今日もだらだら、読書日記。

悪役令嬢の中の人

 

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したエミは、ヒロインの《星の乙女》に陥れられ、婚約破棄と同時に《星の乙女》の命を狙ったと断罪された。婚約者とも幼馴染みとも義弟とも信頼関係を築けたと思っていたのに……。ショックでエミは意識を失い、代わりに中からずっとエミを見守っていた本来の悪役令嬢レミリアが目覚める。わたくしはお前達を許さない。レミリアはエミを貶めた者達への復讐を誓い――!? 苛烈で華麗な悪役令嬢の復讐劇開幕!!

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Twitterで流れてきたコミカライズの1話目の続きが気になりすぎてなろうを探し、そのまま書籍版も手に取りました。乙女ゲームの悪役令嬢に転生・憑依し、持ち前の人の良さと暖かい心で破滅ルートを回避しようとしていたのにもかかわらず何故か婚約破棄言い渡されてしまったヒロイン・エミに変わって再び身体の支配権を取り戻した悪役令嬢レミリア。エミの暖かい心に触れて彼女に想いを寄せるようになっていたレミリアは、追放された先でエミの望んだ平和な未来を目指すために動き出し、その一方でエミに害をなしたゲームヒロインや攻略対象達に復讐しようとする……というお話。

愛を知って最強になった悪役令嬢(中の人)による復讐劇

愛を知らなかったばかりに破滅するはずだった悪役令嬢が運命共同体となった転生ヒロインによって愛を知り、改心する……のではなく、悪を知らずに破滅するはずだった悪役令嬢が愛を知ってもっと狡猾で完璧な悪女になる、というのがとても良かった!身体の支配権を取り戻しても「エミの理想の《レミリア》」を完璧に演じきる彼女は外面は文句なしの善人で、数々の正義を為し、善行を重ね、世界を救っていく。その反面、周囲には一切悟らせない、自らの手は汚さないままに周囲の人間を動かすことでエミを追い詰めた人間たちを陥れていく。完璧な形で復讐を成し遂げた彼女がエミへの深い執着を覗かせるラストがたまりませんでした。自分の中で眠りにつくエミと対話する=身体を与えるために嬉々として非道な人体実験を繰り返していくその姿、そしてエミが肉体を得た後の猫かわいがりっぷりというか本来なら叶えられないようなエミの悩みが 何 故 か 次々と解決していくこの展開……や、ヤンデレじゃないですかやだ〜〜!!!(※褒めてる)

本性バレ・逆ざまぁ的な展開があるのでは…とビクビクしていたのですが、あとがき読んだら「本性がバレることは一生ありません」と書いてあるので安心。

乙女ゲーム転生というより転生要素のある「憑依」モノ

転生令嬢の物語でありながら、彼女達が憑依したキャラクターの中に肉体の主導権を奪われた「中の人」の意識が残留している……という設定と、その設定を生かした上で全員に焦点を宛てていくという、いわゆる「憑依モノ」的な展開が面白かった。エミとレミリアの関係は本編でも語られますが、後日談として語られるゲームヒロイン側であるピナと転生者であるリィナの関係がしんどいというか……元々乙女ゲームヒロインになるまでのピナの半生が過酷なだけに、どうしてこんな仕打ちを受けなければならなかったのか……という気持ちになってしまう。霊魂となった彼女がレミリアに救われるところは感動的なんですが、レミリアはレミリアでめちゃくちゃどす黒い思惑があって……いやでもまあそのどす黒いあたりはピナ本人には永遠に伝わらなかったわけだし……Win-Winだと思えば彼女に救われてから先は悪い人生ではなかったのかな。

ベースとなる世界観は乙女ゲーム……というか乙女系ソーシャルゲームという設定なのですが、ゲーム内では絶対的な効果を発揮するはずの「課金アイテム」が現実であるこの世界ではどういう扱いになっているかも面白かったです。ライバルであるゲームヒロインのピナ(リィナ)は課金アイテムを使うことでエミの築いた攻略対象達との絆を奪い去っていくんだけど、実は彼らもゲームヒロイン自身の事を好きになっているのではなく、エミへの愛情を歪まされてゲームヒロインに傅いていくことでわざとエミを傷つけ、その姿に愉悦を感じるようになっていく……という関係性があまりにも虚無だし、どす黒い。これ多分リィナの視点から見たら薬の力で調教され、身体だけじゃなく心まで屈服していく攻略対象達みたいな……○辱系エロゲー路線な感じで映ってたんだろうなあ……。

ゲームでは雑に利用できた好感度アップアイテムが現実だと個人の好みとか使用する状況とか相手との関係性によってちゃんと力を発揮しないというのも洗脳アイテムで心までは奪えない事も冷静に考えてみりゃ当たり前なんですけど、既に「現実」となったこの世界を最後まで「ゲーム」としか認識できなかったリィナが滑稽で哀れ。ゲーム内では通用した「金に明かした廃課金プレイ」では何も得ることが出来ず、結局エミのように地道な努力を重ねていくしかないという展開には考えさせられるものがありました。いやでもソシャゲ運営側としては課金プレイヤーがいないと採算が取れないみたいな部分もあるはずなので……まあリィナは相当痛いファンだったみたいだからどう思われてたかはわからんが!!

一貫して誰からも愛されなかったリィナが少しずつ全てを奪われて失意のままにレミリアの手の中の生き地獄に堕ちていく展開はゲームでのレミリアの末路を擬えているようで、なんともいえない気持ちになる。これだけ肉体関係を駆使して周囲を籠絡したりもしてるみたいなのに、攻略対象の誰とも肉体関係はなかったみたいだしな。これ、エミが知っていたらそれこそ感情移入してしまったのかもしれない……まあエミは何も知らないままだったんだけど……。

なろう版も併せて読みたい

「小説家になろう」版では尺の都合で削られたと思しき王子以外の攻略対象視点の話やレミリアの侍女・スフィア視点での番外編なども掲載されているので、本編が面白かったという人はこちらも合わせて読むのをオススメしたいです。というか攻略対象視点の話はページ数増やしてもいいから全部入れてほしかった。書籍版でもざっくり経緯は語られるのですが、全員が完膚なきまでにピナ(リィナ)に気がなかったことがわかってなんとも言えない気持ちになるので。あと、レミリアの実験台にされた人たちの話とリィナ視点の番外編の胸糞悪さが最高。
R15 残酷な描写あり ガールズラブ 乙女ゲーム 悪役令嬢 ざまぁ ヤンデレ 主人公にとっては ハッピーエンド

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とりあえず伝説の勇者の伝説4 魔力のバーゲンセール

 

無節操脱力系ファンタジー第四弾!
伝説の勇者の遺物を探すという使命はどこへやら、グータラな日々をおくるライナとフェリスの前に本当の勇者が現れる?絶好調短編集の第四弾!

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イエット共和国で引き続き勇者の遺物の探索を続ける……とは名ばかりに割と楽しく(?)日々を送るライナとフェリス。そんな彼らの前に“勇者”本人の噂が舞い込んできて…「伝説の勇者の伝説」シリーズの幕間のエピソード+書き下ろしの過去編を収録した番外編短編集第4巻。

ライナ、働く(働けてない)

いろいろな意味で怠惰が服を着たような男・ライナがフェリスに食費を絞られて空腹のあまり泣く泣くレストランでアルバイトする「わーきんぐ・ぶるーす」が色々と凄い。でも予想通り働けてなかった。面倒くさくて動かないところまでは割と予想できる感じなんですけど厨房担当に回された時のメシマズの理由が「動きたくないから遠くにある食材を使わない/動いて取れる距離の食材で済ませる」であまりにも斬新すぎる…レシピ通りに作らなくてマズい、は定番ですけど流石にその理由は予想できなかった。いやでもさすがにこれはさすがに虐待では……フェリスちゃんとライナに餌あげて!(ライナは犬ではない)

あと、エステラからの依頼でフューレル姉弟の祖b……伝説の魔獣を倒しに行く「がーでぃあん・モンスター」がめちゃくちゃ好き!!こういう人間なのに人間の範疇を超えてる謎の超人が出てくる短編めちゃくちゃ好きで!その伝説のまじゅ……お婆ちゃんが姉弟に対して行った意趣返しがまた絶妙で、二人の反応にもニヤニヤしてしまった。それにしてもヴォイスきゅん無敵の人か?

過去編思ったより酷くなくて良かった

書き下ろしの過去編「ジュルメ、最後の授業」は前巻の過去話の1年後、互いに切磋琢磨しながらも気心の知れた間柄になっていった天才児3人だが、訓練所の卒業試験はお互いを殺しあわせて最後の1人のみが卒業できるという残酷なものだった。師匠であるジュルメは彼らを逃がそうと独り奔走して……というお話。

2巻の過去編があんなだったしタイトルが「最後の授業」だしでもう重たい想像しかできなかったのですが思ったよりも救いのあるお話で良かった。いや、もうタイトルでビビりまくってるところに短編の方で勇者の遺産によってライナのトラウマが掘り起こされる「ぷりしえんと・ますく」とかありましたし。いやでも何回も絶望的な未来を想像させるようなひっかけがあって生きた心地がしなかったし、感情のジェットコースターが凄い。結局ライナがローランド帝国から逃げられるわけではないんだけど、まあアレやらコレやらの展開にならなかったのは本当に良かったよね…。

厳しいけれど愛情を持ってライナ達に接するジュルメ、昼行灯に徹して革命の時機を待つラッヘル・ミラーという元同期の二人の関係性も良かったです。というかミラー確か現在軸だと結婚してましたよね。ね!!!(思わずWikipediaに調べに行った顔)

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とりあえず伝説の勇者の伝説3 暴力のファーストコンタクト

 

なげやり感覚の脱力系ファンタジー
「勇者の遺物」を求め、遙か辺境の国イエットへとやってきた無気力一代男ライナとだんご至上主義者の美女剣士フェリス。異常が日常となっているこの国になんとなくなじんでしまった彼らは今日もグータラ生きてます。

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命からがらイエット共和国にやってきたライナとフェリス(と割と普通に別の船で入国してきたミルクと愉快な仲間たち)。早速「勇者の遺物」の調査を開始しようとするが、イエットは強くなければ生きていけない、弱肉強食の世界だった。「伝説の勇者の伝説」シリーズの幕間のエピソード+書き下ろしの過去編を収録した番外編短編集第3巻。

こいつら、まるで仕事する気がない!

強盗のアジトになっている宿がフェリスやミルクの破壊行為によってめちゃくちゃにされる「でんじゃらす・ないと」から続く一連のイエット共和国編のインパクトが凄い。ミルクさんがいつのまにか、理由もなく威力の高い広範囲魔術で周囲に破壊を振りまく困った人になってる気がするんですが!?強くなければ生きていけない弱肉強食の世界・イエット共和国……裏を返すと強者には生きやすい世界ということで、ライナもフェリスもミルクも普通に順応してしまっているのが面白かった。あと、本編や前巻の過去編で描かれたローランドの所業が鬼畜すぎるので、イエット共和国の治安の悪さとか意地の悪さとか割と可愛く思えてしまうんですよね。もう3人ともイエットに移住して楽しく暮らしちゃいなよ(本編を全否定するな)。

それにしても、前巻からそういう兆候あったけど、ミルクはライナしか見てないし忌破り追撃隊の面々はミルクのことしか見てないしフェリスはだんごしか見てないし……で、本当で誰も仕事する気がなくなってきた気が。ここまでくるとライナが一番仕事する気ある。互いの欲望のために暴走する女性陣に振り回されてて気がついたら一番真面目に仕事してるライナは強く生きてほしい(なお仕事をする気があっても仕事ができてるとは言ってない)

いろいろな意味でこれまでの巻と比べても暴走ぶりが激しく楽しい巻でしたが、個人的には路地裏に捨てられた猫を定点から観測する「すとれい・きゃっと」が特に好き。オチはまあいつも通りの女性陣のド付き合いなんだけど、捨て猫を前にさりげなく乙女チックな未来の夢を語って赤くなるフェリスさんが可愛かった。だんごの味の違いが解る旦那ってもしかして……短編のフェリス、ややラブコメ寄せの波動を感じて可愛いですよね。それにしてもこれだけたくさんの人に声をかけられてるのに結局ライナ以外の誰もちゃんとした餌のくれないの、猫も強く生きてほしいという気持ちでいっぱいになりました。

明るく楽しいけど(?)不穏なフラグが見え隠れする過去編

書き下ろしの「天才は眠れない」はローランド帝国軍に連れてこられたばかりのライナが、同年代の「天才」と呼ばれる少年少女と共にジュルメ・クレイスロール訓練施設で地獄の特訓を受ける話。訓練を受ければ受けるほど自由時間(というか睡眠時間)が削られていって、異常なまでに睡眠への執着を募らせていくライナの姿が印象的と言うか本編でも番外編でもライナが常日頃「寝たい」ばっかり言ってるのこういう理由か〜〜〜!!!いともたやすく行われるえげつない睡眠時間削減の数々に笑ってしまったけど実際にやられる方はたまったもんじゃないですよね。この掌編のライナって一体何徹状態なんだ。

地獄のような特訓の日々を共に過ごすのは訓練所の師匠であるジュルメと、『先天性魔導異常』で能力は高いがプライドが高くワガママな少女ピア、ローランド帝国の実験体として身体能力を代償に『全結界』という力を手に入れた少年ペリア。3人とも特殊な経歴を持つこともあってかライナの『複写眼』にも物怖じせず、むしろ当時のライナには到底届かないような高みから見下ろしてくる。師匠であるジュルメから無茶苦茶な特訓・課題を与えられ、戦闘や魔術の技術を吸収して、(睡眠時間を得るために)時折模擬戦という形でライバルたちと切磋琢磨するという日々はやってることはしんどくてもどこか楽しそう。ライナの心に芽生え始めていた「自分が異常な力を持つ“怪物”だ」という薄暗い認識もなりを潜めていって……お互いに遠慮しない関係になっていくのに胸が熱くなりました。

前巻の重苦しい雰囲気とは違ってかなり明るくて楽しいお話だっただけに、ラストのくだりがもう不穏すぎてもう……そしてそこから短編4巻の書き下ろし章題の不穏な文字列がもう……。

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とりあえず伝説の勇者の伝説2 無気力のクロスカウンター

 

やる気度マイナス100%(前巻比)
超ど級無気力人間ライナと絶世の美女にしてだんご命の剣士フェリス。「勇者の遺物」を見つけだすという当初の目的はどうなってしまったのか?短編5本に書き下ろし中編を加えた脱力系ファンタジー短編集第二弾。

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ルーナ帝国での様々なトラブルを乗り越え(半分くらい自業自得だった気がしなくもない)、隣国イエット共和国に向かうライナとフェリス。山に囲まれているおかげで他国との交流が少ないこの国に向かうためにはとある問題があって……「伝説の勇者の伝説」シリーズの幕間のエピソード+書き下ろしの過去編を収録した番外編短編集第2巻。

チキチキ☆国境突破チャレンジ!!!

ルーナ帝国からイエッタ共和国に向かうためにライナとフェリスが登山に挑む「くらいまー・くらいまー」と登山を断念した二人が一転海路でイエット共和国を目指す「ぱいれーつ・あたっく」のノリがめちゃくちゃに好きだな……いつものフェリスとミルクのどつき合いに、短編のオリジナルキャラ(になるのかな?)のエステラを含めた掛け合いがとても楽しい。っていうか書き下ろしを除くと2巻のラスト、海中で遭難したまま終わったんですがいいんですか!?

あと、ルーナ帝国編は兵士として働いている女性が殆どないせいでフェリスが男性だと間違えられるネタが多くて男女逆転ぶりが楽しいなあとおもっていたら初っ端の「くえすと・いん・ざ・ぱーく」で遂にライナが女装してしまった。挿絵だと背中側しか描かれてないんですけどもう見るからに似合ってない女装なんですよね!!最高だな!!!

現在を知っていると最初から最後までしんどい過去編

書き下ろしの中編「暗殺者の見る夢は……」はローランド帝国軍に暗殺者として使われていた少女・ビオが最後の仕事と言われてライナを殺しに行く話。もう流れからして完全に殺す気で送り込んでますよねとか現在の伝勇伝の物語を知っている限り絶対にこの二人が幸せになれるわけないよねとか色々察してしまえてしかも概ねその通りなのがなかなかしんどいものがある。ずっと人を殺して生きてきたビオが、生まれてはじめて自分に優しくしてくれたライナと共に生きる未来を、叶わない未来を見てしまうのはほんとうにしんどいし、ローランドの軍部がライナにやろうとしてるのいつかの原作でアルアにやられた拷問に近いのがまたこれまでライナが何をやられてきたのか想像できてしまってきついし、彼女の今際の際の行動によって暴走はできないライナ(これもういっそ暴走してしまったほうが楽になれたのでは…という気持ちになってしまうけど、そしたらそれはそれでライナは一生後悔し続けるんだろうしなあ…)がますますしんどい。

もうぜったいこういう終わりになるのは見えてるっていう話なんだけど、覚悟をしてたよりも遥かにやるせない気持ちになるお話でした。それにしてもほんとうにさすが(シオンが革命する前の)ローランド汚い本当に汚い。

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とりあえず伝説の勇者の伝説1 脱力のヒロイック・サーガ

 

やる気がなくなる脱力系ファンタジー
究極の無気力人間ライナと超絶美形の女剣士フェリス。王の命令で伝説の「勇者の遺物」を探す旅に出ることになった二人は、行く先々で無差別破壊を繰り返す。大好評脱力系ファンタジー!

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本編6巻を読んだら明確にこれ本編で語られてないエピソードが間に入ってるよね!?という感じだったので取り急ぎ手つかずだった一旦短編集の方に戻ってきました(6巻の感想は大したこと書けなさそうなので7巻と一緒にやります)。「伝説の勇者の伝説」シリーズの幕間のエピソードを描く短編集です。

本編の別視点や幕間を描く短編集

というか初っ端の「すたーてぃんぐ・れじぇんど」がまず原作3巻のミルクとライナの初邂逅(というか再会)のエピソードになってるんですけど、全く同じことやりながら微妙に視点が違っていて…なんだこれすごいな……。本編の方はミルクの心情が割と多めに入っていてライナに対する執着とかライナの態度に対する戸惑いとかが入っていてややシリアス調、その一方外伝の方はミルク視点は割とバッサリ切り落とされていてコミカル調になっているというか……同じエピソードがなんだかんだと微妙に別の話になってるの凄いな……。本編3巻とこの本のあとがきで「かなり面倒くさいことやってる」って書いてあるけど本当にこれは面倒くさいことをやってるなと思う。

同じく本編3巻クライマックス目前くらいのエピソードを描く書き下ろし「都会は危険がいっぱい」は、エピソード自体は本編とは関係ないのですが3巻を読了済みだと例の遺物で竜が生えちゃった村に他の村の経済が脅かされるくらい観光客が集まってたって話めちゃくちゃ背筋が寒くなりました。いやだってあの村ってさあこのあと……(ネタバレ)

書き下ろし、お話自体はいろいろな意味で強キャラすぎる女性達に振り回されて都会恐怖症になる誘拐犯達の迷走ぶりと、その迷走の結果何故か囚われのヒロイン(笑)と化すライナとそんなライナにわかりづらいデレが炸裂するフェリスが可愛すぎてニヤニヤしてしまうお話でした。いやほんとフェリスのデレはわかりづらすぎて可愛いな……。

ミルク→ライナ・フェリスの追いかけっこが楽しい!

ミルクとの出会い(ミルクにとっては再会)以来、どこにいっても神出鬼没に現れてはライナ達にちょっかいかけてくるミルクと愉快な仲間たちの暴れっぷりにによによしてしまう。「えきさいてぃんぐ・ちぇいさー」で敵のはずのネルファの兵士達と意気投合して後方父親目線になってる忌破り追撃部隊の面々が微笑ましすぎるんですけど、「都会は危険がいっぱい」で行きずりの民間人にまで可愛がられてるミルクさんのカリスマ性、もうカリスマってレベルじゃなくない?異能かなにかでは??

一方のフェリスの方も、前述の書き下ろし短編のエピソードといい本編よりもラブコメみたいな展開が多くて楽しかったです。ライナと何故かBLカップルに間違われてカップリングにされそうになる「えきせんとりっく・かっぷる」の挿絵の二人の表情めっちゃ好きだな…………普通に読んでてライフェリ可愛いな〜って思う反面、この挿絵見てどうしようもなく「ライナは受けだよねわかるぅ〜〜」ってなってしまったので駄目だ……。

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「このラノ2022」感想と自分の投票の話

『このライトノベルがすごい!』編集部(編集) 「このライトノベルがすごい! 2022」
『このライトノベルがすごい!』編集部(編集) (著)
宝島社
発行:2021-11-25T00:00:01Z

多分5年ぶりくらいで「このラノ」アンケートに参加したのでざっくり本の感想と自分が投票した作品の話をします。昔は協力者でしたが今はそんなに読めてないのでWebアンケート経由でした。

いろんな切り口のランキングがあって面白かった

去年買ったときもつぶやいた気がするんですけど「年代別ランキング」と「女性票ランキング」いいよね〜!!少女向け作品はこの手のランキングでどうしても弱くなりがちなので女性票ランキングでランキング圏外作品が入ってるのみると嬉しくなってしまいます。女性主人公モノが強い中、「よう実」と「86」が比較的上位に入ってるのもわかるー。

総合ランキングのラインナップについては特に言うことないんですが、「春夏秋冬代行者」の冬主従が男男だと知って読みたくなりました。「佐々木とピーちゃん」は実は詰んでるので読みたい。あとキャラクターランキングはTOP5の代わり映えしなさがちょっと面白いですね……。

概ね私が参加した頃よりも紙面充実してる〜!!いいね〜!!って感想なんですけど、電書で読むと文字が小さすぎるのと「心が震えた名セリフ」のコーナーが消えてしまったのは残念でならないです。心が震えた名セリフのコーナー復活させてくれ。いやでもランキングと関係ないし紙面作る人の労力凄そうってのもわかる……。あと電書といえば、「このラノ2020」がおおむね2010年代ベスト的な内容で紙面としてめちゃくちゃ面白かったので後追いで電書化してくれないかなーって思ってる。

「人の推しコメントを見たい」欲が満たされた

わたし概ね「このラノ」についてはランキングじゃなくて自分の好きな作品の良質な推しコメントを摂取するために買ってるのですけど(人が好きな作品について語っているのを見るのは健康に良いので)、ここ数年のこのラノはコメント部分がめちゃくちゃ強化されていたのでそうだよ!これが読みたかったんだよ!!ってなりました。作品部門は文庫・新書部門合わせて30位まで載ってるし新作やキャラクター部門のコメント採用も拡張されてるし、ランキングとは関係ない後半の「ライトノベルジャンル別ガイド」の方にもしぶとくコメントが載ってる。印象的だったコメントのピックアップもある。推しコメント見たくて本買ってる身としてはこんなに嬉しいことはないですね。

投票する側としてもあまりマイナーな作品や少女レーベルの作品に投票しても死票が増えるだけで面白くないのである程度界隈で人気のある傾向の作品にハマれてない時期は投票へのモチベ下がってたみたいな部分があったんですが、こういう形でコメント採用されるとなるとランキング圏外確定な作品にも入れやすくなって良いなあと思いました。いやだって、コメント考える労力もタダじゃないじゃん……。

あと、協力者の投票については別個誰が何に投票したか、投票した人の所感が書かれているの凄く良かったです。実は2010年〜2014年の5年間「このラノ」の協力者として参加させていただいていたのですが、協力者の票って割と死票率高かったと記憶しているので……まああの頃はブログ文化が今よりも活発だったのでブログや当時の「好きラノ」が代わりを果たしていた気がしなくもないですが。

なお、たいへんな余談ですが「人様の推しコメントを摂取したい」という気持ちが昂じてラノベの推し作品を推してもらう企画本を3冊ほど出してます。3冊目は全文WEBから読めますので興味のあるかたはぜひどうぞ。こちらから読めます。以上宣伝でした!!!

これに投票しました

「声優ラジオのウラオモテ」だけコメント採用していただいてたので省いてます。声優ラジオ、コメントの採用があそこだけ全員30代以上なの地味に面白かったんですが読者の年齢層高めだったのか?いやフォローしてる20代の人も推してたからそんなことないはず……(震え声)

作品部門

1:紫大悟「魔王2099」→感想
サイバーパンクとファンタジーが融合した世界観に加えて、デジタル技術の恩恵を受けられない魔王が「動画配信」で力を取り戻す、という展開が面白かった。時代に忘れられた者同士である魔王と勇者の不倶戴天の敵同士でありながら背中を預けられる存在、という関係性も良い。
2:羊太郎「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」→感想
短編を含め20巻の大台を突破した本作だが、衰えないどころかクライマックスに向けて加速していくばかりの面白さは随一。キャラクターたちの謎も次々と明かされ、この後に待ち受けているであろう最終決戦に向けて期待が高まるばかり。
3:衣笠彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」→感想
学校全体で争われる特別試験で、3学年分のキャラクターたちの攻防を余すことなく描ききる展開がとにかく凄かった。ホワイトルーム生との水面下の戦い、綾小路を巡るラブコメ戦線もますます盛り上がってきており、更に波乱の予感しか感じさせない二学期に期待しかない。
4:石川博品「ボクは再生数、ボクは死」→感想
現実はでないVR空間上だからこそのインモラルな展開が最高に面白かった。どこまでも「命の軽い」軽薄な世界観と、それでいて物悲しくてロマンチックなラストが良かったです。
5:二月公「声優ラジオのウラオモテ」→感想

女性キャラクター部門

◆イヴ=イグナイト(「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」)
「デキる女」としての一面とは対象的に、私生活ではポンコツ気味なところがたまらない。実は世話焼きで苦労性なところもかわいい。

◆軽井沢恵(「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」)
彼女にはどんな形であれ幸せになってもらいたい。

◆堀北鈴音(「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」)
軽井沢とは違う方向で綾小路の「相棒」として成長してきた彼女の姿が頼もしい。

男性キャラクター部門

◆綾小路清隆(「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」)
冷徹無比な強キャラとしての一面とは別に、世間慣れしていない一面を時折覗かせるので目を離せなくなってしまう。特に軽井沢との「恋愛」が彼に何をもたらすのか、少し怖い反面楽しみで仕方がない。

◆グレン=レーダス(「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」)
普段のやる気のない言動とは裏腹に、誰よりも熱い心を持っているところ。システィーナやルミアなどヒロインたちの「ヒーロー」であると同時に、情に脆くて家族の情に厚い一面を覗かせる最近のセリカとの展開がとても良かった。

◆龍園翔(「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編」)
登場当初は暴力に頼るチンピラのような男だったのが、巻を重ねる毎に綾小路の好敵手として成長していく姿がたまらなくかっこいい。

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伝説の勇者の伝説5 出来心の後始末

 

言っとくがな俺の子じゃねーぞ!脱力系アンチ・ヒロイック・サーガ、第五弾!
フェリス・エリスは忙しかった。超絶変態色情狂の父親そっくりの少年を、せめて性格だけは、あの恐ろしい凶悪幼女誘拐変質男に似せないようにと、保護するのに。「だぁから俺の子供じゃないって言ってんだろうが!」と、必死の抗議をするライナ・リュートの声は、当然のごとく、まるっきり無視された……。とにもかくにも『複写眼』を持つ少年アルアをルーナ帝国軍から救い出したライナとフェリスは、依頼人であるアルアの幼なじみの少女が待つレジット村へと向かっていた。だが、そこでライナたちを待っていたのは……。なんとなく緊迫感が増しているような気がするアンチ・ヒロイック・サーガ、そういうわけで第五弾!

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ルーナ王国で『複写眼』を持つ少年・アルアを助け出したライナとフェリス。ところが今度は彼の幼馴染の少女・ククが拘束されてしまう。一方、着々と領土を広げるガスターク帝国の存在を驚異に感じるシオンは、同盟国であるルーナ王国に腹心・フロワードを向かわせて……。

ガスタークの登場で物語が加速するシリーズ第5巻

消息不明だったキファの視点から彼女とガスタークの王・レファルの出会いが描かれて、物語が加速してきた感じ。シオンと同じく「誰もが笑って暮らせる世界」を目指しながらもシオンが通りたくない血塗られた道を真っ向から歩き、その一方で理想の実現のためには自分が傷つくことを厭わないレファルの姿が衝撃的でした。ていうか汚れきったローランドのシオン反対派貴族達の後ろにいたのがなんていうか、こんな理想に殉じることができる男だっていうのが皮肉すぎるというか……。

絶大なカリスマとそれを実現するだけの力を持つレファルを目の当たりにしながらも「世界よりもライナが大事」と言い切るキファの姿がかっこいい。本編第一巻で、そして今回の過去回想で、様々な人間たちの思惑に翻弄され葛藤し続けてきた彼女の姿を知っているだけに特に。

ライナとシオン、両者の視点から描かれる物語が(改めて)しんどい…

『複写眼』を持つ少年・アロアの処遇と幼馴染の少女ククの奪還を巡ってスイ・クゥの兄妹と再び対峙するライナとフェリス。ガスタークの間者であることを明かした二人からガスタークの王のことや彼の持つ理想を聞かされて、それでもシオンの事を信じる、帰る国はそこにある……というライナ、正直めちゃくちゃアツい展開なんですけど、このシリーズってライナとシオンのW視点から描かれていてシオンの王としての葛藤を散々目の当たりにしてきているので素直に燃えられないというか……ライナの信頼、重てえ〜〜〜〜!!!!!ってなってしまうのあまりにも原作の構成が巧妙すぎて頭を抱える。ていうかほんとライナは今すぐローランドに戻ってシオンを3発くらい殴ったほうが良い。今なら多分?ギリ…?まだ……?間に合う??から???!!

ほんとこの話、いやもういいからライナはシオンの傍に居て見張ってろよ!!!ってなるシーン多すぎるんですけどライナを諸国周遊させてるのもシオンだからどうにもならない。シオン→ライナへの巨大感情もなかなかだなと思ってたんですけどライナもなかなかどうしてシオンにクソデカ感情抱えてたんだな。無事にククを救出してフェリスとともに光の中にいるライナと、道に迷い心折れそうになりながらも暗闇の中で独り明かりを探してさまようシオン、対比するにしてもしんどすぎるししんどいにしても情景が美しすぎてキレてる。フェリスとの背中合わせの相棒関係はいよいよツーカー感が増してきてよかったです。良かったですけど!!!

なんか割とコミカルな序盤、いつもどおりに貴族きたねえ中盤からの、もう終盤で一気にしんどい話が詰め込まれて読み終わって発狂!!て感じに情緒の撹拌が凄い一冊でしたがそんな中でククを奪還するためにアルアに魔術を教えるライナのシーンが唯一の癒やし。『複写眼』を持つが故に天才肌というか常人には理解しがたい解説をするライナと、そのライナの言葉を同じ『複写眼』持ちのおかげで直感的に理解しちゃうアルアという、はたから見ると何もわからない授業シーンが微笑ましい。ライナ絶対教師向いてないタイプだよな〜!!!いやもっと時間があって普通のこどもに教えるんならもっとまともな授業するのかもしれないけども……。

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薄幸な公爵令嬢(病弱)に、残りの人生を託されまして 前世が筋肉喪女なので、皇子さまの求愛には気づけません!?

 

回し蹴りを皇子に見(初め)られた!? スカッと爽快!悪は拳で解決します
武闘派OL呉葉は溺れていた子どもを助けて死亡。 すると『その強靭な魂わたくしにください』と虚弱な公爵令嬢クレハに転生――するも、寝たきり生活がツラくて町に下り、ごろつき相手に大立ち回りする現場を隣国の皇子イザークに見られてしまう。 その姿を気に入られた(?)呉葉は彼と秘密を共有し、本物クレハの命を奪った犯人を追い詰めることに!?

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男子顔負けの運動能力とメンタルの強さが自慢のOL・呉葉は子供を助けようとして川に落ち、意識を失ってしまう。死んだ──と思ったその時、不思議な少女と出会い──次に目を覚ましたときには夢(?)の中で出会った令嬢・クレハの身体に入ってしまっていた!?慣れない環境、過保護すぎる兄に翻弄されつつも兄の親友で隣国の皇子・イザークを巻き込み、この身体の本来の持ち主を殺した犯人を追うことになるが……。

やはり筋肉は裏切らないんだよ!!(迫真)

他人の人生を途中から引き受けることになり「引き継ぎが足りない!!」と悲鳴を上げながらも兄妹のより良い未来のために奔走する主人公の行動がいちいち気持ちよく、とても楽しいお話でした。魂の強さが肉体の強靭さに直結する=筋肉に裏切られる世界観という認識で笑ってしまったけど最終的には(前世から引き継いだ)筋肉でなんとかした感があるような気がしてしかたない。あとがきでもめちゃくちゃ筋肉トークしていて、こんなに筋肉の圧が強い少女小説読んだこと無い。やはり筋肉は裏切らないんだなあ(洗脳)

基本的にはパワフルな脳筋系OLが儚げで魔力の強い令嬢の肉体に入って彼女の生命を奪った犯人を追い詰めるというお話なのですが、その一方で他人のためでも軽率に命すら張れてしまうクレハの危なっかしさが内外から描かれていくのが良かったです。クレハを毒殺した犯人を追うのも「この身体の持ち主(クレハ)」とその兄のためであって、決して呉葉自身のためではないんですよね。でも、呉葉自身も生命を落とす前に職場の後輩から言われた「先輩自身は空っぽ」という言葉が小骨のように引っかかっている。決して強いだけではない、女性らしい繊細な心と不安定さが透けて見えるのが印象的でした。

過保護兄が最後に美味しいところを持って行き過ぎた

少女小説的にはクレハの秘密をいち早く知ってしまいって彼女の破天荒な行動に巻き込まれていくイザークとの、共犯というか背中を預けられる関係というかとにかく色気のないところから始まって、だんだん距離が縮まっていって互いに好意を持っていく関係性がとても良かった。色恋沙汰に無縁すぎた二人がお互いに抱いているその感情の名前をみつけるまでまだまだかかりそうだけど、そのもどかしさがとても美味しい。

……とか思いながら読んでたのですが、最後の最後でクレハの兄・テオバルトが美味しいところを全部持っていった感が凄くてですねええ!!妹のことを心配しすぎてちょっと引くくらいの過保護ぶりであるテオバルトがその裏で冷静に状況を分析し、妹への深い愛情故に起こったことを受け入れ、その上でこれまでと同じように接してくれるのあまりにも良い。本当にエピローグで大逆転ホームラン打たれた感がすごいんですが、同時に微妙に不吉な伏線も張られていて、続きが気になる所。

いやいろいろな意味で主人公カップルの関係性も「恋」に至る前の所で終わってしまったということもありますし、ちゃんと続きが出るといいなあ。楽しみにしてます。

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伝説の勇者の伝説4 大掃除の宴

 

新国王シオン、腐敗した王国内部のお掃除大作戦!
万年寝不足男のライナと、絶世の美女剣士兼理不尽だんご大王のフェリス。二人は『勇者の遺物』を求めてルーナ帝国へ潜入。そこで出会った少女に、ライナと同じ『複写眼』を持つ少年を助けてほしいと頼まれる。一方、ローランド帝国の新国王となったシオンは、いまだ勢力を誇る反国王派の貴族たちを一掃する必要に迫られていて…。眠気もふっとぶアンチ・ヒロイック・サーガ、なにはともあれ第四弾!

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伝説の勇者の遺物を求めて、ローランドの同盟国・ルーナ帝国にやってきたライナとフェリス。悪魔の呪いを受けたという村を訪れた二人はひょんなことからライナと同じ『複写眼』を持つ少年を助けることに。一方、シオンはいまだに大きな力を持つ反国王派の貴族たちへの対応を迫られていて……。

忌破り追撃部隊の「唯一の癒やし」具合がすごい

ローランドの同盟国・ルーナ帝国で出会った『複写眼』の子供アルアを通して描かれるライナの過去がとてもしんどい。回想シーンもそうですがリアルタイムで展開される残虐シーンにライナが自身の過去を重ねていく(=本人も同じ体験をしたことがある)ところとかほんとエグいんだよな……小説だとライナ本人の視点から物語が描かれるものだから余計しんどかったです。このへんはアニメで先の展開を知ってるぶんあまり語れることがないんですが……。

今巻はライナ&フェリスの方もローランド側も全体的にしんどい展開で、時折展開されるライナとフェリスのテンポのよい掛け合いの他には、ローランドに帰還して短い休みを取ってる忌破り追撃部隊のミルク達が唯一の癒やしまであった。というかシオンさんひょっとして完全に好奇心でミルクにライナ追いかけさせてたりする?ラブコメを見たいのかな?お見合いを勧めてくるお節介な田舎のおばちゃんか何かかな?

フロワードとクラウの関係性いいですね!!

一方のローランド、国内もまとめきれないうちに国外からガスタークという国が周囲の国を併合しはじめて彼らとの衝突は避けられないであろう状況に。シオンとフロワードは反対派の貴族たちの大多数を一箇所に集めて粛清することで国内をまとめようと考える。ローランドの貴族どもにおかれましては本当に1巻からろくなことをしてないことが散々語られてるので「目の上のたんこぶがやっと!!」という気持ちになってしまうんですが、大きな犠牲を払って行われた粛清は思わぬ伏兵の活躍により妨害され、完全に成功したとは言えない結果に終わってしまう。

正体不明の伏兵の手によって自らも生命の危機に陥ったフロワード。そんな彼を助けに来たのが、普段から彼のことを一番嫌っているはずのクラウでした。この二人の、「シオンが居なければ互いの人生に深く関わり合うこともなかっただろう(けどシオンがいるから関わらざるを得ない)」みたいな関係性めちゃくちゃ良いですね……シオンに対する役割や支え方・国を良くするための考え方が真逆であることも常日頃から冷戦状態な所もなかなかポイント高かったんですけど、クラウに助けられたフロワードがまさか自分が助けてもらえると思わなくて冷静を装いつつも内心ちょっと困惑している風なのとかたまらなかったです。でもこいつら、シオンが間にいなかったら殺し合っていてもおかしくなかったと思うんですよね。これからももっと積極的に絡んでほしい……。

それにしてもアルアの件にしてもフロワードの大粛清にしても、これだけ派手なお話やっておいてどう考えても今後への伏線でしかないよって終わり方するのがな……いやアニメで続きはざっくり知ってるんですけどこれ多分リアルタイムで読んでたら次の巻が待ちきれなくてソワソワしちゃうやつですよね……。

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伝説の勇者の伝説3 非情の安眠妨害

 

ライナとフェリスが指名手配!? アンチ・ヒロイック・サーガ、それなりに第3弾!
「…あんなぁ…おまえ、無理って言葉の意味、知ってるか?」 万年無気力男のライナと絶世の美女にしてだんご至上主義の女剣士フェリス。”勇者の遺物”を探す旅を続ける二人は、なぜか魔法を無断で国外へ持ち出した犯罪者、忌破りとして追手をかけられてしまう。彼らを追うのはエリート追撃部隊、しかもその隊長は…。――果たしてライナに安眠の日々は訪れるのか?

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伝説の勇者の遺物を追って引き続きネルファ公国で探索を続けるライナとフェリス。ところが、他でもない王のシオンの命を受けて行動しているはずなのに、『忌破り』としてローランドからも追われる羽目に!?追撃部隊の隊長・ミルクはライナの事を知っているようで……。

短編集とのリンクが気になる(情報量が、情報量が…多い!)

ライナとミルク達との邂逅、『勇者の遺物』を追う者たちとの衝突、エスタブールの内乱…と情報量が多い巻だった。シオン側の最大のイベントは間違いなくエスタブール内乱ですが、フロワードの提案した血も涙もない計画に乗ると見せかけて直前に不意打ちで計画の責任者に人情派のクラウを当てるのにはニヤリとしてしまう。良くも悪くも非情になりきれないシオンの方針を、フロワードも悪くなく思っているようではありますが。そしてエスタブール内乱、アニメでも割と印象に強いお話だったので誰が黒幕だったとかは覚えていたんですがその上で読むと問題の人が露骨に怪しい動きしててなるほどな……。

忌破り追撃部隊のミルクとライナ達が遭遇する話、これよんだことあるな…?とおもったら短編集の第一話の別視点になってるんですね!?同じエピソードを描く物語なのにこちらは少しだけミルク視点より、恋い焦がれたかつての幼馴染との再会とそのライナが自分のことを覚えていないことに対する不安で少しだけシリアス寄せのエピソードになっているのが印象的でした。いやその後の展開を考えると全く本来コミカルなエピソードでもない気がするんだけど。

あとがきでもそれとなく短編集とのリンクを匂わせてきていて、短編集読めという圧を感じる。第一話だけはアニメでもやってた話なので軽く読んだのですが……そうか……。

相変わらずライナとフェリスの関係性が良い…。

せっかく見つけた遺物を扱いきれず、その場に残してきてしまったふたり。シオンからの依頼で再度遺物のもとに戻る羽目になるが、そこでは周辺住民達が皆殺しにされていた。同じ勇者の遺物を狙う二人組と戦う羽目になるが、ライナの複写眼が暴走してしまい……。

暴走したライナに立ち向かうフェリスがかっこ良かった…!!!本来なら戻ることがないはずの複写眼保持者の暴走、しかもそれだけじゃなくてなんか更にヤバそうな天の声まで登場して……という絶望的な展開と、前巻からそれとなく描かれてきた「複写眼が暴走して彼女を傷つけたら」というライナの心配を見事にぶったぎってくれる、フェリスの目のさめるような身のこなしと口上が最高でした。

バトルの前に描かれた、フェリスの微妙な表情変化に気づくライナとか、衣食住だんご+昼寝に端を発したふたりの仲良さそうなやりとりとか、そういう空気感の描写が丁寧に入ってくるからこそ暴走したライナにフェリスが伝えた「茶飲み友達」という言葉が刺さるんだよね……。一見興味なさそうな彼女がライナの書いたレポートの最初の文章を心に焼き付けているという事実に、胸が熱くなる。

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