恋愛的な展開もあるのですが1対2とかにはならない形で、家庭環境もあり感情面での発達が未熟なソフィアを見守りながら決して急がず自分達の歩調で絆を深め合っていこうとするのが良かったです。

一方、彼らと敵対していくことになる従姉妹のイザベラや隣国の第三王子ハイネスなどもやはり親から歪んだ愛情を貰って歪んでしまった子供達で……過酷な境遇を耐え抜いた主人公達と自らも歪んでしまった彼らの対比がなんというか……決して相容れない彼らの心の断絶が胸に刺さる。ざまあというほど主人公側から感情の動きがあるわけではなく、ただただ深い断絶を感じるのが印象的でした。

敵がみんなおろか!!(おろかなことに説得力はある)

全体的に凄く良かったんですが、主人公サイドが皆ものすごくクレバーなのに対して対決する敵やライバルが最低限の常識も持ってない感じでおろかな上に複数回似たようなヤバいやつがでてくるので、もう少し骨のあるライバルはいませんか!!ってなる部分はかなりある。いやもう、一つ前で語った通り家族の愛情をまっすぐ受け取れなかった子供達と彼らを歪ませた親達の話だからそうなるのもさもありなんではあるのですが……!!

話の全く通じない相手がありえないことを言い出して主人公陣営が「は??」ってドン引きするまでがテンプレで、これが何回も繰り返されるのが個人的にはちょっと食傷気味だった。このレベルの人は1冊に3人くらいまでにしておいてほしい。

ただ、冷静に考えると主人公の祖父である国王は賢明ではあるけど壊滅的な人手不足で手が回らずブラック労働状態になっており、その国王を支えないといけないはずの前王太子や高位の貴族達が残らず腐って甘い汁を吸っており彼らの作った慣習が下まで行き届いているみたいな状況なので、まぁこうなるのもちょっとわかるんですよね……周りがみんな常識なかったらそれが常識になるんだな……彼らが「おろか」な理由の説得力がある……。

主人公もほっといたら抱え込むタイプだとお見受けしたので護衛騎士のふたりをちゃんと頼って無理のない国づくりを目指して欲しい。適度な勤労で幸せになれ!!

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ただの後方腕組転生者、うっかり勇者に拍手を送ったら黒幕扱いされる。

 

ただの勇者ファンなのに……うさんくさすぎて“黒幕”認定!?
転生者エモ・スギルは勇者の大ファンである。 陰ながら応援していた彼も、勇者が魔王を討ったその時だけは、感謝の拍手を送ろうと一歩踏み出して―― 「素晴らしい。まさかこれ程とはね」「お、お前は……?」 張りついた笑みとうさんくさい言動から、勇者に“黒幕”だと誤解され!? 国から指名手配もされて逃亡生活が始まるも、 「第二の人生はあなたに捧げますわ!」 世を忍んでいた悪役(ヴィラン)たちが次々にそのカリスマオーラに心酔! 勝手に“組織”のトップに祭り上げられ……? ただ黒幕っぽいだけのモブ転生者が、勇者(推し)と世界に絶望をもたらす――ちょっぴりダークな勘違い系ファンタジー!!

勇者の「大ファン」で勇者パーティを「陰ながら応援」していた転生者のエモ・スギル。魔王を倒した彼を見て思わず後方から拍手を送ったら……なぜか勇者に魔王の裏にいた黒幕だと勘違いされてしまう!?

エモ子それ「勘違い」やない、言葉が足りないって言うんや

いや面白かった……主人公がそのうさんくささや言葉の足りなさからあらゆる場面で誤解され、本人の思惑とは逆方向にオオゴトになってしまうという勘違コメディ。勇者の応援をしているはずが気がつけば魔王の元側近やら封印されていた魔神やらとにかくヤベえ奴らに(勘違いで)心酔されてしまって本当の黒幕のような状態になってしまう話をコメディと言わずなんと言おう。嘘は言ってないです。

この手の自身は何も持っていない主人公がスゲえ奴らから勘違いされて彼らのリーダーに……みたいな話ってなんというかこう、ハッタリとか嘘がいつバレるかわからない綱渡り感とかそういうのがある程度あるもんだと思うんですけど、これはマジで素でやってる上に勘違いされてることすらロクに気づいてないのだからたちが悪い。なんならこの主人公、最初から最後まで勇者がなんで自分のこと指名手配したのかも解ってないんですよ。

本当に本人は最初から最後まで「ファン活」をしているつもりなのに、気づけばその自称「ファン活」のとばっちりで大変なことになってしまう推し(勇者)と世界が本当に滑稽……かわいそ……怖……面白かったです。

意思疎通出来ないのもここまで行くとホラー

勇者と一般人の異世界勘違いコメディ──だと最初は思って笑いながら読み進めていたわけなんですけど、読めば読むほど「勇者の大ファン」と評しながらも勇者自身の心情を一切理解しようとせず、勇者の言葉を自分の都合のいい方向だけに解釈して喜んでる主人公が不気味に思えてくるし、いっさい意思疎通が図れないの怖くなってくる。主人公の一人称なのにこんなにも主人公の言動が一切理解できない事ってある!?

しかもタチが悪いのは主人公にとってはあくまで勇者さえ「応援」できれば他はどうでも良いという部分。主人公が勇者を「推してる」せいで次々と破滅していく勇者の周囲。そしてそれらを破滅させた元凶である、何を言っても勇者の事を好きだと嘯く謎の男。こんなん勇者じゃなくたって発狂するわ。

いっそ主人公が勇者に執着するあまり彼に近づく者全てに害意を持ってるとかならわからなくもないんだけど、別にそうじゃないんですよね……主人公にとっては勇者が大事にしているものとかはマジでどうでも良いし、視界に入ってないというか。考えるととてつもなく盲目的な執着とクソデカ感情を見せられている気もしたんですけど、それ以上に人間として当たり前に持っているはずの何かを欠落させてしまっている感じが凄いというか。

主人公の引き起こした事態が笑い事じゃなくなったあたりから徐々にサイコホラーみでてきて、この物語のジャンルが「ダークファンタジー」と書かれている理由が理解できました。いやこれもう一周回って本当にこの主人公って勘違いじゃなく普通にヤバいヤツだとおもうんだわ……お仲間の皆さんも勘違いじゃなくてそういう主人公のヤバさを感じ取って集まってきてるんじゃない……?

そして色んな意味で先の読めない終わり方で、面白かったんですけど早く続きが読みたいってなる。いやこれ早急に2巻決まってよかったな……。

スニーカー文庫さんの紹介漫画商法上手い

ツイッターでどなたかの感想が万バズして話題になった本作ですが、個人的にはその流れで私のTLに流れてきたプレビューコミックがめちゃくちゃ面白かったので手を取った感じでした。スニーカー文庫さん、前に「誰が勇者を殺したか」のプレビューコミックも凄い良かったと記憶してるんだけどこの方向のマーケティング上手い人が居ますね……?

プレビューコミック、胡散臭い糸目男子キャラに定評のある作家さんにお願いしていて(興味のある人は「妖しいね☆わたしの弟ギョーメイくん」を読もう)どこの属性に刺したいのかはっきりしていて好感度高かったです。いや本当にこのエモくんは胡散臭いな……!!!

ここまできたら公式PVにはなんとしても石田彰さんを呼んでもらわないとと勝手に思っている。

話題のエンタメ小説・ライトノベル作品を漫画でざっくり紹介する『イントロ漫画』企画。今回はスニーカー文庫刊行の『ただの後方腕組転生者、うっかり勇者に拍手を送ったら黒幕扱いされる。』(著:森空亭/イラスト:sinsora)をピックアップ。丸尾ろこミさんによる漫画を読んで気になった人は原作情報もチェックしてみよう!

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