3巻無料にかこつけて『ようこそ実力至上主義の教室へ』を布教する | 今日もだらだら、読書日記。

3巻無料にかこつけて『ようこそ実力至上主義の教室へ』を布教する

「キミラノ」とMF文庫Jのコラボ企画で、
5/15〜29まで『ようこそ実力至上主義の教室へ』が3巻無料になるそうです。


いつか作品をまとめて語る機会があれば語りたい……と思っていた作品だったのでここぞとばかりに布教記事を書きました。気になる!!気になった!!!というひとはこの機会に読んでみてほしいし出来れば4巻以降も読んでみてほしい。なんなら知り合いになら4巻のギフトコードを送ることも辞さない。どうぞよろしくおねがいします。


あらすじ(※軽くネタバレあり)

生徒達を『実力』で4つのクラスに振り分け、独自のカリキュラムによる次代の人材育成を行う全寮制の学校・高度育成高等学校。卒業後はあらゆる進路が確約されるが、その恩恵を受けることが出来るのはAクラスで卒業した生徒達だけ。定期的に開催される過酷な『特別試験』では退学者を排出することも。かくして、Aクラスで卒業することを目的としたクラスカースト争奪戦が幕を開けるのだった。

──そんな中で最底辺のDクラスに振り分けられたものの、Aクラスへの成り上がりには興味がない主人公・綾小路清隆。子どもたちを集め、過酷なカリキュラムにより天才へと育成する機関「ホワイトルーム」唯一の成功例であった彼は、高度育成高等学校に入学することで得られる俗世間との完全隔離=「3年間の自由」を満喫するため、ことなかれ主義と嘯きながら目立たない一生徒を演じようとしていた。Aクラスへの昇格に拘るクラスメイトの掘北鈴音に力を貸し、あるときは巧みに利用したりしながら平穏な毎日を送ろうとする綾小路。ところが、彼を連れ戻そうとする「ホワイトルーム」からの妨害工作が始まり──。

個人的に推してる所

主人公・綾小路清隆の超ハイスペックな「ひとでなし」ぶり

幼少の頃より社会から隔離され、人間としての感情を削り落とされるような過酷なカリキュラムによって後天的に作られた「天才」である綾小路。事なかれ主義を謳いながら掘北や櫛田とラブコメ的な何かをしていた頃は典型的なやれやれ系ラノベ主人公(死語)かな…と思ったのですが、物語が進むにつれ、その裏にある「自分以外の誰がどうなろうと構わない、最後に自分が勝ってさえいればいい」という信念が明らかになっていきます。

味方であるはずのクラスメイト達すらも欺き、その裏で(綾小路にとっての)完全勝利を掴んでいく姿は爽快でこの作品が「主人公最強」とか「俺TUEE」と言われる所以であるわけですが、同時に、読めば読むほど綾小路の人間としての欠落・不完全さが気になってきてしまう。世間と隔離されて生み出された天才であるが故に「一般人の正解」が解らずに突拍子もない行動を取ってしまったり。他人の情緒が理解できなかったり(※理解できないだけでそこを計算に入れて動くことは出来る)。一年間の高校生活で自分の中に覚醒め始めた感情を他人事のように眺めている節があったり。特に、綾小路の情緒面での成長…というか移り変わりは今後の展開におけるキモなのかなと勝手に思っていて、今後掘り下げが来るのを楽しみにしています。

それにしても最近の話で序盤の頃のやれやれキャラは、世間に疎い綾小路が無理して作った「普通の男子高校生っぽい人格」だったことが発覚しましたが、一体彼は入学前に何を読んで普通の男子高校生を理解しようとしてたんでしょうね……ラノベかなにかか?

「Aクラスでの卒業」を巡り、繰り広げられるそれぞれの生存戦略

生徒達の普段の行動、テストでの成績、そして定期的に開催される「特別試験」の成績を加味して各クラスに「クラスポイント」が与えられ、そのポイントの増減によってクラスのランクが決定される。また、月初のクラスポイントによって生活費含む学内のあらゆることに使える「個人ポイント」が支給され、相応の個人ポイントを払えば任意のクラスに転入することさえ出来る。

以上を踏まえて繰り広げられる、各クラス同士、時には学年を超えて繰り広げられるポイント争奪戦が熱い。クラスが一枚岩となって戦う必要があると同時に、個人ポイントを稼ぎさえすれば自分だけAクラスに転入することも出来るため、クラスの中でも様々な思惑が交錯するのが面白いですね。他のクラスと内通してクラスメイトを欺こうとする者、様々な奇策を用いて個人ポイントを集め、ランクアップを狙う者……様々な動きが見えてくるのが印象的。

原作の副読本としておすすめしたいアニメ版

原作1〜3巻に4.5巻の内容の一部を入れ込んだアニメ版ですが、個人的にめちゃくちゃ楽しかったのがエンディングのキャストロールに各キャラクターの持ち点が表示されている所。どの場面で誰が何点くらい持ってるのかわかるので(原作と完全に同じ点数なのかどうかはわからないけど)、いろいろな想像が膨らむ。

綾小路の本心が最終話まで見ないと明かされなかったり…と、若干原作を読んでないと分かりづらいところがあるラノベアニメにありがちな作りではあるのですが、原作を踏まえてみるとめちゃくちゃ面白かったです。あと綾小路役の千葉翔也さんの棒読み推せる(序盤はまじで棒読み感あって心配になるけどだんだん演技してる感じの棒読みになってくるような気がするし、特に茶柱先生から父親の事を追求されたときに一瞬だけ感情込めてしゃべってくる感じとかたまらない)。Amazonプライム等で見放題配信されているので興味のある人は見てみてください。

個人的に好きなエピソード

「ようこそ実力至上主義の教室へ3」→感想
今この瞬間だけ、本心で語ろう
無人島サバイバル編。初めての「特別試験」、各クラスのやり口が示される初めての巻でもあり、これまで地の文ですら本心を偽ってきた綾小路がはじめて「本心」を吐露する(地の文で)エピソード。とりあえず、読み始めたら最低でもここまでは読んでほしい。アニメもここまで。
「ようこそ実力至上主義の教室へ4」→感想
恋愛側ヒロイン・軽井沢さん爆誕
3巻で本心を少しだけ見せた綾小路が、手加減なしにえげつないやり口を発揮する回。恣意的に過去のトラウマを再現させ、マッチポンプで軽井沢の感情を自分へと向けさせようとする綾小路のやり口がどこまでもひとでなしな上に、ここで見いだされるヒロイン軽井沢恵がこんな出会いなのに4.5巻以降のエピソードで真っ当に綾小路に恋してしまうのがしんどいofしんどい。今回無料になる原作小説3巻分までだと彼女の魅力は殆どわからないので、3巻まで読んだ人は騙されたと思って4巻も読んでほしい。
「ようこそ実力至上主義の教室へ5」→感想
世間の「普通」がわからない綾小路の行動が楽しい
普段のテストではわざと間違えて点数を調節していた綾小路が初めて「一般人の平均」を掴みそこねてうっかり目立ってしまうエピソード。運動神経が人外な須藤の基準を参考にして高すぎる数値を出してしまうのにはつい笑ってしまいますがそこまで細かく調整できるってことはさぁ…。本編も、Cクラスの龍園に追い詰められた堀北が「他人を頼る」事を覚えるエピソードでとても熱い。堀北鈴音の水面下での成長は正統派に面白いし少年漫画の王道主人公的ですらあるんですが、これそういう話じゃないんでこの辺から影薄くなりがちなんだよな…。
「ようこそ実力至上主義の教室へ7」→感想
龍園と綾小路の殴り合いが最高(腐女子なみのコメント)
堀北の裏にいる黒幕(=綾小路)のあぶり出しを狙うCクラスのリーダー・龍園と、その龍園からの追求を逃れて表舞台から消えたい綾小路の正面対決。どこまでも汚い手口と暴力を使って周囲をねじ伏せる龍園をそれ以上の汚い手口と暴力で屈服させる綾小路のやり口がどう考えても真っ当な主人公のやることじゃないんですけど綾小路と龍園の殴り合いの挿絵が最高すぎて無理。とばっちりで過去のトラウマを掘り起こされる軽井沢さんは本当に幸せになってほしい…。
「ようこそ実力至上主義の教室へ7.5 」→感想
はじめての雪でテンション上がる綾小路が可愛い(挿絵付き)
冬休みの出来事を描く息抜き的な短編集なんですけど、人生で初めての雪にテンション上がってるっぽい綾小路が可愛いにすぎるので全ラノベ好き女子オタク読んでほしい回。あと、綾小路への想いを自覚した軽井沢さんがどこまでも可愛い巻なんですけど7巻で何があったかを思い出すと全く安心して見守れないのが困る。この出会いが仕組まれた物であると知りながら綾小路に惹かれていく自分を止められない軽井沢さん本当に可愛いんだけど綾小路によって仕組まれた出会いなんだよな…。
「ようこそ実力至上主義の教室へ8」→感想
男子生徒に焦点を当てたエピソード(綾小路は巨○ン)
男女別れて上級生と組んでの特別試験、綾小路の友人である幸村の内面での成長劇、クラスきっての問題児である高円寺との対峙などなど、男子生徒に焦点を当てたエピソードなんですがそんなことより突然はじまった男風呂での男のシンボル対決が忘れられないどうしてこうなった。どこまでもシモネタで突っ走る展開が、なんというかエロゲライターさんの書く文章だなあ〜〜という感じで大好きだし笑いが止まらない。綾小路は大きい。
「ようこそ実力至上主義の教室へ9」→感想
裏から事態を操り美味しいところを攫う、原点回帰な面白さ
Bクラスのリーダー・一之瀬が陥った窮地を救うために動く裏でAクラス&新生徒会の動きを牽制し、身内の敵である櫛田と取引し、今後の自分の行動に対して利になりそうな相手に繋ぎをつける。展開としては割と地味だけど「黒幕・綾小路清隆」という存在の面白さが全部凝縮したような話なんですよね。あと個人的に9巻の挿絵がめっちゃ好きなんですよ…悪い笑顔の綾小路の挿絵めっちゃ好き。
「ようこそ実力至上主義の教室へ11.5」→感想
短編集という名の「一年生編」エピローグ。
綾小路が本気を出して強敵・Aクラスに挑む11巻も最高に楽しかったのですけど(というかあれは面白くないわけがないお話)、短編という名でこれまでの人物たちの成長とこれからを描く11.5巻が本当に「1年生編」エピローグとしてポイント高い。なにより衝撃的だったのはやはりラストの軽井沢とのやりとりと綾小路の「独白」。感情の機微を理解できない綾小路が軽井沢というパートナーを得てどう変わるのか。それとも何も変わらないのか。2年生編のプロローグとしてもポイント高いエピソード。

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