ただの後方腕組転生者、うっかり勇者に拍手を送ったら黒幕扱いされる。 | 今日もだらだら、読書日記。

ただの後方腕組転生者、うっかり勇者に拍手を送ったら黒幕扱いされる。

 

ただの勇者ファンなのに……うさんくさすぎて“黒幕”認定!?
転生者エモ・スギルは勇者の大ファンである。 陰ながら応援していた彼も、勇者が魔王を討ったその時だけは、感謝の拍手を送ろうと一歩踏み出して―― 「素晴らしい。まさかこれ程とはね」「お、お前は……?」 張りついた笑みとうさんくさい言動から、勇者に“黒幕”だと誤解され!? 国から指名手配もされて逃亡生活が始まるも、 「第二の人生はあなたに捧げますわ!」 世を忍んでいた悪役(ヴィラン)たちが次々にそのカリスマオーラに心酔! 勝手に“組織”のトップに祭り上げられ……? ただ黒幕っぽいだけのモブ転生者が、勇者(推し)と世界に絶望をもたらす――ちょっぴりダークな勘違い系ファンタジー!!

勇者の「大ファン」で勇者パーティを「陰ながら応援」していた転生者のエモ・スギル。魔王を倒した彼を見て思わず後方から拍手を送ったら……なぜか勇者に魔王の裏にいた黒幕だと勘違いされてしまう!?

エモ子それ「勘違い」やない、言葉が足りないって言うんや

いや面白かった……主人公がそのうさんくささや言葉の足りなさからあらゆる場面で誤解され、本人の思惑とは逆方向にオオゴトになってしまうという勘違コメディ。勇者の応援をしているはずが気がつけば魔王の元側近やら封印されていた魔神やらとにかくヤベえ奴らに(勘違いで)心酔されてしまって本当の黒幕のような状態になってしまう話をコメディと言わずなんと言おう。嘘は言ってないです。

この手の自身は何も持っていない主人公がスゲえ奴らから勘違いされて彼らのリーダーに……みたいな話ってなんというかこう、ハッタリとか嘘がいつバレるかわからない綱渡り感とかそういうのがある程度あるもんだと思うんですけど、これはマジで素でやってる上に勘違いされてることすらロクに気づいてないのだからたちが悪い。なんならこの主人公、最初から最後まで勇者がなんで自分のこと指名手配したのかも解ってないんですよ。

本当に本人は最初から最後まで「ファン活」をしているつもりなのに、気づけばその自称「ファン活」のとばっちりで大変なことになってしまう推し(勇者)と世界が本当に滑稽……かわいそ……怖……面白かったです。

意思疎通出来ないのもここまで行くとホラー

勇者と一般人の異世界勘違いコメディ──だと最初は思って笑いながら読み進めていたわけなんですけど、読めば読むほど「勇者の大ファン」と評しながらも勇者自身の心情を一切理解しようとせず、勇者の言葉を自分の都合のいい方向だけに解釈して喜んでる主人公が不気味に思えてくるし、いっさい意思疎通が図れないの怖くなってくる。主人公の一人称なのにこんなにも主人公の言動が一切理解できない事ってある!?

しかもタチが悪いのは主人公にとってはあくまで勇者さえ「応援」できれば他はどうでも良いという部分。主人公が勇者を「推してる」せいで次々と破滅していく勇者の周囲。そしてそれらを破滅させた元凶である、何を言っても勇者の事を好きだと嘯く謎の男。こんなん勇者じゃなくたって発狂するわ。

いっそ主人公が勇者に執着するあまり彼に近づく者全てに害意を持ってるとかならわからなくもないんだけど、別にそうじゃないんですよね……主人公にとっては勇者が大事にしているものとかはマジでどうでも良いし、視界に入ってないというか。考えるととてつもなく盲目的な執着とクソデカ感情を見せられている気もしたんですけど、それ以上に人間として当たり前に持っているはずの何かを欠落させてしまっている感じが凄いというか。

主人公の引き起こした事態が笑い事じゃなくなったあたりから徐々にサイコホラーみでてきて、この物語のジャンルが「ダークファンタジー」と書かれている理由が理解できました。いやこれもう一周回って本当にこの主人公って勘違いじゃなく普通にヤバいヤツだとおもうんだわ……お仲間の皆さんも勘違いじゃなくてそういう主人公のヤバさを感じ取って集まってきてるんじゃない……?

そして色んな意味で先の読めない終わり方で、面白かったんですけど早く続きが読みたいってなる。いやこれ早急に2巻決まってよかったな……。

スニーカー文庫さんの紹介漫画商法上手い

ツイッターでどなたかの感想が万バズして話題になった本作ですが、個人的にはその流れで私のTLに流れてきたプレビューコミックがめちゃくちゃ面白かったので手を取った感じでした。スニーカー文庫さん、前に「誰が勇者を殺したか」のプレビューコミックも凄い良かったと記憶してるんだけどこの方向のマーケティング上手い人が居ますね……?

プレビューコミック、胡散臭い糸目男子キャラに定評のある作家さんにお願いしていて(興味のある人は「妖しいね☆わたしの弟ギョーメイくん」を読もう)どこの属性に刺したいのかはっきりしていて好感度高かったです。いや本当にこのエモくんは胡散臭いな……!!!

ここまできたら公式PVにはなんとしても石田彰さんを呼んでもらわないとと勝手に思っている。

話題のエンタメ小説・ライトノベル作品を漫画でざっくり紹介する『イントロ漫画』企画。今回はスニーカー文庫刊行の『ただの後方腕組転生者、うっかり勇者に拍手を送ったら黒幕扱いされる。』(著:森空亭/イラスト:sinsora)をピックアップ。丸尾ろこミさんによる漫画を読んで気になった人は原作情報もチェックしてみよう!

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